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大晦日の過ごし方や避けるべきこと、おせち料理20品に込められた意味や願いとは?

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除夜の鐘

1年の最後の日を締めくくる、大晦日。

大晦日といえば、大掃除やお正月飾り、おせち料理づくりなどやることがたくさんあります。

そして、新年を迎えるための準備を終えたら、除夜の鐘を聞きながら年越しそばをいただくという方も多いでしょう。

しかし、大晦日には避けるべきこと、やってはいけないことがあるのをご存知でしょうか。

今回は、大晦日の意味や由来、当日にやること・過ごし方を紹介するとともに、注意すべき点も解説します。

また、おせち料理に取り入れられる一品料理や具材についても説明しますので、作る時のご参考になれば幸いです。

他の年中行事・イベントについては、下記記事でまとめていますので併せてご参考ください。

大晦日とは

大晦日は、現在のグレゴリオ暦(新暦)で1年の最終日にあたる、12月31日のことを指します。

ちなみに、大晦日は一般的に「おおみそか」と呼ばれていますが、「おおつごもり」という読み方もあります。

12月カレンダー

晦日とは?大晦日との違い

大晦日と晦日の両方をよく耳にしますが、どちらか正式な呼び方なのでしょうか。

晦日というのは、毎月の最終日を指します。

かつて日本の暦として使われていた太陰暦(旧暦)では、各月の最終日を晦日(みそか、つごもり)と呼んでいました。

そして、晦日の中でも1年で最後の晦日であり、1年の締めくくりとなる12月の晦日には大の字をつけて大晦日となりました。

小晦日はいつ?大晦日との違い

大晦日とは別に、小晦日という言葉もあり、大晦日の前日を意味します。

つまり、大晦日が12月31日となるため、小晦日は12月30日のことです。

ちなみに、小晦日の呼び方は「こつごもり」で、「しょうみそか」とは読みませんので気をつけましょう。

年末・大晦日にやること、過ごし方

大掃除

実はお正月に掃除をすると、福をもって訪ねてくれた年神様を追い払うことになってしまいます。

洗濯やトイレ、浴室、キッチンなどの掃除も、神様を水で洗い流すといった意味合いになるため、控えた方がよいとされています。

また、新年に神様を迎え入れる準備として、家の中をけがれのない清浄な場所にする必要があるため、前日の大晦日には大掃除をする習慣があります。

つまり、年末に大掃除をするのは、新年に神様を迎え入れるためです。

掃除道具

年末の大掃除は、平安時代に宮中で行われていた「煤払い(すすばらい)」が由来とされており、各家庭でも昔からあった囲炉裏や釜戸など、家の中に溜まった煤(すす)やホコリを払って掃除していました。

それが現代に受け継がれ、今でも年末になると神様を迎える準備のために各家庭で大掃除をするのです。

12月になるとニュースなどで、お寺や神社に安置されている大仏様や神様に長い竹で煤を払っている様子を見たことのある方も多いと思います。

この煤払いは、悪い霊や厄を落とし、年神様をお迎えするために内外を清める、といった意味もあります。

普段できない箇所を掃除する機会でもありますので、換気扇や窓、網戸など1年間の汚れもきれいにしましょう。

毎日の家事労働は年末までにして、元旦だけでも家族とゆっくり過ごしたいものです。

煤払い(すすばらい)

