年賀状はいつまでに出す？時期を過ぎてしまった場合は？書き方・送り方を文例付きで解説

お世話になった人や遠方でなかなか会えない人に新年の挨拶を送る年賀状。

近況を伝えるのにも使われる年賀状を毎年送っていても、年賀はがきの書き方や送り方などの決まり事について曖昧になってしまっている人もいるのではないでしょうか。

また年賀状ができたルーツから、種類や選び方など意外と知られていないこともあるでしょう。

今回は年賀状を送る目的や由来に少し触れながら、年賀はがきの書き方・送る時期など注意すべきポイントを文例付きで解説します。

年賀状とは

年賀状は、新年をお祝いする言葉を添えて送る挨拶状です。

お世話になった人や大切な人、親族への年始回りの代わりともなります。

遠方のために年賀の挨拶訪問ができない人や年始の来客が多く訪問することを遠慮する人に、自分にも相手にも都合のよい挨拶の形として古くから用いられてきました。

年賀という言葉には新しい年を祝うという意味があり、一般的には1月1日の元日に届くように送るのがマナーとされています。

「謹賀新年」や「賀正」といった新年を祝う言葉の賀詞を添えて、旧年中にお世話になったことへの感謝を伝え、新しい年も変わらぬ親交をお願いする意味合いがあります。

年賀状を送る目的・意味

現在でいう年賀状を送る主な目的や意味は、主に以下の通りです。

1年の感謝を伝える

友人や仕事関係の人などお世話になった人たちに、1年の感謝の気持ちを伝える手段として年賀状を出す人は多いでしょう。

受け取る側も自分への感謝の言葉が添えられていたら嬉しいでしょうし、口には出しにくい言葉も年賀状なら改まることなく伝えることができます。

普段会わない人とも連絡がとれる

身近な友人や日頃お世話になっている人はもちろん、あまり連絡をとる機会のない恩師や親戚、取引先など間柄を問わず誰にでも送る機会ができるのが年賀状です。

もともとは遠方でなかなか会えない人への新年の挨拶として用いられた年賀状ですが、年を重ねると近くに住んでいても会う機会が減ってくることもあります。

そんな時にも1年に1回のやりとりがあれば、会えなくても互いを思いやる・繋がっている感じがします。

近況報告で関係を深める

年賀状は結婚や出産、就職、起業、引越しなどといった近況を合わせて知らせるのに便利な挨拶状としても使いやすいです。

友人だけでなく親族や恩師、仕事関係の人へ近況報告として、年賀状という通信手段を使うことでお互いの信頼関係を高めることに繋がります。

年賀状を送る習慣ができた由来

年賀状はいつ始まったのか、何がきっかけで現在のスタイルができたのか、年賀状という習慣ができるまでの歴史を知っている人はあまりいないのではないでしょうか。

ここでは、現在の年賀状になるまでの経緯やルーツを説明します。

年賀状の始まり・起源

年賀状を送る習慣は平安時代まで遡り、当時の学者だった藤原明衡がまとめた手紙の文例集が始まりです。

この文例集「庭訓往来」の中に年始の挨拶が記載されており、これが現存する日本最古の年賀状といわれています。

同時にこの頃からお世話になった人や親族の家へ新年の挨拶をして回る「年始回り」という習慣も広まりました。

しかし新年の挨拶に手紙を使用するのは一部の貴族だけで、直接会えないような遠方の人へ書状として送っていたそうです。

江戸時代に入ると付き合いが広くなったことにより、現在の郵便の先駆けとなる「飛脚」（手紙・金銭・小貨物を送り届ける職人）が充実し、庶民が手紙で挨拶を済ませることも増えていきました。

