バレンタインデーのちょうど1ヶ月後に行われる、ホワイトデー。
ホワイトデーでは、女性からチョコレートをもらった男性の多くがお返しするイベントですが、なぜこのような習慣が始まったかご存知でしょうか。
また、チョコレートではなく、マシュマロを贈るのは何かきっかけで、どんな意味があるのでしょうか。
今回は、ホワイトデーの起源や発祥地をはじめ、マシュマロを贈る意味、マシュマロ以外のお菓子に込められたメッセージを紹介します。
近年ではバレンタインデーと同じくらい、国民的イベントとなったホワイトデーについても知識を深めていけたら幸いです。
他の年中行事・イベントについては、下記記事でまとめていますので併せてご参考ください。
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年中行事&国民の祝日カレンダーでわかる日本の伝統文化や風習
2023/12/21
ホワイトデーとは
ホワイトデーは、バレンタインデーから1ヶ月後の3月14日に行われるイベントです。
バレンタインデーにチョコをもらった男性が、女性にお返しする日とされています。
以前の記事で、バレンタインデーの起源は、イタリア・ローマだということを紹介しました。
では、ホワイトデーはどの国で始まったのかというと、実は日本で生まれた習慣なのです。
ホワイトデーの起源・発祥地
ホワイトデーの習慣は実は、日本が発祥の地です。
諸説ありますが、有力なのは1977年(昭和52年)に、老舗の菓子店である石村萬盛堂が、女性雑誌で「男性からバレンタインのお返しがないのは不公平だ」という内容を目にしたことからヒントを得たのが始まりだといわれています。
そして、男性が女性にマシュマロを贈る日として、百貨店の岩田屋(現在の三越岩田屋)からの助言もあり、バレンタインデーの1ヶ月後となる3月14日を「マシュマロデー」としました。
その後、マシュマロだけでなくもっと幅広くバレンタインのお返しの文化としてできないかという提案のもと、「ホワイトデー」が誕生しました。
他にも、1980年に全国飴菓子工業協同組合が、キャンディーの販売促進のために「ホワイトデー」を発足したのが始まりという説、1968年頃に大手菓子メーカーがバレンタインチョコのお返し用として「リターン・バレンタイン」と称したキャンディーやマシュマロの販売キャンペーンからホワイトデーになったという説もあります。
ホワイトデーという名前の由来
ホワイトデーという名前になったきっかけは定かではありませんが、石村萬盛堂が発案した「マシュマロデー」から、白いマシュマロに加えて他の贈り物も対応できるよう「ホワイトデー」に名称が変更されたそうです。
日本と世界におけるホワイトデーの違い
ホワイトデーは、前述通り日本発祥のため、韓国や台湾、中国などアジア圏の一部では馴染みがありますが、アメリカやヨーロッパにはないイベントだそうです。
日本には昔からお中元やお歳暮、香典など、いただきものにはお返しをするという習慣が根付いています。
このお礼やお返しの文化が土台にあった日本だからこそ、ホワイトデーが生まれたともいえるでしょう。
ホワイトデーにマシュマロを贈る意味
ホワイトデーのきっかけとなったマシュマロですが、実は「あなたのことが嫌いです」「そのお気持ちはお断りします」という意味が込められています。
そのため、ホワイトデーにマシュマロをお返しするということは「あなたの気持ちに応えることはできない」というニュアンスを含んでいることになります。
これは、マシュマロが口に入れるとすぐに溶けてしまうことから儚いイメージがあり、あなたを好きではないと捉えられるようになったようです。
しかしその一方で、石村萬盛堂が生んだマシュマロデーができたのには理由があり、マシュマロには「あなたからもらった愛(チョコレート)を、僕の優しさで包んでお返しします」というキュートなメッセージが込められています。
特にチョコレートを包んだマシュマロは、「純白の愛で包む」という見た目通りの意味がありますので、マシュマロを贈りたいならチョコレート入りのマシュマロがおすすめでしょう。
