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3大保湿成分の1つ、セラミドのもつ機能や種類による特徴・効能とは?

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セラミドの特性や機能から、4つの種類による特徴・効能を知る

肌の角質層にもともと存在する潤い成分の1つ、セラミド。

私たちの肌は、乾燥やほこり、花粉などの外部刺激を受けながら生活しています。

そんな刺激から肌荒れを引き起こさないように、皮膚の潤いを保ち守ってくれているのがセラミドです。

セラミドとは何なのか。
セラミドにはどんな種類がありどういった特徴があるのか。
セラミドは人にどんな作用が働き、どのような効果をもたらすのか。

今回は、セラミドの特性・機能から、種類によるそれぞれの特徴や効能、そしてセラミドを中心に配合しているスキンケア化粧品を紹介します。

セラミドの性質を知ることで、肌を健やかに守るためのご参考になれば幸いです。

セラミドの特性や機能

セラミドが含まれる皮膚構造イメージ図

セラミドは、もともと角質層に存在する潤い成分の1つで、細胞と細胞の間にある水分を繋ぎ止めて逃さないよう保持する働きをもっています。

また、乾燥やほこりなど、肌荒れを引き起こす外部の刺激から、肌を守るための働きとしてバリア機能というのがあります。

そのバリア機能と関係の深い細胞間脂質のうち、約半分以上をこのセラミドが占めています。

つまり、セラミドは、このバリア機能をきちんと働かせるための主役ともいえるでしょう。

セラミドのバリア機能イメージ図

また、セラミドは、肌荒れを整えてくれる効果も期待できることから、乾燥肌や敏感肌によるゆらぎ肌の人だけではなく、油分が多いスキンケアアイテムを使えない人にもおすすめです。

肌に十分な量のセラミドがあると、キメが整い、奥から潤いに満ちた肌になるため、乾燥しにくく、バリア機能もしっかり働いた状態になるわけです。

セラミドが不足した肌は、保湿力やバリア機能が低下し、乾燥や花粉などによる肌荒れを引き起こす可能性もあります。

肌のバリア機能について

正常な肌の状態イメージ図

私たち人間の皮膚は、表面から順に、表皮・真皮・皮下組織の三層で成り立っており、一番表面にある最も外界と接している角質層は、肌のバリア機能を担っています。

バリア機能とは、肌の角質層が外部刺激の侵入から肌を守るとともに、肌の中にある水分が蒸発しないように潤いを保持する機能です。

乾燥した肌の状態イメージ図

乾燥やほこりといった、外部からの刺激で赤みや痒みが出るのは、特に敏感肌や乾燥肌の方にはこのバリア機能が低下していると考えられます。

季節の変わり目や環境の変化などにより、肌の角質層の働きが鈍ると、肌のターンオーバーが乱れ、不規則な角質層が形成されて、角質層同士に隙間ができてしまいます。

肌が乾燥して赤みや痒みが出るのは、この隙間に刺激や異物が侵入し、肌に直接ダメージが受けやすい状態になっているためです。

セラミドの種類と性質

スキンケア化粧品のスタンダードセット

セラミドには合成由来と天然由来があり、「ヒト型セラミド」「天然セラミド」「植物性セラミド」「疑似セラミド」の4種類に分かれ、それぞれ異なる構造や性質をもっています。

合成由来

ヒト型セラミド

ヒト型セラミドは、人間の皮膚に存在するセラミドに似た構造でつくられた成分です。

合成セラミド(疑似セラミド)

合成セラミドは、疑似セラミドとも呼ばれ、セラミドに似た物質を化学的に合成した類似成分です。

天然由来

天然セラミド(動物性セラミド)