現在でも仕事の年始回りで謹賀新年など賀詞入りの名刺を使うことがありますが、年始回りを簡略化したものが年賀状のルーツです。

現在の年賀状スタイルになるまで

年賀状を出す習慣が一般に広がったのは、1871年（明治4年）に開始された郵便制度がきっかけです。

1873年（明治6年）に郵便はがき、現在でいう官製はがきが登場し、1887年（明治20年）頃には年賀状を出すことが年始の恒例行事となっていきます。

次第に元日（1月1日）の消印を狙って年末に投函する人も増えたため、郵便局員たちが不眠不休で消印作業にあたるなど郵便局の仕事量は普段の何十倍にも膨れ上がりました。

その対策として1899年（明治32年）には現在と同じく年末のうちに年賀状を受け付けて、元日に配達する年賀郵便の特別取扱いが導入され、全国へ広がっていきました。

そして民間人のアイデアで、1949年（昭和24年）よりお年玉付年賀はがきがスタートしたわけです。

すっかり国民にとって年末行事になった年賀状は、1905年（明治38年）には約1億枚だったのが、2004年（平成16年）には約45億万枚まで増えたそうです。

1871年（明治4年）	郵便制度が開始
1873年（明治6年）	郵便はがき（官製はがき）が登場
1887年（明治20年）	年賀状を出す習慣が始まる
1899年（明治32年）	年賀郵便の特別取扱い導入
1949年（昭和24年）	お年玉付年賀はがきがスタート

年賀状に使う郵便はがきの種類・選び方

年賀状として使われる年賀はがきには、郵便局発行のものや文具店などで販売されている市販のものなど種類はさまざまです。

郵便局の年賀はがき

郵便局が現在発行・販売する年賀はがきには「普通紙」「インクジェット紙」「インクジェット写真用年賀はがき」「キャラクター年賀はがき」「寄付・広告付き年賀はがき」の5種類があり、それぞれに紙質や販売料金が違います。

紙質だけでなく切手部分や消印などのデザインもそれぞれ異なり、区別しやすくなっています。

普通紙（通常の年賀はがき）

普通紙の年賀はがきは1枚63円で、自筆で文章を書いたり絵を描いたりする場合やレーザープリンタで印刷する場合に適しています。

目の不自由な人が上下・表裏を区別できるよう表面左下に半円のくぼみが入った、くぼみ入りのはがきも同価格で販売されています。

インクジェット紙（通常の年賀はがき）

インクジェット紙の年賀はがきは、普通紙と同じ1枚63円です。

インクジェット方式のプリンタでの印刷に合うように、裏面（宛名を書かない面）のみに特殊なコートが施されています。

インクジェット写真用（通常の年賀はがき）

インクジェット写真用の年賀はがきは1枚73円で、デジカメやスマホで撮影した写真の印刷に適しています。

光沢感があり、インクジェットプリンターでの印刷時に写真を鮮やかに発色できるのが特徴です。

キャラクター年賀はがき

キャラクター年賀はがきは、宛名面のあらゆる箇所にディズニーキャラクターがデザインされたインクジェット紙の年賀はがきです。

先に紹介したインクジェット紙の年賀はがきと同じ63円で選ぶことができます。

寄付・広告付き年賀はがき

寄付・広告付き年賀はがきは、全国版と地方版があり裏面は各地域の風物などが描かれたデザインになっています。

1枚68円（63円＋5円）で、寄付金の5円は法律で定められた10の分野の事業を行う団体に配分され社会の発展や貢献につなげられています。

前述の通り年賀はがきに使える種類が多いため、インクジェット紙の年賀はがきを買うつもりが普通紙のはがきを買ってしまったなど間違えて購入してしまった場合は手数料無料で他の年賀はがきと交換が可能です。

ただし当年発行で未使用の年賀はがきでないと、手数料無料で交換できませんので注意してください。

郵便局の官製はがき

年賀状は上記に挙げた年賀はがきだけではなく、官製はがきでも問題なく配達されますがお年玉付き年賀はがきではないため気をつけましょう。

お年玉付年賀はがきについては後述しますが、官製はがきには切手の代わりに「料額印面」が印刷されており、料金支払い済みの切手の役割をしているため切手は別途必要ありません。

