元日に発生した能登半島地震からもうすぐ9ヶ月。
地元が被災した翌日に東京へ戻った筆者は、断水した実家や友人へ支援物資を送るための食料品・備蓄品を購入しながら自身の防災グッズを見直してきました。
しかし防災意識を改めて考えてみると、どんな防災グッズがあったらいいのかどの食料品を選んだらいいのか、細かいことまではっきりわからないことも多いでしょう。
今回は、防災の日である9月1日を前に、筆者が実際に揃えた防災グッズを参考例として紹介します。
時間的・労力的コストを抑えるため、無印良品を皮切りにハンズやニトリ、100円ショップまで効率的に揃えました。
最後の方には、数ある防災グッズの中でも特に悩みがちな簡易トイレについてポイント解説していますので、当アイテムを選ぶためのご参考になれば幸いです。
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無印良品で防災グッズを揃えた理由
防災グッズにあの無印良品?と思うかもしれませんが、無印良品でも必要最小限の防災グッズが販売されています。
必須アイテム数点が一緒になったセットのものもあれば単品のものもあり、意外とかゆいところに手が届くアイテムが豊富に揃っています。
商品パッケージの色合いが白とシルバーを基調に統一されているため、苦しさよりもコレクション感覚で集める楽しさの方が勝るかもしれません。
能登半島地震で恐怖と断水を体験した筆者は、少しでも早く防災グッズを揃えようとしたのですが、心身ともにダメージも大きく複数の店舗を巡るには時間的・労力的にも限界だったのが理由です。
そこでまずは無印良品で揃えられる基本アイテムをまとめて購入し、不足しているアイテムはハンズや他店で追加購入しました。
無印良品で揃えられる防災セット
無印良品には、いつものもしもセットというシリーズで必須アイテム数点をまとめた防災セットが3種類あります。
いつものもしも携帯セット
無印良品の携帯セットは、以下の計6点が厚めの紙封筒に収納されています。
- 不織布マスク
- 救急絆
- 除菌シート
- ハンカチ
- 家族で決めておく連絡のルール
- ファスナー付きのEVAケース
いつものもしも携帯セットの価格は、690円(税込)です。
赤いハンカチには、緊急時に役立つハンカチの活用法がイラスト入りでわかりやすく描かれています。
いつものもしも持ち出しセット
無印良品の持ち出しセットは、簡易的に濡らしたくないものを収納できる持ち手付きのパッケージが目印で、以下の計11点がセットで収納されています。
- 不織布マスク
- 救急絆
- 除菌シート
- ハンカチ
- 家族で決めておく連絡のルール
- ファスナー付きのEVAケース
- ヘッドライト
- 耳栓
- ボディシート
- エマージェンシーシート
- サコッシュ
いつものもしも持ち出しセットの価格は、2,490円(税込)です。
撥水性のあるサコッシュに収納できるセットで、前述した携帯セットの6アイテムも含まれています。
いつものもしも備えるセット
無印良品の備えるセットは、中身の取り出しやすい蓋付きファイルボックス型のパッケージが目印です。
- 不織布マスク
- 救急絆
- 除菌シート
- ハンカチ
- 家族で決めておく連絡のルール
- ファスナー付きのEVAケース
- ヘッドライト
- 耳栓
- ボディシート
- エマージェンシーシート
- サコッシュ
- タオル
- 携帯トイレセット
- 軍手
- キャンドル
いつものもしも備えるセットの価格は、3,490円(税込)です。
前述のサコッシュに収納できる持ち出しセットのアイテムに加えて、タオル・携帯トイレセット・軍手・キャンドルが加わった計15点がセットで収納されています。
無印良品で揃えられる防災グッズ
次に、無印良品で買い揃えた防災グッズの単品を紹介します。
照明用品
無印良品には、大小2サイズあるLED懐中電灯が販売されています。
写真は大きい方の懐中電灯とLEDランタンですが、他にもLED持ち運びできるあかりというライトがあり、携帯するだけでなくドアノブにかけたりランタン代わりに使ったりすることが可能です。
衛生・洗面用品
除菌用のウェットティッシュのほか、除菌シートやボディシート、歯磨きシート、歯磨きタブレットまであります。
