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赤目四十八滝の清らかな流れと深い森で自然の力を浴びる

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三重の名張市にある忍者修行の里、赤目四十八滝。
伊賀と大和の国境を流れる滝川に連なる数々の瀑布が美しい場所です。

オオサンショウウオが生息する渓谷の清流は、数多くの滝と岩渕、樹木、山野草、苔類が調和した素晴らしい景観を育んでいます。

今回は、赤目四十八滝の特徴から赤目の由来、見どころのある滝ポイントを紹介します。

赤目四十八滝とは?

赤目四十八滝は、伊賀と大和の国境を流れる滝川の渓谷にある一連の滝を総称し、その長さは約4キロにもおよびます。

滝川の清らかな流れと深い森がつくる深山幽谷は、平成の名水百選、日本の滝百選、森林浴の森百選、そして遊歩百選にも選ばれ、ハイキングや森林浴など自然を楽しむことができます。

日本に数多く存在する四十八滝の1つでもあり、赤目の壮観な渓谷には滝をつなぐ遊歩道が整備されており、往復約3時間のトレイルができます。
また、長坂山へ向かうトレッキング道もあり赤目渓谷を一望できます。

四十八滝とは
日本の滝群につけられる名称で、特定の地域に複数の滝がある場合に名づけられていることが多いです。
その由来は、「いろは歌48音」に合わせて選んでいるもの、仏教で「阿弥陀如来が立てた48願」に因んだものとさまざまですが、実数として48とは限らず、単に非常に多い、たくさんという意味合いで呼ばれたものであるという説があります。

赤目四十八滝は、約4キロの道のりに大小さまざまな滝が名がついているものだけで21ヶ所あります。
筆者は当初、赤目四十八滝の名前からして48もの滝があるのかと勘違いしたので頭に入れておきましょう。

遊歩道を歩き進めていくと、渓流が岩に当たって飛沫を散らす時に大量のマイナスイオンを放出するため、心身を癒してくれます。
また、森の中へ一歩足を踏み入れると、独特の香りが漂い、見えない力を受けているような錯覚に陥ります。

木々が放つ森の精気が、人の身体に潜む病原菌に効力があるといわれているのはあながち噓ではないと感じることができます。

ほとんど人が入ってこないような奥深く静かな大自然の中で、渓谷に織り成す樹木、渓流や滝などが映し出す優雅な色彩と音。
自然の空気を全身に感じながら、トレイルを楽しむのはいかがでしょうか。

赤目四十八滝の散策コースは、ゆったり散策コースや渓谷ハイキングコース、長坂山トレッキングコースがあります。
コースの詳細については、赤目四十八滝の公式サイトをご参考ください。

筆者は渓谷ハイキングコースをトレイルしましたが、1つ1つ表情の違う滝を見ていくと時間がすぐに経ってしまいます。
渓谷ハイキングコースは往復約3時間とありますが、撮影した写真データを確認すると約5時間とじっくり時間をかけて散策していました。

駐車場はないので主に交通機関を利用することになりますが、帰りのバス時刻を事前に確認した上で散策しましょう。
ちなみに赤目滝バス停から赤目口駅までのバスは、15時台が最終便ですので気をつけてください。

赤目四十八滝(あかめしじゅうはちたき)
住所:三重県名張市赤目町長坂671-1
交通アクセス:
近鉄特急「大阪」駅より「大和八木」駅で乗り換え「赤目口」駅(約55分)、三重交通の路線バス・赤目滝行きで「赤目滝」(10分)下車
近鉄特急「京都」駅より「大和八木」駅で乗り換え「赤目口」駅(約90分)、三重交通の路線バス・赤目滝行きで「赤目滝」(10分)下車
入山料:大人500円、子供250円(中学生まで)
公式サイトを見る

赤目の由来

地名の「赤目」は、役行者がこの地にきた祈りに滝に向かって行を修めていると、不動明王が牛に乗って出現したという言い伝えからきています。
その牛が赤い目をしていたことから、この地に「赤目」と名づけたことが始まりです。

他にも諸説がありますが、不道明王をまつった不動院で当時の藤堂藩主だった高次の眼病が赤目不動尊の宝剣で完治したことにより藤堂藩の祈願寺として保護されました。

入山口にある延寿院は目の神様と知られており、滝入り口から数分ほど奥にある「赤目牛」の置物を撫でるとご利益があるとされています。

赤目五瀑

名のついている21ものある滝をすべて掲載することはできませんが、これは見ておきたいという滝を紹介します。

まずは赤目四十八滝の数ある滝のうち、比較的大きくて特に見どころのある5つの滝「赤目五瀑(あかめごばく)」です。

不動滝(ふどうだき)

