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2度の地震体験から学んだ、防災グッズとして絶対に必要なものを要チェック

2024年1月14日

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災害時に備えて必要な防災グッズ・非常用備蓄品

ある日突然、強い地震や大きな火災が起きたら。

自宅以外での避難生活、もしくは自宅で過ごすことを選んだら。

あなたはまず何を思い浮かべ、どんなものが必要なのか把握しているでしょうか。

地震や火災により電気や水道が使えなかった時、何が必要でどう過ごしたらいいのか慌ててしまうこともあるでしょう。

そんな万が一のことを想定して、防災用品や非常食・保存食など事前に準備しておくことがたくさんあります。

今回は、東日本大震災や能登半島地震での筆者体験をもとに、防災グッズとして絶対に必要なものを紹介します。

ライフラインが遮断されてしまった時を想定し、持ち出し用と自宅避難用に分けて解説しますので平常時の備えとしてご参考になれば幸いです。

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颯彩(ふーあ)

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地震発生時に必要な行動

地震が起きたらまずは身を守る行動を

もし、これまでにない強い地震が発生したら誰もが冷静に対応するのは難しいことですが、一瞬の判断が生死を分けることもあります。

地震が起きても慌てず、落ち着いて行動するためにも主に以下のことを頭に入れておきましょう。

  • 自分の身を守る
  • 火のつく家電の電源を切る
  • 玄関のドアや窓を開ける
  • 裸足や靴下だけで動かない
  • 情報収集・避難
  • 水を貯めておく
  • 危険なものを退避させる
  • 高台や避難所の確認

地震が起きた際に必要な行動については、下記記事で解説していますので併せてご参考ください。

津波到達や家屋倒壊には早めの避難行動を

防災グッズの役割・タイプ

あなたは、もし地震や火災など災害に巻き込まれた時に何が必要なのか、最低限必要な防災グッズを把握しているでしょうか。

防災グッズは、身の回りで災害などが発生した場合に、電気や水道などのライフラインが止まってしまったり、食料・飲料品や日用品などの供給が絶たれた際に使用するための備えです。

災害時に使う防災アイテムといえば、ヘルメットや懐中電灯などといった、身の安全を守る道具を思い浮かべる人も多いでしょう。

防災グッズというのは実は、身を保護する道具だけをいうのではなく、救急用品や衛生用品、食料などの備蓄品も災害時に役立つものとして防災グッズに該当します。

そして防災グッズには、主に3つのタイプ別で用意することが望ましいとされています。

防災ポーチ

防災グッズのタイプ(1)防災ポーチは外出時など常時携帯する役割

もし地震や火災など災害に巻き込まれた時、絶対に必要なものが何か最低限必要な防災グッズを把握しているでしょうか。

そんな防災ポーチに入れる主な防災グッズは、マスクやホイッスル(笛)、除菌シート、飴・チョコレートといった食料や絆創膏などの消耗品を入れておきます。

荷物に余裕があれば、コンパクトな携帯用トイレや体温を守るエマージェンシーシート(アルミシート)も入れておくとよいです。

夜間時の移動や避難時に小さめの照明もあった方がいいですが、最新のスマートフォンであれば懐中電灯の機能がついていることがあるため、モバイルバッテリーや充電コードは常備した方がいいでしょう。

防災リュック(非常用持ち出し袋)

防災グッズのタイプ(2)防災リュックは災害時の避難行動に備えた、いわゆる非常用持ち出し袋

防災リュックは、災害時の避難行動に備えて日用品や食料品などを収納した非常用の持ち出しリュックで非常用持ち出し袋とも呼ばれます。

他にも防災セットや防災バッグ、非常袋などともいい、災害が起きてすぐ避難が必要な時に持ち出す2~3日分くらいのものを収納します。

災害はいつ、どこで起こるかわからないため、事前に防災リュックを用意しておくことで、万が一の際にもすぐに避難行動できるようにするわけです。

防災リュックに入れておくべき必要なものは後述します。

防災ボックス(備蓄ボックス)

防災グッズのタイプ(3)防災ボックスはライフラインが断たれて自宅や避難場所で過ごす場合の備蓄ケース

防災ボックスは、電気や水道などのライフラインが断たれてしばらく自宅もしくは避難所で過ごす場合に備えて、家族全員が1週間分くらい過ごせる量の備蓄品を収納したものです。

自宅避難に備えたものが主で、日用品や食料・飲料品のほかビニール袋や新聞紙、衛生用品など最低限の防災グッズだけで生活できるものも含みます。

この記事では、一般的に最低限必要なものを収納する防災リュックを中心に触れていきますが、万が一の災害時に備えて防災グッズは欠かせない非常用の備蓄となります。

市販の防災リュックはどこまで使える?