神棚や仏壇の掃除・お供え

神棚は、自宅で神様にお参りするための小さな神社です。

先の大掃除に通じますが、普段はあまり手をかけない神棚も掃除しておきましょう。

神社が日々の掃除によって清らかに保たれているように、神棚にも掃除が必要です。

掃除が済んだ後には、神棚の上天井に「雲」、仏壇には「空」を貼ります。

上天井に「雲」と書かれた神棚

これは、神棚と仏壇の上には何もなく、雲と空しかないということを表すためです。

神棚と仏壇の上に部屋があるということは、人間が神様や仏様より上ということになり失礼に当たるため、2階はないという意味で貼ります。

そして、新しく準備したお米や清酒、榊などのお供え物を神具にのせてお供えし、最後にお参りします。

地域や各家庭によっては、小さなしめ飾りやしめ縄を飾ることもあります。

仏壇

餅つき・鏡餅

年末に餅つきをするのは、お正月に飾る鏡餅を作ることが一般的な理由です。

鏡餅は年神様へのお供えでもあり、神様の居場所となるのです。

しかし、大晦日に餅つきや鏡餅作りはやってはいけないことになっています。

詳しくは、後述する「年末・大晦日に避けるべきこと」でご参考ください。

餅つき

お正月飾り

お正月飾りで代表的なものは、門松、しめ縄、しめ飾り、鏡餅でしょう。

いずれも縁起のよいもの、年神様をお迎えするために必要なものです。

しかし、大晦日に飾りはやってはいけないことになっています。

詳しくは、後述する「年末・大晦日に避けるべきこと」でご参考ください。

鏡餅としめ飾り(お正月飾り)

おせち料理

新たな年を迎えるめでたい日としてお正月に食べるものを、おせち料理と呼びます。

1年の豊作と家族の安全を祈願して年神様をお迎えするため、正月三が日の間は炊事をしないという風習があります。

そのため、大晦日に日持ちのする料理を作っておき、三が日の間はそれらをおせち料理として食べる習わしです。

近年では、有名なホテルや料亭などで注文して引き取りにいくケースが増えていますが、普段では食べられない贅沢な食材や料理をいただく機会でもありますね。

実は、おせち料理に使われる単品料理にはそれぞれに意味があり、詳しくは後述します。

おせち料理

年越しそば

年越しにそばを食べるのは、細く長いことから長寿や健康への願いと、家族の縁が長く続くようにという願いがあります。

また、その切れやすい性質から厄災を断ち切るためのゲン担ぎや、1年の不運や苦労を切り捨てるという願いを込めて大晦日に食べるといわれています。

年越しそばを食べるタイミングですが、特に決まった時間はなく、大晦日に食べ終わればいつ食べてもよいです。

お正月の準備で忙しいため、昼食に食べる人もいれば、除夜の鐘を聞きながら年越す24時近くに食べる人もいます。

1年の締めくくりに年越しそばを食べて、これから迎える新年の幸せを願いましょう。

年越しそば

除夜の鐘

大晦日の伝統行事といえば、「除夜の鐘(じょやのかね)」は有名ですね。

梵鐘(大きな釣り鐘)のある寺院では、元日の午前0時をはさんで鐘を計108回打ち鳴らしているのを見たり聴いたりしたことがある方も多いでしょう。

大晦日の夜を「除夜」といい、108回の数字は人間の煩悩の数を意味しています。

鐘を打ち鳴らすことで煩悩の消滅を祈念し、新しい年を迎えるといわれているため、旧年中に107回を鳴らし、最後の1回は新年に突くようにしているそうです。

除夜の鐘

年末・大晦日にやってはいけないこと

年末や大晦日には避けるべきこと、やってはいけないことがあります。

9のつく日は注意

9がつく日は、「九」が「苦」に通じることから苦しむことを連想させるため、掃除をするのは控えた方がいいといわれています。

特に、29日は「二重苦」で二重に苦しむという連想から縁起が悪いとされています。

また、12月29日に神棚を掃除し、門松を飾ると「九松=苦待つ」を連想させ縁起が悪いといわれているため、掃除には不向きです。

もちろんですが、お正月飾りや餅つき、鏡餅作りも避けましょう。

神棚

大晦日のお正月飾り

大晦日となる12月31日は、「一夜限り」と葬儀を連想させることから、飾るのは避けた方がいい日とされています。

また、大晦日に行うのは一夜飾りといわれ、神様をお迎えするのに失礼にあたると考えられています。

そのため、門松、しめ縄、しめ飾り、鏡餅などの正月飾りは、12月28日までに済ませるか、12月30日に行うのがよいです。

大晦日の餅つき・鏡餅

お正月飾りで説明した通り、餅つきも縁起を担いで12月28日か30日に行うことが一般的です。

鏡餅用の手作り餅

大晦日は早く寝てはいけない

大晦日は、早く寝てはいけないとされているのを聞いたことがありませんか。

元日に新年を司る年神様に仕えることで、生命力が更生されるといわれており、大晦日は寝ないで年神様を迎える習わしがあったためで、これを「年籠り(としごもり)」と呼びます。

