あまり目立たないものの開運日の1つとして知られる、甲子の日。
甲子の日は、天からよい運気が流れるようにやってきてあらゆる物事を始めるのに適している、年に6回程度しかやってこない貴重な吉日です。
今回は、甲子の日とはどんな縁起のある日なのか・時期はいつなのかを紹介します。
60日に1度巡ってくる甲子の日にやるといいこと・やってはいけないことも解説しますので、物事のスタートを決めるためのご参考になれば幸いです。
甲子の日とは
甲子の日(きのえねのひ)は、己巳の日(つちとみのひ)と同じく60日に1度の周期でやってくる吉日です。
六十干支の最初にくる甲子
甲子は十干十二支の1つで、十干で最初にくる「甲」と十二支で最初にくる「子」が組み合わさった六十干支(ろくじっかんし)の始まりにあたります。
十干(じっかん)
甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸
十二支(じゅうにし)
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
つまり甲子は、六十干支の最初にくる日というわけです。
よい流れが続く甲子の日
10種類ある十干と12種類ある十二支の組み合わせからなる十干十二支は60通りあり、甲子の日は60日に1度巡ってくる吉日です。
つまり60日周期で一番最初の日にあたることから、縁起のよい吉日といわれています。
そして甲子の日に始めたことは、よい運気と流れを長くもち続けながら発展していくとされています。
十干十二支(六十干支)については、下記記事で解説していますので併せてお読みください。
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十干十二支とは?十干や十二支との関係性とそれぞれがもつ意味、干支との違い
2024/10/2
大黒天にまつわる甲子の日
甲子の日は、七福神の1つである大黒天の縁日にあたり、大黒天を祀っている寺社では甲子祭が開かれます。
七福神の1人、大黒天とは
大黒天は七福神の1人であり、もともとはヒンドゥー教の神様です。
インド神話に登場する「シヴァ神」の化身で、ヒンドゥー教の神様の中で最高位に位置しています。
大黒天は、インドにおいてサンスクリット語の「Mahākāla(マハーカーラ)」と呼ばれており、破壊と再生を司るシヴァ神が破壊神に姿を変えた時の異名です。
日本では「mahā=マハー」を意味する「大きい」と「kāla=カーラ」を意味する「黒い」に訳して、大黒天と名づけられました。
大黒天のご利益
七福神の1人である大黒天は、金運をもたらす神様です。
頭巾をかぶり左肩には財宝を表す大きな袋、右手に富が湧き出る打ち出の小槌をもっており、足元は米俵に乗っている姿を見たことのある方も多いでしょう。
財運向上はじめ五穀豊穣や商売繁盛、縁結びなどのご利益があり、財布の買い替えに適した吉日にもなっています。
ちなみに先ほど触れた己巳の日は、七福神の弁財天にまつわる吉日です。
巳の日・己巳の日については、下記記事をご参考ください。
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巳の日・己巳の日とは?やるといいこと・やってはいけないこと、弁財天との関係を解説
2024/9/13
甲子祭とは
甲子祭(きのえねまつり)は甲子の夜、子の刻まで大黒天を祀るお祭りです。
子の刻とは、現在でいう午前0時の前後2時間を指します。
甲子の日は陰陽道で祭祀を行うのに吉日とされ、大黒天を祀っている各地の神社や寺院では縁日が開かれます。
以下では、大黒天が祀られている代表的な神社の甲子祭を紹介します。
中之嶽神社(群馬)
中之嶽神社は、高さ20メートル・重さ8.5トンの大黒様が鎮座していることで有名です。
7階建てのビルに相当する大きさから日本一の大黒様と称され、良縁を願う人たちの参拝が絶えません。
大黒天は小槌を持っているのが一般的ですが、中之嶽神社の大黒様は剣を持つ珍しい姿で、病や厄を祓い福を招くと伝えられています。
甲子は「気が栄える」いうことから大黒様のご利益をいただき運気が高まる日として、中之嶽神社では約300年もの間欠かさず甲子祭を行っています。
出雲大社(島根)
出雲大社では、御本殿にて甲子祭を奉仕し農業の繁栄を祈願します。
年6~7回あるうち、4回の祭典では籾種・綿種・水・麦の特殊神饌をお供えします。
甲子神社(静岡)
1926年(大正15年)に町の発展を願った住民が出雲大社に参拝したことから、大国主命の分霊をいただき甲子神社を建立したのが始まりです。
甲子祭では山車の引き回しや踊り、甲子ばやしなど賑やかに催されます。
甲子の日にやるといいこと
甲子の日にやるといいこと・したほうがいいことは、以下の通りです。
大黒天を祀る神社の参拝
甲子の日は大黒天の縁日でもあり、大黒天を祀る神社では甲子祭が行われます。