地震や火災など万が一の時に何が必要なのか、最低限必要な防災グッズを事前に揃えておく必要があります。

防災グッズとして必要なものをすぐに用意するとなると、最も手っ取り早いのは防災グッズ一式が揃った市販の防災リュックでしょう。

しかし、いくら防災グッズがひと通り揃っていても完全とはいえません。

身長や体形、普段使用しているものなど、個々によっても使えるものや使えないものも異なります。

また、ライフラインの状況や避難先によっては別途必要なものがあるのです。

まずは比較として、市販の防災リュックに収納されている主な防災グッズの例を紹介します。

スタンダード防災リュック(アイリスオーヤマ)

アイリスオーヤマが提供するスタンダード防災リュック(食品なし)は、防災士が300点もの防災グッズを試した中から厳選した本当に必要な避難リュックです。

容量26リットルのリュックに、食品を除いた以下の30アイテムを収納しています。

内容

  • 懐中電灯ランタン(単3形乾電池×2本・別売)
  • 長期保存単3形乾電池×12本
  • 乾電池式携帯充電器(単3形乾電池×8本入り)
  • エアベッド
  • アルミブランケット
  • エアベッド用ポンプ
  • エア枕
  • 携帯用トイレ×3個
  • 綿棒×20本
  • マスク7枚入り(ふつうサイズ)
  • 歯ブラシ×3本/からだふきシート50枚入り
  • ティッシュペーパー
  • ウェットティッシュ10枚入り×3個
  • ラップ
  • プラカップ×5個
  • ウォータータンク5L
  • 割りばし×3膳
  • スプーン・フォークセット
  • 紙皿×3枚
  • レインポンチョ
  • ラバー手袋
  • ボディタオル
  • ポリ袋
  • EVAサンダル(26cm)
  • ホイッスル
  • 筆記用具セット
  • 防水スマホ袋
  • カッターナイフ
  • 2WAYドライバー
  • リュック本体

食品は付属していません。
商品仕様では31アイテムとありますが、リュック本体を含むアイテム数です。

メーカー(型番)

アイリスオーヤマ(BS131)

容量

1人用・4.4㎏

価格

13,980円(税込、2024年8月現在)

備考

Amazonでの非常用持出袋・緊急避難セット部門10位以内

防災セット SHELTERプレミアム(LA・PITA)

LA・PITA(ラピタ)が提供する防災セット SHELTERプレミアムは、防災士監修で防災安全協会が推奨するプレミアム防災セットです。

容量30リットルのリュックに、以下の25アイテムを収納しています。

内容

  • 多機能ダイナモラジオライト
  • 防滴ダイヤルランタン
  • LEDライト
  • 単三乾電池(4本)
  • 長期保存水500ml×4
  • ご飯(3点・選択式)
  • 圧縮タオル
  • アイマスク・耳栓
  • レスキュー寝ふくろ
  • 防災エアーマットAIRGOLON
  • レスキューシート
  • トイレONE(3枚入)
  • マスク
  • 全身ドライシャンプー
  • 目かくしポンチョ
  • コップ付き歯みがきセット
  • ソフトパックティッシュ
  • 救急セット
  • レインコート
  • 圧縮袋
  • 蓄光ホイッスル
  • ウォーターバッグ
  • ポーチ(6点)
  • 防災アドバイス
  • 取扱説明書

メーカー

LA・PITA(ラピタ)

容量

1人用・約5.0kg

価格

14,800円(税込、2024年8月現在)