おせち料理の意味や願い

おせち料理は、「節供料理」「御節供(おせちく)」の略で、本来はそれぞれの節日で神様にお供えする料理のことをいい、正月だけのものではありませんでした。

その後は次第に、節日の中でも最も重要な正月の料理を指すようになり、おせち料理(おせち)と呼ばれるようになったのが由来です。

実は、おせち料理に詰められる単品料理には、それぞれの意味や願いが込められていることをご存知でしょうか。

ここでは、一般的に取り入れられる一品料理・具材を取り上げて説明しますので、おせち料理を作る時の参考にしてください。

おせち料理

祝い肴(いわいざかな)

お祝いの場で、祝い膳として提供される酒の肴を指します。

三段重や五段重では最初の一の重にくるのが一般的で、不老長寿や子孫繁栄、家内安全など人々の祈りが込められています。

数の子(ニシンの魚卵の塩漬け)

ニシンの腹子である数の子は、卵の数が多いことから子孫繁栄を願ったものです。

数の子は、子どもに好まれないことが多いですが、大人になると口に入れて噛んだ瞬間のポリっとした食感が爽快で美味しいことがわかるようになります。

黒豆(黒豆の煮物)

黒豆はその見た目から、黒く日焼けするほどマメに働くという意味があり、無病息災で1年中元気で働けるようにという願いが込められています。

上手に出来上がった黒豆は色つやがよく、口に含むと甘みが広がり、噛めば噛むほど豆の旨味が引き出されます。

栗きんとん(栗金団)

クリは、山の幸を代表する食材であり、古くから勝ち栗と呼ばれていました。

縁起がよく高く評価されてきた栗きんとんは、黄金色に輝く財宝のように見えることで豊かさを意味しています。

また、漢字の「金団」は金色の団子を表し、金銀財宝を意味して金運を願ったものです。

なめらかで甘いあんと、ゴロッとしたクリのコントラストをデザート感覚で味わうことが醍醐味です。

田作り(ごまめ)(鰯の幼魚の佃煮)

田作りというのは、カタクチイワシ(片口鰯)の小魚を干して飴炊きにしたものです。

カタクチイワシを肥料にして田畑にまいたところ豊作になったことから名づけられたもので、五穀豊穣を願う料理です。

おつまみのように、薄味でポリポリ食するとなんともいえない甘みが後を引きます。

伊達巻

諸説ありますが、豪華に見せるという役割があることと、伊達巻の形が巻物に似ていることから、知識が増えるようにという文化・学問・教養を願った料理です。

甘くてふわふわの食感が楽しめる伊達巻は、特に卵好きなら味わい深く堪能できるでしょう。

たたきごぼう(酢ごぼう)

ゴボウは細いにもかかわらず地中深く根を張ることから、深く根を張り繁栄することを願うのに縁起のよい食材とされてきました。

たたきごぼうは、ゴボウを柔らかく煮て叩き身を開くことで開運の縁起を担ぐといわれているとともに、豊年と無病息災を願う料理です。

食物繊維が豊富で、叩かれたゴボウには調味料が程よく染み込んでいます。

紅白かまぼこ

かまぼこの半円形は日の出、つまり初日の出を連想させることから元旦には欠かせない食材です。

紅白のおめでたい色が縁起物で諸説ありますが、かまぼこの赤には慶びやめでたさ、魔除けの意味があると考えられており、白には清浄、神聖さという意味が込められています。

あっさりとした紅白かまぼこは、味の濃い料理の箸休めに適しています。

他にもある祝い肴

祝い肴は他にも、殻が固いことに由来して家庭円満を願ったクルミ、福が多いことを祈願したお多福豆(大粒の皮つきソラマメの煮物)などがあります。

祝い肴(おせち料理)

焼き肴

焼き肴(やきざかな)は、主に鰤(ブリ)や鯛(タイ)、海老(エビ)など縁起がよい魚介類を炭火などで焼いたものです。

おせち料理の重箱で二段目にくるのが一般的です。

鰤の照り焼き

ブリは、大きさによって名前が変わる出世魚であることにあやかって、立身出世を願う人にとっては1年の最初に食べておくと縁起がよいといわれています。

最近のおせち料理には鰤の照り焼きが入れられることが多くなり、甘辛く肉厚なブリの噛みごたえを味わえます。

鯛の焼き物

タイは恵比寿様が持っていることから江戸時代に広まった七福神信仰と結びついて、めでたい魚といわれています。

単純に「たい」と「めでたい」の語呂合わせで縁起がよいといわれていることもあります。

鯛の身は淡白ですが、シンプルな塩焼きは酒の肴にもピッタリです。

海老の焼き物

髭(ひげ)が長く、腰が曲がっている形状を老人になぞらえて、長寿を願った料理です。

焼き肴(おせち料理)

