天赦日・大明日・母倉日・月徳日・天恩日・神吉日・鬼宿日。
あなたは、この7つの吉日を総称した、七箇の善日をご存知でしょうか。
天赦日は最近耳にすることが多くても、他の吉日の意味をあまり知らない方も多いでしょう。
今回は、7つの吉日を総称した七箇の善日やそれぞれの意味について紹介します。
また、他の吉凶と重なった場合の縁起のよさも、7つの吉日にあたる今年のカレンダー付きで記載しますので、何かをする日を決めるご参考になれば幸いです。
七箇の善日とは
七箇の善日(ななこのぜんにち)は、天赦日・大明日・母倉日・神吉日・鬼宿日・月徳日・天恩日という7つの吉日を総称したものです。
- 天赦日(てんしゃび、てんしゃにち)
- 大明日(だいみょうにち)
- 母倉日(ぼそうにち)
- 月徳日(つきとくにち、がっとくにち)
- 天恩日(てんおんび、てんおんにち)
- 神吉日(かみよしにち、かみよしび)
- 鬼宿日(きしゅくび)
7つある吉凶の中で、天赦日は聞いたことがあるという方も多いでしょう。
天赦日以外は、あまり馴染みがないかもしれませんが、七箇の善日は、昔の暦の最下段に書かれていた日々の吉凶を表した歴注です。
日本独自の暦注で、もともとは陰陽道から成り、神社に参拝したり神事を行ったりするのが良いとされた日です。
明治時期まで使われていましたが、その後に使用を廃止されたといわれています。
次は、その7つに分類される吉凶について説明していきます。
天赦日
天赦日(てんしゃにち・てんしゃび)は、日本の暦の中で最高とされる吉日で、年に5~6回ほどしかありませんが、七箇の善日の中で最も縁起のよい日です。
百神が天に昇り万物の罪を赦(ゆる)す日という意味があり、この日はあらゆる障害が取り除かれ、何をやってもうまくいく日といわれ、新しく物事を始めるのに最良の日とされています。
また、凶日が重なると半減されるといういい伝えがありますが、吉日が重なると天赦日の効果は倍になり、いずれも天赦日の効果には敵わないという最強の日です。
天赦日については、下記記事で解説していますのでご参考ください。
-
年に7回程度しかこない貴重な天赦日はいつ?一粒万倍日との違いや過ごし方
2023/12/28
大明日
大明日(だいみょうにち)は、天と地の道が開いて太陽が世の中の隅々まで明るく照らす日という意味があり、すべての物事に太陽の恵みが授けられる縁起のよい日です。
特に、未来につながる結婚や入籍、建築、旅行などとの相性がよいとされています。
大明日の時期
大明日の日付は、25ある干支によって決まります。
己巳・庚午・辛未・壬申・癸酉・丁丑・己卯・壬午・甲申・丁亥・壬辰・乙未・壬寅・甲辰・乙巳・丙午・丁未・己酉・庚戌・辛亥・丙辰・戊午・己未・庚申・辛酉
吉日の中でも訪れる頻度が比較的高いため、他の吉日と重なることが多く、より縁起のよい日とされています。
大明日にやるとよいこと
万事において吉とされる大明日は、特に入籍や結婚式など、新しい人生のスタートともいえる行事の日取りに選ばれることが多いです。
もちろん、おめでたい挙式・披露宴のほか、結婚の儀式である結納や両家の顔合わせとしても、これから幸せな日々が訪れるという期待を後押ししてくれるでしょう。
他には購入した車の納車の日取りにもおすすめです。
ただし、六曜の赤口は納車に向かないため、赤口と重なる日は避けた方がいいかもしれません。
さらに大明日は建築との相性がいいとされているため、工事や建築が無事に終わるように安全祈願をする地鎮祭や、木造建築で棟上げが行われたことを祝う上棟式にも適しています。
母倉日
母倉日(ぼそうにち)は、母という字から、母が子を育てるように天が人間を慈しむ日という意味があり、女性にとってはおめでたい日でもあります。
母倉日の始まりは、江戸時代まで遡り、宝暦暦(ほうりゃくれき)という、かつて日本で使われていた太陰太陽暦(旧暦)の暦法の中にある吉日の1つでした。
母倉日の時期
母倉日の日付は、二十四節気を基準とした節月で決まり、春は亥・子の日、夏は寅・卯の日、秋は辰・戌・丑・未の日、冬は申・酉の日、加えて各季節の土用の巳・午の日が母倉日になります。