また、うがいだけで済む携帯用のマウスウォッシュとシリコーンコップも販売されており時短アイテムとして便利です。
ボディシートはロール状でコンパクトに見えますが、広げると28×56cmの大判サイズで広範囲に拭き取れます。
また1回で使い捨てる仕様のため、数十枚まとめて入っているシートパックよりは衛生的で乾燥しない点では使いやすいでしょう。
ペーパーナプキン・ティッシュ
携帯用のペーパーナプキンは、3年で育つ竹をパルプの原料として100%活用し、漂白工程も省くことで環境に配慮した商品です。
この1つだけでハンカチとティッシュを兼ねているため、ポケットで湿ったり洗濯が必要だったりするハンカチは必要ないかもしれません。
卓上用ティシューペーパーも通常のティッシュBOXに比べるとコンパクトで嵩張らないです。
非常用トイレセット
無印良品には、便座にセットする携帯トイレも販売されています。
1セットに吸水シート15枚と汚物袋5枚で3日分が目安として収納されており、高分子吸収ポリマーが排泄物の水分を素早く吸い取って固めます。
エマージェンシーシート
エマージェンシーシートというのは、冷気や風・雨など外気による体温低下を防げるシートです。
約130×210cmと比較的サイズが大きいため、ブランケットのように体をくるんで繰り返し使えます。
いつものもしも持ち出しセットと備えるセットにも付属しています。
救急箱
救急箱は持ち運びしやすいハンドル付きの収納ボックスで、仕切りとトレーの位置を調整できます。
収納できる内寸サイズは幅23.5×高さ16.5×奥行14.5cmで、透明なクリアとグレーの2色あります。
リニューアルにより少し大きくなり仕切りが変わって使いやすくなっていたため買い替えましたが、救急箱としてだけでなく文具やソーイングセット、玩具などの収納にも便利です。
防災ボックス
防災ボックスとして使うなら、再生ポリプロピレン入りの頑丈収納ボックスでしょう。
ベランダなど屋外でも保管できる収納ボックスで、サブテーブルやチェアとして使うこともできます。
耐荷重は蓋が約100㎏、収納部20㎏とその名前通り頑丈な作りです。
4サイズ展開で筆者が選んだのは正方形の小サイズ(容量30L)ですが、2リットルのペットボトルが9本ですっきり収納できます。
給水タンク
ポリエチレンの水タンクは、12リットルと見た目以上に容量があります。
取り外し可能な蛇口(ウォーターコック)が付属しているため、飲用水として使うのに便利です。
10年保存できる災害用備蓄飲料水
無印良品には、10年保存できる災害用備蓄飲料水 The Life Water(490ml)が販売されています。
アルミ缶に入っているため、通常のペットボトルに比べて酸素透過性・遮光性に優れ、かつ軽量のため持ち出しも容易です。
備蓄用の飲料水は一般的には5~7年保存が多いため、10年も保存できるのはコストパフォーマンスが高いですね。
ただし、ネットストアでの取扱いはなく店舗のみの限定販売品となるため注意してください。
モバイルバッテリー
無印良品にも直接コンセントから充電できるモバイルバッテリー(写真右上)が販売されています。
商品名は少々長めですが「急速充電ができるモバイルバッテリー付充電器 10000mAh USB-C/A」で、価格は3,990円(税込)です。
USB-C(PD20W対応)とUSB-A(QC18W対応)の2ポートがついており、スマートフォン約2~3回分の充電ができます。
その他
購入しなかった防災グッズについては紹介しませんが、無印良品には上記以外にも折り畳めるヘルメットが大人用とキッズ用があるほか、住宅用消火器、カセットコンロ、かかと付きスリッパなど幅広く販売されています。
詳しくは、公式オンラインショップサイトなどで確認してみてください。
無印良品以外で揃えた防災グッズ
無印良品で販売されていない・揃えられない不足分の防災グッズは、ハンズやニトリ、イオンなどといった大型小売店で買い揃えました。
一部には、コストパフォーマンスを考慮して100円ショップの商品も含まれています。
なお、すでに無印良品で購入したものの予備や使い分けとして購入したものもあるため、防災グッズが重複していることをご留意ください。
防災用品
ヘルメットや軍手、ロープなどの防災用品です。
ヘルメット
