知る 歳時記・暦

大安や仏滅、月齢などカレンダーや暦に書かれた暦注の種類やそれぞれの意味、選日との違い

2024年2月3日

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カレンダーや暦に書かれた大安や仏滅、月の満ち欠け、二十四節気など暦注の種類やそれぞれの意味とは?

日付や曜日のほか、大安・仏滅などといった六曜や月の満ち欠けなど、カレンダーやスケジュール手帳などに書かれた暦注。

他にも立春や秋分といった季節を細かく分けた二十四節気を一度は目にしたことがある方も多いでしょう。

昔の暦には十二直や二十八宿といった天文現象の予報や方位、日々の吉凶などの迷信的な事柄が多く書き込まれていました。

今回は、カレンダーなどに書かれた暦注の種類やそれぞれの意味について紹介します。

また暦注とは別に書かれていた選日についても解説しますので、日常を暮らす上での指標となる暦について知る機会になれば幸いです。

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暦注とは

暦注はカレンダーや暦に書かれた日付・曜日はじめその日の吉凶や運勢を注釈したもので太陽と月、そして地球と深くかかわる

暦注(れきちゅう)は、カレンダーや暦本などの暦に書かれた日付や曜日はじめ、その日の吉凶や運勢などを注釈した注記事項のことです。

一般的に見られるカレンダーで確認すると、年中行事などの生活に関する情報や、季節ごとの情報も記載されていますが、これらも暦注の1つにあたります。

昔は日時の吉凶や禁忌などの迷信的な事柄が多く書き込まれており、暦のほとんどは中国の陰陽五行説や十二支十干説などが由来です。

暦注は、記載される位置から、以下のように上段・中段・下段に分類されます。

暦注上段

日付・曜日、二十四節気、七十二候、天文学的なこと、年中行事など

暦注中段

十二直

暦注下段

二十八宿、九星、六曜のほか、選日など吉凶に関すること

カレンダーなどに書かれた暦注には上段・中段・下段に分かれて記載されていた

中段と下段にある暦注は、日々の吉凶を表すものや昔の暦の最下段に書かれていたものが主なため、科学的根拠のない迷信的な扱いとされ、明治時代には使用を禁止した経緯があります。

そのため、現代のカレンダーには中段と下段の暦注が掲載されているのは稀です。

暦注をすべて確認して行動をしようとすると、行動範囲が抑えられて日常生活を送りづらくなるため、あなたにとって最適な日を選ぶための参考にしてください。

次項からは、上段・中段・下段に設定されている暦注それぞれの意味を説明します。

暦注上段の種類と意味

暦注上段に設定されている暦注の種類は、以下の通りです。

  • 日付・曜日
  • 二十四節気
  • 七十二候
  • 天文学的なこと(十干十二支、月齢など)
  • 年中行事
  • 雑節

日付・曜日

日付・曜日はいうまでもなく、その月の日付と曜日です。

日付は日本の伝統的な旧暦や現代の新暦など、さまざまな暦法における1日を示すため暦日ともいいます。

旧暦や新暦については、下記記事をご参考ください。

二十四節気

二十四節気(にじゅうしせっき)は、古代中国で考案された季節の移り変わりを表す指標で1年を24等分した暦です。

季節の節目にあたるのが特徴で、2月4日ごろの立春を起点に24分割されています。

二十四節気については、下記記事をご参考ください。

七十二候

七十二候(しちじゅうにこう)は、二十四節気をさらに細分化し1年を72等分した暦です。

24等分した二十四節気が各15日ずつあるのに対し、七十二候はその15日間をさらに3つに分けたもので各5日ずつになります。

七十二候については、下記記事をご参考ください。

他にも天文学的なことも記載されており、十千十二支や月齢などがあります。

十干十二支

十干十二支は年・月・日・時間・方角などを特定する暦注で干支とも呼ぶ

十干十二支(じっかんじゅうにし)は、十干と十二支を組み合わせた60を周期とする数字の並びで、年・月・日・時間・方角などを特定するために用いられます。

十干は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸という10種類の文字、十二支は子・丑・寅・卯…のようにネズミやウシなど12種類の動物をあてはめたものです。