この日は、金運上昇や商売繁盛をもたらしてくれる大黒天へ出向いて参拝してはいかがでしょうか。
起業・開店
物事を始めるのにふさわしい甲子の日には、起業や開店・新規事業にも適しているといえるでしょう。
甲子の日は財運向上や商売繁盛の神様である大黒天の縁日であることから、その事業を長く続けられる可能性もあります。
物事の最初がうまくいくことで順調に進めば、より良い運気やエネルギーが長続きする日でもあり事務所や店舗の移転も吉です。
告白やプロポーズなど恋愛関連
大黒天は縁結びにもご利益があり、告白やプロポーズ、交際、結婚など恋愛関連にも最適です。
甲子の日に始めたことは長続きするといわれているため、好きな人や大切な人に想いを伝えるときっといいことがあるでしょう。
結婚・入籍をする日は大安など縁起のよい日を選ぶのが一般的に多いですが、甲子の日を選ぶのも1つの考え方といえます。
また甲子の日に合わせて、婚活をスタートするのもおすすめです。
習い事・勉強
甲子の日は、長く続けたいことを始めるのに適した日です。
習い事や勉強など、これからの人生設計に向けてしっかり続けていきたいことに向いています。
なかなかモチベーションが保てないという場合には、甲子の日に合わせてスタートしてみてはいかがでしょうか。
財布の新調
甲子の日は、財運をもたらす大黒天の力により金運が上昇する日です。
新しい財布を購入したり使い始めたりするのにも適しています。
他にも口座を開設する・投資を始める・宝くじを買うなど、お金にまつわることを始めるのにもいいでしょう。
その他
甲子の日は、その日に始めた物事が長きにわたって続く吉日です。
他にも禁煙やダイエットといった健康関連、転職活動、引越しもあてはまります。
人生を左右する大きな決断をしてみる、よい機会でしょう。
甲子の日にやってはいけないこと
では、甲子の日にやってはいけないこと・避けるべきことはあるのでしょうか。
入院など
甲子の日は、始めた物事が長く続く日とされています。
健康関連でいえば禁煙やダイエットなどが長続きするのはよいことですが、入院が長引くのは避けたいところです。
可能であれば、この日に入院することは避けて前後日にずらしましょう。
ただし、甲子の日に入院すると長引くというのはあくまでも言い伝えであるため、あまり神経質になる必要はありませんが、縁起を気にする人や心配な人は覚えておくとよいです。
お金の貸し借り
甲子の日にお金の貸し借りなどをすると、なかなか返してもらえない可能性があるため気をつけましょう。
甲子の日は長期にわたって運気が続く、という意味があることから悪いことが引きずられてしまうことには気をつけたいものです。
上記以外にも、あまり物事が長引いてはいけないと思うことは避けるとよいでしょう。
2024年の甲子の日
2024年の甲子の日は、以下の通りです。
数ある吉日の中でも最も縁起のよい一粒万倍日と天赦日が重なる日も補足していますので、物事を始める日を決める参考にしてください。
- 1月1日(月)一粒万倍日・天赦日
- 3月1日(金)
- 4月30日(火)一粒万倍日
- 6月29日(土)
- 8月28日(水)一粒万倍日
- 10月27日(日)
- 12月26日(木)一粒万倍日・天赦日
一粒万倍日や天赦日については、下記記事をご参考ください。
2025年の甲子の日
2025年の甲子の日は、以下の通りです。
最も縁起のよい一粒万倍日と天赦日が重なる日も補足していますので、大きなことを始めるための参考にしてください。
不成就日は何事もうまくいかない日とされていますが、気にしないことも重要です。
- 2月24日(月祝)不成就日
- 4月25日(金)一粒万倍日
- 6月24日(火)不成就日
- 8月23日(土)一粒万倍日
- 10月22日(水)
- 12月21日(日)一粒万倍日・天赦日
不成就日については、下記記事をご参考ください。
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不成就日は気にしない?やっていいこと・やってはいけないこと、過ごし方
2024/9/11
物事が長続きする甲子の日まとめ
60日に1度しか巡ってこない貴重な甲子の日。
この日は起業や開店、結婚など成功させたいことや長期間にわたって続けていきたいことを始めるのにふさわしい日です。
年に6回程度しかやってこない日には、大黒天を祀る神社を参拝したり財布を新調したりするなど、運気を長く保っていくための心機一転にしてはいかがでしょうか。
以下の記事では、十干十二支に関する基本情報を紹介しています。
十干と十二支の意味や特徴、干支との違いや関係性を早見表付きで解説していますので併せてご参考ください。
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十干十二支とは?十干や十二支との関係性とそれぞれがもつ意味、干支との違い
2024/10/2