1月・2月:亥・子・亥の日
4月・5月:寅・寅・卯の日
7月・8月:丑・辰・未・戌の日
10月・11月:申・酉の日
3月・6月・9月・12月:巳・午の日
多い時で月に10回以上訪れることがあるため、他の吉日と重なることもよくあります。
母倉日にやるとよいこと
母倉日に最適な過ごし方としては、さまざまな慶事を行うのによい吉日で、特に結婚式や入籍、引越しや家の新築など、婚姻に関することは相性がよいです。
結婚は母になる準備段階で、家の新築や引越しは新しい家庭で子供を育てる環境作りともいえるため、母倉日に行うととても縁起がよいといえるでしょう。
婚姻に関することといえば、他にも両家の顔合わせや婚姻届・出生届の提出も挙げられます。
月徳日
月徳日(つきとくにち・がっとくにち)は、その月の福徳を受けられるという意味があります。
月ごとの福を司るといわれ、特に引越しや建築、リフォームといった土に関わることと相性がよいです。
月に3~4回と頻度は少ないものの、万事に対して吉であるため、どんな行事や慶事とも合わせやすいでしょう。
月徳日の時期
月徳日は、二十四節気を基準とした節月で決まり、次の日に配当されます。
1月・5月・9月:丙(ひのえ)の日
2月・6月・10月:甲(きのえ)の日
3月・7月・11月:壬(みずのえ)の日
4月・8月・12月:庚(かのえ)の日
天恩日
天恩日(てんおんにち・てんおんび)は、天の恩恵をすべての人が受けるという意味があり、すべての人が天の恩恵を受けることで福が訪れるとされる吉日です。
大明日ほど頻度は多くはないものの、万事が成長しやすく徳を得やすいともいわれています。
また、天恩日が1度巡ってくると、吉日が5日間続く特徴があるため、他の吉日と重なることも多くお祝い事の日程も合わせやすいです。
ただし、葬儀などの凶事は避けた方がよい日ともされ、受死日と重なると効果を打ち消されてしまいます。
天恩日の時期
天恩日は、15の干支で決まります。
甲子・乙丑・丙寅・丁卯・戊辰・己卯・庚辰・辛巳・壬午・癸未・己酉・庚戌・辛亥・壬子・癸丑
神吉日
神吉日(かみよしにち・かみよしび)は、「神よし」という読み方の通り、神社に参拝することで神徳を受けられる縁起のよい吉日です。
神棚を造ったり祖先を祀ったりするなど、神事に関連することと相性がよいとされています。
神吉日の時期
神吉日は月には関係なく、33ものある干支によって決まります。
己巳・庚午・辛未・壬申・癸酉・丁丑・己卯・壬午・甲申・丁亥・壬辰・乙未・壬寅・甲辰・乙巳・丙午・丁未・己酉・庚戌・辛亥・丙辰・戊午・己未・庚申・辛酉
25ある干支によって決まる大明日よりも回数が多いため、1年の半分以上やってきます。
鬼宿日
鬼宿日(きしゅくび)は、鬼が宿にこもり出歩かないため、鬼に邪魔されずに何事もうまくいく吉日です。
また、お釈迦様が生まれた日でもあるそうです。
七箇の善日が大安などの吉日と重なった場合
基本的に吉日が重なる日は、その縁起のよさがさらに強まり、重なった日の意味合いが一方の吉日に付加されるともいえます。
ちなみに、眞子さまと小室圭さんが婚姻届を提出した2021年10月26日は、大明日・大安・神吉日の3つの吉日が重なった日でした。
七箇の善日が凶日と重なった場合
凶日にあたる不成就日や六曜の仏滅、赤口は、基本的にお祝い事を避けられる傾向にあります。
特に大明日は、やってくる回数が多いため、凶日と重なる日も多くなります。
七箇の善日が凶日と重なった場合は、主に3つの考え方があります。
(1)吉の力が強いため凶が打ち消されて吉日になる
(2)凶の力が強いため吉が弱まる凶日になる
(3)吉と凶の力がぶつかり相殺される
他の凶日と被ってしまうと、やはり縁起のよさや吉日としての力が弱まってしまうといわれています。
凶の力が弱まれば吉に寄ると捉えることもできますが、気になる場合は避けた方が無難でしょう。
不成就日については、下記記事で解説していますのでご参考ください。
-
不成就日とは?してはいけないことや大安が重なった日の過ごし方は?
