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二十四節気と七十二候の暦とは?96ある言葉で季節や気候の変化を<Part-3・秋>

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春夏秋冬の四季だけではない、季節を表す二十四節気と七十二候。

二十四節気は、1年を24つの節気に分けた季節の移り変わりを季語のような言葉にしたものです。

七十二候は、二十四節気をさらに細分化し、1年を72つに分けて表現した言葉で、気象の変化や動植物の行動を表しています。

あなたは、この二十四節気と七十二候に用いられている暦の言葉をご存知でしょうか。

今回は、二十四節気や七十二候を表す言葉それぞれの意味や時期を、春夏秋冬の四季別に分けて紹介します。

この記事では、秋の季節に絞って掲載しますが、二十四節気と七十二候に定められた、96ものある暦の美しい言葉を知ることで、季節の移ろいに応じた暮らしの参考になれば幸いです。

以下の記事では、二十四節気と七十二候ができた由来や仕組み、特徴といった基本知識について解説していますので併せてお読みください。

秋の季節における二十四節気と、七十二候の第三十七候から第五十四候までを紹介していきます。

立秋 ~秋になる時~

立秋(りっしゅう)は、残暑は厳しいものの、暦の上では秋が始まります。

涼風至

読み:涼風至(すずかぜいたる)
区分:立秋・初候/第三十七候
時期:8月8日~11日ごろ
意味:涼しい風が立ち始める

お盆を前に暑さが弱まり、秋の気配を感じる涼しい風が吹き始める頃のことです。

盆花の1つである鬼灯(ホオズキ)は、飾りという目的だけでなく、ご先祖様の霊を迎える目印となる赤い提灯の意味もあります。

涼風至は、涼風が吹き盆花のホオズキも登場する頃

寒蝉鳴

読み:寒蝉鳴(ひぐらしなく)
区分:立秋・次候/第三十八候
時期:8月12日~16日ごろ
意味:ヒグラシが鳴き始める

ヒグラシが、過ぎ去る夏を惜しむかのごとく鳴き始める頃のことです。

寒蝉とは、立秋に鳴く蝉のことで、主にヒグラシやツクツクボウシを指します。

蒙霧升降

読み:蒙霧升降(ふかききりまとう)
区分:立秋・末候/第三十九候
時期:8月17日~22日ごろ
意味:濃い霧が立ち込める

早朝の森や湖などで、深い霧が立ち込め始める頃のことです。

まだ残暑は厳しいものの、朝夕の空気がひんやりする日もあり、少しずつ近づく秋の気配が感じられます。

蒙霧升降は、森や湖などで濃い霧が立ち込める頃

処暑 ~暑さがおさまる~

処暑(しょしょ)の処は収まるという意味で、夏の暑さが収まり、朝晩に秋の涼しさが感じられる季節の変わり目です。

綿柎開

読み:綿柎開(わたのはなしべひらく)
区分:処暑・初候/第四十候
時期:8月23日~27日ごろ
意味:ワタの萼が開き始める

綿(ワタ)が黄色い花をつけ、柎(萼=ガク)が開き始める頃のことです。

綿の花は、黄色い花を咲かせて実をつけ、その実を包んでいた柎が開くと、中からふわふわの綿毛が姿を表し、これを紡いで木綿の糸や布が作られます。

綿は肌ざわりがよくて吸水性が高く、染色性にも優れています。

綿柎開は、綿の花が咲き始める頃

天地始粛

読み:天地始粛(てんちはじめてさむし)
区分:処暑・次候/第四十一候
時期:8月28日~9月1日ごろ
意味:暑さがようやく鎮まる

夏の暑さが落ち着いて、秋らしい涼しさを感じられる頃のことです。

立春から数えて210日目は「二百十日」といって稲の開花期でありながら、台風の襲来が多くて被害を受けることが多いため、厄日のように考えられています。

二百十日については、下記記事で解説していますのでご参考ください。

禾乃登

読み:禾乃登(こくものすなわちみのる)
区分:処暑・末候/第四十二候
時期:9月2日~6日ごろ
意味:穀物が実る

稲をはじめとする穀物が、豊かに実る頃のことです。

禾は稲や麦など穀物の総称で、稲が実って穂が頭を垂らす姿が多く見られます。

禾乃登は、穀物が豊かに実る頃

白露 ~秋めいて白露を結ぶ~

白露(はくろ)は、夏には見られなかった白い朝露が草花につく頃で、夜が冷え込み翌朝になると草に結ぶ露が白く見えるという意味からきています。

草露白

読み:草露白(くさのつゆしろし)
区分:白露・初候/第四十三候
時期:9月7日~11日ごろ
意味:草の露が白く見える

朝晩と昼間の気温差が大きくなり、冷え込んだ朝の空気が草の葉で露となって白く見える頃のことです。

9月9日は重陽の節句で、菊を愛でて長寿を祈る日として菊の節句とも呼ばれます。

重陽の節句(菊の節句)については、下記記事で解説していますのでご参考ください。

鶺鴒鳴

読み:鶺鴒鳴(せきれいなく)
区分:白露・次候/第四十四候
時期:9月12日~16日ごろ
意味:セキレイが鳴き始める

水辺を好む尾の長い小鳥、鶺鴒(セキレイ)が鳴き声を聞かせ始める頃のことです。

地面を叩くように尾を振って歩くことから「イシタタキ」とも呼ばれています。

鶺鴒鳴は、セキレイが鳴き始める頃

玄鳥去

読み:玄鳥去(つばめさる)
区分:白露・末候/第四十五候
時期:9月17日~22日ごろ