備考

楽天総合ランキング1位

市販の防災リュックまとめ

人気とされる市販の防災リュックに収納されている各アイテムを見てみると、両方のグッズに違いがあることがわかります。

必要最低限ではあるものの、一方にはあってもう一方にはないアイテムがあるなど何か足りない感じがして不安になりませんか。

例えばアイリスオーヤマのセット商品には、食品が付属しませんが、紙皿や割り箸など避難や断水時に役立つ使い捨てのものが揃っています。

LA・PITAのセット商品は、主食のご飯を選べる点がいいものの、照明用品が多く収納されている代わりに不足するものが出てきます。

次は避難する際も含めて絶対に入れておきたい防災グッズ・備蓄品をまとめましたので、市販の防災リュックと比較してみてください。

持ち出し用の防災グッズ・備蓄品

上記で紹介したように、市販の防災リュックは販売ショップによっては足りないものがあったり必要以上に要らないものがあったりします。

そこで最低限入れておきたい、絶対に必要な防災グッズ・非常用備蓄品をカテゴリ別に列挙します。

自宅以外へ避難する時の持ち出し用を中心にまとめていますので、前述した市販の防災リュックのセットと比べてみてください。

防災用品

災害時に備えて必要な防災用品

ヘルメット、防災頭巾、軍手など。

断水を想定する場合は、給水専用袋もあると便利です。

ヘルメットについては、下記記事もご参考ください。

救急用品

災害時に備えて必要な救急用品

絆創膏、消毒液、医薬品、常備薬など

衛生用品

災害時に備えて必要な衛生用品

マスク、消毒アルコール、除菌シート、携帯トイレ、トイレットペーパー、ティッシュなど。

女性は生理用品も必須です。

洗面用品

タオル、歯みがきセット、水を使わないシャンプー、ウェットティッシュなど。

飲料品

ペットボトルの水など。

1~2リットルのペットボトルの場合は紙コップが別途必要になるため、携帯性を考えるとそのまま飲める500mlのペットボトルがおすすめです。

食料品

災害時に備えて必要な食料と飲料

缶詰やビスケットなど(2~3日分目安)

お粥のレトルトなど、加熱も水も不要でそのまま食べられる食品もおすすめです。

貴重品

現金、預金通帳・印鑑、身分証や健康保険証のコピーなど。

小さな子どもがいる場合は母子手帳のコピーも必要です。

情報収集ツール

携帯ラジオまたはスマートフォン、充電器、モバイルバッテリーなど。

照明器具

災害時に備えて必要な照明用具

懐中電灯、予備の乾電池など。

床にも置けるランタン機能がついているタイプがおすすめです。

衣類(下着や靴下も含む)

替えの衣服、2~3日分を目安にした下着など。

夏は半そで、冬は防寒具など季節に応じて用意しておくとよいでしょう。

季節用品

夏は虫除けスプレーや日焼け止め、冬は使い捨てカイロやエマージェンシーシートなど。

装用品

上記で紹介した防災グッズや非常用備蓄品の他に、個々や家族に必要なものがあると思います。

例えばメガネやコンタクトのほか、乳幼児がいる方はミルク・哺乳瓶、高齢の方は杖などがあります。

またペットと避難する場合は犬猫など種類に応じた防災用品など、各家庭の事情に応じた備えが必要です。

小物

災害時に備えて必要な防災グッズ・非常用備蓄品

必須ではありませんが、あった方が便利な小物として筆記用具やライター、ホイッスルなどがあります。

また避難所によっては土足で動けない場合があるため、スリッパもしくは室内靴を用意しておくといいかもしれません。

防災リュックの重要ポイント

非常持ち出し袋や避難リュック・災害リュックとも呼ばれる防災リュックは、避難時間を短縮するために必ず用意しておきたい防災用品一式です。

中身がすでに揃っている市販の防災セットや防災リュックと比較すると、当面の間に必要なものが他にもあることがわかるでしょう。

特にリュック本体に関しては、子どもや高齢の方に合わせた小規模のサイズが多いことに気づきます。

リュックのみをスポーツブランドやアウトドアブランドなどが販売する大きめのリュックを別に用意して、個々に応じて本当に必要な防災グッズを個別に揃えるのがおすすめです。

