あらゆる菌の働きで、腸内環境が整うといわれる発酵食品。
日常で食べる機会の多いヨーグルトも実は、発酵食品の1つであることをご存知でしょうか。
栄養成分も豊富なヨーグルトには、正しく摂取することで、私たちの身体にさまざまな効果が得られるとされています。
今回は、ヨーグルトの基本概要から種類や特徴、栄養成分の役割・効果を紹介します。
日々の食生活にヨーグルトを取り入れることで、健康的な身体をつくるためのご参考になれば幸いです。
ヨーグルトができるまで
ヨーグルトとは何か、と説明を求められたら、あなたはなんと回答するでしょうか。
まずは、ヨーグルトの基本的な概要から、ヨーグルトができるまでの流れを説明します。
ヨーグルトとは
ヨーグルトは、牛乳などの乳に乳酸菌や酵母などを混ぜて発酵させた乳製品です。
みそや醤油などと同じ発酵食品の1つで、市販ヨーグルトのパッケージに表記されている通り「発酵乳」と定義されています。
ヨーグルトの原料
ヨーグルトの主な原料は、牛乳と乳製品です。
乳製品とは、クリームや全粉乳、脱脂粉乳などを指し、これらの原料が上品なミルクの風味やコク、なめらかな味わいを作ります。
また、乳の原料はウシだけでなく、ヤギやヒツジ、ウマ、ラクダなどの乳も使われ、乳分泌量が比較的多く、搾乳が行いやすい草食動物が利用されます。
ちなみに、ヨーグルトに溜まる上澄み液は「乳清」と呼ばれます。
ヨーグルトができるまでの工程
ヨーグルトは、牛乳などの原料乳に乳酸菌を加えて作る、発酵食品の1つです。
一般的に流通されるプレーンヨーグルトができるまでの主な工程は、以下の通りです。
(1)加熱殺菌
牛乳などの乳原料を90~95℃で5分間殺菌し、40~45℃に冷却します。
(2)乳酸菌を加える
純粋培養した乳酸菌を、2~3%の量で加えます。
(3)充填・発酵
乳酸菌を加えた乳を容器に移し、温度を一定に保った発酵専用の部屋に入れて発酵させます。
プレーンヨーグルトの場合は、40℃前後の温度で4~6時間発酵させると、酸度が0.7~0.8%になります。
酸味が特徴のあるクリーミーな食感となるのは、発酵過程で、乳糖が分解されて乳酸が作られるためです。
そして、原材料や発酵過程から、その後の加工過程でさまざまな種類のヨーグルトが作られます。
ヨーグルトの種類
前述の通り、原材料や発酵過程、加工過程によって、さまざまな種類のヨーグルトができます。
ヨーグルトの種類は、一般的にその形や状態から、大きく分けると以下の5つに分類されます。
- プレーンヨーグルト
- ハードヨーグルト
- ソフトヨーグルト
- ドリンクヨーグルト
- フローズンヨーグルト
プレーンヨーグルト
砂糖や香料、添加物などを加えずに、乳を乳酸菌で発酵させたシンプルなヨーグルトです。
ヨーグルトそのものの味が生きているため、そのまま食べるだけではなく、果物や野菜と組み合わせて料理のほか、菓子・デザート作りにも利用できます。
ハードヨーグルト
甘味料や果汁、寒天またはゼラチンを加えて、プリン状にしたヨーグルトです。
杏仁豆腐に近い食感といえば伝わるでしょうか、硬さがしっかりしているため誤嚥しにくく、小学校の給食にも出てきます。
日本で最初に発売されたのが、このタイプのヨーグルトですが、加工や容器の技術進歩により、近年では寒天やゼラチンなどの凝固剤を使わないヨーグルトも登場しています。
ソフトヨーグルト
発酵して固まったプレーンヨーグルトを撹拌し、滑らかにしたヨーグルトです。
甘味料や果汁・果肉を含み、デザート感覚で楽しめるフルーツヨーグルトも一般的にこのタイプに該当します。
ドリンクヨーグルト
ヨーグルトをしっかりと撹拌して液状にした、ドリンクタイプのヨーグルトです。
近年では、果汁や甘味料で味付けされているものが多く、果肉入りの商品などバリエーションも豊富で人気もあります。
時間がない時でも飲むだけで手軽に摂取できるため、特に忙しい方に向いています。
フローズンヨーグルト
発酵したヨーグルトを攪拌しながら凍結させた、アイスクリーム状のヨーグルトです。
空気をたっぷりと含ませて冷凍させるため、硬くなりすぎず食べやすい食感に作り上げます。