また通常の郵便はがきを年賀状として送る場合は、切手部分の下に必ず赤文字で「年賀」と記載する必要があります。

この文字を記載していないと普通郵便として扱われ、元旦よりも前に配送されてしまうため注意しましょう。

市販の私製はがき

文具店や商業施設の文具コーナーで、裏面に定型文と絵柄が印字されているプリント付きの年賀はがきが置いてあるのを見たことがある人もいるでしょう。

郵便局が発行する年賀はがきや官製はがきとは別に、印刷会社が独自にデザインした年賀はがきで1パック5～10枚セットになって販売されています。

これらの市販されている絵はがきは、私製はがきと呼ばれます。

印刷サービス専門店や写真店などの年賀印刷サービスで、紙質や絵柄などを選んでカスタム注文し作成されたものも私製はがきと呼びます。

ただし注意点があり、これらの私製はがきはあくまでハガキサイズにデザインされた印刷物のため1枚63円の切手が別途必要です。

ハガキ料金と切手料金を考えると、郵便局が発行・販売している年賀はがきや官製はがきを購入したほうが切手代込みでコストパフォーマンスが高いといえます。

なお一部のオンライン印刷サービスや販売ショップでは、郵便局発行のお年玉付年賀はがきに印刷して販売されていることもありますので利用しやすいです。

近年の年賀状事情

年賀状は郵便局の年賀はがきを用いて送ることが一般的ですが、近年ではインターネットの普及に伴いオンラインによる印刷サービスを利用したり画像ファイルにしてメール送信したり、LINEでスタンプなどを添えてメッセージを送ることも多くなりました。

グリーティングカードサービスもあります。

基本的には新年の挨拶を送ることが大切なため、郵便局に出して送ることにこだわる必要はありません。

しかし先輩や上司、恩師など目上の人へ送る時には、メールやLINEで簡易に済ませるのではなく郵便配達する年賀状のほうが丁寧かつ親切です。

郵便料金の改定に伴う注意

2024年10月より郵便料金が改定され、年賀はがきや官製はがきの料金が1枚85円になりました。

2025年12月時点での郵便はがき料金は、以下の通りです。

郵便の種類	新料金（2024年10月～）	旧料金
普通紙年賀はがき	85円	63円
インクジェット紙年賀はがき	85円	63円
インクジェット写真用年賀はがき	95円	73円
キャラクター年賀はがき	85円	63円
寄付・広告付き年賀はがき	90円（85円＋5円）	68円（63円＋5円）
官製はがき	85円	63円
市販の私製はがき	郵便切手85円	郵便切手63円

文具店などで販売されている市販の私製はがきは数枚セットになっておりメーカーやデザインによって価格は変わりますが、1枚85円の郵便切手が別途必要ですので注意してください。

お年玉付年賀はがきについて

郵便局が発行する年賀はがきは、お世話になった人への新年の挨拶としてだけではなく他にも楽しいイベントがあります。

それはお年玉の抽選で、お年玉付年賀はがき宛名面の右下にある6桁のくじ番号で行われます。

お年玉付年賀はがきは1949年（昭和24年）より登場し、初回の特賞はなんとミシンでした。

その後は洗濯機や電子レンジ、ビデオレコーダーなどが賞品として用意され、最近では国内外の旅行や液晶テレビなども見かけました。

お年玉付年賀はがきの当選賞品

2014年（平成26年）より1等の賞品が物品から現金になってきたのは、個人の好みが多様化している世相を反映しているといえます。

ちなみに、2024年（令和6年）の賞品は以下の通りでした。

1等	（1）現金30万円 （2）選べる電子マネーギフト「EJOICA（イージョイカ）セレクトギフト」（31万円分） （3）2024年発行特殊切手集＆現金20万円 のいずれか
2等	ふるさと小包など
3等	お年玉切手シート
特別賞	大阪・関西万博ペアチケット