十干十二支は本来の干支を意味し60組もあるのが特徴で、1つずつ順番に日にちに当てはめられ60日間で一巡します。

十干十二支については、下記記事をご参考ください。

月齢

月齢(げつれい)は月の満ち欠けのことで、新月からの経過時間を日という単位として表した暦注です。

新月を月齢0とし、新月の翌日は月齢1、その翌日は月齢2と続き、月齢15になるとほぼ満月になります。

月齢については、下記記事をご参考ください。

年中行事

年中行事は毎年、決められた時期や季節に行われる行事を総称したものです。

正月や成人の日、五節句など古くから伝わる伝統文化や風習があります。

年中行事については、下記記事でまとめていますので併せてご参考ください。

また年中行事の中には国民の祝日として当てられたものもあり、詳しくは下記記事を併せてお読みください。

雑節

雑節(ざっせつ)は、季節の移り変わりをより適確に掴むために設けられた特別な暦日のことです。

日本の生活文化や季節に合わせて独自に作られたもので、節分や彼岸などがこれにあたります。

雑節については、下記記事をご参考ください。

暦注中段の種類と意味

暦注中段に設定されている暦注の種類は、以下の通りです。

十二直

十二直は北斗七星の動きで日々の吉凶を判断した暦注

十二直(じゅうにちょく)は、北斗七星の動きによって日々の吉凶を判断するのに用いられた暦注です。

建・除・満・平・定・執・破・危・成・納・開・閉の12つからなります。

中国から伝わったもので近年では馴染みがありませんが、飛鳥時代(592~628年)には日本でも吉凶占いとして暦に取り入れられ日々の生活に使われていました。

十二直については、下記記事をご参考ください。

暦注下段の種類と意味

暦注下段に設定されている暦注の種類は、以下の通りです。

  • 二十八宿
  • 九星
  • 六曜
  • 七箇の善日
  • 三箇の悪日
  • 受死日
  • 十死日
  • その他の凶日
  • 選日(雑注)

二十八宿(二十七宿)

