1年に7回程度しかやってこない吉日、天赦日。
そんな貴重な天赦日にはどんな意味があり、どういった縁起があるなのか。
また、他の吉日や凶日と重なった日にはどういう運気になるのか。
今回は、大安以上に縁起がよいとされる天赦日の意味や、一粒万倍日との違いを紹介します。
天赦日にした方がよいこと・してはいけないことも解説しますので、何かを始める時のご参考になれば幸いです。
天赦日とは
天赦日(てんしゃにち、てんしゃび)は、古くから伝わる暦の中でも、最も縁起がよい日とされている吉日のひとつです。
天赦日の概念
天赦日は、「天が万物の罪を赦(ゆる)す日」という意味で、世の中のすべての神様が、天に昇り万物の罪を許すため、あらゆる障害が取り除かれる日とされています。
つまり、何事も許される故にスピーディーに物事が進むと解釈できます。
あらゆる罪が許され、なかなか始められなかったことが何の障害もなくスタートを切れる日と考えてよいでしょう。
また、自分自身の成長につながるような、大きな一歩を踏み出すのにも最適な日でもあり、この日に始めたことはすべて成功するといわれています。
この天赦日は、年にたったの5~6日程度しか訪れることのない、とても貴重な日です。
天赦日の決め方
天赦日は、節切りと干支によって決まります。
節切りとは、立春や立夏などの季節の変化を表す二十四節気に基づいた季節の区切りのことです。
例えば、立春から立夏の前日までが春というように春夏秋冬に分けられており、干支は10日ごとに繰り返す十干と十二支を組み合わせたもので、全部で60通りあります。
春の戊寅、夏の甲午、秋の戊申、冬の甲子の日が天赦日にあたり、年に5~6日程度しかない貴重な吉日です。
天赦日にした方がよいことは?
天赦日は、すべての神が天に登り万物の罪を許す吉日であるため、何をしても許される日です。
大安よりも縁起がよく、その日に物事を新しく始めると、あらゆる障害が取り除かれ何事もうまくいくとされています。
また、新しいことを始めたり、これまで躊躇していたことにチャレンジしたりするのに特に適した日です。
身体を労わる・休める
何事も許される天赦日だからこそ、忙しい毎日で疲れきった身体をゆっくりと休ませて、自分をしっかりと労わりましょう。
自宅で読書しながらゆっくり過ごすのはもちろん、外で運動するのもいいですし、映画を見て涙を流すのもいいです。
余計なプレッシャーや考え事を一旦捨てて、天があなたを許す日を贅沢に過ごしたいところです。
十分な休息で気持ちをリフレッシュすれば、チャレンジする活力もわいて本来の元気な自分が戻ります。
そして、縁起のよいこの日に新しい自分をまたスタートさせることができるでしょう。
結婚・引っ越し
何事も許され、物事が迅速に進む日だからこそ、環境を変えたり、契約を結んだりすることにも適しています。
結婚も新しい家族の始まり、引っ越しは新生活へのスタートです。
起業や開業、転職
天の力を借りれば、人生における大きなスタートもスムーズに切ることができるでしょう。
起業や開業はビジネス、転職は新生活のスタートです。
タイミングが合えば、天赦日と一流万倍日が重なる日に合わせると運気が倍増するため、この日を選んでもよいかもしれません。
勉強・習い事
天赦日は、なかなか始められなかったことが何の障害もなくスタートを切れる日です。
以前から資格を取得しようと思っていたこと、スキル向上や趣味のための習い事も、この日から始めるのもいいでしょう。
財布の買い替え
天赦日は、全体的な運気を上げるとともに、金運を上げる力ももっています。
特に、天赦日と一粒万倍日が重なる日はそれぞれの縁起が倍増するため、この機会に財布を買い替えてはいかがでしょうか。
天赦日にしてはいけないことは?
天赦日は、何をしても許される日で、あらゆる障害が取り除かれる日です。
何をするにも縁起がよいため、天赦日にしない方がよいことは特にないと考えられています。
しかし、年に数回しか巡ってこないせっかくの開運日を、残念な1日にしてしまうのはもったいないです。
天赦日は、物事のスタートを切るのによいとされる日であるため、逆に物事を終わらせたり止めたりするには不向きといえます。
もし、この日に悪いことが起きたとしても新たなスタートを切るための厄落としと考え、その時にするべきこと・やりたいことを叶える1日にしましょう。
天赦日と一粒万倍日について
暦の上で最も優れた天赦日ですが、同じく縁起のよい日として一粒万倍日があります。
天赦日と一粒万倍日はどんな違いがあるのか、両方が同じ日に重なった場合の運気はどうなるのでしょうか。
天赦日と一粒万倍日の共通点
天赦日は、大きな一歩を踏み出すのに適した日で、この日に始めたことはすべて成功するといわれています。
一粒万倍日は、一が万倍になるという意味から物事を新しく始めるのに適している日です。
物事を始めること、大きく発展させたいことといった意味でいえば、運気は似ているといえるでしょう。
天赦日と一粒万倍日の違い
天赦日は、1年に5~6日程度しか巡ってこない貴重な吉日です。
一方、一粒万倍日は月に5~6回、1年にすると約60日間やってきます。
一粒万倍日については、下記記事で解説していますのでご参考ください。
天赦日と一粒万倍日が重なった場合は?