凍結すると乳酸菌が損なわれると思われがちですが、冷凍保存中でも菌は生きています。
さらに分別されるヨーグルトの主な種類例
上記で紹介した種類は、製法の違いで大きく分別される5タイプのヨーグルトです。
さらに、具体的な種類を挙げると数が多くなりますが、市販で見られる特徴的なヨーグルトを一部紹介しますので、参考にしてください。
フルーツヨーグルト
イチゴやブルーベリーなどのフルーツを加えたヨーグルトです。
フレーバーを豊富にデザート感覚で食べられるのが特徴で、ソフトヨーグルトの代表的な種類ともいえます。
ギリシャヨーグルト
水切り製法で作られるチーズのように、乳清や水分を抜いて濃縮した硬めのヨーグルトです。
ヤギとヒツジの牧畜が盛んだったギリシャで古くから伝わる技法で、ミルクの栄養価を損なうことなく長期保存できる食材として、遊牧民の間で作られるようになったといわれています。
他に、水切りヨーグルトやヨーグルトチーズとも呼ばれ、高タンパク質で濃厚な食感が特徴です。
プロバイオティクスヨーグルト
プロバイオティクスとは、人体に有用な働きをする微生物のことです。
その代表的なものが、ビフィズス菌や乳酸菌などで、人間の腸に存在する善玉菌も該当します。
プロバイオティクスヨーグルトには、善玉菌を増やす効果がある特定の乳酸菌が含まれているため、生きて腸まで届き、腸内細菌のバランスを整えて腸内環境の改善に役立ちます。
プロテインヨーグルト
プロテインヨーグルトは、一般的なヨーグルトよりもタンパク質が豊富に含まれているため、スポーツをしている方にぴったりです。
ダノンジャパンが販売するオイコスもこの種類になります。
砂糖の入っていないプレーンのオイコス1個あたりのカロリーは71kcal、タンパク質量は12.0gで、一般的なプレーンヨーグルトと比べると、約3倍のタンパク質が含まれています。
一般的なヨーグルトの栄養成分については、後述します。
このように、ヨーグルトはさまざまな原料や製法、発酵・加工方法によって、独特の食感やおいしさを与えているのです。
他にも、ヨーグルトに含まれている乳酸菌はさまざまな種類があります。
乳酸菌の種類について今回は触れませんが、ヨーグルトの種類は500種類以上あるといわれています。
ヨーグルトの栄養成分
ヨーグルトは、牛乳などの乳に、乳酸菌や酵母などを加えて発酵させた乳製品です。
乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)では、「はっ酵乳」と定義され、成分規格は以下の通り定められています。
無脂乳固形分・・・8.0%以上
乳酸菌または酵母数・・・1,000万/g・ml以上
無脂乳固形分とは
無脂乳固形分は、無脂乳固形分と牛乳から乳脂肪分と水分を除いた成分のことです。
ヨーグルトの栄養成分表
エネルギー:56kcal
水分:87.7g
タンパク質:3.6g
脂質:3.0g
炭水化物:4.9g
有機酸:0.9g
灰分:0.8g
ナトリウム:48mg
カリウム:170mg
カルシウム:120mg
マグネシウム:12mg
リン:100mg
鉄:Tr
亜鉛:0.4mg
銅:0.01mg
マンガン:Tr
ヨウ素:17μg
セレン:3μg
クロム:0μg
モリブデン:4μg
ビタミンA:36μg
(レチノール活性当量:33 μg)
(β-カロテン当量:3 μg)
ビタミンB1:0.04mg
ビタミンB2:0.14mg
ナイアシン:0.1mg
ビタミンB6:0.04mg
ビタミンB12:0.1μg
ビタミンC:1mg
ビタミンD:0μg
ビタミンE:0.1mg
ビタミンK:1μg
葉酸:11μg
パントテン酸:0.49mg
ビオチン:2.5μg
食物繊維:0g
(水溶性食物繊維:0g
(不溶性食物繊維:0g
食塩相当量:0.1g
コレステロール:12mg
※Tr=0ではないが微量
出典:日本食品標準成分表2020年版(第8訂)
カルシウムといえば牛乳ですが、その牛乳を原料とするヨーグルトもカルシウムが多く、他にも豊富な栄養源が含まれています。
ここからは、ヨーグルトの主な栄養成分による特徴・効果を解説します。
