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スポーツの日が体育の日から名称と日付が変わった理由とは?東京五輪との関係も解説

2023年9月12日

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スポーツの日(イメージ)

国民の祝日の1つ、体育の日から名称が変更された「スポーツの日」。

小・中学校の運動会や高校・大学の体育祭など、スポーツイベントとして50年以上慣れ親しんできた「体育の日」が、なぜ「スポーツの日」になったのか?

また、日付も従来の10月10日から変わりいつになったのか、その理由は?

今回は、スポーツの日について意味や起源、体育の日からの名称変更や日付移動の理由などを解説します。

バスケットボールやバレーボール、卓球など、日本選手の世界での活躍が目まぐるしいので、この勢いにのってスポーツを始める機会になれば幸いです。

他の年中行事・イベントについては、下記記事でまとめていますので併せてご参考ください。

スポーツの日とは

スポーツの日は、国民の祝日の1つで「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」ことを趣旨として定めています。

運動することだけでなく、スポーツを通してあらゆる人たちとの交流を図りながら、健康的に生き生きとした社会を作っていくことを目指している日ともいえます。

日本における国民の祝日に関する法律(祝日法)としては、初のカタカナの祝日です。

当日は、健康のために体を動かすイベントなどが全国各地で催されています。

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スポーツの日の起源・由来

スポーツの日は、元々は「体育の日」でした。

実は「体育の日」になる前に、国民の祝日ではありませんでしたが、10月の第1土曜日がスポーツ振興法による「スポーツの日」とされていました。

1964年(昭和39年)に東京五輪が行われたことを記念して、1966年(昭和41年)に開会式の日だった10月10日を、国民の祝日「体育の日」として制定されました。

祝日法によると、体育の日は「スポーツにしたしみ、健康的な心身をつちかうこと」ことを趣旨として制定された祝日となっています。

その後、祝日法の改正によりハッピーマンデー制度が適用され、2000年(平成12年)より体育の日は10月第2月曜日となりました。

2020年(令和2年)は東京五輪・パラリンピックの開催年で、この年に限り特別措置法により、東京五輪の開会式が予定されていた7月24日に日付が変更され、同時に「スポーツの日」へと名称が変更されました。

しかし、2020年の東京五輪・パラリンピックは新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の世界的な流行を受けて、翌年に開催が延期されています。

そして、2021年(令和3年)に東京五輪・パラリンピックが開催され、スポーツの日は7月23日に日付が変更され、その日に東京2020オリンピックの開会式が実施されました。

余談ですが、この特別措置法により「海の日」と「山の日」も移動されています。

2020年
・海の日… 2020年 7月23日(木)
・体育の日… 2020年7月24日(金)
・山の日… 2020年8月10日(金)

2021年
・海の日… 2021年7月22日(木)
・体育の日… 2021年7月23日(金)※スポーツの日に改名
・山の日… 2021年8月8日(日)

2022年以降
・海の日…7月の第3月曜日
・スポーツの日… 10月第2月曜日
・山の日… 毎年8月11日

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体育の日から名称と日付が変更された理由

スポーツの日は、体育の日から名称変更されました。

なぜ「体育」から「スポーツ」に名称変更したのか、国会議員からなるスポーツ議員連盟が「体育」という言葉に教科としての教育的なイメージが強かったためとされています。

運動を楽しむことを表現するため、世界的に使われている「スポーツ」の言葉を使い、「スポーツの価値」を世界の人々と分かち合おうという理由からです。

2020年に開催が決まった東京五輪・パラリンピックを機に「スポーツの日」という名称に変更されました。

また、もともと体育の日は、先述した通り東京五輪の開会式が行われた10月10日とされていましたが、2000年に施行されたハッピーマンデー制度によって、10月の第2月曜日に変わりました。

ハッピーマンデー制度とは、国民の祝日の一部を月曜日に移動させることで、週末の土曜日・日曜日と合わせて3連休にし、国民に余暇を楽しんでもらうことを目的に制定された制度です。

ハッピーマンデー制度については、下記記事で詳しく解説していますのでご参考ください。

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スポーツの日におけるイベント・活動

スポーツの日には、祝日に合わせて全国各地でさまざまなスポーツイベントが企画・開催されます。

イベントの名前も「体育」から「スポーツ」に変更されています。

「国体」から「国スポ」へ

国体の略称で知られる「国民体育大会」の名称は、「国民スポーツ大会」に変わることが決まっています。

2018年(平成30年)に、「国民体育大会」から「国民スポーツ大会」に変更するスポーツ基本法の一部を改正する法律(改正スポーツ基本法)が国会において成立しました。

