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祝日の種類や意味、ハッピーマンデー制度とは?3連休になる日とならない日の違い

2023年9月13日

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余暇を過ごす家族

元旦や成人の日、敬老の日、スポーツの日・・・。

日本には、国民の祝日に関する法律で定められた祝日があります。

これまで祝日として固定とされてきた日付も移動されたことで毎年日付が異なり、戸惑う方も多いのではないでしょうか?

今回は、祝日の仕組みやそれぞれの意味、ハッピーマンデー制度などその後の移り変わりを紹介します。

年中行事・イベントについては、下記記事でまとめていますので併せてご参考ください。

祝日法とは

祝日法は、正式には「国民の祝日に関する法律」といい、1948年(昭和23年)7月20日に公布され、即日施行された日本の法律です。

祝日(国民の祝日)

祝日は、国民の祝日に関する法律(祝日法)で定められており、その第1条ではその意義を以下のように規定しています。

自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。
内閣府の公式サイトより

現在、祝日は1年間で16日あり、1月1日の「元日」、2月11日の「建国記念の日」のように日にちが固定されているものもあれば、「成人の日」や「海の日」のように、「○月の第○月曜日」と定められ、毎年連休になるように定められているものもあります。

祝日の種類

国民の祝日はどんな種類があるのか、祝日法第2条では以下の通り規定されています。
カッコ内は、2023年(令和5年)の祝日です。

元日:1月1日
年のはじめを祝う。

成人の日:1月の第2月曜日(1月9日)
おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。

建国記念の日:2月11日
建国をしのび、国を愛する心を養う。

天皇誕生日:2月23日
天皇の誕生日を祝う。

春分の日:春分日・3月20日~21日(3月21日)
自然をたたえ、生物をいつくしむ。

昭和の日:4月29日
激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。

憲法記念日:5月3日
日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。

みどりの日:5月4日
自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。

こどもの日:5月5日
こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。

海の日:7月の第3月曜日(7月17日)
海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。

山の日:8月11日
山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。

敬老の日:9月の第3月曜日(9月18日)
多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。

秋分の日:秋分日・9月22日~23日(9月23日)
祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。

スポーツの日:10月の第2月曜日(10月9日)
スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う。

文化の日:11月3日
自由と平和を愛し、文化をすすめる。

勤労感謝の日:11月23日
勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。

日本は、世界でも祝日の多い国として知られています。
祝日とは、昨今では土曜日と日曜日とは別に追加された単なる休日として認識されていますが、もともとは何かを祝う日のことです。

祝日の本当の意味を知ると、単なる休日にも特別な価値が生まれるでしょう。

振替休日

祝日法が施行されたと同時に、国民の祝日が日曜日にあたる時は、その翌日を休日とするという振り替え休日制が取り入れられています。

祝日法の第3条には、以下のように規定されています。

 (1)「国民の祝日」は、休日とする。
 (2)「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。
 (3)その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。
内閣府の公式サイトより

祝日と休日の違い

祝日とは、政府が祝日法として定めた日本国民の祝祭日のことです。

休日とは、業務・営業・授業などを休む日のことです。

祝日が1年の行事としてあらかじめ決められているのに対し、休日は個人がお店を休む日などを自由に決めることができます。

トレッキングの休憩タイム

ハッピーマンデーとは

ハッピーマンデーは、2000年より導入された「ハッピーマンデー制度」のことです。

国民の祝日の一部を、従来の固定日から特定の月曜日に移動させ、週末となる土曜日・日曜日と合わせて3連休にした制度です。

1998年に、国民の休日に関する法律(祝日法)の一部が改正され、成人の日や敬老の日などが月曜日に移されました。

このハッピーマンデー制度の意義は、週末と祝日を合わせて連休を取得しやすくすることで、国民が余暇を有意義に過ごしてもらい、豊かでゆとりある生活を実現することを趣旨としています。

また、国民の旅行や外出などによる消費活動を促して日本国内の景気の底上げを図るための政策の一環も含み、旅行・観光業やレジャー業などを活性化させ、経済効果を期待する目的もあります。

現に、敬老の日が9月の第3月曜日に移ったことで、シルバーウィークと呼ばれる長い秋休みが生まれたことは記憶に新しいでしょう。

シルバーウィークには長期の旅行に出かける人も多く、大きな経済効果がありました。

しかし一方では、ハッピーマンデーは元の記念日の意義を損ねている、学校などで月曜日のカリキュラムが消化しきれなくなる、週末は基本的に休診となる医療機関の受診できないなどといった問題点や懸念も指摘されています。

1月のカレンダー

ハッピーマンデーになる祝日と理由

ハッピーマンデー制度により、月曜日に移動することになった祝日は以下の通りです。

成人の日:1月15日 → 1月第2月曜日
海の日:7月20日 → 7月第3月曜日
敬老の日:9月15日 → 9月第3月曜日
スポーツの日:10月10日 → 10月第2月曜日