またはリュックを除いた防災用品一式のみを購入して、他に必要なものを追加するという考え方もあります。

市販のリュック本体にかかる費用も抑えられる上、自分が使いやすい中身にカスタマイズできます。

防災リュックについては、下記記事もご参考ください。

自宅避難用の防災グッズ・備蓄品

しかし上記に挙げた防災グッズは、避難所や車など自宅以外へ一時避難するための持ち出し用とした防災リュックを主にしたもので、もし自宅避難することになった場合に必要なものとしては不十分です。

防災としての道具・用品はある程度揃っていても、電気や水道などインフラの状況によっては非常食・保存食も含めて十分とはいえず、備蓄としては不足しているものもあります。

ここでは筆者が体験した能登半島地震で、絶対に必要だと思った自宅避難用の防災グッズや非常用備蓄品をまとめました。

今回は断水したケースを中心にしていますが、あくまで上記で列挙した持ち出し用の防災グッズに加えて、別途用意しておいた方がいい防災用品として参考にしてください。

ペーパータオル

自宅避難に必要なペーパータオル

停電でも断水でも洗濯機は使えないため、タオルなども洗濯することができません。

普通のティッシュペーパーでも使えますが、紙質が薄いためすぐになくなる可能性が大きいです。

濡れたものを拭くにも普通のティッシュでは切れやすく、厚めの乾いたペーパータオルがあるとひと拭きするだけで済みます。

また湯水を使わない洗髪シャンプーや身体を拭く清拭料を使う時にも、タオルより使い捨てるだけで済むペーパータオルが衛生的でしょう。

除菌用シート・ウェットティッシュ

自宅避難に必要な除菌シート・ウェットティッシュ

断水では手洗いもできないため消毒用アルコールでもいいですが、アルコール入りの除菌シートがあるときれいに拭き取れるため便利です。

またノンアルコールのウェットティッシュもあると、顔などデリケートな部分を拭くのにも使えます。

湯水を使わない洗髪・清拭料

停電や断水になると入浴や洗顔もできないため、水を使わないシャンプーや身体を拭くためのウェットシートがあると気持ち的に楽です。

断水した実家に送る備蓄の買い込みで薬局へいってみると、よく見かける資生堂の水を使わないシャンプー以外に、入浴の必要がない看護用の洗髪・清拭料が売られていたためチェックしてみてください。

使い捨ての紙皿・割り箸

自宅避難に必要な使い捨ての紙皿や割り箸

断水した時は、普段使っている皿や箸も洗うことが困難です。

使い捨ての紙皿や割り箸、他にも木製あるいはプラスチック製のフォークやスプーンがあると使った後にそのまま捨てることができます。

電子レンジでの加熱にも使える紙皿が100円ショップにも売っていますので、用途に応じて使えてコストパフォーマンスもいいです。

ポリ袋(ゴミ袋)

地震による落下で割れたガラスや陶器などの回収はもちろん、紙皿や割り箸など使い捨ての食器、除菌シート、ペーパータオルなどゴミが大量に出るため、ゴミ袋はできるだけ多めに用意しておきましょう。