カルシウム
ヨーグルトに含まれているカルシウムには、乳酸と結びついて乳酸カルシウムとなり、高い吸収率をもつのが特徴です。
また、骨や歯を頑丈にする作用があり、女性に多い骨粗しょう症の予防やストレスを抑える働きがあります。
一般には、18~29歳男性で800mg、18~29歳女性で650mgのカルシウムが必要なため、普段の食事にデザート感覚でプラスすることで手軽に補給できます。
タンパク質
ヨーグルトに約3.4%含まれるタンパク質には、筋肉を維持したり増やしたりする作用が働き、筋肉が増えれば基礎代謝が上がり、脂肪を燃焼しやすい身体づくりができます。
タンパク質は、アミノ酸から構成されており、アミノ酸が結合したものをペプチドといい、そのペプチドがさらに集まったものがタンパク質です。
ヨーグルトは、牛乳に含まれるタンパク質の一部が、乳酸菌によってペプチドやアミノ酸に分解されているため、タンパク質に比べ吸収もよく、細胞をはじめとする身体の組織を作ります。
ミネラル
ヨーグルトには、カルシウムだけでなく他のミネラルも含まれています。
特に、高血圧に有用なカリウム(100g中170mg)やマグネシウム(100g中12mg)などもあります。
ビタミン
意外に思うかもしれませんが、ヨーグルトはビタミン類も豊富です。
ビタミンCは少ないものの、粘膜を強くするビタミンAのほか、赤血球の合成に関わるビタミンB12、カルシウムの吸収を促進するビタミンD、葉酸、パントテン酸など、多くのビタミン類が含まれています。
このように、ヨーグルトに含まれる栄養素の代表格は、腸内環境を整える乳酸菌はじめ、骨を形成するカルシウム、身体のエネルギー源となるタンパク質です。
それだけ豊富な栄養が含まれているのに、カロリーは比較的低く、一般的なプレーンヨーグルトでもカロリーは100gあたり62kcalしかありません。
ヨーグルトの基本的な効能3つ
前述の栄養成分表通り、ヨーグルトには豊富な栄養成分を含んでいるため、それぞれの成分がもつ作用により、期待できる効能や効果もさまざまです。
まずは、ヨーグルトの摂取における主な効果を3つに分けて紹介します。
善玉菌の増加
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸内で善玉菌として働きます。
善玉菌が増えることで、悪玉菌の増殖が抑制され、腸内環境を整えてくれます。
有害物質の排出
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸内で乳酸を生成します。
この乳酸は、悪玉菌の活動を抑え、有害物質の排出を促進してくれます。
腸内環境の改善
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸の蠕動運動を活性化する作用があります。
腸内環境を整える働きがあるため、便秘改善や美肌効果に役立つといわれています。
ヨーグルトで最も知られている効果といえば、整腸作用でしょう。
カルシウムやタンパク質は、乳酸菌の働きにより、さらに消化・吸収されやすくなります。
つまり、乳酸菌には、整腸作用だけでなく、他の栄養成分を取り入れて免疫力を高める効果が期待できます。
ヨーグルトは、牛乳の豊富な栄養をそのまま受け継いでいますが、乳糖が一部分解されているため、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする方にも安心して食べられるでしょう。
他にもあるヨーグルトの効果
上記では、ヨーグルトの基本的な効能を3つ紹介しましたが、具体的にはどんな効果があるのでしょうか。
ダイエットや筋肉づくりに効果
ヨーグルトは、タンパク質が豊富ですが、比較的カロリーが低いことも大きな特徴です。
また、カルシウムと結びついて、ペプチドYYやGLP-1などといった、食欲抑制ホルモンのレベルを増加させることが研究でわかっています。
ヨーグルトは、ダイエットにも理論上、効果的な食材といえるでしょう。
免疫力を高める