天然セラミドは、動物性セラミドとも呼ばれ、哺乳類由来のセラミドを利用した成分です。

植物性セラミド

植物性セラミドは、植物から抽出した自然由来のセラミドで生成された成分です。

次項では、4種類あるセラミドそれぞれの特徴や効果を詳しく解説します。

ヒト型セラミドの特徴・効能

ヒト型セラミドは人の肌に似せた構造成分

ヒト型セラミドは、人間の皮膚に存在するセラミドに似た構造をもっており、人肌への親和性が高いため、より高い保湿効果を求める人におすすめです。

ヒト型セラミドに該当するスキンケア化粧品は、人の肌にあるセラミドに近い構造になるように、酵母などを利用して生成された成分で、保湿効果や浸透力に優れています。

ヒト型セラミドだけでも6種類以上あるため、化粧品の成分表記では、セラミド1、セラミド2、セラミドNPなどと記載されています。

ヒト型セラミドを配合した商品例

エッセンスクリーム(ヒフミド)

3種のヒト型セラミドを4%配合した保湿クリームです。

保湿クリーム(松山油脂)

5種類のヒト型セラミドを配合した保湿クリームです。

全成分表示例

セラミド1
セラミド2
セラミド3
セラミドNP
セラミドAP
セラミドEOP
など

合成セラミドの特徴・効能

合成セラミドはセラミドに似た物質を化学的に合成した成分

合成セラミドは、セラミドに似た物質を化学的に合成したセラミド類似成分で、疑似セラミドとも呼ばれています。

保湿効果や肌への親和性は、ヒト型セラミドや天然セラミド(動物性セラミド)に比べると劣りますが、天然セラミドを含む化粧水よりも低価格で購入できるのが特徴です。

とはいえ、合成セラミドでも保湿効果がないわけではないため、プチプラ化粧品などではこのセラミドが使われることもあります。

合成セラミドに該当する化粧品の成分表記では、セチルPGヒドロキシエチルパルミタミドなどで、「セラミド」と記載されることはありません。

合成セラミドを配合した商品例

潤浸保湿 フェイスクリーム(キュレル)

セラミド機能成分やユーカリエキスが配合された乾燥性敏感肌向けのクリームです。

キュレルについては、下記記事で解説していますので併せてご参考ください。

全成分表示例

セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド
ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド
など

天然セラミドの特徴・効能

天然セラミドは馬を中心とした動物の脳や脊髄から抽出された成分

天然セラミドは、動物性セラミドとも呼ばれ、哺乳類由来のセラミドを利用しており、皮膚への浸透性がよく、高い保湿効果が期待できます。

当初は、牛由来の天然セラミドが主流でしたが、BSE問題で安全性に対する懸念があるため、現在の天然セラミドをつくる原料は、馬を中心とした動物の脳や脊髄から抽出されています。

天然セラミドに該当する化粧品の成分表記では、ビオセラミド、セレブロシド、ウマスフィンゴ脂質です。

天然セラミドを配合した商品例

APフェイス&ボディクリーム(ケアセラ)

セラミドプラスとペプチドCPという2つの成分と、7種の天然型セラミドを配合したフェイス&ボディクリームです。

全成分表示例

ビオセラミド
セレブロシド
ウマスフィンゴ脂質
など

植物性セラミドの特徴・効能

植物性セラミドは米やトウモロコシなどの植物から抽出した成分

植物性セラミドは、コメやトウモロコシなどの植物から抽出したセラミドで、自然由来の性質であるため、合成された化粧品と比べて肌との相性がよいといわれています。

米ぬかや大豆など植物由来のもので、人肌にあるセラミドとは構造が少し違うため、天然セラミドやヒト型セラミドに比べると、肌への浸透力はやや下がりますが、保湿力はあり、比較的安価です。

植物性セラミドに該当する化粧品の成分表記では、原料とする植物によって異なり、加水分解コンニャク根、トウモロコシ胚芽抽出物、セラミド糖脂質含有米エキスなど、多数あります。

植物性セラミドを配合した商品例

モイスチャライジングローション(エトヴォス)

グルコシルセラミドという植物性セラミドを配合した化粧水です。

敏感肌用シリーズ(無印良品)

