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桜舞う季節、ゆっくりと静かに花見ができる東京都内の穴場スポット5選

2023年4月7日

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桜舞う季節は大混雑を避けて、知る人ぞ知る東京都内の穴場スポットへ

日本の春といえば、華やかでありながら儚さと美しさを象徴する桜。

硬貨や紙幣にも用いられている桜は、生命が芽吹く春の訪れを連想させることから、物事の始まりとして縁起がよいといわれています。

一斉に咲き誇るその花姿は優雅で、見頃になると全国各地からたくさんの人が訪れ、桜の花が舞う姿に心躍るものです。

しかし、どのガイドブックにも必ず載っているほど有名な桜スポットでは、外国や地方からの観光客・花見客が多く集中し、通路が狭いなど環境によっては大混雑で前へ進めなかったり、入場制限がかかってしまったりすることも多いでしょう。

今回は、多くの観光客にもあまり情報が行き届いていない、知る人ぞ知る東京都内の穴場桜スポットを紹介します。

都心の喧騒から少し離れた郊外で、ゆっくりと静かに花見を楽しみたい方のご参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

颯彩(ふーあ)

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根川緑道(東京・立川)

東京都立川市の南部にある多摩川に近い辺りに、かつて流れていた根川という小川の流路跡を利用して整備された緑道があります。

根川緑道(ねがわりょくどう)は、全長1.4キロほどで全域に渡って桜並木が続き、春になると絶景の桜景色を見せてくれます。

以前までは、知る人ぞ知る的な桜の名所だったのですが、近年では広く知られるようになり、花見の人たちで賑わうようになりました。

ゾーンごとに変わる桜並木

根川緑道の小道を彩る桜並木

根川緑道は、途中3ヶ所で幹線道路と交差し、4つのゾーンに分かれていますが、道路の下を舗道のトンネルがくぐっているため、行き来には支障ありません。

そのすべてのゾーンに桜並木があり、ゾーンによって少しずつ景観の印象が違い、緑道を辿ってゆくだけでさまざまな表情の桜景色を楽しめます。

新緑とのコントラストも美しく、車道の下に続く小道を歩いたり、小川のせせらぎを聴きながら渡ったり、運動場に現れる1本の大きな桜が学生時代を思い出させたり。

まるで秘密基地のような、昔ながらの懐かしい田舎の風景がそこにあるのです。

残堀川の河岸も見どころ

この根川緑道だけでも十分に花見を満喫できますが、西方面に出ると見える残堀川の河岸にも美しい桜並木が続いており、足を延ばして散策を楽しむのもおすすめです。

残堀川の河岸にも桜並木

都心から離れた郊外で現地までは遠いですが、それだけに遠方からやってくる人はあまりいなく、近隣に住む人たちで賑わうレベルで落ち着いています。

最寄り駅からも近くてアクセスも便利ですので、ご家族や友だちグループで出かけるのはもちろん、1人でふらりと出かけても目の保養にもなるでしょう。

また、徒歩圏内にある国営昭和記念公園へきたついでに寄ることもできます。

根川緑道の東側で小川のせせらぎを聴きながら、西側の残堀川河岸まで往復しても散策にそれほど時間はかかりませんので、ぜひ足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

東京都立川市柴崎町4-11-1
JR「立川」駅南口より徒歩約15分
多摩モノレール「柴崎体育館」駅より徒歩約1分
根川緑道に関する情報(立川市公式サイト)

仙川(東京・成城)

仙川は、小金井市付近を流れる上流と、調布から砧までを流れる下流がある一級河川です。

川面にも映る仙川の桜並木

東宝スタジオのすぐ傍を流れる仙川沿いに咲く桜並木は、年々知名度が高まってきています。

ここでも電線にまで届くほど高い景色から川面にかかるほど低い景色まで、橋ごとに見える桜の表情が変わります。

特に、川面に移る桜並木と流れる花びらを近くで見ることができるのでおすすめです。

そして夜になると、東宝スタジオによるライトアップが行われ、夜桜を楽しむ人たちで賑わいます。

東宝スタジオによるライトアップで仙川の夜桜も

東京都世田谷区成城1-4-1(東宝スタジオ)
小田急線「成城学園前」駅南口より徒歩10分
または「成城学園前」駅前の「渋24」系統か「玉07」系統のバスで「東京都市大付属小学校前」バス停下車すぐ