2023/12/27
2024年の七箇の善日
2024年で、七箇の善日に当たる日はいつでしょうか。
同じ日に重なる他の吉日(開運日)も記載してありますので、物事を決める・行う日としてご参考ください。
なお、2024年の七箇の善日は、幸運なことに不成就日とは重ならないため、仏滅や赤口以外は気にすることなく決め事ができると思います。
2024年1月の七箇の善日
1月1日(月・祝):天赦日・天恩日(一粒万倍日)
1月9日(火):大明日
1月19日(金):大明日・母倉日・天恩日
1月31日(水):母倉日(一粒万倍日)
2024年2月の七箇の善日
2月6日(火):母倉日
2月17日(土):大明日・天恩日・母倉日
2月26日(月):大明日(大安)
2月29日(木):母倉日
2024年3月の七箇の善日
3月9日(土):大明日(大安)
3月10日(日):大明日(一粒万倍日)
3月13日(水):母倉日(大安)
3月15日(金):天赦日(一粒万倍日、寅の日、先勝)
3月16日(土):大明日・天恩日
3月25日(月):母倉日(大安)
2024年4月の七箇の善日
4月26日(金):大明日
2024年5月の七箇の善日
5月9日(木):大明日(大安)
5月15日(水):大明日・天恩日・母倉日(一粒万倍日、大安)
5月18日(土):大明日・天恩日
2024年6月の七箇の善日
6月9日(木):大明日
6月12日(水):大明日(大安)
6月15日(土):大明日・天恩日
6月21日(金):大明日
6月24日(月):大明日(大安)
6月30日(日):天恩日(大安)
2024年7月の七箇の善日
7月3日(水):天恩日
7月8日(月):大明日(一粒万倍日)
7月14日(日):大明日・天恩日
7月17日(水):大明日・天恩日・母倉日(一粒万倍日、大安)
7月29日(月):天赦日・母倉日(一粒万倍日、大安)
2024年8月の七箇の善日
8月8日(木):大明日・母倉日(一粒万倍日、大安)
8月11日(日):大明日・母倉日(一粒万倍日)
8月17日(土):天恩日・母倉日
8月20日(火):大明日・母倉日(大安)
8月23日(金):大明日・母倉日(一粒万倍日)
8月26日(月):母倉日(大安)
8月29日(木):天恩日・母倉日
2024年9月の七箇の善日
9月1日(日):天恩日・母倉日(大安)
9月3日(火):大明日
9月6日(金):大明日(大安)
9月15日(日):大明日・天恩日
2024年10月の七箇の善日
10月14日(月・祝):大明日・天恩日
10月23日(水):大明日(大安)
2024年11月の七箇の善日
11月2日(土):大明日・母倉日(一粒万倍日、大安)
11月5日(火):大明日(一粒万倍日)
11月11日(月):大明日・天恩日
11月14日(木):大明日・天恩日(大安)
11月17日(日):母倉日(一粒万倍日)
11月29日(金):母倉日(一粒万倍日)
2024年12月の七箇の善日
12月10日(火):母倉日
12月22日(日):大明日・母倉日
12月26日(木):天赦日・天恩日(一粒万倍日)
※右端の( )内は他の開運日
終わりに
七箇の善日は7種類の吉日があるため、比較的多く訪れる吉日です。
特に、縁起のよい大明日にあたる日は、月に半分以上もやってきます。
凶日と重なる日は注意しつつ、他の吉日や組み合わせで縁起のよい日を探して、素敵な吉日を迎えたいですね。
季節の移ろいとともに、それぞれに意味が込められている旬の食材や植物を手に、昔ながらの習慣を取り入れて過ごしてみるのもいかがでしょうか。
以下の記事では、一粒万倍日をはじめ、天赦日や寅の日、巳の日など、吉日とされる開運日についてまとめていますので併せてお読みください。
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2024/1/21