また断水するとトイレも流せないため、可燃ごみ用の薄いゴミ袋だけでなく、大きいサイズで厚めの丈夫なポリ袋も用意しておくと使いやすいです。

使い方としては、ポリ袋を開いて数枚か重ねた後トイレの便座回りにかけておくと、1~2日おきに1袋ずつ取り出してそのままゴミとしてまとめておくことができます。

以下の記事では、簡易トイレについて紹介していますのでご参考ください。

新聞紙

自宅避難に必要な新聞紙

新聞紙には、実は消臭効果や吸水性があるのをご存知でしょうか。

特に豪雪地帯では、雪や雨で濡れた防寒靴の中に丸めた新聞紙を詰めたことがある方もいるでしょう。

濡れた靴はそのまま放置すると雑菌が繁殖し臭いの原因にもなるため、新聞紙を詰めることで水分や臭いを吸収し靴の寿命を延ばすことができます。

新聞を定期的にとっている方は、便座回りにかけたポリ袋の中に新聞紙を敷き、トイレをするごとに新聞紙を上に重ねておくと吸水と消臭作用が働きます。

ポリ袋1枚にトイレを数回できて袋を無駄なく使えるため、過去の新聞紙もストックしておくといいです。

ポリタンクなどの給水容器

自宅避難・断水時に必要なポリタンク

日常生活では使う機会のないポリタンクですが、断水した場合は給水タンクとして使います。

バケツや電気ポットでもいいのですが、自治体のルールによって給水は1人に1回という制限もあるため、なるべく容量の多いポリタンクがいいでしょう。

他に、クーラーボックスもあるなら代用できます。

市販の防災リュックにも給水専用袋が入っていることがありますが、携帯用サイズで比較的小さいため、専用の給水袋を別途購入しておくのもいいでしょう。

ちなみに筆者の実家にはポリタンクもクーラーボックスもなかったため、唯一あった大きめサイズの厚いポリ袋(未使用)を代用しましたが、どこまで水を入れてもらうか見ていないと重くなって持ち運べなくなります。

重さを見るために時々持ち上げながら給水してもらいましたが、ポリ袋の口を止めるのも大変で駐車場までもっていくのも苦しかったです。

おかげで全身が筋肉痛で翌日は動けなかったため、たくさんの給水が得られるとはいえ、ポリ袋での給水はおすすめしません。

救急箱・常備薬、衛生用品

自宅避難に必要な救急箱や医薬品

絆創膏や消毒液のほか、万が一の風邪薬といった医薬品も定期的に在庫を確認しておきたいものです。

また持病の方や通院中の方は、服用薬を用意しておきましょう。

女性の方は、生理用品が必須ですので多めに用意しておく必要があります。

他にも乳幼児にはおむつ、高齢の方やペットにも必要なものは揃えておくといいです。

季節用品

夏に停電した場合はエアコンが使えないため、クーラーボックスなどに保冷パックなどを移動させておくなど対策が必要です。

冬に停電した場合は暖房器具が使えないため、シュラフ(寝袋)やテント、毛布など体温を守るものがあった方がいいでしょう。

その他

万が一の避難に備えてガソリンは満タンに

車のガソリンはあらかじめ、満タンにしておくといいです。

地震や津波で避難する時は渋滞に巻き込まれるため、できるだけ車を利用しない方がいいのですが、遠方の避難所へ行く場合や近くの避難所が満員になった時に車内で過ごすことも想定しておく必要があります。

東日本大震災後の都内ではガソリンの給油切れが続き、能登半島地震の被災地周辺では地震が発生した当日夜からすでにガソリンの給油制限が生じていたため、日常的に車を利用する場合には頭に入れておきたいものです。

