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節分の日の由来や豆まきの目的とは?恵方巻きに使われる7つの具材も解説

2023年11月3日

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節分の福豆と恵方巻き

2月に入るとすぐにやってくる伝統的な行事、節分。

子供の頃は、毎年この日になると「鬼は外、福は内」といいながら、豆まきをして過ごした方も多いのではないでしょうか。

また、大人になるにつれて恵方巻きの存在を知り、食べて過ごした方もいるでしょう。

しかし、節分には本来どのような意味や由来があるのか、なぜ豆まきをしたり恵方巻きを食べたりするのかご存知でしょうか。

今回は、節分の意味や由来、そして節分当日の過ごし方、慣習などについて紹介します。

この記事を読むことで、豆まきの目的や基本的なやり方、恵方巻きの由来や意味も知ることで、節分本来の楽しみ方としてご参考になれば幸いです。

他の年中行事・イベントについては、下記記事でまとめていますので併せてご参考ください。

節分の日の意味・由来

節分は、厄除けや邪気除けを目的に、悪いものを追い出す日で、鬼は外・福は内と豆を撒いたり鬼にぶつけたりした後、自分の年齢の数だけ豆を食べる風習があります。

悪いものというのは「鬼」のことで、鬼といえば角の生えた赤や青の怖い姿を思い浮かべるでしょう。

実は、もともとは鬼の姿は決まっていなく、古くから見えない悪いものを鬼と呼んでおり、さまざまな物語や言い伝えを通じて、現在の姿になったといわれています。

節分は、もともとは平安時代の宮中行事だったものが、後に一般国民に広まったもので、近年では豆まきに変わって恵方巻きや巻き寿司を丸かじりすることが主流となっています。

後述しますが、節分は古代中国で行われていた行事がきっかけで、奈良時代に日本へ伝わり、平安時代には宮中行事の1つとなったのが由来です。

福豆

節分の日はいつ?

節分の日は、毎年2月3日に行われる伝統行事だというイメージをもっている方も多いのではないでしょうか。

筆者も、節分は2月3日で固定されていると思っていましたが、2021年の節分は2月2日だったことから、実際は年によって日付が異なるようです。

2月2日が節分になるのは、1897年(明治30年)以来で124年ぶりでした。

厳密にいうと節分の日は、2月3日と決められているわけではなく、立春の前日になります。

節分という名の本来の意味

節分は本来、2月に行われる伝統行事のことを指しているのではありません。

節分という言葉は「季節を分ける」という意味があり、季節の節目である「立春・立夏・立秋・立冬の前日」のことを指していることから、実は年に4回あるのです。

その中でも立春は、旧暦の1年の始まりにあたる日であり、厳しい冬を乗り越えて春を迎えることから、昔からめでたい日とされてきました。

また、春は1年の始まりとして大切な日とされていたため、春が始まる前の日、つまり冬と春を分ける日だけを節分と呼ぶようになりました。

立春の前日にある節分は、今でいう大晦日のことを指しているため、1年の厄や邪気、悪いものを祓い、清めた状態で新しい1年を迎えるための儀式として行われるようになったのが、豆まきなどの行事です。

繰り返しになりますが、節分の日は、季節の分かれ目である立春の前日となります。

ちなみに暦の上で、春が始まる立春は2月4日ごろと変動するため、カレンダーなどで確認しましょう。

2月カレンダー

節分に豆まきを行う理由

節分でおなじみの豆まきですが、なぜ豆まきをするのか理由や意味を知っているでしょうか。

豆まきができた由来

節分の行事は、古代中国で行われていた行事の1つである「追儺(ついな)」が由来で、別名として「鬼やらい」とも呼ばれます。

追儺とは、桃の木で作った弓矢で悪いもの=鬼を追い払う行事で、奈良時代に日本へと伝わり、平安時代には宮中行事の1つとして取り入れられました。

この追儺と呼ばれる行事の中には、「豆うち」という習わしがあり、その名残りが「豆まき」だといわれています。

豆まきが行われるようになったのは室町時代で、当時は豆ではなくお米を撒いて病気などの厄を追い払っていたようです。

豆は「魔を滅する」という意味で、「魔滅」という漢字があてられることもあり、鬼を追い払うことができるとされたことから豆へと変わっていきました。

そのため、豆まきは厄や邪気を追い払うために行われるということです。

鬼やらい(追儺)