二十八宿(にじゅうはっしゅく)は、古代中国の天文学で用いられたものですが、やがて日々の吉凶を表すものとなった暦注です。

二十七宿は二十八宿がインドに伝えられた後、牛宿を削って占いに使用されるようになったものです。

二十八宿については、下記記事をご参考ください。

九星

九星(きゅうせい)は、古代中国から伝わってきた一白・二黒・三碧・四緑・五黄・六白・七赤・八白・九紫の9つある星のことです。

この九星を用いて陰陽五行(木・火・土・金・水)や干支を配置し、人の生まれ年を割り当てて吉凶・運勢を占います。

一白水星・二黒土星・三碧木星・四緑木星・五黄土星・六白金星・七赤金星・八白土星・九紫火星というと、聞き覚えがある方も多いでしょう。

それぞれの星によって、性格や運勢・相性・方位などを占います。

九星については、下記記事をご参考ください。

六曜

六曜(ろくよう)は、大安・友引・先勝・先負・赤口・仏滅という6つの曜で構成された吉凶で、六曜星(ろくようせい)、六輝(ろっき)、宿曜(すくよう)とも呼ばれます。

1日ごとに順番で巡ってきてその日の吉凶や運勢を判断するもので、現代のカレンダーにも記載されていることが多いです。

六曜については、下記記事をご参考ください。

七箇の善日

七箇の善日(ななこのぜんにち)は、天赦日・神吉日・大明日・鬼宿日・天恩日・母倉日・月徳日の7つある吉日を総称したものです。

七箇の善日については、下記記事をご参考ください。

三箇の悪日

三箇の悪日(さんがのあくにち)は、大禍日・狼藉日・滅門日の3つある凶日を総称したものです。

三箇の悪日については、下記記事をご参考ください。

受死日

受死日(じゅしにち、じゅしび)は、黒い丸印「●」で表記されることから黒日(くろび)とも呼ばれます。

仏事以外は何をやっても悪い日とされ、この日に病気になると死に至るともいわれています。

受死日については、下記記事をご参考ください。

十死日

十死日(じゅうしにち、じゅうしび)は、十死、十死一生日、天殺日とも呼ばれ、前述の受死日に次ぐ凶日です。

十死一生というのは、ほとんど助かる見込みがない、生きる見込みがないという極めて危険という意味があります。

十死日については、下記記事をご参考ください。

その他

昔の暦注には吉日だけでなく縁起の悪い凶日も多数書かれていた

現代で使われることはほとんどありませんが、暦注下段は上記以外にも五墓日や天火日、血忌日などがありました。

  • 五墓日(ごむにち)
  • 天火日(てんかにち、てんかび)
  • 地火日(じかにち、ちかび)
  • 血忌日(ちいみにち、ちいみび)
  • 帰忌日(きこにち、きこび)
  • 凶会日(くえにち、くえび)
  • 往亡日(おうもうにち)
  • 重日(じゅうにち)
  • 復日(ふくにち、ぶくび)
  • 時下食(ときげじき)
  • 歳下食(さいげじき)

いずれも凶日とされ、滅多に見ることはないためこういう暦注もあったという参考程度に留めてください。

受死日と十死日を含む13種類の凶日については、下記記事をご参考ください。

選日(雑注)について

選日は暦注以外の名前を総称したもので雑注とも呼ばれる

選日(せんじつ)は、上記に挙げた暦注以外の名前を総称したものです。

さまざまな暦注の中に含まれなかった吉凶を指し、別名で雑注(ざっちゅう)とも呼ばれます。

干支の組み合わせをもとにした吉凶占いとして暦注下段に属されており、一般的に知られている選日は以下の通りです。

  • 一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
  • 不成就日(ふじょうじゅび)
  • 八専(はっせん)
  • 三隣亡(さんりんぼう)
  • 三伏 (さんぷく)
  • 十方暮(じっぽうぐれ)
  • 天一天上(てんいちてんじょう)
  • 犯土(つち・ぼんど)
  • 臘日(ろうじつ)

一粒万倍日

一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)は、一粒の籾(もみ)が稲穂のように万倍にも増えるといわれる吉日です。

起業や開店、種まきなど、何事を始めるにも適している日とされている一方、借金や人から物を借りることに関しては苦労の種が万倍になるということで凶とされています。

一粒万倍日については、下記記事をご参考ください。

不成就日

不成就日(ふじょうじゅび)は、この日は何事も成就しない日・悪い結果だけを招く凶日です。

結婚や開店、引越し、契約などさまざまな物事には縁起が悪く、何かを始めるには適さない日とされています。

不成就日については、下記記事で解説していますのでご参考ください。

その他の選日

暦注以外の名前を総称した選日については、下記記事を併せてお読みください。

暦注の位置における注釈まとめ

暦注は生活する上でその日の行動や決断への目安に必要なもの

暦に日付や曜日はじめ、方位、干支などその日の運勢を注釈した暦注。

古くからあるカレンダーや暦本には、上記のように多くの暦注が書かれていました。

中でも暦注下段の吉凶は迷信的なこととして現在では重要視されていませんが、昔の人たちにとっては生活する上でその日の行動や決断への目安に必要なものでした。

現代でいう占いが当時からすでにあったことを考えると、いかに重要なものだったか頷けることでしょう。

今でもカレンダーやスケジュール手帳には六曜や月齢、二十四節気が記載されていることがあります。

これらの暦注を季節の変わり目を把握するほか、心のおまじないとして何か大きなことを行う時や決める時に1つのきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

以下の記事では、暦の定義として知っておきたい太陰暦・太陰太陽暦・太陽暦について解説しています。

季節を察知するために用いられた暦や日々の吉凶を占うための暦など、人々の生活と密に関わる暦の基本知識を知っておくと、旧暦や新暦などの意味がわかりやすくなるため併せてご参考ください。

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