お年玉付年賀はがきの当選発表

お年玉付き年賀はがきの当選番号は、毎年1月の第3日曜日の14時に発表されます。

お年玉付年賀はがきの賞品引き換え期間

賞品の引き換え期間はおおよそですが、当選発表の翌日から7月中旬までです。

賞品引き換えには、当選した年賀はがきのくじ番号を切り取らずに郵便局の窓口で手続きをします。

その際に運転免許証や健康保険証など、本人確認ができる書類が必要となるため忘れずに持参しましょう。

ちなみに余った年賀状や書き損じた年賀状でも、当選した場合には賞品と引き換えをすることが可能です。

お年玉付年賀はがきはまさに年初めの運試しともいえますし、神社でのおみくじと合わせてお正月にふさわしいイベントですね。

年賀状（裏面）の書き方

年賀状にはあらかじめ決まった書き方があり、主に以下のように6つの構成が基本です。

• （1）賀詞
• （2）謝辞
• （3）願う言葉
• （4）祈る言葉
• （5）結びに使う日付
• （6）ひと言添え書き

必ずしもこの構成に従うべきとはいいませんが、目上の人やビジネス相手に送る際の基本的な形として覚えておくとよいです。

（1）賀詞

賀詞というのは、年賀状の冒頭に書く「謹賀新年」「迎春」などといった新年を祝う語句です。

本文より大きめのサイズで書きますが、賀詞の種類によって意味が異なるため送る相手に失礼のないように賀詞それぞれの意味を確認しておきましょう。

目上の人向け

目上の人やビジネス関係の人に向けた賀詞は、基本的に謹んだ気持ちやへりくだった意味の文字を含んだ4文字の賀詞を使うと覚えておきましょう。

• 漢字4文字の賀詞を使う場合・・・謹賀新年、恭賀新年
• 文章の賀詞を使う場合・・・謹んで初春のお慶びを申し上げます

目下の人向け

目下の人に向けた賀詞は一般的に1文字または2文字の賀詞を使いますが、友人や親戚向けにも同じ語句や文章が使えます。

• 漢字1～2文字の賀詞を使う場合・・・寿、賀、迎春、賀正、頌春、初春
• 文章の賀詞を使う場合・・・新春のお慶びを申し上げます

友人や親しい人向け

友人や親しい人に向けた賀詞は前述の通り目下の人向けと同じ賀詞や文章を使いますがより親しみを込めて英文やカジュアルな表現の賀詞を使っても問題ありません。

• 文章の賀詞を使う場合・・・あけましておめでとう、HAPPY NEW YEAR！

誰にでも送れる万人向け

しかし目上の人や親しい人など、送る相手によって賀詞を使い分けるのはたいへんですよね。

はがき作成ソフトやアプリを使って自作し、まとめてプリントする時は一括印刷したいはずです。

そんな時は、以下のように相手を選ばず使える文章の賀詞を使用するとよいです。

• あけましておめでとうございます
• 謹んで新春のお慶びを申し上げます

賀詞の重複に注意

注意点がもう1つあり、賀詞が重複していないかも注意しましょう。

市販や印刷サービスで販売されている年賀状のデザインには、あらかじめ「迎春」や「賀正」などの漢字2文字の賀詞がすでに入っていることが一般的です。

これらの賀詞に続けて「あけましておめでとうございます」の文章を追加しがちな人が多く見られます。

文章の賀詞として使われる「あけましておめでとう」は、年の初めに神様が家にやってくるのはめでたいことだという意味でそのような言葉になったといわれています。

もし漢字2文字や4文字の賀詞をつける場合は、年始の挨拶として同じ意味が含まれており、「あけましておめでとう」という文章の賀詞も加えると重複することになってしまいますので気をつけてください。

他の例として「新年明けましておめでとう」も「新年」と「明けまして」で重複しているため、「明けましておめでとうございます」とします。

また「A Happy New Year」も実は間違いですので、「Happy New Year」と書きます。

「Happy Birthday」「Happy Halloween」でも、冒頭に「A」を使わないことと同じだと覚えておきましょう。

（2）謝辞

賀詞を書いた後は本文になりますが、書き出しは無事に年越しできる喜びの言葉や日頃のお付き合いへの感謝の言葉などを簡潔に書きます。

• 昨年中は大変お世話になりました
• 旧年中は一方ならぬご厚誼をいただき誠にありがとうございました

（3）願う言葉

謝辞に続いて次は、相手に対して今後も変わらぬ親交や指導をお願いする言葉を書きます。

• 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます
• 本年もご指導・ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます

（4）祈る言葉

本文の最後には、相手の健康や幸福を祈る言葉、繁栄や活躍を願う言葉を書きます。

• 本年も皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
• 貴社ますますのご発展と社員皆様のご活躍を祈念いたします