豆まきに使う豆

節分の豆まきには、「福豆」と呼ばれる、炒った大豆を使います。

豆を炒る、という言葉が「魔目を射る」と似ており、「魔(鬼)の目を射る」意味があることから、炒った豆は縁起が良いとされています。

火を通さない生の豆は芽が出ることから、追い出したはずの悪いものが育ってしまうという言い伝えがあるため、必ず炒った豆を使います。

豆まきの基本的なやり方については、後述します。

福豆と鬼のオブジェ

節分に恵方巻きを食べる理由・意味

近年では、節分の日に豆まきを行うよりも、恵方巻きを食べる習慣が広まってきましたが、恵方巻きにはどんな意味があるのでしょうか。

恵方巻きの由来と意味

恵方巻きは諸説ありますが、江戸時代から明治時代にかけて、大阪の花街で節分をお祝いしたり、商売繁盛を祈ったりしたことが始まりといわれています。

商人や芸子たちが、芸遊びをしながら食べたとされる恵方巻きは、もともとは「丸かぶり寿司」や「太巻き寿司」と呼ばれていました。

いずれも七福神にちなんだもので、7つの具材を入れて巻くのが基本です。

恵方巻きの「恵方」は「吉方」とも呼ばれ、その方角には「歳徳神(としとくじん)」という神様がいるとされています。

この歳徳神という、その年の福徳を司る神様がいる方向は何ごとも吉とされ、祟り神が来ない最も縁起のいい方角です。

恵方巻きは、節分の日にこの恵方(歳徳神のいる方角)を向いて、願い事をしながら黙って食べ切ると願い事が叶うとされています。

恵方巻を無言で食べるということが決まり事ですが、これは恵方巻きにはさまざまな具材、すなわち福が巻き込まれており、食べる途中で話すとせっかくの福が逃げてしまうといわれているためです。

また、恵方巻きは一本丸かじりで食べるといわれていますが、それは1本を丸ごと食べることで幸福や商売繁盛の運を一気にいただく、ということを意味しているためです。

途中で止めることで運を逃すことなく、一気に恵方巻きを丸ごと食べることで1年の幸運を手に入れたいものですね。

恵方巻き

恵方巻きと七福神

恵方巻きは前述した通り、縁起が良いとされる七福神にあやかってできたもので、7つの具材を入れるのが基本となっています。

七福神とは、恵比寿天(えびすてん)、毘沙門天(びしゃもんてん)、大黒天(だいこくてん)、寿老人(じゅろうじん)、福禄寿(ふくろくじゅ)、弁財天(べんざいてん)、布袋尊(ほていそん)で構成される、福の神の総称です。

7種類の具材を巻くことで七福神の「福を巻き込む」、食べることで「幸運を取り込む」といった意味が込められています。

七福神

7種類の具材に込められた意味

恵方巻きの具材に明確な決まりはありませんが、基本的には次の7種類が使われており、それぞれの具材には意味があります。

ウナギ・穴子

ウナギや穴子は、姿形が長いことから長寿を意味するとされています。

また、うなぎのぼりという言葉があるように、上昇・出世の意味合いもあり、甘く香ばしいウナギや穴子の蒲焼きが使われます。

海老(エビ)

海老は、目玉が飛び出していることで「めでたし」の語呂合わせから、縁起の良い食材とされています。

また、ヒゲが長く腰が曲がっていることから長寿の象徴ともされており、ゆでたり蒸したりするのが一般的です。

伊達巻き(だし巻き卵)

