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土用の丑の日とは?時期はいつ?ウナギとの関係や栄養素、身体に嬉しい他の食材

2023年8月1日

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土用の丑の日といえば鰻だけどその理由は?

馴染みのない人が聞くと土曜の丑の日と勘違いされがちな、土用の丑の日。

夏になると、スーパーや百貨店で「土用の丑の日」の張り紙と一緒に、ウナギが並ぶのを見たことがある方も多いでしょう。

そもそも土用の丑の日とは、何の日を指すのか。
また「土用」や「丑の日」とはどういう意味なのか。
この日は、夏になるとなぜウナギを食べるのか。

今回は、そんな疑問に答えるべく、土用の丑の日という意味や時期、ウナギを食べる習慣となった由来を紹介します。

また、昔の人がウナギ以外で食べていた身体に嬉しい食材も紹介しますので、夏を乗り切るご参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

颯彩(ふーあ)

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他の年中行事・イベントについては、下記記事でまとめていますので併せてご参考ください。

土用の丑の日とは?

土用の丑の日とは何を意味するのか、まずは「土用」と「丑の日」から説明します。

「土用」の意味

土用は季節の変わり目

土用とは、春・夏・秋・冬が到来する直前、つまり立春・立夏・立秋・立冬の直前の約18日間の期間を指します。

紀元前770年頃の古代中国がルーツで、中国古来の陰陽五行説である五行思想は「木火土金水」の要素からなり、それぞれの季節に当てはめられていました。

春は、草木が芽吹く「木」
夏は、1年で最も暑い「火」
秋は、実りの「金」
冬は、木枯らしの吹く静かな「水」

それぞれの要素を季節ごとに当てはめていくと「土」がひとつ残り、その余った土を季節の節目に割り当てて「土用」と名づけられているのです。

ちなみに、立春は2月4日頃、立夏は5月5日頃、立秋は8月7日頃、立冬は11月7日頃ですので、おおよそ季節の変わり目であることがわかるでしょう。

そして、土用が1年に4回あるということは、土用の丑の日も最低でも年に4回あるということになります。

「丑の日」の意味

丑の日は牛のこと

丑の日の「丑」は、十二支(干支)の丑(うし)のことです。

日本や中国などではあなたもご存知の通り、今年は丑年などというふうにその年を干支で表すように年単位で繰り返されています。

十二支=子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥

ところが、昔の人は年単位だけでなく、日付も十二支(子・丑・寅・卯…)で割り当てていました。

つまり、12年周期で「丑年」がやってくるのと同じように、12日ごとに「丑の日」も回ってくるわけです。

「土用の丑の日」という意味

土用の丑の日の張り紙(イメージ)

上記のように「土用」と「丑の日」の意味を組み合わせると、「土用の丑の日」は土用の約18日間に訪れる丑の日を指しています。

土用の丑の日といえば夏のイメージが強いですが、土用が立春・立夏・立秋・立冬それぞれにあり、丑の日で日付が異なるため、土用の丑の日も毎年日付が変わり、年に数回程度あります。

わかりやすくいうと、土用の丑の日は季節の変わり目ともいえます。

ちなみに、土用の丑の日と土曜日とは関係がありませんので覚えておきましょう。

土用の丑の日はいつ?

