大禍日・狼籍日・滅門日を総称する三箇の悪日。
三箇の悪日は万事に用いるべからずという言葉があり、特に仏事については大凶とされています。
今回は、暦注の中でも凶日の1つとされる三箇の悪日について解説します。
大禍日・狼籍日・滅門日それぞれの縁起や凶日・過ごし方も紹介しますので、物事を行う時の日取りでご参考になれば幸いです。
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三箇の悪日とは
三箇の悪日(さんがのあくにち)は暦注の1つで、大禍日・狼藉日・滅門日の3つを総称した凶日です。
万事に用いるべからずという言葉がある通り、万事に用いてはならない日とされ特に仏事は大凶とされています。
三箇とは「貧窮・飢渇・障碍」の三神、「貪欲・愚痴・瞋恚(しんい=怒りや憎しみなどの感情)」の三毒を表し、特に仏法でこれを忌むとしています。
暦注とは、暦に記載される日時や方位などの吉凶・運勢などを表す注釈のことです。
暦注については、下記記事で解説していますので併せてご参考ください。
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カレンダーや暦に書かれた暦注上段・中段・下段の種類やそれぞれの意味、選日との違い
2024/9/15
三箇の悪日の決め方
三箇の悪日は、陰陽道と十干十二支にまつわる暦注で、大禍日・狼籍日・滅門日ともに生まれ年の十二支によって異なります。
二十四節気の節切り(節月)が忌月となり、大禍日・狼籍日・滅門日それぞれに凶日となる月が割り当てられる仕組みです。
忌月とは
忌月は、忌日のある月、心身を忌み慎むべき月のことです。
大禍日
大禍日(たいかにち)はその名前通り、大きな禍(災い)が起こる日という意味で3つある中で最も凶とされる日です。
大禍日の意味・縁起
大禍日は、新しいことを始めると後に争いを招くとされているため、行事・イベントなどは避けた方がよいとされています。
また、この日に人を訪問すると口に災いが生じるともいわれています。
万事に大悪日とされ、特に凶事となるのが旅行や船旅のほか、家の修理を含む建築、葬儀などの仏事です。
大禍日にあたる日
大禍日は陰陽道と関係しているとされ、生まれた年の十二支(干支)によって異なります。
正月の亥の日、二月の午の日、三月の丑の日など二十四節気の節切りと、生まれ年の十二支で配置されます。
ただし生まれ年の十二支に関係なく、特定の十二支の日が大禍日になるという説もあります。
例えば寅年生まれの人は、忌み月が1月で亥の日のみが大禍日になります。
また寅年生まれと関係なく、1月は亥の日・2月は午の日が大禍日になることがあるのです。
二十四節気の節切りとは
節気から次の節気の前日までの間を1ヶ月とする月の区切り方で、節月ともいいます。
生まれ年 | 忌み月 | 大禍日 |
---|---|---|
寅年生まれ | 1月 | 亥の日 |
卯年生まれ | 2月 | 午の日 |
辰年生まれ | 3月 | 丑の日 |
巳年生まれ | 4月 | 申の日 |
午年生まれ | 5月 | 卯の日 |
未年生まれ | 6月 | 戌の日 |
申年生まれ | 7月 | 巳の日 |
酉年生まれ | 8月 | 子の日 |
戌年生まれ | 9月 | 未の日 |
亥年生まれ | 10月 | 寅の日 |
子年生まれ | 11月 | 酉の日 |
丑年生まれ | 12月 | 辰の日 |
狼籍日
狼籍日(ろうしゃくにち)は、「乱暴狼藉」という言葉がある通り万事が凶であるという意味です。
狼籍日の意味・縁起
狼籍日は万事に失敗するとされる日として、始めたことは何をするにも失敗に終わるとされています。
狼藉は中国の「滑稽列伝」に由来し、もとはオオカミが寝床にした草が乱れる様子から、物事が散らかっている・乱れているという意味からきています。
つまり、狼藉日は物事が散らかり失敗につながりやすい日というわけです。