長年親しまれてきた略称も「国体」から「国スポ(こくすぽ)」へ変更となり、英語表記は「NATIONAL SPORTS FESTIVAL」から「JAPAN GAMES」に変わります。

2024年(令和6年)に開催される佐賀県大会は、国民体育大会の名称が「国民スポーツ大会」に変わる最初の大会となります。

10月は「体力つくり強調月間」

毎年10月1日から31日までの1ヶ月間は、体力つくり国民運動として1969年(昭和44年)から実施されている「体力つくり強調月間」となります。

体力つくり国民運動は、1964年(昭和39年)に開催された東京五輪を1つの契機として、同年12月に「国民の健康・体力増強対策について」が閣議決定されたことが始まりです。

この運動を推進する母体として、行政・民間団体による「体力つくり国民会議」が発足し、約230団体が連携しながら国民に健康・体力の保持・増進を呼びかけるなど活動しています。

その他のスポーツ関連イベント

スポーツの日に伴う主なイベントは、以下のようなものがあります。

スポーツ祭り
文部科学省・日本オリンピック委員会など

スポーツフェスタ
公益財団法人 東京都スポーツ文化事業団

新宿スポレク
公益財団法人 新宿未来創造財団

出雲全日本大学選抜駅伝
日本学生陸上競技連合

上記以外にも、あなたがお住まいの地域で民間団体や自治体によるイベントを開催していることもあるため、各イベントの開催日など詳細は公式サイトなどでご確認ください。

ヨガ

ミニ知識・東京五輪について

1964年10月10日に開催された1回目の東京五輪ですが、少し気になりませんか。

夏季のオリンピックは、本来であれば7月から8月にかけて開催されています。

なぜ東京五輪が、10月10日という遅めの時期に開催となったのでしょうか。

統計的に晴れる日が多かったり、雨が降りやすかったりする日のことを特異日といいますが、10月10日という日は秋雨前線が去った後の「晴れの特異日」だといわれていたからだそうです。

晴れの特異日というのは、その前後の日と比べて偶然とは思えないほど晴れる確率が高い日のことです。

つまり、高確率で晴天に恵まれるであろうという日だったため、この日が開会式に選ばれた理由のひとつです。

他にも夏の東京は高温多湿であることや、10月上旬までは秋雨前線の影響があることなど、気象条件によるところも大きかったようです。

その後、10月10日は東京五輪の開会式を記念して「体育の日」として制定されました。

晴れの特異日であり体育の日ということで、運動会日和とされてきたため、各地の小・中学校の大運動会が秋に行われるのもうなずけますね。

しかし、近年では秋雨前線や台風の影響など気象データなどの統計結果も変わってきており、10月10日前後は必ずしも晴れの確率が高いとはいえないそうです。

東京体育館(東京・千駄ヶ谷)

終わりに

以上で、体育の日が生まれた由来から、スポーツの日に名称や日付が変わった理由などを解説しました。

スポーツの日は、祝日法でも定義されている通り、純粋に運動を楽しんでスポーツの価値を広く理解することだけではなく健康維持・促進も兼ねています。

身体活動や運動をすることは、生活習慣病をはじめメンタルヘルスや生活の質の改善に効果をもたらします。

また、スポーツの日を英語にすると「Health-Sports Day」または「National Sports Day」と表記されることからも、健康的なスポーツ、世界的な文化を示すスポーツという意味だとわかります。

そして10月は、全国各地の学校で運動会や体育祭が行われる時期でもあり、全国各地でもさまざまなスポーツイベントが計画されています。

テレワークが一般的になってきた昨今、日ごろから運動不足で身体を存分に動かしていない方は、この機会に健康のことも考えて身体を動かすことを意識する1ヶ月としてはいかがでしょうか。

以下の記事は、国民の祝日に関する法律(祝日法)で定められた祝日について紹介しています。

元旦や成人の日、敬老の日など、それぞれの祝日には意味や由来があり、時代の流れによって変わってきたところもあります。

日本における祝日の仕組みや変遷、ハッピーマンデー制度の意義など、祝日を有意義に楽しむためのご参考になれば幸いです。

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