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暑中見舞いの起源や送る時期はいつ?挨拶状の書き方・文例解説

2023年8月1日

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真夏の挨拶状ともいえる暑中見舞いの起源や意味、送る時期は?

うだるような暑い夏に送る季節の挨拶状、暑中見舞い。

熱中症に油断できないほど厳しい暑さが続く中、故郷の友人や恩師、お世話になった方々が元気に暮らしているか気になることがありませんか。

電話やメールなどで手軽に連絡をとることもできますが、1枚のハガキに相手を気遣う想いを込めて暑中見舞いを送ると、その気持ちが伝わり喜ばれます。

今回は、暑中見舞いの意味や起源、送る時期、挨拶状の書き方や注意点を文例付きで解説します。

最後には、猛暑を乗り切るおすすめのギフトを紹介していますので、お中元の時期を逃した場合の贈り物としてご参考になれば幸いです。

暑中見舞いとは

暑中見舞いのハガキとペン

暑中見舞いは、普段なかなか会えない友人や親族、いつもお世話になっている方へ送る「真夏の挨拶状」です。

暑さが真っ盛りの時期に、相手の体調を気遣う気持ちを込めて送ります。

ハガキでの短いお便りですが、メールよりも手書きの方が温もりがあり、形あるものとして丁寧な印象を与えられるのが魅力なところです。

また、自身の近況報告も兼ねているため、互いの心を通わせるひとつの手段ともいえるでしょう。

暑中見舞いの起源や由来

暑中見舞いを送る風習が生まれたのは、江戸時代だといわれています。

お盆に里帰りをする際、先祖の霊に供える品を持参していたことが始まりです。

同時に、お盆の時期に別々に住む家族や親戚、お世話になった方へ、健康を気遣い元気でいてほしいという気持ちを伝えるために、贈答品を贈り合うお中元の文化へ変化していきました。

その後、明治時代に制定された郵便制度の発達とともにこの習慣が簡素化され、大正時代には現在のように、挨拶状のみを送る暑中見舞いの形が定着しました。

お中元については、下記記事で解説していますのでご参考ください。

暑中見舞いを送る相手

ハガキと筆

暑中見舞いは、誰に送っても決まりがありませんが、普段はなかなか会えていない友人や遠方に住む恩師、日頃お世話になっている知人、両親、取引先などに送るのが一般的です。

すっかり疎遠になってしまった方や、いきなり電話をするのは躊躇するといった方にも、暑中見舞いの挨拶状(ハガキ)であれば送りやすいでしょう。

また、お中元のお礼やお返しをしたりするほか、結婚や出産、引っ越しなどの報告にも適しています。

企業やショップからのイベントやセールのお知らせとしても活用されます。

あなたがフリーランスや個人事業主であれば、顧客や取引先に対して暑中見舞いを送ることもおすすめです。

暑中見舞いを送る時期

暑中の時期に日傘を差す女性

暑中は、暦の上では暑さが本番を迎える時期という意味です。

暑中見舞いは、夏真っ盛りの暑さが厳しい時期に、日頃なかなか会えない友人や知人、お世話になっている人に、近況報告や安否伺いをするための挨拶状を送るという役割をもちます。

そのため、暑中見舞いを送る時期は、二十四節気でいう小暑の7月7日頃から、立秋にあたる8月7日頃の前日までが一般的です。

二十四節気については、下記記事をご参考ください。

今年の小暑や立秋はいつ?