私たち人間の腸内には、たくさんの細菌が存在しており、人体で最も免疫システムが活性化している臓器の1つが腸管です。
そのため、腸内環境と免疫力には密接な関係があります。
実際、乳酸菌は免疫細胞の働きを活発にすることが報告されており、病気の感染を防御する効果があることがわかりました。
例えば、乳酸菌自体が、ピロリ菌や淋菌、サルモネラ菌などといった他の有害な菌に対して、抗菌作用をもたらす抗菌ペプチドを生み出します。
さらに、乳酸菌は、免疫細胞やさまざまなサイトカイン(免疫細胞から出るタンパク質)を介して、免疫を調節する機能も担っていることもわかっているのです。
メンタルヘルスにも有用
あまり知られていませんが、腸内細菌は神経伝達物質であるセロトニンの合成に、大きな関わりがあることがわかっています。
セロトニンとは、俗にいう幸せホルモンのことで、幸福度が高い場合に現われるホルモンで、うつ病にもセロトニンレベルを上げる作用の薬が主に使われます。
ある研究によると、特にヨーグルトと運動を組み合わせると、セロトニンレベルが大幅に増加し、心血管疾患の指標である中性脂肪や高感度C反応性タンパク質レベルが低下したと報告されています。
そして、ヨーグルトを含めたプロバイオティクスが、うつ病の発症に関連しており、うつ病のリスクを軽減する上で、重要な役割を果たす可能性があるそうです。
整腸作用ほど十分な研究はされていませんが、メンタルヘルスが弱くなりやすい方は、運動と一緒にヨーグルトを摂ってみるといいかもしれません。
ヨーグルトの効果的な食べ方
ヨーグルトは、闇雲に食べればいいというわけではありません。
日々の生活に、ヨーグルトを食べる習慣を取り入れるなら、正しいヨーグルトの食べ方を理解しておきたいものです。
また、寝る前にヨーグルトを食べる効果や、食べる時の注意点も紹介しますので、ヨーグルトがもつ効果を活かすためにも参考にしてください。
ヨーグルトを正しく食べる時のポイントは、主に以下の3つです。
- 毎日続けて食べる
- 適量は1日100~200g
- 食べるタイミング
毎日続けて食べる
ヨーグルトは、1日に大量に食べるのではなく、毎日適量を食べ続けることが大切です。
ヨーグルトを摂取すると悪玉菌が減少し、善玉菌が増加しますが、乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌は、一定期間が経過すると体内からいなくなってしまいます。
そのため、ヨーグルトを食べるのを止めると、腸内環境は元の状態に戻ってしまう可能性があります。
また、一口にヨーグルトといっても、味や栄養成分などが異なる多くの種類が販売されているため、その中から自分に合ったヨーグルトを選ぶことも重要です。
どのヨーグルトが、自分に合っているのかわからない方は、同じヨーグルトを2週間程度食べ続けてみて、体調の変化を観察しておくことをおすすめします。
適量は1日100~200g
ヨーグルトには、イチゴやブルーベリーの果実が入ったタイプなど、甘いフレーバーで美味しく作られたものがたくさんあります。
ついたくさん食べてしまうこともあるでしょうが、ヨーグルトを食べ過ぎると、糖質過剰を引き起こすリスクがあるため、適量を食べるようにしましょう。
一般的に、ヨーグルトは1日100~200g程度が適量とされています。
小分けになった製品も売られているので、量を調節しながら食べるようにしましょう。
食べるタイミング
ヨーグルトを食べるタイミングは、夜が良い・朝と夜ともに食べるなど諸説ありますが、一般的には食前と食後で効果が異なるとされているようです。
食事前にヨーグルトを食べると、血糖値を下げる効果があるとされています。
一方、食事後2~3時間が経つと、胃液や胆汁が少なくなり、ヨーグルトに含まれるビフィズス菌を摂取しやすくなるため、腸内環境をスムーズに整える効果が期待できます。
また、ダイエットが目的であれば、食前がおすすめです。
糖質の吸収が抑えられることと、食前の摂取により食事量を減らせる効果があります。
一方、腸内環境をよくしたい場合は、食後2~3時間後に胃酸の分泌が減少するため、その時にヨーグルトを摂取すれば、乳酸菌などの善玉菌が胃酸にやられずに腸まで届きます。