谷中・日暮里周辺

谷中は、東京都23区のほぼ中心に位置する台東区にあり、荒川区と文京区の区境にあります。

江戸開府や寛永寺の創建に伴う寺院の建立、江戸の市街地拡張に伴う神田からの多くの寺院の移転などにより寺町が形成され、発展してきた町です。

震災や戦災の影響が比較的少なかったため、現在でも多くの寺院や路地、木造の建物などが、昔ながらの下町の面影を残しています。

東にJRの日暮里駅、北は西日暮里駅、西は東京メトロ千代田線の根津駅・千駄木駅、南は上野公園に囲まれた地域で、近くにある谷中霊園には、15代将軍徳川慶喜が眠っています。

妙祐山 宗林寺の1本桜

妙祐山 宗林寺の1本桜

宗林寺(そうりんじ)は、六阿弥陀通りにある日蓮宗の寺院で、ハギが多く植えられていることから、萩寺とも呼ばれています。

山門はなく、すっきりとした境内ですが、本堂の傍にソメイヨシノの大きな木が立っているのが印象的です。

宗林寺は、徳川家康に仕えていた斎藤宗林が開基し、舟守祖師を本尊として駿府に創建しました。

徳川家康の入府に伴い、移転を繰り返した後、1701年(元禄14年)にこの地へ移転したそうです。

東京都台東区谷中3-10-22
JR「日暮里」駅北改札側西口より徒歩5分
東京メトロ「千駄木」駅2番出口より徒歩5分

枝垂れ桜の都内名所、長明寺

長明寺の枝垂れ桜

長明寺(ちょうみょうじ)は、荒川区と台東区の区境にある日蓮宗の寺院で、知る人ぞ知る都内の枝垂れ桜の名所として、見頃になると多くの人が参拝に訪れます。

水戸光圀公ゆかりの寺でもあり、日暮里駅から谷中方面へと七面坂を降りると左手に山門が見えてきます。

山門をくぐると目の前に大きな枝垂れ桜が現れ、桜の滝の中にいるような雰囲気になるでしょう。

筆者が訪れた時には、すでに見頃を過ぎていましたが、木の下に入ると桜のシャワーを浴びている気分になりました。

長明寺の枝垂れ桜は、例年3月下旬から4月上旬頃が見頃です。

開花状況を公開する公式サイトなどが現時点で存在していないようで、実際に見にいった方たちがTwitter(X)などのSNSに載せている写真などで確認することをおすすめします。

東京都台東区谷中5-10-10
JR「日暮里」駅北改札側西口より徒歩5分
東京メトロ「千駄木」駅2番出口より徒歩5分

谷中霊園のさくら通り

谷中霊園のさくら通り

都立谷中霊園(谷中墓地)の通りは「さくら通り」と名づけられており、その名の通り桜並木となっています。

お墓の中の道ですが、道が狭いこともあって静かな雰囲気がよく、桜が満開になると、墓地であるにもかかわらず、大勢の花見客で賑わいます。

お墓の前でもシートを広げてお弁当を食べたり宴会をしたりしており、上野公園ほど賑やかではないものの、ほどほどに落ち着いて楽しむのがよいのでしょう。

東京都台東区谷中7-5-24
JR・京成線「日暮里」駅より徒歩6分
谷中霊園の公式サイト

護国山 天王寺でも枝垂れ桜

天王寺(てんのうじ)は、谷中霊園にある天台宗の寺院で、さくら通りの入口左手にあります。

天王寺の八重紅枝垂れ桜

緑に囲まれた広大な谷中墓地の一角にあるため、都心部にもかかわらず静寂な環境に恵まれています。

敷地内には枝垂れ桜と鬱金桜が植えられており、特に枝垂桜2本は今にもピンクの滝が降ってくるようで圧巻です。

天王寺の枝垂れ桜

天王寺は、もともと長燿山感應寺尊重院という日蓮宗寺院として鎌倉時代に創建され、9ヵ院を擁する本寺でしたが、不受不施派に対する禁令により天台宗に改宗しました。

毘沙門天をお祀りしたお堂があり、谷中大仏さんのあるお寺として親しまれています。

東京都台東区谷中7-14-8
JR「日暮里」駅南口より徒歩2分
護国山尊重院 天王寺の情報サイト

十番稲荷神社(東京・麻布)

