冬に咲く花といえば、スイセンやシクラメン、ポインセチアなど。
寒い冬の季節は、他の季節に比べて草花は少ないものの、1つ1つの花のバリエーションが豊富です。
今回は、スイセンやシクラメンなどといった定番の花が注目を集める中、その陰で可憐に彩りを見せてくれる冬の花・植物、それぞれの生態や特徴を解説します。
また、その花や植物を実際に観ることのできるスポットも紹介しますので、遠出や観光ついでの寄り道としてご参考になれば幸いです。
クリスマスローズ(12月~3月)
クリスマスローズは、ローズという名前がつくことからバラの仲間だと思われがちですが、バラ科ではなくキンポウゲ科です。
花の形がバラに似ていることと、クリスマスに咲くバラという意味から名づけられたとされています。
花色は、もともと白が基本でしたが、品種改良によって近年では、赤紫系やピンク系、黄色系から、グリーン系や黒系まで登場しています。
クリスマスローズは、うつむくような姿で花を咲かせ、寒さにも比較的強いため、環境によっては4月まで見られるのが特徴です。
国営昭和記念公園
昭和記念公園では、62品種9,000株のクリスマスローズが咲き誇ります。
花木園を中心に園内のあちこちで植えられており、クリスマスローズの小径もあるほどです。
3月下旬には、クリスマスローズウィークが開催され、生産者によるクリスマスローズの花苗や鉢植え、アート作品などの販売が行われます。
国営昭和記念公園
住所:東京都立川市緑町3173
交通アクセス:
立川ゲートへは、JR中央線「立川」駅北口より徒歩約18分
西立川ゲートへは、JR青梅線「西立川」駅公園口より徒歩2分
昭島ゲートへは、JR青梅線「東中神」駅北口より徒歩約10分
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サンシャインシティ
毎年2月下旬には、東京・池袋のサンシャインシティで「クリスマスローズの世界展」が開催されます。
全国のクリスマスローズ生産者が一堂に集まり、毎年交配によって新種が作り出されている多種多様なクリスマスローズが展示されます。
また、生産者による販売ブースもあるため、珍しい品種を購入できるチャンスでもあるでしょう。
他にも、日本クリスマスローズ協会会員が栽培したクリスマスローズの展示、新しい時代を築くクリスマスローズの新花コンテストなども見どころです。
サンシャインシティ
住所:東京都豊島区東池袋3-1-1
交通アクセス:
JR・東京メトロ「池袋」駅35番出口より徒歩約8分
東京メトロ有楽町線「東池袋」駅6・7番出口より地下通路で徒歩約3分
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フクジュソウ(2~4月)
フクジュソウ(福寿草)は、早春に黄金色の花を咲かせることから、一番に春を告げるという意味で「福告ぐ草(フクツグソウ)」と呼ばれていましたが、その後にお祝い事の「寿」と組み合わせて名づけられたのが由来です。
また、旧暦の正月(2月)頃に咲き出すことから、元日草(ガンジツソウ)や朔日草(ツイタチソウ)という別名もあります。
花は陽が当たると開き、日暮れや夜間、曇天は閉じてしまいますが、暗黒下でも15~20℃の温度で花開くことがあります。
国営昭和記念公園
昭和記念公園では、花木園の梅園でウメの足元にフクジュソウが開花します。
また、フクジュソウを近くから楽しむことができるように、花木園付近に約100メートルにわたって福寿草の小径が設けられており、約1万株が植えられているそうです。
国営昭和記念公園
住所:東京都立川市緑町3173
交通アクセス:
立川ゲートへは、JR中央線「立川」駅北口より徒歩約18分
西立川ゲートへは、JR青梅線「西立川」駅公園口より徒歩2分
昭島ゲートへは、JR青梅線「東中神」駅北口より徒歩約10分
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新宿御苑
新宿御苑のフクジュソウは、新宿門近くや日本庭園の楽羽亭近くで見られます。
フクジュソウは、夜になると花を閉じ、太陽の光を浴びて花びらが開くため、天気がよい日のお昼前後がおすすめです。
新宿御苑
住所:東京都新宿区内藤町11
交通アクセス:
(新宿門から入場する場合)
東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前」駅出口1より徒歩5分
JR・京王・小田急線「新宿」駅南口より徒歩10分
(千駄ヶ谷門から入場する場合)
JR総武線「千駄ヶ谷」駅より徒歩5分
都営大江戸線「国立競技場」駅A5出口より徒歩5分
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ウメ(1~3月)
ウメ(梅)は、葉より先に香りの強い花を咲かせ、花色は主に白や淡紅、紅色などです。
分類としては、意外にもバラ科サクラ属で、品種は300種類以上もあります。
ウメの実は、梅雨の時期に黄色く熟し、食用として梅酒や梅干しなどに用いられますが、未熟のものは青酸を含み有毒です。
月ヶ瀬梅渓
月ヶ瀬梅渓は、関西屈指の梅林として知られ、2月中旬から3月にかけて、名張川(五月川)が高山ダムにせき止められてつくる月ヶ瀬の湖岸から山腹にかけて、約1万本の梅の花が咲き誇ります。