土用の丑の日は夏だけではない

前述通り、土用の丑の日は、立春・立夏・立秋・立冬それぞれにあり、それとは別に丑の日が12日ごとに巡ってくるため日付が異なります。

各年に当たる土用の丑の日を見てみると、必ずしも同じ日ではないことと、夏だけではないことがわかるでしょう。

2022年・土用の丑の日

1月24日、4月18日、4月30日、7月23日、8月4日、10月27日

2023年・土用の丑の日

1月19日、1月31日、4月25日、7月30日、10月22日、11月3日

2024年・土用の丑の日

1月26日、4月19日、5月1日、7月24日、8月5日、10月28日

2025年・土用の丑の日

1月20日、2月1日、4月26日、7月19日、7月31日、10月23日、11月4日

2026年・土用の丑の日

1月27日、4月21日、5月3日、7月26日、10月30日

土用の丑の日は、年ごとに日付が異なりますが、夏だけではなく1年に数回あるため、おおよそで1月、4月、7月、10月頃にあると覚えやすいでしょう。

また、土用の期間は約18日間で、丑の日が12日周期でやってきますが、年によっては夏に土用の丑の日が2回巡ってくることがあります。

その場合に、最初に訪れる土用の丑の日を「一の丑」、2回目に訪れる土用の丑の日を「二の丑」と呼びます。

夏とウナギの関係

大伴家持像

では、夏といえばウナギ、というイメージがつくようになったのはなぜでしょうか。

奈良時代に取りまとめられた「万葉集」には、ウナギを詠んだ歌があります。

石麻呂に 吾れもの申す 夏痩せに
よしといふものぞ むなぎとり食(め)せ

これは、夏痩せにはむなぎ(ウナギ)を食べるとと、大伴家持が石麻呂に勧めている和歌です。

当時からすでに、うなぎは健康食として認知されており、体調を崩しやすい夏には、ウナギを食べて栄養をたっぷり摂ろうという考えがあったのでしょう。

土用の丑の日にウナギを食べるのも、土用の丑の日が体調を崩しやすい季節の変わり目にあたるため合理的ともいえます。

実際、ウナギにはビタミンAやビタミンB群など、疲労回復や食欲増進に効果的な成分が多く含まれているため、夏バテ防止にはピッタリの食材といえるでしょう。

ウナギを食べるようになった由来

鰻屋の暖簾

ウナギを食べる習慣が一般にも広まったのは、1700年代後半の江戸時代でした。

多くの言い伝えがある中で有力なのは、蘭学者の平賀源内による発案です。

ウナギは、本来秋と冬が旬であるため、夏のウナギは売り上げが落ちる食材でした。

夏に売れなくて困っている鰻屋から、相談を受けた蘭学者の平賀源内が、店先に「本日土用の丑の日」といった張り紙を出したことが始まりといわれています。

この張り紙の効果で鰻屋が大繁盛したため、他の鰻屋にも評判が広まり真似するようになり、土用の丑の日にウナギを売ることが当たり前になっていったのです。

その後もウナギの売り上げを伸ばすために鰻屋が宣伝していったことで、土用の丑の日にウナギを食べるという風習が、今日に至るまで引き継がれています。

余談ですが、この「本日土用の丑の日」が日本初のコピーライティングかもしれないといわれているため、当時からマーケティングが行われていたのだと思うとすごいですよね。

ウナギの主な栄養素と効能

鰻(うなぎ)

梅雨が終わると一気に気温が高くなる夏は、特に体調を崩しやすく食欲不振になる人が増えるため、精のつくウナギを食べる風習が定着しています。

そんなウナギの栄養成分はどんなものがあるのか、どういった効能があるのかをまとめてみました。

免疫力を高めるビタミンA

ウナギに含まれるビタミンAは、成人が1日に必要な摂取量の2倍に相当し、抗酸化作用が強く免疫力を高める効果があります。

また、皮膚や粘膜の新陳代謝を促進する働きがあり、美肌を保つだけではなく疲れ目や視力回復にも期待できます。

疲労回復に役立つビタミンB群

ウナギには、疲労回復に役立つビタミンB群を含んでおり、特にビタミンB1、B2が豊富です。

ビタミンB1は、糖質の代謝を促しながらエネルギーに変え、食欲不振や疲れを回復させます。

ビタミンB2は、脂質をエネルギーに変えて細胞の再生を促すことで、老化の原因となる体内の酸化物質を分解するため、皮膚や髪などを健康に保ちます。

血管を健康に保つビタミンE

ビタミンEには抗酸化作用やバリア機能があり、肌トラブルといった特に女性の悩みの多くを解決してくれます。

また、摂取することで血行促進作用が働き、冷え性など身体のさまざまな老化を防ぎます。

その他の栄養素・まとめ

鰻丼

上記以外にもウナギには、筋肉や臓器など体の機能を調節するタンパク質、オメガ3系脂肪酸と呼ばれるDHA・EPAも含まれています。

簡潔にまとめると、ウナギは基本的にビタミン群が豊富で、疲労回復だけでなく病気の予防や身体機能の維持、丈夫な骨を維持し代謝を促進します。

鰻屋は繁華街に構えるお店や海に近い漁業の盛んな町にあるため、身近に専門のお店がないことが多いですが、現代ではスーパーやデパート以外にも、ネットなどのオンライン注文で取り寄せることができるため、土用の丑の日を気軽に楽しめます。

また、土用の丑の日だけでなく、母の日や父の日、敬老の日などのギフトにも喜ばれるでしょう。

上記の商品は、楽天市場のうなぎ部門で13年連続グルメ大賞を受賞している「国産うなぎ蒲焼き3種セット」です。

特大ウナギの長焼きに蒲焼き、ひつまぶしまで、いろんな食べ方を楽しめるウナギの蒲焼きが3種類入っています。

ウナギ以外の身体にいい食材

前述の通り、鰻屋の商売繁盛を助けたことが、ウナギを食べる習慣の始まりです。

しかし、土用の丑の日に食べるのは、ウナギと決まっているわけではありません。

昔の人は、季節の変わり目である土用の体調を崩しやすい時に、ウナギ以外で「う」のつくものを食べていました。

つまり、「丑(うし)の日」にちなんだ「う」です。

特に夏バテしやすい時期には、精がつくウナギはもちろん、疲労回復効果のある梅干しや身体の老化を防ぐ効果が瓜などが一般的です。

他にも例を挙げると、うどんや牛肉(ウシ)、馬肉(ウマ)などがあり、いずれも栄養価が高く、食欲がなくても食べやすい食材が多いのがわかります。

梅干し(ウメ)

梅(ウメ)

ウメは、豊富に含まれるクエン酸により、疲労回復に効果があります。

瓜(ウリ)

瓜(ウリ)

ウリは、ビタミンCの抗酸化作用で、身体の酸化や血管の老化を防ぐ効果があります。

うどん

うどん

うどんの炭水化物は、糖質の割合が比較的高めのため、胃腸に優しく消化によいです。

牛肉(ウシ)

牛(ウシ)

牛肉は、タンパク質が免疫に関わる酵素の材料となり、免疫力の向上が期待できます。

馬肉(ウマ)

馬(ウマ)

馬肉には、体内では合成することができない鉄分が多く、貧血や冷え性に効果があります。

こうしてみると、「う」のつく食材は意外にも栄養素があり、身体に優しいさっぱりとした味のするものが多いです。

食べて元気をつけようというのは、時代に関係なく共通といえるでしょう。

終わりに

鰻の蒲焼

土用の丑の日は、夏だけではなく、季節の変わり目と丑の日にあたる日でした。

いまや生活の中で習慣となった、土用の丑の日に食べるウナギも、意味や由来などを知ると面白いでしょう。

鰻屋さんに並ぶのもよし、デパートで高級ウナギを奮発するのもよし、自宅に取り寄せて本格ウナギを楽しむのもよし。

今年の夏も例年以上に暑くなりそうで、夏ばてもしやすいため、ウナギでパワーをつけて乗り切りましょう。

また、お盆の帰省や敬老の日に合わせて、ご両親や祖父母に元気を保ってもらえるようウナギ料理で精をつけてもらうのもいかがでしょうか。

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