防災ボックスの重要性

上記では飲料品・食料品を除いて自宅避難に必要な防災グッズを紹介しましたが、停電した場合や断水した場合の備えとしては異なるものがあります。

例えば、停電した場合は暖房器具が使えないため冬は防寒アイテム、断水した場合は洗い物ができないため使い捨ての食器や除菌シート、給水タンクが必要です。

上記で紹介したものは、前述した防災グッズの3つあるタイプの防災ボックス(備蓄ボックス)に該当します。

電気や水道などのライフラインが止まったり自宅避難が1週間ほど続くことになったりした時は、防災グッズの量も多くなるため定期的に確認しておきましょう。

以下の記事では、能登半島地震での経験より防災グッズを見直し、実際に買い揃えた参考例を紹介していますので併せてお読みください。

非常食・保存食の備えポイント

前述の通り停電を想定した防災グッズ・備蓄品は、必ずしも断水した場合の備えにはなりません。

非常食・保存食も停電や断水で条件が異なってきます。

例えば水を加えるだけで食べられるレトルト食品は、断水した場合には食べることが困難です。

逆に電子レンジで加熱することで食べられるレトルト食品は、停電した場合には食べることが難しくなります。

ここでは、停電時と断水時の非常食・保存食について解説します。

食料品:ご飯

停電時は電気が使えない以上ご飯を炊くことは難しいですが、お粥のレトルトパックを常備しておくと加熱せずに食べられます。

断水した場合でも水がなければご飯を炊くことが困難ですが、お粥のレトルトパックの他に電気が使える場合は電子レンジで加熱するだけで済むご飯パックがおすすめです。

筆者は加熱も水も必要のない、開けるだけで食べられるリゾットやお粥を揃えました。

食料品:レトルト食品

備蓄に必要なレトルト食品や缶詰類、水

最近のレトルト食品はさまざまな料理法がなされていて、電子レンジで加熱するだけで一品料理にもなる便利なものが増えています。

実家に送る備蓄品の買い込みでハンズへいってみると、ビーフシチューやサバの煮込みなど一品だけで十分おかずになるレトルト食品がたくさん並んでいました。

レトルト食品は、もし断水していて電気が使える場合は電子レンジで加熱するだけで食べられます。

しかし停電した場合は電子レンジやガスが使えないため、レトルト食品を選ぶ際には注意しましょう。

筆者は停電でも断水でも、開封するだけで食べられるレトルトおかずを絞って購入しました。

食料品:缶詰類

停電や断水でも食べられる缶詰類

停電になると電子レンジはじめガス給湯器やIH機器も使えないため、加熱せずにそのまま食べられる缶詰類を用意しておくといいです。

缶詰類であれば、断水になった時でも食べられます。

おかずとなる肉・魚類のほか、パンやお菓子なども長期保存用の缶詰商品で販売されていますのでチェックしておきましょう。

筆者は多数あるお菓子の中でも東ハトのハーベスト香ばしセサミが好きなため、長期保存用の缶詰タイプがあるのを知ってすぐに購入しました。

食料品:栄養・健康補助食品、ゼリー類

筆者が常に常備しているものが、大塚製薬のカロリーメイトです。

学生時代の昼食代わりによく食べていてプレーン味もあれば、フルーツ味やチョコ味もあるため試食してみてください。

賞味期限が最長3年と長期保存が可能で、東日本大震災後に都内で物流が停滞していた時にも実家から送ってもらっていました。

その時にカロリーメイトを知った母が、摂食障害で食べ物を受けつけない知人に勧めたところお菓子感覚で美味しかったようで体型も戻り健康的になった経緯があります。

食欲がない時には、フルーツゼリーもいいでしょう。

ウィダーインゼリーやビタミンレモンなど、ゼリータイプの栄養・健康補助食品も比較的保存が利きます。

飲料品:水やスポーツドリンク

備蓄に必要な水やスポーツドリンク

ミネラルウォーター(水)はもちろん、万が一発熱した際や体調不良時にポカリスエットも用意しておくといいでしょう。

スポーツドリンクでもアクエリアスやウィダーインゼリーといったゼリータイプのドリンクもあり、製造から約10~12ヶ月と比較的長くもちます。

ポカリスエットにもゼリータイプがありますが、パウダータイプは水が必要になるものの嵩張らないため防災ボックス(備蓄ケース)のスペース的によさそうですね。

水を加えるだけでご飯やおにぎりができるレトルトご飯のほか、断水した時のことを想定すると身体拭きやトイレにも使えるよう、水はできるだけ多くストックしておくことをおすすめします。

また水だけで飽きる方は、長期保存できる非常用の野菜ジュースも販売されています。

ポカリスエットとアクエリアスの違いについては、下記記事もご参考ください。

非常食・保存食の選び方まとめ

もし停電した場合は、電気やガスが使えなくなることを想定した食料品や飲料品が必要です。

一方で断水した場合は、電気は使えても水がなければ料理もできないため、保存水をできるだけ使わない食料品を考える必要があります。

電気や水道・ガスといったライフラインが止まった時のことも想定して、非常食・保存食を用意しておきましょう。

以下の記事では、停電や断水時を想定して揃えた食料品・飲料品を紹介していますのでご参考ください。

他にも便利な家電・道具

上記で紹介した防災グッズや備蓄品は絶対に必要なものですが、他にも役立つ道具があるのをご存知でしょうか。

炊飯器

電気やガスが使えない日が続くと、白いご飯が食べたい時もあるでしょう。

そんな時は、電気やガスを使わずに新聞紙を燃料にしてご飯が炊ける炊飯器があります。

それは、タイガーの「魔法のかまどごはん」です。

かまど部分の穴に新聞紙を入れて、火をつける動作を左右交互に繰り返すことで炊きたてのご飯ができ上がります。

関東大震災から100年を迎えた2023年に、被災時でも炊きたてのご飯が食べられる炊飯器として開発されました。

ただし水があることが前提のため、水を常備している場合は検討してもよいでしょう。

ポータブル電源(発電機)