十番稲荷神社は、麻布十番駅の真上にある小さな神社です。

十番稲荷神社の鳥居を覆う桜

鳥居を前にすると目の前には大きな桜の木が植わっており、鳥居に覆いかぶさるような見事な花を咲かせます。

通りを歩いていた人の多くが足を止めて見惚れており、都会の喧騒との対比が興味深い印象を残します。

鳥居の左側には港七福神の宝船、右側にガマカエル石像が構えています。

鳥居をくぐった先の急な階段を上がったところに、社務所と手水舎があり、狭い境内にコンパクトに収まっているのがユニークです。

また、階段の上にいるお稲荷様が、桜を見上げているような姿にも風情があります。

十番稲荷神社で桜を眺めるお稲荷様

東京都港区麻布十番1-4-6
東京メトロ南北線・都営地下鉄大江戸線「麻布十番」駅7番出口を出て右すぐ

恩田川(東京・町田)

恩田川は、東京都町田市と神奈川県横浜市を流れる一級河川です。

恩田川の名所とされる桜スポット

その途中にある町田市成瀬地区では、約400本のソメイヨシノによる桜並木の遊歩道が整備されています。

特に桜の名所として知られているのは、恩田川が成瀬街道と交差する高瀬橋から下流の横浜市緑区との境界線近くの都橋までの約3キロの区間です。

途中の河岸には、河原へ降りて行けるように階段があり、水面を間近に楽しむことができます。

恩田川の両岸に続く桜並木は、神奈川版・目黒川ともいわれるほどの絶景です。

目黒川ほど川幅が広くないため桜の密度が高く、橋ごとに表情が変わる圧巻の桜景色が見られます。

恩田川の桜並木

河川では、カモやシロサギなどたくさんの野鳥の姿も見かけることができ、自然と触れ合いながら散策するにはもってこいの場所でしょう。

東京都町田市南成瀬7丁目
JR横浜線「成瀬」駅北口より徒歩10分

相模原さくら通り(神奈川・相模原)

最後は番外編として、東京のお隣である神奈川県の穴場桜スポットを紹介します。

前述した恩田川のある東京・町田から少し移動しただけの距離にあるため、町田にきた時にぜひ寄り道してみてください。

相模原市役所駅前通り

相模原市役所駅前通りの桜並木

相模原市役所前の通りには桜並木が続いており、本来は「市役所前通り」という名前ですが、「さくら通り」という名前としても親しまれています。

相模原駅から徒歩圏内にあり、中心市街地の顔となるメインストリートです。

市民の憩いの場や桜の名所として知られており、「かながわの花の名所100選」の1つに選ばれています。

もともとは一般的な通りで、1952年から植栽整備が始まり、現在では市役所前通りから西門交差点までの約1.6キロにわたって、約300本のソメイヨシノが植えられています。

神奈川県相模原市中央区中央2-11-15(相模原市役所前)
JR横浜線「相模原」駅南口より徒歩15分
市役所さくら通り(相模原の観光サイト)

西門大通り

相模原・西門大通りの桜並木

相模原駅を線路沿いに矢部駅方面へ歩くと、米軍基地(相模総合補給廠)の西門があります。

その踏切を背に見た目の前が西門大通りで、桜の密度が詰まった薄ピンクのトンネルが圧巻です。

この通りをまっすぐに進むと、かつては相模原の台所と呼ばれていた西門商店街に出るため、昔ながらの懐かしいお店を眺めるのもいいでしょう。

神奈川県相模原市中央区矢部新田(相模総合補給廠・西門)
JR横浜線「相模原」駅南口を出て左を線路沿いに徒歩10分

終わりに

春の訪れとともに花開く桜は、日本人にとって特別な花といってもよいでしょう。

暗く寒い冬が過ぎ、暖かい光が注ぐようになると人は、桜はいつ咲くだろうとそわそわしながら開花を待ち望みます。

そして満開を迎えると、今度は、いつ散ってしまうのだろうとまた心が騒ぎます。

そんな一喜一憂しながらも、桜の花びらが舞い散る姿を見るのもまた1つの醍醐味です。

コロナ禍を乗り越え、イベントも復活しつつありますので、今年の桜を大いに満喫しましょう。

※使用カメラは、Cannon EOS 5D MarkⅡ、OLYMPUS PENなど

以下の記事では、都内の多数ある桜スポットの中で、他の植物も見られることでも人気がある、国営昭和記念公園と新宿御苑について紹介しています。

桜シーズンだけでなく、季節に合わせた見どころも写真付きで掲載していますので併せてご参考ください。

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