ヨーグルトを摂る際の注意点
上記により、ヨーグルトには豊富な栄養成分とさまざまな効能・効果があるとわかったら、すぐにでも毎日の習慣として取り入れようと思うことでしょう。
しかし、健康によいとされるヨーグルトでも、摂取において気をつけなければならないこともあります。
過剰摂取には注意
基本的には、人体にとって健康的な発酵食品であるヨーグルトですが、食べ過ぎ・飲み過ぎには注意が必要です。
ヨーグルトには糖質・脂質が含まれており、加糖タイプになると糖質はさらに多くなります。
そのため、ヨーグルトを食べ過ぎると、糖質過多や発がん作用のある物質(女性ホルモン、飽和脂肪酸(パルミチン酸、ステアリン酸)が増加する恐れがあります。
また、日本人はラクターゼという酵素が少ないといわれており、ヨーグルトを食べ過ぎると、中に含まれる乳糖を十分に分解できずに下痢になることもあります。
ヨーグルトを食べる際は、適量を心がけるようにしましょう。
また、ヨーグルトの摂り過ぎは、糖分だけでなくカロリー過多にもなるため、肥満につながりダイエットの原因にもなりえます。
しかし、無糖タイプであればかなり低カロリーなので心配はないでしょう。
繰り返しになりますが、ヨーグルトの量は1日100~200gくらいが目安です。
なお、乳酸菌の摂りすぎは問題ありません。
アレルギーのある方
ヨーグルトは、納豆やキムチなどと同じ発酵食品であると同時に、乳を原料とした乳製品です。
乳製品にアレルギーのある方は、ヨーグルトに含まれる乳成分に反応してしまう可能性があるため、注意しましょう。
アレルギーでもないのに、痒みなどの症状が出る場合は、医療機関に相談することが望ましいです。
市販のヨーグルトには、砂糖や添加物が多く含まれていることが多く、カロリー過多や過剰な糖分摂取を避けるためにも、無糖や低糖質のヨーグルトを選ぶのをおすすめします。
添加物に対するアレルギーや感受性がある方も、成分表をチェックしてください。
乳糖不耐症のある方
ヨーグルトは、乳糖の一部(20~30%)が乳酸になっているため、乳糖不耐症の方でも牛乳に比べて下痢は起こりにくい食品です。
ただし、ヨーグルトに含まれる乳糖を分解する能力が低いため、摂取すると消化不良や下痢などを起こすことがあります。
できるだけ無糖や低乳糖のヨーグルトを選ぶか、プロバイオティクスの豊富なヨーグルトを検討してください。
乳糖分解酵素のサプリメントを併用するのも1つの手です。
トッピングは適量を心がける
ヨーグルトに、バナナやイチゴといった果物、ハチミツなどを入れるとおいしく食べられるため、一緒に食べている方も多いでしょう。
しかし、これらのトッピングを入れすぎると、カロリーオーバーに繋がるため注意が必要です。
果物だけではなく、ブルーベリーソースや黒蜜シロップなども、ヨーグルト同様に適量を心がけましょう。
バナナについては、下記記事で解説していますので併せてご参考ください。
-
バナナはなぜ健康にいい?栄養成分とそれぞれの作用、効果的な食べ方や注意点
2024/3/17
寝る前に食べたら歯を磨く
ヨーグルトに含まれている乳酸菌は、口内の悪玉菌にも効果があるため、歯周病の予防に繋がるといわれています。
ただし、ヨーグルトを食べているからといって、歯磨きをしなくていいということではありません。
特に加糖ヨーグルトは、歯磨きをしなければ口内環境が悪くなるため、寝る前にヨーグルトを食べた後も歯を磨くようにしましょう。
筆者のヨーグルト歴・効果
筆者が、これまでに食べてきたヨーグルト歴と効果・感想を紹介します。
チチヤスヨーグルト(低糖)
チチヤスヨーグルトは、ST9618というチチヤス独自の乳酸菌で、1917年にチチヤスヨーグルト第1号として日本初のヨーグルトを発売しました。
絹ごし豆腐のような口当たりと、日本人の味覚にあったおいしさへの追求が開発へのきっかけといわれています。
無脂乳固形分:9.0%
乳脂肪分:2.0%
栄養成分表示(1個・80gあたり)
エネルギー:53kcal
タンパク質:2.7g
脂質:1.8g