この4日間を見ると、特に重大な意味をもっている日とは考えにくいことがわかります。
あえてその日でなくとも祝日として成立するように思えます。

語弊があるかもしれませんが、簡単にいうと移動しやすい祝日であり、その日であることに特段の強い意味をもたない祝日が対象となったのでしょう。

2000年(平成12年)年1月10日は成人の日で、国民の祝日を月曜日に移して3連休とする「ハッピーマンデー制度」が初めて適用されました。

従来1月15日に固定されていた成人の日を1月の第2月曜日にし、土曜日から3連休にすることで新たに祝日を設けなくても旅行などの需要を生み出せます。

スポーツの日(体育の日)は10月10日から10月第2月曜日に変更され、2003年より海の日と敬老の日もハッピーマンデー制度の対象となり月曜日に移動されています。

成人の日やスポーツの日、海の日、敬老の日については、下記記事で解説していますのでご参考ください。

ただし、かつて成人の日だった1月15日は「小正月(こしょうがつ)」と呼ばれ、奈良時代以降は元服(大人の仲間入りをする儀式)が行われていた風習がありました。

また、スポーツの日に固定されていた10月10日は、1964年に開催された東京五輪の開会式にちなんだ祝日だったため、従来から定められていた祝日の由来や本来の意味が薄れてしまうとの批判があります。

成人の日

ハッピーマンデーにならない祝日と理由

前項では、ハッピーマンデー制度により月曜日に移動する祝日を説明しましたが、ハッピーマンデーにならない祝日もあります。

元日:1月1日(四方拝)
建国記念日:2月11日(紀元節)
春分の日:3月20日~21日(春季皇霊祭)
昭和の日:4月29日(天長節・昭和)
憲法記念日:5月3日
みどりの日:5月4日
こどもの日:5月5日
山の日:8月11日
秋分の日:9月22日~23日(秋季皇霊祭)
文化の日:11月3日(明治節)
勤労感謝の日:11月23日(新嘗祭)
天皇誕生日:12月23日(天長節・平成)

繰り返しになりますが、ハッピーマンデーは日付を固定せずに第○週月曜日が休みとなる祝日のことを指します。

土曜日・日曜日・月曜日(祝日)の3連休が増えたため、昔に比べてかなり連休が増えました。

ハッピーマンデーになる祝日とならない祝日がありますが、この違いは「祝日」と「祭日」の違いでしょう。

元々「祝日」であった日は、ハッピーマンデー制度の対象となりましたが、元々「祭日」であった日はそのままの祝日とされました。

祭日とは、戦前まで皇室を中心としたお祭りが催されていた日であり、ハッピーマンデー制度ができる以前は「祭日」という言葉が使われていたのを見たり聞いたりしたことがある方もいるのではないでしょうか。
文書を作成するにしても「祝祭日」と入力していた気がしませんか。

11月のカレンダー

では、この祭日に当たるとされる日の意味を一部だけ簡単に説明すると、ハッピーマンデーにならない理由がわかると思います。

元日

元日はもう説明する間でもなく、1年の始まりを表している祝日です。

もし、元旦が1月1日ではなく毎年日にちが変わるとなると、元旦の祝日である意味がなくなってしまいます。

元日(元旦)については、下記記事も併せてご参考ください。

憲法記念日・みどりの日・こどもの日

ハッピーマンデー制度の目的は、3連休を作ることです。

憲法記念日は祭日ですが、3つの祝日が続くことで長い連休となりがちなゴールデンウィークという、すでに形成されている祝日をわざわざ移動させる必要がないためです。

憲法記念日・みどりの日・こどもの日については、下記記事も併せてご参考ください。

山の日

山の日は、元々は祝日のない6月、海の日の翌日、お盆前にするといったいくつかの案がありました。

さまざまな考案を経て、定められた8月11日は山にまつわる意味もあるようです。

都道府県によって独自に設定された山の日が8や11を用いていたこと、漢字の「八」の字が山の形に、木が立ち並ぶイメージから「11」というふうに山を連想させる数字を選んだともいわれています。

山の日については、下記記事で解説していますのでご参考ください。

勤労感謝の日

勤労感謝の日は、元々は五穀豊穣を祝う「新嘗祭(にいなめさい)」が起源とされています。

新嘗祭は、農作物の恵みに感謝する宮中行事で、日本書紀にも記載されているほど古くから伝わる伝統行事で、収穫した農作物を神様にお供えしたり、天皇に召し上がってもらうことが風習となっています。

新嘗祭が勤労感謝の日になったのは、戦後、天皇の宮中行事と国民行事を切り離すというGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の考えにより、1948年(昭和23年)に「新嘗祭の日」を廃止し、国民の祝日である「勤労感謝の日」へと変わりました。