特に法律・規則・道徳・倫理などに反した行動はすべて失敗するという意味で、すべてにおいて慎みつつ規則や道徳に沿って過ごせば問題ありません。
ただし、仏事・葬式については凶です。
狼籍日にあたる日
狼藉日は生まれた年の十二支(干支)によって異なり、二十四節気の節切りと生まれ年の十二支で決まります。
ただし生まれ年の十二支に関係なく、特定の十二支の日が狼藉日になるという説もあります。
例えば寅年生まれの人は、忌み月が1月で子の日のみが狼藉日です。
また寅年生まれと関係なく、1月は子の日・2月は卯の日が狼藉日になるということもあります。
二十四節気の節切りとは
節気から次の節気の前日までの間を1ヶ月とする月の区切り方で、節月ともいいます。
生まれ年 | 忌み月 | 狼藉日 |
---|---|---|
寅年生まれ | 1月 | 子の日 |
卯年生まれ | 2月 | 卯の日 |
辰年生まれ | 3月 | 午の日 |
巳年生まれ | 4月 | 酉の日 |
午年生まれ | 5月 | 子の日 |
未年生まれ | 6月 | 卯の日 |
申年生まれ | 7月 | 午の日 |
酉年生まれ | 8月 | 酉の日 |
戌年生まれ | 9月 | 子の日 |
亥年生まれ | 10月 | 卯の日 |
子年生まれ | 11月 | 午の日 |
丑年生まれ | 12月 | 酉の日 |
滅門日
滅門日(めつもんにち)は、「滅門」の漢字が示す通り一家一門みな滅ぶという意味で、家門に関する不吉な物事が起こりやすい日です。
滅門日の意味・縁起
滅門日に規則や道徳などに反した行動をとると、一家・一門を滅ぼすといわれているほど恐ろしい凶日です。
慎みつつも法律や倫理・道徳に沿って過ごせば、何事も問題が起きない日ともいえるでしょう。
また家族や家庭に災難が起こりやすいともいえるため、入籍や結婚式・引越し、マイホームの購入などは控えた方がよいでしょう。
ただし他の凶日と同じく、葬儀などの仏事は凶となります。
滅門日にあたる日
滅門日は二十四節気の節切りと生まれ年の十二支で決まるため、生まれた年の干支によって異なります。
ただし生まれ年の十二支に関係なく、特定の十二支の日が滅門日になるという説もあります。
例えば寅年生まれの人は、忌み月が1月で巳の日のみが滅門日です。
また寅年生まれと関係なく、1月は巳の日・2月は子の日が滅門日になるということもあります。
二十四節気の節切りとは
節気から次の節気の前日までの間を1ヶ月とする月の区切り方で、節月ともいいます。
生まれ年 | 忌み月 | 滅門日 |
---|---|---|
寅年生まれ | 1月 | 巳の日 |
卯年生まれ | 2月 | 子の日 |
辰年生まれ | 3月 | 未の日 |
巳年生まれ | 4月 | 寅の日 |
午年生まれ | 5月 | 酉の日 |
未年生まれ | 6月 | 辰の日 |
申年生まれ | 7月 | 亥の日 |
酉年生まれ | 8月 | 午の日 |
戌年生まれ | 9月 | 丑の日 |
亥年生まれ | 10月 | 申の日 |
子年生まれ | 11月 | 卯の日 |
丑年生まれ | 12月 | 戌の日 |
三箇の悪日の過ごし方
三箇の悪日は万時において凶とされる通り、大禍日・狼藉日・滅門日共通でやってよいことはありません。
逆にやってはいけないこと・避けた方がよいことは、入籍や結婚式、引越し、旅行といった新しい門出・スタートに関連する行動です。
特に仏事については、大禍日・狼藉日・滅門日ともに大凶とされています。
三箇の悪日 | 凶の程度 | 凶とされる行動 |
---|---|---|
大禍日 | 三箇の悪日の中で大凶日 | 特に新しい事柄 |
狼藉日 | 万事において失敗する凶日 | 特に人生の門出 |
滅門日 | 一家・一門を滅ぼす凶日 | 特に大きな行事や決断 |
大禍日にやってはいけないこと・過ごし方
大禍日は、三箇の悪日の中でも特に縁起が悪いとされています。
新しく始めることは口論や争いが起こりやすく、入籍はじめ契約や引越しも避けた方が無難です。