炭水化物:6.4g
カルシウム:89mg
糖類:5.0g
食物繊維:0g
食塩相当量:0.09g
この青いパッケージのチチヤスヨーグルトは低糖タイプで、糖類を50%カットした商品ですが、酸味が心地よく、病みつきになるほど味が美味しいです。
容器が小さめなのが物足りなく感じますが、甘みも適度にあるため、このくらいのサイズ感でちょうどよいのかもしれません。
個人的には、整腸作用といった健康効果よりも、乳本来のおいしさを伝えたい思いが強く、特に子供向けのデザートに向いている印象です。
ちなみに、赤いパッケージの通常タイプは、糖類が10.7g含まれています。
オイコス(プレーン・砂糖不使用)
オイコスは、高タンパク質が特徴で、低GIであることを国際標準化された手法で、日本での臨床試験で実証済みの商品です。
体内で作れない必須アミノ酸BCAA (分岐鎖アミノ酸)が多く含まれ、速効性のホエイタンパク質と持続性のカゼインの両方を摂取できます。
低GI食品とは
低GIは、食後の血糖値が穏やかに上がり、ゆっくりと下がることです。
食品によって血糖値の上がりやすさに違いがあり、もっとも上がりやすいブドウ糖と比較して55%以下(AUC比) の上がりやすさを低GIと呼ばれています。
無脂乳固形分:15.5%
乳脂肪分:0.2%
栄養成分表示(1個・113gあたり)
エネルギー:71kcal
タンパク質:12.0g
脂質:0g
炭水化物:5.2g
カルシウム:135mg
糖類:5.0g
食物繊維:0.1g
食塩相当量:0.09g
パッケージにも記載されているように、タンパク質が10%以上で、脂肪が0というヘルシーなヨーグルトです。
製造・販売するダノンのサイトによると、オイコスの摂取によりスポーツパフォーマンスの向上を感じている人や疲れにくくなった人が60%を超えています。
水分をあまり含んでいないためか、冷蔵庫で冷やしてもさほど冷たくないため、食べやすいです。
筆者は、ハチミツをかけてヨーグルトを食べたい時は、この砂糖不使用のオイコスでちょうどバランスのよい味で美味しく食べられます。
イチゴやブルーペリータイプも甘みが強くなく食べやすいですが、タンパク質は砂糖不使用タイプよりも2g少ない点には留意してください。
明治プロビオヨーグルトLG21(ドリンクタイプ)
明治プロビオヨーグルトLG21(以下、明治LG21)は、鮮やかなブルーのパッケージが特徴的なプロビオヨーグルトです。
一時的な胃の負担を和らげる、LG21乳酸菌(Lactobacillus gasseri OLL2716株)を10億個含んでおり、機能性表示食品としても登録されています。
無脂乳固形分:8.0%
乳脂肪分:0.5%
機能性関与成分
LG21乳酸菌:10億個
栄養成分表示(1本・112gあたり)
エネルギー:73kcal
たんぱく質:3.3g
脂質:0.6g
炭水化物:13.6g
糖類:12.5g
食塩相当量:0.11g
カルシウム:120mg
筆者が固形のプレーンヨーグルトではなく、ドリンクタイプを選んだのは、スプーン要らずで手早く飲めるということが一番の理由ですが、実は栄養成分表示でも少しの違いがあります。
上記は、明治LG21ドリンクタイプの栄養成分表示ですが、プレーンヨーグルトの成分表示ではカルシウムが134mgとドリンクタイプよりは多めですが、脂質は3.4gもあるのです。
また、酸味が控えめで、まろやかなすっきりした味もいい点で、それが胃の負担を和らげているのか腸内環境も調子がいいです。
そのため、最近では毎日このドリンクタイプを摂っています。
このドリンクタイプの明治LG21は買えない時もあり、よほど人気があるようです。
パッケージが水色の低糖・低カロリータイプは比較的買えるのですが、通常タイプの方が個人的に整腸効果があります。
明治脂肪対策ヨーグルト(食物繊維入り・ドリンクタイプ)
明治脂肪対策ヨーグルトは、肥満気味の方のお腹の脂肪を減らすとされるヨーグルトです。
乳酸菌の中でも脂質代謝に関連する菌株に着目し、明治の乳酸菌ライブラリー約6000株の中からMI-2乳酸菌(Lactobacillus plantarum OLL2712株)を選び抜いたもので、56億個含まれています。