1922年(大正11年)に国の名勝に指定された月ヶ瀬梅林を中心に、毎年恒例の梅まつりが開催されます。
湖沿いに下っていくと、1300年もの歴史ある龍王の滝があり、大滝に白竜があらわれたといわれたことで有名です。
月ヶ瀬梅渓
住所:奈良県奈良市月ヶ瀬尾山
交通アクセス:JR奈良駅・近鉄奈良駅より奈良交通バスで約80分、月ヶ瀬梅林(尾山停留所)下車
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北野天満宮
北野天満宮には、梅苑「花の庭」があり、菅公ゆかりの梅が50種約1,500本が植えられ、約2万坪ある境内で紅白の梅が咲き競います。
早咲きの梅は例年12月中旬頃から蕾が膨らみ始め、正月明けから開花し、徐々に咲き繋ぎ、3月末頃まで長く楽しめます。
北野天満宮
住所:京都市上京区馬喰町
交通アクセス:
JR「京都」駅より京都市バス50系統で約35分、北野天満宮前下車すぐ
JR・京都市営地下鉄「二条」駅より京都市バス55系統で約15分、北野天満宮前下車すぐ
京都市営地下鉄「今出川」駅より京都市バス51・203系統で約15分、北野天満宮前下車すぐ
京阪電車「京阪三条」駅より京都市バス10系統で約30分、北野天満宮前下車すぐ
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国営昭和記念公園
昭和記念公園では、1月中旬になると、花木園・梅園エリアで早咲きのウメの開花が始まり、寒い中、18品種80本がいち早く春を知らせてくれます。
その後、こもれびの池エリアでも、白や淡いピンク、濃いピンクなど、さまざまな品種のウメが次々と咲き並び、3月中頃まで観賞できるそうです。
国営昭和記念公園
住所:東京都立川市緑町3173
交通アクセス:
立川ゲートへは、JR中央線「立川」駅北口より徒歩約18分
西立川ゲートへは、JR青梅線「西立川」駅公園口より徒歩2分
昭島ゲートへは、JR青梅線「東中神」駅北口より徒歩約10分
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ロウバイ(12月下旬~3月上旬)
ロウバイ(蝋梅)は、漢字の通り、艶のある蝋細工のような黄色い花を咲かせる、中国原産の花木です。
同じ時期に咲く梅の花に似ていることからも由来していますが、まったく別の種類でロウバイ科に属しています。
花言葉は、うつむいて咲く花の様子にちなんで「奥ゆかしさ」、親が子をいつくしむような深い愛情を意味する「慈しみ」「慈愛」です。
また、厳しい冬でも春の到来を告げるかのように、いち早く咲くことから「先導」という花言葉もあります。
府中市郷土の森博物館
府中市郷土の森博物館の梅園へ向かう道路の脇に、「ロウバイの小径(こみち)」があり、和蝋梅(ワロウバイ)・素心蝋梅(ソシンロウバイ)・満月蝋梅(マンゲツロウバイ)の3種類、約130本が植えられています。
一見すると、規模が小さく感じますが、全長180メートルほどある続く小道で、花密度が高く、透き通るような黄色一色で褐色の花びらがないのが特徴です。
府中市郷土の森博物館
住所:東京都府中市南町6-32
交通アクセス:
武蔵野線・南武線「府中本町」駅または京王線・南武線「分倍河原」駅より徒歩20分
分倍河原駅より路線バス(分52・府52)で、郷土の森総合体育館行「郷土の森正門前」下車
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西芳寺
西芳寺(真言宗)のロウバイは、1月中旬から下旬にかけて見頃を迎え、2月半ばくらいまで楽しめます。
1721年(享保6年)に建立された、茅葺(かやぶき)屋根の本堂とロウバイの組み合わせは、まさに和の風情で絵になります。
西芳寺
住所:神奈川県横浜市港北区新羽町2586
交通アクセス:横浜市営地下鉄ブルーライン「新羽駅」下車徒歩5分
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宝登山臘梅園
筆者がいつか行きたい場所になりますが、宝登山臘梅園(ほどさんろうばいえん)は、標高497メートルの宝登山山頂に広がるロウバイ園です。
山頂一帯の約1万5,000平方メートルに3,000本のロウバイが植栽されており、1月中旬から2月下旬にかけて見頃となります。
宝登山臘梅園
住所:埼玉県秩父郡長瀞町大字長瀞1766-1
交通アクセス:
長瀞駅より無料の直行シャトルバスで宝登山山麓駐車場まで約5分、宝登山ロープウェイ山麓駅まで徒歩3分
宝登山山麓から山頂までハイキングコースあり、所要時間約1時間
駐車場あり、台数約150台
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クロッカス(2~4月)
クロッカスは、アヤメ科クロッカス属に属する球根植物で、開花時期は2~4月と寒い時期です。
まだ草花の少ない時期に一斉に花開く様子は、眩いばかりで春の訪れを感じさせてくれます。
小さいながらも存在感があり、霜や凍結にも負けずに咲くキュートな花は、見ている側としても元気を与えてくれます。
国営昭和記念公園
昭和記念公園で見られるクロッカスは、早咲きの鮮やかな黄色から、白や紫、薄い紫の筋が入った品種まで、そのエリア一面に広がります。