真夏といえばヒマワリ

二十四節気の小暑や立秋は、年ごとに日にちが異なり、2024年の小暑は7月6日で、立秋は8月7日のため、立秋前日の8月6日までに送るのが基本です。

ただし、7月上旬はまだ梅雨明けしていない年や、肌寒い日が続く地域もあります。

暑中見舞いは、猛暑の季節に相手を気遣う挨拶状のため、実際の天候や気温を見ながら送るようにしましょう。

暑中見舞いを送り損ねた場合

暑さが本番を迎える時期に送る暑中見舞いですが、立秋を過ぎてしまった場合は、残暑見舞いとして送ることが可能です。

残暑見舞いは、暦の上では秋でも実際は厳しい暑さがまだ続いている時期に送る挨拶状のため、8月上旬から遅くても8月末までに送ることができます。

残暑見舞いについては、下記記事で解説していますのでご参考ください。

お中元と残暑見舞いとの違い

お中元は、日頃お世話になっている方へ感謝と健康を願う気持ちを込めて贈り物をする、夏の挨拶状です。

中国の旧暦7月15日を「中元」と呼ばれることに由来しています。

お中元を贈る時期は暑中見舞いと重なりますが、具体的な時期は7月初旬から8月15日までで、地域によって期間が異なりますので事前に確認をしておくとよいです。

なお、お中元の時期が過ぎてしまった場合は、暑中見舞いとして贈答品を送ることもできます。

お中元については、下記記事で解説していますのでご参考ください。

また、暑中見舞いを送る時期を過ぎてしまった場合は、残暑見舞いとして贈答品や挨拶状を送ることもできます。

残暑見舞いについては、下記記事をご参考ください。

暑中見舞いハガキの書き方

暑中見舞いハガキの制作イメージ図(ヒマワリ)