無脂乳固形分:8.0%
乳脂肪分:0.5%
機能性関与成分
MI-2乳酸菌:56億個
栄養成分表示(1本・112gあたり)
エネルギー:42kcal
たんぱく質:3.3g
脂質:0.6g
炭水化物:9.0g
糖類:4.2g
食物繊維:3.1g
食塩相当量:0.11g
カルシウム:121mg
今回紹介するのは、明治脂肪対策ヨーグルト・すっきりリセットです。
商品名が長すぎて覚えられませんが、公式サイトによると、お腹の脂肪(腹部総脂肪)を減らすMI-2乳酸菌を使用した通常タイプのヨーグルトに、食物繊維を配合してキウイ風味に仕立てたドリンクタイプです。
以前から販売されている「明治脂肪対策ヨーグルト」シリーズの新商品で、2023年7月より発売されました。
連休だったからか物流の影響からかわかりませんが、数日間だけ前述の明治LG21ドリンクタイプがなかなか買えない時があり、すぐ傍にあった同じ明治のドリンクタイプが、この明治脂肪対策ヨーグルトドリンクタイプすっきりリセットです。
筆者は肥満気味でもないですが、明治LG21ドリンクタイプが買えるまでの間だけ飲むつもりで5日分を購入したのですが、翌朝の調子がいつもよりよかったのです。
キウイ風味の食物繊維の効果でしょう、どうしても調子が悪い日にはこのドリンクに頼っています。
食物繊維の入っていない通常タイプも販売されており、いずれも機能性表示食品として登録されています。
無糖ヨーグルト+蜂蜜
胃腸の調子が悪い時には、時々無糖のヨーグルトにハチミツ(蜂蜜)を加えて、一緒に食べることもあります。
実は、ハチミツに含まれるオリゴ糖は、善玉菌のエサになります。
つまり、ヨーグルトとハチミツを一緒に摂ることで、さらに腸内の善玉菌を増やす効果が高まるのです。
腸内環境改善により便秘予防など、腸活によく効くことも期待できます。
また、ハチミツには抗菌化作用もあるため、風邪気味など体調がすぐれない時にも有効です。
ハチミツの栄養成分や効果については、下記記事で解説していますので併せてご参考ください。
-
ハチミツの驚くべき栄養成分とその効能とは?効果的な食べ方や相性のいい食材5選
2024/3/29
自分に合うヨーグルトを見つけるために
上記は、筆者の体験に基づく個人感想にはなりますが、乳酸菌の種類やトッピングの組み合わせによって効果も変わってきます。
今回は触れませんでしたが、同じ明治ヨーグルトの中でも最も人気とされている、赤いパッケージのR-1(1073R-1乳酸菌)を試したことがあるものの、筆者には全く変化や効果が感じられませんでした。
体内の細胞には、生まれ変わる代謝サイクルがあり、皮膚は約1ヶ月、血液は約2ヶ月というように、ヨーグルトという乳酸菌飲料を2~3日程度摂取したからといって、すぐに効果が現れるとは限りません。
腸内環境に改善がみられる胃腸の代謝サイクルは、早くて約2週間程度といわれており、一般的に腸内環境が定着するまでには約3ヶ月程度必要です。
自分に合う乳酸菌を見つけるためには、乳酸菌の働きや整腸作用など、体内への浸透や環境構築を促すためにも、同じヨーグルトを1~2週間続けて試すことをおすすめします。
終わりに
ヨーグルトを食べることで得られる効果はさまざまで、特に腸の働きを整える効果はよく知られています。
ただし、ヨーグルトは一般的に健康に良い影響を与えるとされているものの、過剰摂取には注意が必要です。
一度に大量に食べるのではなく、毎日適量を食べ続ける習慣をつけることで、ヨーグルトの効果がより活かされます。
効果的な食べ方や注意点を理解した上で、自分に合う乳酸菌のヨーグルトを正しく食べて健康な身体をつくりたいものですね。
以下の記事では、同じ乳酸菌飲料ではあるものの、乳酸菌の種類としてまったく異なるヤクルト飲料について紹介しています。
同じヤクルトでも、種類による特徴の違いや栄養成分・作用、食べることの効果を解説していますので、併せてご参考ください。
-
乳酸菌飲料・ヤクルトの種類とそれぞれの特徴や違い、効果的な選び方は?
2024/3/21