天然由来成分100%にこだわった低刺激性のスキンケアシリーズで、3種の植物エキスやセラミドなどの潤い成分を配合しています。

全成分表示例

グルコシルセラミド
加水分解コンニャク根
トウモロコシ胚芽抽出物
セラミド糖脂質含有米エキス
セラミド含有米抽出物
ユズ果実エキス
植物性セラミド
コメヌカスフィンゴ糖物質
など

セラミドの選び方

セラミドは配合成分によって選ぶのがおすすめ

セラミドが配合されているスキンケア化粧品のうち、どの種類の化粧品を選んだらいいのでしょうか。

基本的には、肌への高い浸透力や保湿効果が期待できる天然セラミドや、人の肌に似せた構造で相性がよいヒト型セラミドが配合されている化粧品がおすすめです。

しかし、保湿力や浸透力に優れているヒト型セラミドや天然セラミドは、一般的に高価となっています。

そのため、予算が決まっていてリーズナブルな価格帯の化粧品を選ぶとなると、セラミドに似た物質を合成して作られた、疑似セラミドが配合されている場合もあります。

疑似セラミドは、セラミドと似たような構造をしているものの、保湿力や浸透力はあまり高くないため、全成分表示をよく確認して購入するようにしましょう。

また、天然セラミドやヒト型セラミドは、あくまでもセラミドの種類であり、成分としての表示名とは異なるため、どのセラミドの種類にあたるのかは、前述の全成分表示例を参考にしてください。

セラミド配合のおすすめ化粧品

前述で紹介したスキンケアアイテムとは別に、セラミドを主流に配合しているスキンケア化粧品を紹介します。

セラミドの種類や配合されているセラミドの表記名も記載していますので、スキンケアアイテムを選ぶ際の参考にしてください。

キュレル

キュレルは、乾燥性敏感肌を考えた製品が揃う花王のスキンケアブランドです。

中でも潤浸保湿シリーズは、肌荒れ・カサつきをくり返しがちな乾燥性敏感肌用で、潤い成分として配合されたセラミド機能成分やユーカリエキスが、角質層まで深く潤いを与えて肌荒れを防いでくれます。

セラミドの種類

合成セラミド(疑似セラミド)

配合セラミド

ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド

キュレルの潤浸保湿シリーズについては、下記記事で解説していますので併せてご参考ください。

ケアセラ

ケアセラは、皮膚科学研究から生まれたスキンケアブランドです。

セラミドプラスとペプチドCPという2つの成分と、7種の天然型セラミドを配合し、肌の潤いをキープします。

弱酸性、低刺激性、パラベンフリー 、無香料で敏感肌でも使いやすく、カサつきや肌荒れをくり返しがちな乾燥肌におすすめです。

セラミドの種類

天然セラミド

配合セラミド

セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド6Ⅱ、セラミドEOS、カプロオイルフィトスフィンゴシン、カプロオイルスフィンゴシン

アルージェ

アルージェは、ナノ化された天然セラミドを配合した敏感肌用のスキンケアブランドです。

濃密なテクスチャーが特徴で、角質層の保湿因子に着目した3種の保湿成分のほか、肌荒れを抑える有効成分を配合しているため、敏感な肌をケアしながら保湿もできます。

セラミドの種類

天然セラミド

配合セラミド

ビオセラミド

終わりに

肌の潤いを守る保湿成分、セラミド。

人肌の角質層にもともと存在するセラミドが十分にある状態は、キメが整い、奥から潤いに満ちた肌になるため、乾燥しにくく、バリア機能もしっかり働きます。

季節の変わり目などで肌がかさつく時には、ぜひセラミドが配合されたスキンケア化粧品を上手に取り入れて、健康的な肌を保ちましょう。

スキンケア化粧品のフルセット

以下の記事では、同じセラミド配合のキュレルについて紹介しています。

キュレルの保湿に特化した潤浸保湿シリーズの基礎化粧品の特徴や口コミ評価、筆者体験を解説していますので、併せてご参考ください。

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