地震や台風、大雪といった自然災害時には停電が起こることもあります。

そんな時に発電機があれば、照明や暖房器具、調理器具などの電源を確保することができます。

発電機の中でもポータブル電源は、コンパクト設計になっていることから手軽に持ち運びができる便利なバッテリーです。

ポータブル電源といえば、世界シェア1位のJackery(ジャクリ)でしょう。

キャンプにも使われるほど人気で、停電時に2~3日使用できるベーシックなタイプからソーラーパネルも付属する大容量タイプまであります。

米国メーカーですが、一般社団法人防災安全協会の推奨となっており2年間の保証付きです。

条件によっては最長3年の長期保証もあり、日本人がカスタマーサポートする日本現地CSチームを設置しているため安心できます。

ポータブル電源の主流はリチウムイオン電池のため、中でも安全性が高いリン酸鉄リチウムイオン電池を搭載している機種を選ぶのがよいそうです。

ライフラインの中で最も欠かせない電気のため高価ですが、ポータブル電源の寿命は約10~15年と比較的長く使えるため、コストパフォーマンスがよいといえます。

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モバイルバッテリー

モバイルバッテリーは、その名前通りモバイル機器の充電器で持ち歩ける充電器ともいいます。

スマートフォンやタブレット端末、ノートPCは、携帯できるリアルタイム情報ツールであるため、避難する際にもモバイルバッテリーは絶対に欠かせない道具でしょう。

コンセントが不要で小型なため、今や多くの方が毎日持ち歩いています。

モバイルバッテリー自体はコンセントやPCにつないで充電する必要がありますが、何度も利用できるものや電池式のものがあります。

停電の時はもちろん避難所では電源が使える保証もなく、Wi-Fiも設備可否が分かれるため用意しておくと安心です。

キャンプ道具・用品

キャンプや登山を趣味にしている人は、キャンプ道具やアウトドア用品一式があればもしもの備えに防災グッズとしても役に立ちます。

軽量なLEDランタン、電源がなくても太陽光で灯りが確保できるソーラー充電などアイテムも豊富です。

避難所などでは床や段ボールで寝る場合もありますが、折り畳めるマットレスがあると腰を痛めたり底冷えして体調不良につながるなどのリスクが抑えられます。

もちろん車中泊となった場合にも活用できます。

テントや寝袋、椅子も揃っていると、車中泊や屋外など避難所以外での生活も可能になるでしょう。

ガスバーナーのほか、湯沸かしやフライパンにもなる調理器具など軽くてコンパクトな調理グッズも野外で使えますね。

地震体験から伝えたいこと・反省点

2度の地震に遭遇した筆者の体験から地震翌日以降の物流における記録を共有しますので、地震など災害時・非常事態に備えるためのご参考になれば幸いです。

東日本大震災と能登半島地震当日の行動については、下記記事をお読みください。

東日本大震災の体験記(物流)

東日本大震災が起きた翌日の12日は土曜日で休日でしたが、電車の終夜運転で夜明けに帰宅しても寝つけなかったため、シャワーを浴びた後に再び職場へ出向き、溜まっていた地震情報を処理していました。

続々と流れてくる被害・被災状況の内容に胸が痛みながらも、それでも被災地や避難者にとって有益な情報になればという思いで配信し続けました。

すでに電車やバスの通常運転が再開され、高速道路の通行禁止も解除されたため、この日はいつもの休日という感じだったでしょうか。

その後、車を利用する友人からガソリンがないという連絡が届きました。

周辺のガソリンスタンドを回っても、ガソリン切れで給油できない状況が相次いでいたのです。

数日後には物流が停滞したのか必要以上の買い込みが増えたのか、ティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの衛生用品が手に入らなくなりました。

また毎日食べているヨーグルトやパンも買えなくなる事態となり、実家から栄養補助食品のカロリーメイトなどを送ってもらったこともあります。

同時に計画停電も行われ、いつも利用する電車の沿線では最寄り駅までいかず途中までの駅が終点となる日が続き、幸いにも自宅近くにあった専門店で自転車を購入し、毎朝電車が通る駅まで乗って通勤していました。

この状況は5月ごろまで、約2ヶ月間続いたと思います。

地震後の行動だけでなく事前の備えがいかに甘かったかを痛感し、物のない経験もしたことで食料や飲料はもちろん、日常で使う日用品や衛生用品などをストックする癖がつきました。

