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太陰暦や太陰太陽暦、太陽暦の仕組みとは?うるう年の役目、旧暦と新暦の違いも解説

2024年2月2日

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暦の基になっている太陽と月、そして地球

太陰暦や太陰太陽暦、太陽暦。

世界を見渡せば、エジプト暦やマヤ暦、グレゴリオ暦、マホメット暦など、暦といってもさまざまな種類があります。

例えば、二十四節気や七十二候は季節を察知するために用いられた暦です。

大吉や仏滅などでおなじみの六曜は、日々の吉凶を占うための暦です。

では、そもそも暦とは基本的に何を意味するのか、どういう概念なのか。

今回は、太陽や月の動きなどを把握するために用いられた暦の定義や種類、閏年(うるう年)についても解説します。

暦に関する基本知識を知っておくと、日常の中や他の記事でも登場する旧暦や新暦などの意味がわかりやすくなるでしょう。

暦とは

暦(こよみ、れき)とは、時間の流れを年・月・週・日といった単位に当てはめて数えるように区分けたものです。

年月日を定める方法の仕組みで、1日・2日・3日…と正しく数えることを意味します。

それらを記載した暦法によりますが、その日に関わる行事や祝祭、日の出・日の入り、月の満ち欠け、潮の満ち引き、吉凶などを日を追って一覧できる形に仕立てたものです。

広辞苑では、「一年中の月・日・曜日祝祭日、季節、日出・日没、月の満ち欠け、日食・月食、また主要な故事・行事などを日を追って記載したもの」と記載されています。

暦の種類と意味

日本における暦の種類は、大きく分けて3つあります。

  • 太陰暦:月の満ち欠けをもとにした暦
  • 太陰太陽暦:太陰暦をもとに太陽の動きを加味した暦
  • 太陽暦:太陽をもとにした暦

参考として、グレゴリオ暦やユリウス暦は太陽暦、ヒジュラ暦は太陰暦、ヒンドゥー暦は太陰太陽暦に属しています。

太陽と月の動き(イメージ)

暦の移り変わり

現代で用いられている暦は、太陽の動きをもとに作られた太陽暦です。

江戸時代までは、月の動きをもとに作られた最初の太陰暦に、閏月を加えて実際の季節とのずれを補正した太陰太陽暦を使っていました。

現代でよく用いられる新暦というのは太陽暦のことですが、旧暦というのは太陰暦ではなく太陰太陽暦のことですので、覚えておきましょう。

次の項では、3種類あるそれぞれの暦を具体的に解説していきます。

地球と太陽と月

太陰暦とは

太陰暦(たいいんれき)は、最初に生まれた暦で、月の満ち欠けに基づく暦法です。

古代暦のヒジュラ暦も太陰暦にあたります。

新月から次の新月の前日まで、月が地球の周りを1周する期間を1ヶ月としていました。

具体的にいうと、月の公転周期は約29.5日で地球を1周し、それを12倍にすると1年は約354日になります。

太陰暦では1ヶ月が30日と29日で、12ヶ月を分けていましたが、現在使われている太陽暦の1年365日と比べると、年間の日数が11日ずつ短くなるため、毎年少しずつ暦の日付と季節がずれてしまいます。

こうしたずれを放置しておくと、夏に正月がきてしまうという現象が起きてしまうのです。

太陰暦は月の動きに基づいた暦

ヒジュラ暦とは
多くのイスラム教社会では、現代でもラマダーン、ハッジなどといった祭礼を行う際に、太陰暦をベースにしたヒジュラ暦(マホメット暦)を用いています。
イスラム教の預言者マホメット(ムハンマド)が、メッカからメディナへ聖遷(ヒジュラ)したユリウス暦622年を、ヒジュラ暦元年としたことに始まり、イスラム教にとっても宗教的行事には欠かせない歴史的な暦です。