さまざまな花色のクロッカスが混ざって咲くのではなく、色ごとに1つのグループになるように分けて植えられているため、それぞれを楽しめるのが特徴です。
近くには、なかなか見る機会のない珍しい原種のチューリップも見られます。
国営昭和記念公園
住所:東京都立川市緑町3173
交通アクセス:
立川ゲートへは、JR中央線「立川」駅北口より徒歩約18分
西立川ゲートへは、JR青梅線「西立川」駅公園口より徒歩2分
昭島ゲートへは、JR青梅線「東中神」駅北口より徒歩約10分
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国営武蔵丘陵森林公園
筆者がいつか行ってみたい場所になりますが、国営武蔵丘陵森林公園は、東京ドームの約65倍ものある広さで、園内にある渓流広場の芝生地では、3月に約45,000株のクロッカスが花を咲かせます。
紫や白、黄色のクロッカスの花は、冬枯れしている芝生の中に春本番の彩りを与えてくれるでしょう。
国営武蔵丘陵森林公園
住所:埼玉県比企郡滑川町山田1920
交通アクセス:
東武東上線「森林公園」駅北口より森林公園南口行バスで終点下車(土日祝のみ)
東武東上線「森林公園」駅北口より熊谷駅南口行バスで「森林公園西口」で下車すぐ
東武東上線「森林公園」駅から徒歩でいく場合は、森林公園南口まで約3km(約40分)
JR高崎線・秩父鉄道「熊谷」駅南口より森林公園駅行バスで「森林公園西口」または「森林公園南口入口」下車すぐ
園内の渓流広場までは西口・中央口より徒歩約15分
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ウィンターチューリップ(12月下旬~1月)
チューリップは、ユリ科の球根植物で、10月中旬から12月初旬までに植えると、3~5月にかけて開花します。
一重咲きがよく知られていますが、八重咲きやユリ咲き、フリンジ咲き、パーロット咲きなど7種類の咲き方があります。
近年で、ウィンターチューリップという冬のチューリップという名前を耳にしたことがある方も多いでしょうが、特別な品種ではありません。
夏の間に冷蔵保存しておいた球根を植えると、春がきたと勘違いして芽を出し、花を咲かせる仕組みです。
そのため、冬でもチューリップが楽しめるように12月下旬から1月にかけて展開する公園や植物園も増え、また、気温が低い時期は開花期間も長く、1ヶ月以上も咲かせることができます。
春に咲くチューリップが力強く色鮮やかに咲くのに対して、冬に見られるウィンターチューリップは透明感のある淡いパステルカラーが多く優しく感じられるでしょう。
ふなばしアンデルセン公園
千葉県船橋市のふなばしアンデルセン公園では、1月にチューリップまつりが開催され、園内が20種約5万株のチューリップで彩られます。
また、メルヘンの丘ゾーンでは広さ約600平方メートルのチューリップ迷路も展開されているそうです。
デンマークの世界的な童話アンデルセンをモチーフにした園内の建物や風車とチューリップの組み合わせがメルヘンな気分になります。
ふなばしアンデルセン公園
住所:千葉県船橋市金堀町525
交通アクセス:
新京成線「三咲駅」よりアンデルセンライナー(直通バス)アンデルセン公園行で約12分、アンデルセン公園またはアンデルセン公園西口下車徒歩数分
JR「船橋駅」北口よりアンデルセンライナー(直通バス)アンデルセン公園行で約12分、アンデルセン公園またはアンデルセン公園西口下車徒歩約5分
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江の島サムエル・コッキング苑
神奈川県藤沢市にある江の島サムエル・コッキング苑は、明治時代の英国人貿易商だったサムエル・コッキングに由来した和洋折衷で、南国ムードあふれる植物園です。
冬は2万株のアイスチューリップが展開され、夜には江の島シーキャンドル(展望灯台)のイルミネーションイベント「湘南の宝石」も開催され、多くの来園者で賑わいます。
江の島サムエル・コッキング苑
住所:神奈川県藤沢市江の島2-3-28
交通アクセス:小田急江ノ島線「片瀬江ノ島」駅下車、徒歩とエスカーで約20分
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終わりに
枯れた小枝や落ち葉の目立つ寒い時期に、ほんのり彩りをもたらしてくれる冬の花。
出かけるのも億劫になる季節ですが、1年の始まりには可憐な花や植物を目にし、新たな気持ちでスタートしてみてはいかがでしょうか。
この記事で紹介している観光スポットは、筆者が実際に訪れた場所として関東や関西が主になっていますので、遠方の場合はお近くの公園や庭園、植物園のWebサイトなどで開花情報をチェックしてみてください。
※使用カメラは、Cannon EOS 5D MarkⅡ、OLYMPUS PEN、SONY α7Ⅱ
以下の記事では、春夏秋冬の四季別に咲く花・植物を観光スポット付きで紹介しています。
季節ごとの主役というほどではないけれど、なぜか目を惹く珍しい花の生態や特徴も解説していますので、併せてお読みください。
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