暑中見舞いを書く際は、下記5つの構成で書くのが基本です。

(1)お見舞いの挨拶

暑中見舞いの書き出しは、「暑中お見舞い申し上げます」となります。

年賀状などと同じで、「こんにちは」「さようなら」などの頭語・結語は使いません。

また、一般の手紙やビジネス文書に用いられる「拝啓」「敬具」も不要です。

お見舞いの挨拶文は、本文より大きめに書くことで見栄えをよくしましょう。

句点「。」も不要です。

(2)時候の挨拶

時候の挨拶は、暑中見舞いを送るタイミングに合わせた季節感を表す文章、土地柄・気候など相手の住んでいる地域に適した文章を選びます。

相手が置かれている状況を踏まえた上で、相手の安否を尋ねる文章を続け、お世話になったことがあれば感謝のひと言を添えます。

例:梅雨も明け、暑さの厳しい日々が続きますが、お変わりなくお過ごしでしょうか

暑中見舞いで時候の挨拶をする際は、相手の立場に注意しましょう。

離れた土地に住んでいる人に送る場合は、同じ夏でも気候が同じとは限りません。

相手が住んでいる土地柄や気候に合わせて表現を選ぶと、相手を思いやる気持ちが伝わります。

時候の挨拶を述べた後は相手の健康を気遣う言葉、または感謝の気持ちを添えるといいでしょう。

時候の挨拶と安否伺いを1つの文章で伝えることも問題ありません。

また、暑中見舞いは年賀状と異なり、相手を気遣うお便りのため、相手が喪中であっても送ることに差し支えありません。

(3)自身の近況報告

次に自分や家族の近況を書くと、相手に喜ばれるとともに安心するでしょう。

自身の近況報告は、相手との関係に合わせて書くことが重要で、具体的な内容にすることも大切ですが、相手が目上の場合は当たり障りのない文がおすすめです。

例:当地は冷夏のため、今年は家族一同元気に過ごしております

(4)結びの挨拶

暑中見舞いにおける結びの挨拶とは、相手を気遣う言葉を指します。

一番伝えたいこと、相手への気遣いや感謝を述べて締めくくりましょう。

例:まだまだ暑さは続きますので、くれぐれもご自愛ください

(5)日付

暑中見舞いの最後に用いる日付は、夏の暑さが真っ盛りの時期という意味として「盛夏」と書きます。

例:令和○○年 盛夏

暑中見舞いでは、正確な日付は書きません。

年数の下に、一番暑い夏の盛りを表す「盛夏」と書くのが一般的です。

主に「令和○○年 盛夏」「令和○○年 七月」などがありますが、縦書きの場合は年号を漢数字で書くという決まりがあるため、注意しましょう。

なお、残暑見舞いでは「晩夏」「立秋」などの季語を用います。

市販の暑中見舞いハガキや手作りで印刷したハガキを使用する場合には、手書きで一言添えるとよいでしょう。

手書きが1文でも添えられていると、受け取った相手も好印象をもちます。

立秋を過ぎてからハガキを送る場合は、「残暑見舞い」として出すのが望ましいです。

残暑見舞いも暑中見舞いと同じく、近況報告や安否伺いをする役割がありますが、時期が異なります。

残暑見舞いについては、下記記事をご参考ください。

暑中見舞いを送る文例

夏の風物詩、風鈴

近況報告を兼ねた暑中見舞いの文例を、相手別・シーン別に紹介しますので参考にしてください。

友人や親族などに送る場合(一般向け)

暑中お見舞い申し上げます
寝苦しい暑さが続く毎日ですが、お変わりなくお過ごしでしょうか
おかげさまで私ども一同は、涼を得ながら元気に過ごしております
まだしばらくは厳しい暑さが続きますが、くれぐれもご自愛ください
令和○○年 盛夏

上司や社内関係者に送る場合(仕事向け)

暑中お見舞い申し上げます
梅雨が明け、すっかり夏本番となりましたが、ご健勝のことと存じます
日頃から何かとお心にかけてくださり、感謝の念に堪えません
私も早く一人前になれるよう、これからも努力する所存です
酷暑の折、どうぞご自愛のうえお過ごしください
令和○○年 盛夏

会社関係者や取引先に送る場合(ビジネス向け)

暑中お見舞い申し上げます
貴社益々ご清栄のこととお喜び申し上げます
平素は格別のご愛顧を賜り誠にありがとうございます
暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか
何卒健康には十分ご留意ください
今後とも変わらぬお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます
貴社の益々のご繁栄、ご発展をお祈りいたします
令和○○年 盛夏

お中元の代わりに送る場合

お中元を贈る時期が過ぎてしまった場合、贈答品より早くに送る暑中見舞いの文例です。

暑中お見舞い申し上げます
平素より何かとお世話になりまして、心より御礼申し上げます
つきましては、本日、心ばかりの品を別送させていただきました
ご笑納いただけましたら幸いに存じます
今後とも何とぞご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます
本来ならばご挨拶に伺うべきところ、失礼をお許しください
暑さ厳しき折、くれぐれもお気をつけくださいますようお祈り申し上げます
令和○○年 盛夏

贈答品へのお礼として送る場合

お中元など贈答品をいただいたお返しとして、贈答品とは別にお礼をとして送る暑中見舞いの文例です。

暑中お見舞い申し上げます
○○(相手の氏名)様には日頃なにかとご配慮を賜り、ありがとうございます
さて、先日はお心のこもったお中元の品をお送りいただき誠にありがとうございます
何よりの好物、ありがたく拝受いたしました
暑さ厳しい折から、ご自愛のほどお祈りいたします
取り急ぎ、暑中お見舞いかたがた、お礼のご挨拶とさせていただきます
なお、別送の品は軽少ながら感謝のしるしでございます
お納めいただければ幸いに存じます
令和○○年 盛夏

暑中見舞いを受け取った場合は

暑中見舞いをもらったら返礼状を送るのがマナー

暑中見舞いを受け取ったら、返事をするのが礼儀です。

ただし、暑中見舞いというのは、基本的に目下の人が目上の人に対して出すもののため、お礼として出すことはほとんどありません。

もし、目上の人からの暑中見舞いを受け取ったときには、返事としてではなく、暑中見舞いとして出すか、あるいは普通のお礼状としてお礼の言葉を添えて出すかになります。

メールでもらった場合はメールでの返信で構いませんが、手書きのハガキや封書でもらった場合は、礼儀として同じようにハガキや封書で返事を郵送するとよいでしょう。

暑中見舞いのお礼を返す場合

暑中見舞いを受け取ったお礼の挨拶状を送る場合の文例です。

暑中見舞いの時期を過ぎた立秋以降に、残暑見舞いとして返す場合になります。

残暑お見舞い申し上げます
先日は暑中見舞いを頂戴しましてありがとうございます
お健やかにお過ごしのご様子、何よりとお喜び申し上げます
私どもは相変わらず元気に過ごしておりますので、ご安心ください
そろそろ夏の疲れが出てくる頃かと存じます
ご家族の皆様には、お健やかに過ごされますようお祈り申し上げます
令和〇〇年 晩夏