この日は新しい挑戦を控え、静かに過ごすのが最適で、不吉なことやトラブルやを避けるためにも慎重な行動が望ましいでしょう。
狼藉日にやってはいけないこと・過ごし方
狼藉日は、何をしても失敗しやすい凶日とされています。
そのため、この日にやってはいけないことは引越しやローン契約、買い物などです。
特に結婚は人生の新たなスタートとして大きなイベントであり、結婚生活に影響を及ぼす可能性があります。
滅門日にやってはいけないこと・過ごし方
滅門日は、一家や一門に不幸をもたらす可能性があると考えられる凶日です。
住居など重要な契約やビジネスのほか、高価な買い物・ローンは控えた方がいいとされています。
慎重に行動することが望ましいとされ、大きな決断や行動は避けた方がいいでしょう。
過ごし方まとめ
とはいえ、3つの凶日に入籍や引越し、契約をするかどうかは個々の価値観や相互の都合・状況により異なります。
暦注や吉凶を気にする方はもちろん、そうでない方もあなたにとって最善の選択をするためにこれらの情報を参考にしてください。
三箇の悪日の配当早見表
三箇の悪日は凶日ですが、実は生まれ年の十二支によって決められています。
生まれ年(干支)における忌み月と大禍日・狼藉日・滅門日にあたる日を表にまとめましたのでご参考ください。
大禍日・狼藉日・滅門日ともに生まれ年に関係する忌み月が年間で2~3日間、生まれ年とは関係ない悪日が年間で30日前後あります。
生まれ年 | 忌み月 | 大禍日 | 狼藉日 | 滅門日 |
---|---|---|---|---|
寅年生まれ | 1月 | 亥の日 | 子の日 | 巳の日 |
卯年生まれ | 2月 | 午の日 | 卯の日 | 子の日 |
辰年生まれ | 3月 | 丑の日 | 午の日 | 未の日 |
巳年生まれ | 4月 | 申の日 | 酉の日 | 寅の日 |
午年生まれ | 5月 | 卯の日 | 子の日 | 酉の日 |
未年生まれ | 6月 | 戌の日 | 卯の日 | 辰の日 |
申年生まれ | 7月 | 巳の日 | 午の日 | 亥の日 |
酉年生まれ | 8月 | 子の日 | 酉の日 | 午の日 |
戌年生まれ | 9月 | 未の日 | 子の日 | 丑の日 |
亥年生まれ | 10月 | 寅の日 | 卯の日 | 申の日 |
子年生まれ | 11月 | 酉の日 | 午の日 | 卯の日 |
丑年生まれ | 12月 | 辰の日 | 酉の日 | 戌の日 |
忌み月とは
忌月は、忌日のある月、心身を忌み慎むべき月のことです。
三箇の悪日は毎月この凶日が発生するのではなく、自分が生まれた干支に該当する凶日だけが対象になります。
例えば寅年生まれの人は1月が凶日の対象となり、加えて亥の日が大禍日、子の日が狼藉日、巳の日が滅門日という考え方です。
三箇の悪日まとめ
凶日が一粒万倍日や天赦日などの吉日と重なった場合、どちらが優先されるかといえば暦注では基本的に悪い方が優先されるといわれています。
また昔に比べれば暦注下段を気にする人は減っており、大安や仏滅・友引といった六曜を基準にする人が多いです。
例えば友引に葬式を行うと常識がないという怒りの言葉が飛んでくるかもしれませんが、大禍日・狼籍日・滅門日に葬式を挙げることに批判する人はいないでしょう。
吉凶の活用する時は、だいたいが自分のモチベーションを上げたりやる気をアップさせたりすることです。
三箇の悪日はあくまで暦注の中でも凶日にあたる1つと捉えて、縁起やゲン担ぎにこだわらなければ自分の意思や判断に従って行動することが重要だと考えますがいかがでしょうか。
以下の記事では、三箇の悪日とは逆で七箇の善日という7つの縁起のよい日で構成された吉日について解説しています。
7つの吉日それぞれの意味や過ごし方、今年の日をカレンダー式で記載していますのでご参考ください。
また、同じ暦注の中で最も凶日とされる受死日について下記記事で紹介しています。
受死日はどんな日でやってはいけないことは何か、受死日に次ぐ凶日とされる十死日についても解説していますので併せてご参考ください。