ホワイトデーの起源とされている、石村萬盛堂では「チョコマシュマロ」という名前で販売されています。
チョコレートを優しく包んだプレミアム感のあるチョコレート入りのマシュマロです。
また、ホワイトデーが近づくとギフトBOXも展開し、ショコラ・ストロベリー・コーヒーの3つの味がありますのでチェックしてみてください。
ホワイトデーに贈るお菓子の意味
前述の通り、マシュマロをお返しに贈ると嫌い・お断りといった意味がある一方で、チョコレート入りのマシュマロであれば純白の愛で包むという意味になります。
では、贈る相手がマシュマロが苦手だったり、マシュマロ以外を贈りたいという場合には、他にどんなお菓子を贈ればいいのか、それぞれの意味をまとめてみました。
チョコレート
バレンタインデーに贈るお菓子といえば、チョコレートです。
しかし、ホワイトデーにお返しとしてチョコレートを贈ると、もらったものをそのまま返す、つまり現状維持、進展はないという意味になるそうです。
その一方では、同じ物を返すということは、「あなたと同じ気持ちです」「あなたの気持ちをそのまま返します」という意味もあり、両思いの相手や家族など大切な人へのギフトにぴったりといえます。
どんなギフトでも嬉しいことに変わりはないため、甘くとろけるチョコレートで大切な人に真っすぐな気持ちを伝えてもよいでしょう。
クッキー
クッキーは、「友達でいましょう」という意味があるようです。
水分が少なくサクサクとした食感から、軽い関係性を表しており、「恋人関係ではなくずっと友達のままでいましょう」というメッセージを含んでいます。
クッキーには色や形、味など種類も豊富で、安価で購入しやすいことから、たくさんいる中の1人」と捉えられることもあります。
日持ちもするため、義理チョコや感謝チョコと同じように、友達や会社の同僚などに選ぶのがよいでしょう。
マカロン
マカロンは、「あなたは特別な人です」という意味があります。
特別な人というのは、好きな人・大切な友人・頼りになる同僚・大切な家族など、さまざまな意味に捉えられます。
また、マカロンが他のお菓子に比べて割高になるため、高級感があるところからきているようです。
キャンディーやマシュマロ、クッキーに比べれば確かに高級感もあって、受け取った女性も特別感が味わえるでしょう。
キャンディー
キャンディーは口に入れてもすぐに溶けず、食べ終わった後もしばらく甘みが残ることから、「甘い関係を長く続けたい」という意味があるとされています。
また、色とりどりに輝くキャンディーは硬いことからも「宝石のように硬く壊れない愛情を贈ります」といった意味合いもあるため、本命へのお返しの定番となっています。
バウムクーヘン
バウムクーヘンは、ドイツ発祥のスイーツで「バウム」は木、「クーヘン」は焼き菓子という意味です。
木の年輪のように幾層にも重なった断面が特徴的なため、「ずっとあなたと一緒にいたい」「共に歳を重ねたい」という思いを表現しています。
年輪が長寿や繁栄を連想させ、ずっと幸せが続くという縁起のよい意味から、結婚式の引き出物としても人気です。
終わりに
ホワイトデーは、老舗の菓子店がバレンタイン特集を組んでいた女性雑誌から発想を得て生み出した、日本発祥のイベントでした。
当初はマシュマロデーでしたが、マシュマロだけではなく多彩な贈り物ができるように、ホワイトデーへと形を変えていったという歴史があったのです。
筆者もバレンタインデーに、友人や後輩に友チョコや感謝チョコをいただいたことがありますが、相手が喜びそうな洋菓子を選ぶのが楽しかった記憶があります。
日本人のお礼やお返しという、昔からある文化から生まれたホワイトデー。
もし、バレンタインデーにチョコレートや他のお菓子を貰ったら、1ヶ月後のホワイトデーに、相手が喜びそうな素敵な贈り物でお返ししたいものですね。
以下の記事では、チョコレートを贈るバレンタインデーについて紹介しています。
バレンタインデーがいつ、何をきっかけに始まったのか、起源や歴史、日本におけるバレンタインデーが始まった由来とは?
日本とは異なる海外のバレンタイン文化、バレンタインデーに贈るチョコレートなどの意味も知ることで、これまでより深く楽しむためのご参考になれば幸いです。