太陰太陽暦(旧暦)とは

前述の通り、月の満ち欠けでずれが生じる太陰暦の問題から、暦の日付と季節を合わせるために、考え出されたのが太陰太陽暦(たいいんたいようれき)です。

現在でいう日本の旧暦のことで、7世紀ごろに中国から伝わってきた暦が日本で採用され、1872年(明治5年)ごろまで用いられていました。

最初の暦であった太陰暦は354日、現在の太陽暦では365日と、1年に約11日の誤差があります。

季節は、太陽と地球の位置で決まるため、月の動きをもとにした太陰暦のままではずれが生じ、特に農耕全般に影響が出てしまいます。

そこへ、日本の気候風土に合わせるために、暦学者や数学者たちによって修正が重ねられ、天保時代に太陰暦と太陽暦を折衷した太陰太陽暦が考えられました。

つまり、月の満ち欠けをもとにした太陰暦に、太陽の動きを加味した暦法です。

太陰太陽暦では、2~3年に1度、閏月(うるうづき)を設定し、その年は1年を13ヶ月としました。

春夏秋冬という四季のある日本では、およそ19年に7回、閏月を加えることで暦の日付と季節のずれを調整していたわけです。

太陰太陽暦は月の満ち欠けに太陽の動きを加味した暦

ヒンドゥー暦とは
ヒンドゥー暦は、インドの伝統的な暦法の総称です。
太陰太陽暦に属しますが、地域によってさまざまな変種があるため、1957年には太陽暦をもとにしたインド国定暦が制定されています。

太陽暦(新暦)とは

太陽暦(たいようれき)は、地球が太陽の回りを1周する公転周期に基づき、1年を365日とした暦です。

現在の日本で用いられている新暦で、この暦を制定したローマ教皇の名前から「グレゴリオ暦」とも呼ばれます。

4年に1度、閏年(うるう年)を設けて1年を366日にすることにより、公転周期の誤差を調整する暦法で、世界の大多数の国で用いられています。

ちなみに、古代暦の中では、ユリウス暦やエジプト暦、マヤ暦が太陽暦にあたります。

太陽暦は太陽の動きに基づいた暦

ユリウス暦とは
ユリウス暦は、ローマの英雄ユリウス・カエサルによって紀元前45年から導入された太陽暦です。

旧暦と新暦の違い

現在、日本に住む私たちは、新暦である太陽暦を使って生活していますが、明治時代までの長い間は旧暦の太陰太陽暦を使っていました。

日本では、1872年の旧暦12月3日を、1873年1月1日として旧暦から新暦へ暦を変更したため、旧暦と新暦にはおよそ1ヶ月の違いがあります。

桃の節句や端午の節句など、古くから伝わってきた伝統行事や風習には、現在でも旧暦に合わせて行われる地域も多くあります。

太陽と月の動きを表す天体時計

明治時代の改暦について
旧暦の太陰太陽暦から、新暦の太陽暦(グレゴリオ暦)への改暦を発表したのは1872年(明治5年)11月です。
これにより、1873年(明治6年)から現在使われている太陽暦が採用されています。

閏月と閏年、閏日について

前述で登場した閏月と閏年とは何を意味するのか、閏日を含めて違いを説明します。

まず、漢字の「閏」は「うるう」と読み、平年より月日の多いという意味で、暦では閏年・閏月・閏日の3つがあります。

閏月(うるう月)

閏月(うるうづき)とは、太陰太陽暦で加えられる月です。

太陰太陽暦は、月の満ち欠けに太陽の動きを加えて作られた暦ですが、月が地球を1周するのは29.5日で、暦の日付と季節にずれが生じます。

そこで2~3年に1度、閏月を設けることで13ヶ月ある年を作り、月の満ち欠けによる暦と季節のずれを調整します。

閏年(うるう年)

閏年(うるうどし)とは、2月29日が存在する年を指します。

地球の公転周期によって生じる実際の季節と暦とのずれを修正するために、4年に1度、暦日を1つ多く設ける太陽暦での方式です。

ちなみに、閏年のない年は「平年」と呼びます。

閏日(うるう日)

閏日(うるうび)とは、太陽暦において暦と季節のずれを補正する暦日のことで、いわゆる2月29日のことです。

閏年を示すカレンダー(2月29日)

終わりに

以上で、太陰暦や太陰太陽暦、太陽暦を中心に、暦の定義を紹介しました。

暦といっても普段の生活ではあまり気にするようなことでもありませんが、例えば七夕は一般的に7月7日である一方、地域によっては8月に行われることがあります。

また、お盆の時期も基本的には8月ですが、一部の地域では7月です。

そんな時に旧暦と新暦の意味を知っておくと、お住まいの地域や旅先での伝統行事で疑問に思っていたこともすっきりすると思います。

日常を送る上で何ら支障はない暦も、基本概念や経緯がわかると、日本が歩んできた季節や歴史に感慨深いものがありますね。

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