意味:ツバメが日本を発ち南下する

春とともにやってきたツバメが、冬を越すために暖かい南へ飛び立っていく頃のことです。

旧暦の8月15日は満月で「十五夜」または「中秋の名月」と呼ばれ、新暦ではこの時期にあたります。

十五夜(中秋の名月)については、下記記事で解説していますのでご参考ください。

玄鳥去は、ツバメが日本を去っていく頃

秋分 ~秋の中間点~

秋分(しゅうぶん)は、春分と同じく昼が夜と同じ時間になり、この日を境に夜が長くなっていき、前後にある秋の彼岸が「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉通り、冬に向かって涼しくなります。

雷乃収声

読み:雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)
区分:秋分・初候/第四十六候
時期:9月23日~27日ごろ
意味:雷鳴が聞こえなくなる

春から夏にかけてよく鳴っていた雷が、秋には収まってくる頃のことです。

秋分を過ぎると、日ごとに日照時間が短くなり、秋の夜長となっていきます。

蟄虫坏戸

読み:蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)
区分:秋分・次候/第四十七候
時期:9月28日~10月2日ごろ
意味:土の中に住む虫が越冬に入る

春の季節で先述した「蟄虫啓戸」の逆で、寒い冬を前に虫たちが冬に備えて巣ごもりを始める頃のことです。

土中でじっと春を待つ虫が、再び姿を見せるのは約半年後の啓蟄の頃となります。

蟄虫坏戸は、虫などの生き物たちが巣ごもりを始める頃

水始涸

読み:水始涸(みずはじめてかるる)
区分:秋分・末候/第四十八候
時期:10月3日~7日ごろ
意味:水田の水を抜かれる

水を落として田んぼを乾かし、稲穂の収穫を始める頃のことです。

涸は田に張られていた水を抜くという意味で、稲刈りの時期の到来を告げます。

水始涸は、田んぼの水を抜き収穫を始める頃

寒露 ~冷たい露を結ぶ~

寒露(かんろ)は、秋本番を迎えて夜が長くなり、草花についた露が冷たく感じられます。

鴻雁来

読み:鴻雁来(こうがんきたる)
区分:寒露・初候/第四十九候
時期:10月8日~12日ごろ
意味:ガンが渡来し始める

暖かい季節をシベリアなどで過ごしていた雁(ガン)が、日本に戻ってくる頃のことです。

ガンは冬鳥であり、ツバメなどの夏鳥と入れ違いで、冬を連れて北から渡ってきます。

鴻雁来は、ガンが日本へ渡来してくる頃

菊花開

読み:菊花開(きくのはなひらく)
区分:寒露・次候/第五十候
時期:10月13日~17日ごろ
意味:キクの花が咲き始める

秋を代表する花、菊(キク)が花を咲かせる頃のことです。

キクは生花として観賞されるほか、おひたしや酢の物などの食材としても用いられています。

菊花開は、キクの花が咲き始める頃

蟋蟀在戸

読み:蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)
区分:寒露・末候/第五十一候
時期:10月18日~22日ごろ
意味:キリギリスが鳴き始める

蟋蟀(キリギリス)が、家の中で鳴き始める頃のことです。

しかし、漢字としてはコオロギだという説もあり、季節的には秋の虫たちの合唱が聞こえます。

霜降 ~霜が降る~

霜降(そうこう)は、秋が深まるとともに朝晩の冷え込みが厳しくなり、朝露が霜になって降り始めます。

霜始降

読み:霜始降(しもはじめてふる)
区分:霜降・初候/第五十二候
時期:10月23日~27日ごろ
意味:霜が降り始める

いつの間にか冬が近づき、初めて霜が降りる頃のことです。

霜は、土の表面温度が下がり、空気中の水蒸気が氷の結晶となったもので、朝の気温が3度になると降りるといわれています。

霜始降は、霜が降り始める頃

霎時施

読み:霎時施(こさめときどきふる)
区分:霜降・次候/第五十三候
時期:10月28日~11月1日ごろ
意味:小雨がしとしと降るようになる

時雨の季節で、小雨が降ったと思ったらすぐに止む通り雨(にわか雨)が頻繁に降り出す頃のことです。

時雨とは、秋から冬にかけてパラパラと降る通り雨で、冬の季語とされています。

楓蔦黄

読み:楓蔦黄(もみじつたきばむ)
区分:霜降・末候/第五十四候
時期:11月2日~6日ごろ
意味:モミジやツタの紅葉が始まる

木々の紅葉が本番となり、楓(カエデ)や蔦(ツタ)の葉が黄や赤に色づく頃のことです。

秋の山々が紅葉で美しく彩られる様子を、「山粧う(やまよそおう)」といいます。

楓蔦黄は、カエデやツタの葉が黄や赤に色づく頃

終わりに

以上で、1年で色鮮やかな風景が広がる秋の二十四節気や七十二候を紹介しました。

季語のような美しい2字の二十四節気と、謎解きのように気象や動植物を表した七十二候の言葉を見ると、秋のさまざまな情景が脳内に浮かんできます。

季節を把握するための手段として、現在も生き続けるそんな季節・暦の意味を紐解くと、より深い季節感のある365日を感じながら過ごしたいものですね。

秋の風景

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