落差15メートルあり、不動明王にちなんで名づけられた滝です。
滝参りはこの滝への参拝を意味しており、明治時代中期まではここより奥は深山幽谷の原生林で、修験者のみ入ることが許されていた聖地だったそうです。

千手滝(せんじゅだき)

落差15メートルで、岩を伝って千手のように落水するところから命名されましたが、千手観音に因むという説もあります。
黒い岩肌の滝から流れ落ちる白い水としだれかかるイロハモミジ、深い緑の滝つぼが絵のように調和した滝です。

布曳滝(ぬのびきだき)

落差30メートルの高さから一条の布を掛けたように落ちる優雅な滝で、全国にある布引滝の中での代表格とも言われています。

荷担滝(にないだき)

落差8メートルで、滝の中央に位置する大岩を挟んで流れが二手に分かれる様子が、荷物を綺麗に振り分けて担っているように見えることから名づけられました。
別名「担いの滝」「荷担い滝」とも言われ、三滝二淵のこの滝は渓谷随一の景観と称されています。

琵琶滝(びわだき)

落差15メートルある赤目五瀑の最後の滝です。
滝と滝壺を合わせた形状が楽器の琵琶に似ていることから名づけられています。

個人的には、赤目五瀑の中でもこの琵琶滝が緩急剛柔といった幅のある表情があって引きつけられました。
勢いよく地面を打ちつける直線の滝から、緩やかに段差のある岩を流れていく様はずっと眺めていたいほどです。

赤目五瀑以外におすすめの滝6選

上記で紹介した赤目五瀑以外で、見ておきたい滝を厳選して紹介します。

行者滝(ぎょうじゃだき)

落差約3メートルで、岩を挟んで2つに分かれて流れ落ちる滝です。
修験者の祖と言われる役の行者(えんのぎょうじゃ)が修行したという滝です。

霊蛇滝(れいじゃだき)

落差6メートル、滝壺の深さは約7メートルあります。
白蛇が岩をよじ登り、滝の流れの中に顔を出す岩が竜の爪痕を思わせるので名づけられたそうです。

縋藤滝(すがりふじだき)

大きな滝ではないので見落としがちですが、すだれにも似た水飛沫が千変万化の表情を見せる滝です。
昔、この周辺は鬼でも通ることができないといわれるほど険しく、藤の古木にすがって渡ったことよりこの名前がついたそうです。

雨降滝(あめふりだき)

渓流を右に見て進みながら、左手の崖に目を向けると見える滝です。
岩を伝って雨が降るように飛沫が落ちてくるため、時に虹が見えることもあります。

雛段滝(ひなだんだき)

赤目渓谷の本流、津合谷川の初流の一面の岩が幾段にもなってその上を清流が流れていて、ちょうど雛壇のように見えるのが特徴です。

岩窟滝(がんくつだき)

高さ7メートルある赤目四十八滝最後の滝で、中腹に深い石穴があることから岩窟滝と呼ばれているそうです。

滝以外の見どころポイント

滝以外に見どころのあるポイントを紹介します。

巨大な岩壁と転石

特別に名前はつけられていないようですが、天に向かってそそり立つ巨大な岩壁と削り落ちた大きな転石があるポイントがあります。
自然の委ねるままに置かれている景観には、人間の手では作れない造形美を思わされます。

七色岩

遊歩道を歩き進めると、右手に木の生えた大きな転石が見えます。
その岩の上には、マツやサクラ、ツツジ、モミ、カエデ、アカギ、ウメモドキの7種類の植物が自生しており、小さな島のように見えます。
1年を通じて四季折々に花を咲かせ紅葉し、その姿を七色に変化させることからも由来しています。

終わりに

以上で、三重の名張市にある忍者修行の里、赤目四十八滝を紹介しました。

澄み渡った川面に映る青々とした木々の様子などが延々と続く道は、森の精霊からパワーをもらっているような清々しい気持ちになります。
また、近くまで寄れる滝からの水飛沫を浴びたり、透明な渓流に手を入れてみたり、冷たくて清涼な水に触れると爽快な気持ちで疲れを癒してくれます。

今年の夏はまたひとつ暑くなりそうで電気代も高騰している今、数多く点在する滝の森で汗をかきながら歩き、朝晩はホテルで涼み心身ともにリフレッシュしましょう。

筆者が訪ねた時は、台風通過直後で京都に着いた朝の鴨川が氾濫し荒れており、赤目四十八滝の公式サイトでも入山禁止でした。
その2日後の朝に解除されて向かいましたが、さすがに台風による大雨が降った後の滝は、水量が多く見応えがありました。

そのため、本記事に掲載している撮影写真は、通常時の滝模様より激しい流れとなっているのでご留意いただけると幸いです。

帰りは一旦大阪駅に戻りましたが、駅の屋上にある空中庭園から見る夕焼けが格別にきれいでした。

※使用カメラは、SONY NEX-5R

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