酢の物

酢の物は、野菜や魚肉、海藻などに合わせ酢をかけたり浸したりした料理で、日持ちするだけでなくそれぞれに意味や願いもあります。

おせち料理が五段重の時は4番目の重(与の重)、三段重の時は焼き物と一緒に2番目の重に入れます。

紅白なます(人参と大根の酢の物)

紅白の色合いがおめでたい色で、のし袋やのし紙に使われるお祝いの水引を表すものとして使われています。

根菜類のように根をしっかりと張り、家の土台を強くするという意味も込められています。

ダイコンとニンジンに加えて生魚が入ることから「紅白なます」と呼ばれていましたが、今では地域によって盛り付けは異なります。

程よい塩気と酢の味でさっぱりと食べることができます。

酢蓮(れんこんの酢の物)

レンコンは見た目通り複数の穴があり、縦にまっすぐ通っているため先や向こう側を見通せることから、見通しの明るい1年、将来の見通しがよくなるようにと願った食材です。

レンコンは酢につけることで変色せずにきれいな状態を維持でき、サクサクの食感をほのかな酸味と共に楽しめます。

酢の物(おせち料理)

煮しめ(煮物)

日持ちをよくするために、汁気がなくなるまでじっくり煮込んだ料理です。

昆布巻き

昆布は、「喜ぶ」という語呂合わせから縁起物とされており、昆布巻きは伊達巻と同じく巻物に似ている形状から文化・学問・教養を意味するとされています。

ニシンを間に入れた昆布巻きは、両親の健康を願う気持ちと子孫繁栄の両方を合わせた願いが込められています。

昆布とニシンの組み合わせは味が濃いめのため、薄味の料理と交互に食べたりご飯のお供におすすめです。

地域や家庭によっては、ニシン以外にもサンマやシシャモを入れてアレンジすることがあります。

手綱こんにゃく

手綱こんにゃくというのは、短冊切りしたこんにゃくの真ん中に切込みを入れて手綱のように巻く煮物です。

手綱は馬を制御して導く武家社会の名残からきており、自分の心を引き締めて律するという意味があり、結び目から良縁に恵まれるようにという願いも含まれています。

あっさりとしているので、濃い味付けの料理の口直しにいいです。

れんこん

酢蓮で説明した通り、レンコンは見た目通り複数の穴があり、先や向こう側を見通せることから、見通しの明るい1年、将来の見通しがよくなるようにと願った食材です。

里芋(さといも)

親芋が大きいことにちなんで出世を願うことと。親芋に小芋がたくさんつくことから子宝を願う意味があります。

梅花にんじん

ニンジンをおめでたい梅花になぞらえて飾り切りし、煮詰めた料理です。

亀甲椎茸

シイタケを長寿の象徴である亀の甲羅の形に飾り切りし、煮詰めた料理です。

他にもある煮しめ

煮しめは他にも、天に向かっていくようにまっすぐ伸びていく出世を意味するタケノコ、形が万年生きる亀と重なることから不老長寿への願いがあるクワイ、金冠に通じることから金運を願ったキンカン(金柑)もあります。

煮しめ・煮物(おせち料理)

終わりに

新しい年を迎えるために、その年の最後を締めくくる大晦日。

お正月ぐらいは、家事をいつも頑張っているお母さんやお嫁さんなどにはゆっくり休んでもらいたいものですね。

家族皆でゆっくり過ごすためにも、年末にしっかり大掃除をして、気持ちよく新年を迎えましょう。

以下の記事は、大晦日が明けてやってくる元旦・お正月について紹介しています。

元旦と元日、お正月という言葉にはどんな意味があり、どういう違いがあるのか、それぞれの意味や違い、使い分け方があります。

また、初日の出を拝むようになった起源、おせち料理の意味など、お正月にまつわる意味についても解説していますので、味わい深いお正月を過ごすご参考になれば幸いです。

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