東北での地震が、遠く離れた都内にも影響を受けたことは、関東に住む人たちにとっても今後の学びとなったことでしょう。

物流が停滞する恐れがあるため事前の備蓄は必要

能登半島地震の体験記(物流・備蓄)

能登半島地震が起きた翌日の早朝6時半過ぎ、筆者が登録するように促した市のLINEを受信したのか家族に起こされました。

給水が行われるとの情報で寝てていいからと留守を頼まれたものの、1人にいくつの制限があるのかを聞いたところ、1人に1回分との制限があったため筆者も同行しました。

数ある給水所の中でも役所や学校は混むだろうと思い、比較的認知度の低い公民館に向かいましたがすでに多くの人たちが列をなしており、寒空の中を並びました。

給水車は想像していたよりも小さく、給水が切れたらどこかの湧き水へ組みにいくのに30分は待ちます。

SNSでも役所や学校の給水が切れて1時間待ちという情報が流れていたため、寒さと闘いながら根気の要る待ち時間でした。

ようやく自分たちの番がきて持参した厚めのポリ袋に給水してもらいましたが、並び始めてから5時間が過ぎていました。

実家では驚いたことに水の備蓄をしていなく、ペットボトルの飲料水さえもありませんでした。

市販の防災リュックのみで食品や日用品さえもなく、年末年始の出来事だったためおせち料理や貰い物のハムなどの加工製品があったのが幸いです。

ちなみに筆者は、東日本大震災後での都内における物流の停滞を経験していたため、自宅では水のペットボトルを常に5本以上ストックしています。

習慣的に水を飲んでいたおかげもあり、帰省した地震の前日にコンビニへ寄り2本を買っていたため少量ずつ飲めていましたが、実家に住む家族のあまりにも低い防災意識にショックを覚えました。

地震に慣れていない方や普段から危機意識がない方、日常的に水を飲まない方は飲料水をストックする意識や習慣がありません。

しかし周辺の家屋倒壊・半壊、石垣や土壁の崩れを目の当たりにしたことで、今回の地震を体感した人たちは改めていま一度、防災意識を高めて備えを見直すことでしょう。

もちろん平常時でも食料品や飲料品の消費・賞味期限を確認しながら、定期的に防災グッズを揃えておくことが必要です。

お住まいの自治体によっては断水した翌日には給水の手配をしてくれますが、1人に1回という制限は必ずあります。

いつも利用するスーパーなどで無料提供されている水がある場合は、断水時のトイレや洗面に使えるようストックしておくこともおすすめします。

断水や物流の停滞を想定して事前の飲料水は多めに用意

防災グッズの必要性まとめ

地震災害時に必要な防災グッズ・非常用備蓄品一式

東日本大震災での都内と同じ震度5強でも、まったく違う地面の揺れを体験した能登半島地震。

命を落とすかもしれない恐怖と同時に、断水の厳しさや電気のありがたみを味わいました。

同時に実家での備えがないことにショックを覚えましたが、今までに感じたことのない揺れを一度体験してみないと防災グッズの必要性がわからないこともあるでしょう。

地震が起きてもライフラインが途絶えても冷静に、落ち着いて避難行動や避難生活ができるように平常時から防災グッズや非常用備蓄品を揃えておきましょう。

最後に。

このたび能登半島を震源とする大規模地震により犠牲となられた方々に心よりお悔み申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

被災された皆様の安全と、1日も早い復興をお祈り申し上げます。

石川県と富山県公式では、直接の災害義援金を受け付けていますので、詳しくは各サイトをご参考ください。

ふるさと納税でも令和6年能登半島地震の災害支援緊急寄附受付を市町村別に行っています。

以下の記事では、能登半島地震での経験をもとに改めて防災グッズを見直し買い揃えた参考例を下記記事で紹介しています。

時間や労力を抑えて効率的に揃えるために無印良品を利用した経緯も説明していますので、もしもの備えとしてご参考になれば幸いです。

また強い地震が発生した時や揺れが収まった時にやることやってはいけないこと・注意すべきことについて紹介しています。

非常事態が起きた時に人間に働く2つの行動心理についても解説していますので、併せてお読みください。

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