勤労感謝の日については、下記記事で解説していますのでご参考ください。

結論として、ハッピーマンデーにならない日は皇室が関係している祭日です。

文化の日である11月3日は明治天皇の誕生日で、日本国憲法を発布した日でもあります。

文化の日については、下記記事で解説していますのでご参考ください。

また、春分の日や秋分の日は、春期皇霊祭・終期皇霊祭という天皇家のご先祖を祭る日で、建国記念の日は神武天皇即位記念日です。

春分の日や秋分の日、建国記念日、天皇誕生日については、下記記事で解説していますのでご参考ください。

2024年の国民の祝日・休日

2024年における国民の祝日と休日は、以下の通りです。

  • 元日      1月1日
  • 成人の日    1月8日
  • 建国記念の日  2月11日
  • (休日 2月12日)
  • 天皇誕生日   2月23日
  • 春分の日    3月20日
  • 昭和の日    4月29日
  • 憲法記念日   5月3日
  • みどりの日   5月4日
  • こどもの日   5月5日
  • (休日 5月6日)
  • 海の日 7月15日
  • 山の日 8月11日
  • (休日 8月12日)
  • 敬老の日    9月16日
  • 秋分の日    9月22日
  • (休日 9月23日)
  • スポーツの日 10月14日
  • 文化の日   11月3日
  • (休日 11月4日)
  • 勤労感謝の日 11月23日

2月12日・5月6日・8月12日・9月23日・11月23日は、国民の祝日に関する法律第3条第2項に基づく休日、いわゆる振替休日となります。

2025年の国民の祝日・休日

2025年における国民の祝日と休日は、以下の通りです。

  • 元日      1月1日
  • 成人の日    1月13日
  • 建国記念の日  2月11日
  • 天皇誕生日   2月23日
  • (休日 2月24日)
  • 春分の日    3月20日
  • 昭和の日    4月29日
  • 憲法記念日   5月3日
  • みどりの日   5月4日
  • こどもの日   5月5日
  • (休日 5月6日)
  • 海の日     7月21日
  • 山の日     8月11日
  • 敬老の日    9月15日
  • 秋分の日    9月23日
  • スポーツの日 10月13日
  • 文化の日   11月3日
  • 勤労感謝の日 11月23日
  • (休日 11月24日)

2月24日・5月6日・11月24日は、国民の祝日に関する法律第3条第2項に基づく休日、いわゆる振替休日となります。

祝日に関する疑問Q&A

国民の祝日について、多かった疑問や不明点をQ&A形式でまとめてみました。

3月3日はなぜ祝日ではないのか?

5月5日が端午の節句という男子を中心とした子供の日という祝日があるのに対して、桃の節句という女子の日である3月3日は、なぜ祝日ではないのかという疑問がある方も多いでしょう。

実は、江戸時代には五節句の1つとして桃の節句も祝日とされていたといわれています。
しかし、明治時代に新暦が採用された際に五節句の祝日が廃止されてしまいました。

五節句とは、年に5回ある重要な季節の折り目として神祭が行われる日とされており、祝日は5月5日の端午の節句、子供の日のみです。

人日(じんじつ):1月7日
上巳(じょうし):3月3日
端午(たんご):5月5日
七夕(しちせき):7月7日
重陽(ちょうよう):9月9日

6月に祝日がないのはなぜなのか?

6月は、特別な皇室行事や記念行事がないために祝日がありません。

お盆はなぜ祝日ではないのか?

お盆休みという言葉があるように、8月中旬は企業によっては休みとするところもあるでしょう。

また、学校はちょうど夏休み期間中ですが、ほぼ休みのない部活動で唯一お盆期間と正月だけは休みになっていたと思います。

実は、お盆休みは祝日法として定められていないため、祝日ではありません。

お盆の時期は新盆で取り扱う地域と、旧盆を採用する地域で異なることもあり、地域によっては不公平が生じる恐れがあるため、正式に制定されていないという理由もあるようです。

なぜ祭日がなくなったのか?

祭日は、かつで宗教儀礼を行っていた日です。

もともと皇室祭祀令という皇室の祭祀(宮中祭祀)に関する法令があったため、祭日として定められていました。

しかし、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の考えに基づき1947年に廃止されたため、現在では祭日はなくなっています。

終わりに

従来から定められた祝日には、その日と制定された意味や由来があります。

それを軽視しているようなハッピーマンデー制度には、あまり良い印象をもてない方も多いでしょう。

しかし、ハッピーマンデーができてから早くも20年近くが経っており、今ではもう違和感がなくなっているのも事実です。

祝日の中でもハッピーマンデーになる日とならない日には それぞれの意味が関係していたことを思うと、日本の歴史や時代の流れには奥深さがあります。

ハッピーマンデーには賛否両論ありますが、国民が余暇を楽しく有意義に過ごしてもらうことを趣旨としていることを考えると、3連休の恩恵を素直に受け止め、充実した休みにしたいものですね。

余暇を過ごす男性

以下の記事は、日本の年中行事や国民の祝日をカレンダー形式に、昔から受け継がれてきた伝統文化や風習を紹介しています。

日本には、古くから伝わる行事や風習のほか、他国からの影響を受けたイベントがたくさんあります。

買い物のキャンペーンでお得に利用したり、旅行や外出を楽しんだりするなど、あらゆる計画のためにベストシーズンを知っておくことで、より充実した楽しい1年を過ごせたら幸いです。

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