卵の黄色を金に見立てて、金運を表す縁起の良い食べ物で、伊達巻きやだし巻き卵、厚焼き卵にしたものを縦に細切りにして使います。

ちなみに伊達巻は、通常の卵焼きとは異なり、魚のすり身が加わることで特有のふわふわとした食感になっているのが特徴です。

7つの具材が使われた恵方巻き

シイタケ

シイタケは、古くから神様のお供え物とされていた食材です。

また、形が陣笠(じんがさ)に似ていることから身を守ってくれるという意味があり、干しシイタケを砂糖やしょうゆで煮たものを細切りにして使います。

キュウリ

キュウリは、「九(きゅう)利(り)」の語呂合わせから、9つの利をもたらすという意味があり、食感がよく彩りも美しいため巻き寿司には欠かせない食材でしょう。

かんぴょう

前述のウナギや穴子と同じように、細く長いかんぴょうにも長寿の意味が込められています。

出汁や砂糖、しょうゆで味付けしたかんぴょうの甘煮は、巻き寿司全般で定番となっている具材です。

桜でんぶ

桜でんぶは、鯛(タイ)やタラの身を煎り上げ、ピンクに色付けしたものです。

原料の鯛は「おめでたい」の語呂合わせからきており、巻き寿司やちらし寿司に彩りを添えてくれる具材としておなじみです。

恵方巻き作り

節分の日の過ごし方

節分は、厄や邪気といった悪いものを追い払うための風習です。

1年を無事に過ごせるよう、節分の日当日に行われていることをまとめましたのでご参考ください。

豆まき

節分といえば、定番はやはり豆まきですね。

前述の通り、もともとはお米を撒いていましたが、「魔を滅する」という意味があることから豆に変わり、鬼=厄を追い払うことが豆まきの目的です。

豆まきのやり方はまず、節分の朝に炒った大豆を枡(ます)に入れ、神様にお供えするところから始まります。

神棚がない場合は、自分の目線より高いところに白い紙を置き、その上に炒った大豆を置いておきます。

福豆

そして、鬼が来るといわれている夜になると、玄関から一番遠い奥の部屋から順に、鬼を追い出すようにして、最後は玄関の方へ向かって豆を撒いていきます。

まず、部屋の中から「鬼は外」といいながら部屋の外に向かって豆を2回撒き、部屋の外に出ると鬼が戻らないようすぐにドアや窓を閉めてから、今度は「福は内」といいながら部屋の中に向かって豆を2回撒きます。

つまり、悪いもの(鬼)を追い払ってから、良いもの(福)を呼び込むということです。

すべての部屋と最後の玄関で豆まきを終えたら、無病息災を祈願し、自分の年齢に1を足した数の豆を食べて終わります。

豆まき

上記は、一般的な豆まきのやり方で、地域によっては落花生が使われることもあるなど違いがありますので、確認しておくことをおすすめします。

豆を食べる際の注意

2021年に消費者庁より、食品による子供の窒息・誤嚥(ごえん)による事故について、注意喚起が出ています。
2014年から2019年までの6年間で、食品を誤嚥して窒息したことにより、14歳以下の子供が80人死亡し、そのうち5歳以下が73人で9割を占めていました。
特に注意が必要なのは、奥歯がまだ生え揃わず、噛み砕く力や飲み込む力が十分ではない子供が豆やナッツ類を食べると、喉や気管に詰まらせて窒息してしまったり、肺炎を起こしたりするリスクがあるとのことです。
詳しくは、消費者庁の当該ページをご参照ください。

恵方巻き

近年の節分では、節分の日が近づくとスーパーやコンビニで恵方巻きの予約注文などを受け付けることが多くなってきました。

恵方巻きは前述の通り、節分の日に恵方(歳徳神のいる方角)を向いて願い事をしながら、無言で1本を丸ごと食べ切ります。

恵方巻き

恵方巻を無言で食べるのは、食べる途中で話すと恵方巻きに使われている具材の福が逃げてしまうといわれているためです。

また、一本を丸かじりで食べることで、幸福や商売繁盛の運を一気にいただく意味があります。

運を逃さないように途中で止めることなく、一気に恵方巻きを丸ごと食べることで1年の幸運を手に入れたいものですね。

なお、歳徳神のいる方角は、毎年変わるので注意してください。

恵方巻きを食べる女性

鰯の飾り(柊鰯)