暑中見舞いの贈答品

暑中見舞いはお中元の代わりとしてギフトを贈ることも

一般的に暑中見舞いは、相手の健康を気遣うために送る季節の挨拶状です。

しかし、もともとはお盆に先祖の霊に供え物をしていた流れで、普段会えない方やお世話になった方への健康を気遣い、元気でいてほしいという気持ちを伝えるために、贈答品を送る習慣は現在も残っています。

特に、お中元の時期に贈れなかった贈答品を、暑中見舞いや残暑見舞いとして贈ることができます

贈答品を贈る相場金額

暑中見舞い(暑中お伺い)の予算は、相手に負担のない範囲で3000円~5000円が一般的です。

特に、お世話になっている方やお取引先には、少し高めの5000円~10000円の予算で考えてもよいです。

付き合いや関係の度合いや、相手の年代によって贈答品の金額に違いが出てきますが、お互いに負担にならない程度に抑えることが大切です。

贈答品の贈り方

贈り物につけるのし紙(掛紙)の表書きは、8月7日ごろの立秋までは「暑中御伺い」「暑中御見舞」となります。

暑い夏に贈ると喜ばれるギフト5選

相手に猛暑を乗り切ってもらうために、暑中見舞いで喜ばれるおすすめのギフトを紹介します。

ハム

燻製されたハムは、保存性が高いだけでなく、手軽に食べられることで喜ばれる贈り物です。

種類も豊富で高級感もあるため、普段とは違う贅沢な1品として味わえます。

切るだけで食べられるハムは、お弁当のおかずや晩酌のおつまみとしても喜ばれること間違いありません。

フルーツ

夏のギフトとして人気が高い食品といえば、旬のフルーツでしょう。

メロンや桃、マンゴーなどが挙げられますが、食べ頃が難しいこともあるため、ゼリーや水羊羹といった涼しげなフルーツの和洋菓子なら日持ちします。

また、フルーツの缶ジュースも手軽に飲みやすいですね。

日本酒

日本酒は、もともと神様へのお供え物として作られており、現在でも神聖な御神酒(おみき)として供えています。

また、縁起の良いものとされているため、日本酒好きの方には飲み比べができるセットを贈ると楽しみが広がるでしょう。

洋菓子

洋菓子は和菓子同様に選びやすく買いやすいと思われがちですが、日常では口にできないような贅沢なブランドのスイーツや、なかなか手に入らないような人気菓子はより喜ばれます。

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生ものは注意を

他に、肉や魚といったスタミナのつく生ものでも、相手の事情やタイミング、冷凍・冷蔵の保存期間などに気をつければ、滅多に食べる機会のない希少品や最高ランク品はより喜ばれるでしょう。

終わりに

暑中見舞いハガキの制作イメージ図(花火と水風船)

真夏の挨拶状ともいわれる、暑中見舞い。

ビジネスの関係でやりとりすることもあるでしょうが、暑中見舞いは必ず出さなければいけないものではなく、日頃お世話になっている方へ感謝の気持ちを伝えたいという想いのもとに送るものです。

遠方でなかなか会えない友人や親戚、お世話になっている恩師など。

相手のことを思い浮かべながら、あなた自身が素直な気持ちで書いた文章こそ、受け取った方には喜んでいただけるでしょう。

いまやメールやLINEなどで気軽にやりとりができる時代になり、暑中見舞いを兼ねたハガキや手紙を書いたり送ったりする人は少なくなりました。

たった1枚のハガキですが、やはり郵便で届く形ある挨拶状は、年賀状と同じく相手にとって喜ばしいものです。

デジタル化が進む中で、あえてアナログの通信手段で交流し、古くから伝わってきた風習や温もりを届けたいものですね。

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