（5）結びに使う日付

年賀状の結びとしてよく使われる「令和○年元旦」「令和○年元日」ですが、どのように使い分けたらいいのか迷う人も多いのではないでしょうか。

一般的には元旦と元日のどちらも、1月1日に届くように投函した年賀状に用いることができます。

とくに1月1日に配達される年賀状は、基本的に午前中に届けられるため「元旦」という言葉を使うことが多いです。

年賀状は決められた投函時期に出せば、基本的に1月1日の午前中には相手の自宅に届けられるようになっています。

そのため、1月1日に届くように投函した場合は「元旦」でも「元日」でもどちらでも使えます。

ただし、和暦を用いる場合は「令和○年元旦」と元旦で記すのが一般的です。

もし西暦で表記する場合は「202○年元旦」「202○年元日」のどちらも使えます。

元旦や元日については、下記記事もご参考ください。

（6）ひと言添え書き

結びに使う日付の左（横書きの場合は下）に空きスペースができると思いますが、送る相手に合わせて心のこもった一言を添えると丁寧さや親しみが伝わります。

とくに年賀状を自作したり印刷サービスを利用したりして、同じ文言の年賀状をまとめて印刷した場合にはひと言を添えたいものです。

筆者もハンドメイドで年賀状を制作する時には、上記画像で掲載した年賀状裏面のようにひと言を添え書きできるスペースを空けて印刷しています。

添えるひと言の内容として、具体的な用件などは書かず短くまとめます。

• 今度帰省した時にはまた会いましょう
• 機会があればまた食事にいきましょう
• 寒い日が続きますがくれぐれもご自愛ください

他に注意すべきなのは、引越しなどで住所が変わった場合です。

毎年決まった相手と年賀状のやりとりをしていると、宛名面の住所はあまり気にしません。

転居届により年賀状が旧住所で送られてきてもしばらくは新住所に転送することがありますが、その翌年に宛名不明で戻されてしまうことがないように「住所が変わりました」「引越ししました」といったひと言を添えておきましょう。

年賀状を送る時期やタイミング

年賀状を送る際には、決まった投函時期があります。

郵便局（日本郵便）では、1月1日に年賀状を全国に届けるために年賀特別取り扱い期間を設けています。

例年12月15日から12月25日までにポスト投函された年賀状は、離島などを除き元旦に配達されます。

つまりクリスマスである12月25日以降にポスト投函した年賀状は、1月1日に届かないことになります。

クリスマスや年末・お正月の準備に何かと慌ただしい時期ですが、クリスマス前にある程度の目処が立つように用意しておきたいものですね。

年賀状が1月1日に間に合わない場合

1月1日以降に届く場合は、元旦も元日もそぐわない言葉です。

12月25日以降に投函する予定で年賀状を作る場合は、結びに使う日付で「令和○年迎春」「令和○年初春」といった表現を使ったほうがいいです。

しかしオンライン注文や印刷サービスなどに依頼して作った印刷済みの年賀状には、「元旦」「元日」といった言葉が用いられていることが多いです。

年賀状は相手からきたけれど自分からは出していなかったという場合の返信に使うことも当然ありえるため、それほど厳密にマナー違反は問われません。

印刷された年賀状を返信用に保管してある場合は「元旦」「元日」が入った状態でそのまま使っても問題ありませんので、できれば松の内の1月7日までに届くようにしましょう。