天赦日と一粒万倍日は、どちらも物事を大きく発展させる縁起のよい日です。
また、天赦日は運気だけでなく、金運を上げる力ももっています。
一粒万倍日も同じで、財布に入れたお金は万倍になって返ってくるといわれ、財布を購入したり使い始めたりする日に選ばれることが多いです。
そんな天赦日と一粒万倍日の2つが重なった日は、運気の流れも上昇し縁起のよさも倍増すると考えられているため、財布の新調に最も適した日となります。
天赦日と一粒万倍日が重なった日には、財布の買い替え、または使い始めをしてはいかがでしょうか。
天赦日が不成就日と重なった場合
不成就日(ふじょうじゅび)とは、天赦日とは反対の意味をもつ凶日で、何事も成就しない日です。
吉日と凶日は、その由来とされる考え方が異なるため、暦の上では最上の吉日とされる天赦日も凶日と重なってしまう場合がありえます。
天赦日が凶日である不成就日と重なった場合は、何事も成就しない縁起の悪さが勝るという解釈ができるため、静かに過ごすのがおすすめです。
一方で、不成就日という縁起の悪さを、天赦日のあらゆる障害が取り除かれる効果が勝る、つまり凶日の力を吉日の力が打ち消してくれるプラスの考え方もできます。
また、吉日と凶日の両方の力が合わさってプラスマイナスゼロにしてくれるという捉え方もあります。
どちらも科学的な根拠はありませんが、どうしても気になる方はこの日を避けた方が無難でしょう。
不成就日については、下記記事で解説していますのでご参考ください。
2023年の天赦日
2023年の天赦日は、以下の通りです。
- 2023年1月6日(金):天赦日×一粒万倍日
- 2023年3月21日(火):天赦日×一粒万倍日×寅の日×先勝
- 2023年6月5日(月):天赦日×神吉日
- 2023年8月4日(金):天赦日×一粒万倍日・大安
- 2023年8月18日(金):天赦日×不成就日
- 2023年10月17日(火):天赦日×大安
8月18日(金)は、不成就日と重なるため注意しましょう。
2024年の天赦日と注目ポイント
2024年の天赦日は、以下の通りです。
2024年1月1日(月)
天赦日×一粒万倍日×天恩日
1月1日、元旦から天赦日と一粒万倍日が重なる開運日で、1年の計は元旦にありという言葉通り、しっかり計画を立てたいものです。
2024年3月15日(金)
天赦日×一粒万倍日×寅の日×先勝
天赦日と一粒万倍日、金運に強い寅の日が重なる金運最強の日で、六曜の先勝は午前中が吉の時間帯となります。
2024年5月30日(木)
天赦日
貴重な天赦日となるため、チャンスを逃さないようにしたいものです。
2024年7月29日(月)
天赦日×一粒万倍日×母倉日×大安
2024年で最も縁起のよい日ともいえる、天赦日と一粒万倍日に重なる大安のため、大きな機会を見逃さないようにしたいですね。
2024年8月12日(月・祝)
天赦日
山の日の振替休日に天赦日と重なるため、運動を兼ねてハイキングに出かけるのもいいでしょう。
2024年10月11日(金)
天赦日×大安×不成就日
貴重な大安の天赦日でウェディングシーズンですが、不成就日と重なるため気になる方は注意しましょう。
2024年12月26日(木)
天赦日×一粒万倍日
2024年最後の天赦日で、一粒万倍日が重なる貴重な吉日になるため、新年に向けて新たな計画を立ててはいかがでしょうか。
終わりに
万物の罪を許す吉日で、何事もうまくいくといわれる天赦日。
大安よりも縁起がよい天赦日は、仏滅などの縁起の悪い日と重なったとしても、本来の力が発揮される最強の開運日です。
不成就日と重なった場合は、せっかくの縁起のよさを打ち消されてしまいますが、前向きに捉えて運気を変えるくらいの気持ちで臨みたいものですね。
以下の記事では、一粒万倍日をはじめ、天赦日や寅の日、巳の日など、吉日とされる開運日についてまとめていますので併せてお読みください。
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一粒万倍日や天赦日、寅の日など縁起のよい吉日が重なる開運日を総チェック
2024/1/21
一粒万倍日
一粒万倍日は、日本における縁起のいい吉日のひとつで、文字通り、一が万倍になる縁起のよい吉日です。
日本が農耕中心だった時代に「一粒の籾(もみ)が、万倍の籾をつけた稲穂に育つように」と、作物の豊作を願ったことがこの日の発祥となっています。
寅の日
寅の日(とらのひ)は、「虎は千里を行って千里を帰る」ということわざがあるように、出ていったものがすぐに戻ってくるという意味合いがあり、婚姻には不向きとされています。
ただし、虎の体の色が金色であるため金運を招く象徴であり、旅行や金運にまつわる行動にはおすすめの日です。
巳の日
巳の日(みのひ)の巳とは蛇(へび)のことで、七福神で唯一の女神である弁財天の遣い・化身といわれています。
弁財天が嫉妬深い神様といわれているため、婚姻関係の行事は避けたい日ですが、一方で金運が上昇する日として知られています。
不成就日
不成就日は、一粒万倍日とは反対の意味をもつ日で、その名前通り何事も成就しない凶日です。
何かを始めることにも適さない日で、何をしてもうまくいかない、何をしても良い結果にならない、願い事が叶わない日という意味があります。
また、不成就日が一粒万倍日や大安、天赦日といった吉日と重なると、その運気が削ぎ落とされるといわれているため、その日は静かに過ごした方が無難です。