鬼は、鰯(イワシ)の生臭いニオイと、柊(ヒイラギ)の痛い棘が苦手だという言い伝えがあります。

節分の日には、焼いてニオイを強くした鰯の頭を、柊の枝に刺した飾りを玄関先に飾ることで、鬼が入ってこないようにすることが狙いです。

地域によって異なりますが、この飾りのことを「柊鰯(ひいらぎいわし)」または「柊刺し」などと呼ばれています。

柊鰯

節分に関するQ&A

節分について改めて再確認をするとともに、上記には記載しきれなかったよくある疑問や注意しておくべき点などを、Q&A形式でまとめました。

節分の恵方巻きと福豆

節分に豆まきをする理由は?

悪いもの(鬼)を追い払い、良いもの(福)を呼び込むために豆まきをします。

鬼に豆を投げるのはなぜ?

日本では、古くから米や麦、ひえ、あわ、大豆には「穀霊」と呼ばれる精霊が宿っていると考えられ、中でも大豆はもっとも粒が大きく、より多くの精霊が宿るといわれていました。

もともとはお米が使われていましたが、豆は「魔を滅する」という意味があり、鬼の退治に最適だとされたことから豆へと変わっていきました。

豆まきをするのは誰?

厄や邪気を追い払うために豆を撒くのは、基本的に「年男」です。

本来、年男というのは一家の主(大黒柱)を指していましたが、現代ではその年の干支に生まれた男性とされています。

現在では年男や年女、あるいは家族が撒きますが、地域によっては厄年の人が撒く風習もあります。

豆はなぜ炒った方がいいのか?

豆まきでやってはいけないこと、それは生の豆を撒くことです。

豆を炒るというのは、「魔(鬼)の目を射る」意味があります。

そして、火を通さない生の豆は芽が出る、つまり、芽が出てしまった時は育つということです。

追い出したはずの厄や邪気などの悪いものが育たないように、必ず炒った豆を使いましょう。

恵方巻きの具材には何を使うのか?

恵方巻きには、7種類の具材を入れるのが基本とされています。

これは七福神にあやかって、福を巻き込むという願いが込められているためです。

具材の種類に明確な決まりはないため、好きなもので構いませんが、一般的にはウナギの蒲焼き・海老・伊達巻き(だし巻き卵)・シイタケ・キュウリ・かんぴょう・桜でんぶを使います。

節分となまはげの違いは?

節分となまはげは、時期が近いために混同しがちですが、いずれも鬼の形相とはいえ、まったく別の伝統行事です。

節分は、前述の通り厄や邪気などの悪いものを鬼として扱い、豆を投げて鬼を追い払います。

一方で、なまはげは本来、大晦日に家々を回るというのが風習ですが、ユネスコの無形文化遺産に登録されている秋田県の「男鹿のなまはげ柴灯まつり」は、2月上旬に開催されるために節分と混同されることが多いのでしょう。

この男鹿のなまはげは、鬼ではなく、実は神様なのです。

男鹿の山々に住む神の使いで、人の怠け心を戒めるだけでなく、無病息災や山の幸・海の幸をもたらします。

年の変わり目に訪れる来訪神でもあり、大勢のなまはげが雪山の中を下りてきて、大きな音で民家の戸を叩いたり足を踏み鳴らしたりするのも、家の中の邪気を払うためです。

節分もなまはげも、厄や邪気を追い払う目的があるという点では同じですが、鬼と神様という違いを覚えておきましょう。

なまはげ

終わりに

節分は、今でいう旧暦の大晦日にあたる、1年で最も重要な日のひとつでした。

近年では、親が鬼に変装して、子供たちが豆まきをして楽しむ、というイメージが強いですが、実際には1年の厄や邪気を祓い、これからの1年に福を招くための習わしです。

今年こそ、節分本来の意味を理解しながら豆まきをし、恵方巻きを正しく食べて有意義に過ごしたいものですね。

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