ただし松の内を過ぎて年賀状の返信を出す場合は、年賀状ではなく「寒中見舞い」として送ったほうがいいです。

松の内は、関東圏で1月7日（大正月）、関西圏では1月15日（小正月）までです。

寒中見舞いについては、下記記事をご参考ください。

1月2日は年賀状配達取り止め？

筆者は、12月29日以降に年賀状を郵便局の窓口に出向いて局員に手渡しをしたことが何度かあります。

1日に1～3回しか郵便物の収集にこない街中の郵便ポストよりも、郵便局窓口で局員に渡したほうが少しでも集配の短縮になると踏んでいたためです。

12月25日以降にポスト投函した場合は1月1日以降に順次の配達扱いになるようですが、集配のタイミングがよかったのか友人によると元旦に無事届いていました。

なお、郵便局では1月2日の年賀状配達を取り止めると2017年秋に発表しています。

近年の配達数実績より、1月2日に配達した年賀状は正月三が日の配達数の7.5％にとどまっているとの経緯からです。

そのため1月1日に届けられなかった年賀状は、1月3日以降の配達となりますので注意してください。

年賀状として送れるのは1月7日の松の内まで

年賀状は、一般的に正月行事の区切りとなる松の内までに送ることになっています。

そのため年賀状の返信も含めて、1月7日の松の内までに届くようにしましょう。

なお松の内を過ぎてしまい年賀状の返信などを出したい場合は、年賀状としてではなく「寒中見舞い」として送るのが最適です。

寒中見舞いについては、下記記事をご参考ください。

年賀状に関する疑問Q&A

年賀状に関する疑問やよくある質問をQ&A形式にまとめました。

年賀はがきを買い損ねた場合は？

年賀はがきは、郵便局窓口の営業時間外でも最寄りのコンビニなどで販売していることがありますので確認してみてください。

もし年賀はがき以外で通常の郵便はがきを使う場合は、普通郵便と区別するために宛名面の切手部分下に「年賀」と赤文字で朱書きをします。

朱書きの「年賀」がないと普通郵便だと思われてしまい、年内に配達されてしまうことがありますので注意してください。

恩師や医師に年賀状を送る時の敬称は？

年賀状の宛名面に書く敬称は、個人名であれば基本的に「様」で問題ありません。

しかし非常にお世話になった相手に「様」を使うのが気が引ける、敬う気持ちをもっているという場合は個人名の後に「先生」と書きます。

ちなみに会社や部署など団体に宛てる場合は「御中」とします。

家族ぐるみや夫婦など連名にして送る場合は、個人名ごとに「様」を書きます。

年賀状を書き間違えた場合は？

年賀状は新年をお祝いする年始の挨拶であるため、修正液などで修正することは失礼にあたります。

できるだけ書き直したほうがいいですし、とくに宛名面は必ず書き直しましょう。

なお誤字などが生じた正式な年賀はがきは、所定の手数料が必要ですが郵便局で交換してもらえます。

現在のところ当年発行分の書き損じ年賀はがきは、1枚あたり5円の手数料（2023年4月1日より交換枚数が100枚以上の場合は1枚あたり10円）で年賀はがきと交換することができます。

写真入りの年賀状を送っても大丈夫？

写真入りの年賀状は、親戚や友人など親しい関係の人へ近況報告を兼ねて送ることに問題はありません。

ただし子どもなど家族写真は私的なイメージが強いため、職場の人や取引先など仕事上の相手には出さないほうが無難です。

公的な関係でも家族ぐるみでお付き合いしている人などは写真入りでも喜ばれることもありますが、例えば子どものいない相手の事情などをよく考えながら日頃どの程度のお付き合いをしているか関係性によって判断しましょう。

出していない人から年賀状が届いた場合は？

すぐに返礼を出し、年賀状をいただいたお礼や遅れたお詫びも忘れずに書いたほうがいいです。

結びの日付は送る日の日付に直したほうが丁寧ですが、印刷サービスや自作でまとめプリントをしている場合はそのままでも問題ありません。

1月4日以降に年賀状が届いたら？

年賀状は、一般的に1月7日の松の内に届くようにします。

1月7日以降になる場合は、年賀状ではなく「寒中見舞い」として2月4日頃（立春）までに出しましょう。

寒中見舞いについては、下記記事をご参考ください。

寒中・余寒見舞いはいつまでに送る？シーン別に送る書き方・送り方を文例付きで解説

2025/12/18

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新年の挨拶を送る年賀状まとめ

年賀状は、お世話になった人や遠方で会えない人などへ新年をお祝いする言葉を添えて送る挨拶状です。

新年の挨拶の後には、近況を伝える言葉を添えたり写真で現在の状況を伝えたりするなどそれぞれの想いを綴ります。

干支の絵を描いたり手作りのスタンプを押したりするなど表現も多様です。

近年ではインターネットの普及によりメールやSNSを使用してメッセージを送る人も増えていますが、相手の様子を伺ったり自分の近況を伝えたりする手段でもあります。

年賀状は、遅くても松の内である1月7日までに届けばよいとされています。

それでもやはり、せっかくであれば1月1日の元日に届いたほうが嬉しいですよね。

郵便局の年賀状受付期間は12月15日から12月25日までとなっており、期間内に投函することができれば元日の午前に届きます。

そのため、早めに準備してできるだけ元日に届くように出すのがいいでしょう。

1年の始まりをお祝いする挨拶でもある年賀状だからこそ、意味の違いに気をつけて丁寧に書きたいものですね。

以下の記事では、年末のご挨拶に1年間お世話になった人へ感謝の気持ちを込めて贈り物をするお歳暮について解説しています。

お歳暮の起源から贈る時期や贈り方のほか、年末のギフトとして喜ばれるギフトも紹介していますので併せてお読みください。