ヘルメットは、無印良品でも販売していますが、形が丸い方が頭の形にフィットして安定していると思ったため、加賀産業株式会社が製造販売する折り畳み式の防災用ヘルメット・オサメットを購入しました。
蛇腹形状の収縮式で大きさがA4サイズ・薄さが45mmとコンパクトなため、収納袋や引き出しからさっと取り出せるなど場所を取らずに収納できて持ち運びにも便利です。
また、予備として帽子型簡易ヘルメットのボウネットも購入しました。
ロゴのHIHは、東日本大震災での被災経験から開発するヒカリネットが商標取得した防災ブランドでです。
オサメットとボウネットについては、下記記事もご参考ください。
-
被災経験を糧に生まれた2つの防災ヘルメット、オサメットとボウメットの特徴や機能
2024/8/20
給水専用袋
給水専用袋はすでに無印良品の給水タンクを購入していますが、断水の期間が長引く場合を想定してコンパクトに収納できるタイプも備えました。
軍手
軍手は、どのメーカーでもあまり大差はないため、滑り止め機能がある軍手をハンズで購入しました。
物を掴みやすいように手にフィットした軍手も用意した方がいいかもしれません。
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シュラフ(寝袋)
シュラフはリュックに入る大きさの防災用寝袋を購入しました。
本体サイズは幅80×高さ190㎝と大人用で、収納サイズは直径15×高さ25㎝とコンパクトながらオールシーズン対応です。
防災用アルミ寝袋が付属しており、重ねて使うことができます。
前述で紹介した帽子型簡易ヘルメットと同じヒカリネット(HIH)が開発・販売する商品で、5,980円(税込)とリーズナブルです。
照明器具
懐中電灯は、床に置いてランタンにもなる2WAYタイプをニトリで購入しました。
乾電池も忘れないようにストックしておきましょう。
衛生・洗面用品
衛生・洗面用品としてマスクや消毒アルコール、除菌シート、生理用品、携帯トイレ、トイレットペーパー、ティッシュなどです。
ボディシートやウェットティッシュなどは、無印良品のアイテムよりサイズの大きいタイプも揃えました。
ペーパータオルも含め、主に100円ショップで購入しています。
簡易トイレについては後述します。
救急用品
消毒液や絆創膏・医薬品・常備薬などを収納した救急用品を普段から備えている場合はそのまま使用できますが、避難が長引いたりドラッグストアでの欠品が相次いだりする可能性を想定して多めに用意しておくと安心です。
医療機関の臨時休診や混雑もありえるため、処方薬もストックできるといいかもしれません。
飲料品
飲料品はペットボトルのミネラルウォーターのほか、体調不良時の水分・栄養補給としてポカリスエット、食欲がない時のドリンクゼリーも常備しています。
ペットボトルはそのまま飲める500mlタイプが理想ですが、本数が多いとスペースを取るため1~2リットルタイプには紙コップも用意しておきましょう。
前述通り、無印良品の10年保存できる飲料水も購入していますが主に携帯用です。
食料品
食料品は、長期保存ができる缶詰のパンやお菓子以外に、停電を考慮して電子レンジがなくても食べられるレトルトのおかずも揃えました。
特に米飯類は悩みましたが、水やお湯を加えるだけでご飯やおにぎりができるとはいえ、断水時は常備水をできるだけ使わないようにしたいものです。
そのため、封を開けるだけでそのまま食べられるリゾットやお粥を用意しました。
食器類
1~2リットルのペットボトル飲料を飲む時には、紙コップが必要です。
使い捨ての食器やスプーン・フォークも100円ショップで購入できるため、忘れないように用意しておきましょう。
サランラップやアルミホイル、ポリ袋があると断水時には数回使い回しができます。
貴重品
停電した場合には金融機関のATMのほかクレジットカードなどのキャッシュレス決済も使えないため、現金は必ず必要です。
両替えの手間を考えると、小銭はできるだけ多めに用意するといいでしょう。
2024年7月より20年ぶりの新札が発行されましたが、セルフレジや両替機など対応していない店舗や交通機関も見られるため注意が必要です。
情報収集ツール
スマートフォンはもちろん、充電器やモバイルバッテリーも普段から常備している場合はそのまま使えます。
ビニール袋・ポリ袋
ゴミの収集が途絶える可能性を想定して、ゴミ袋やビニール袋は多めにストックしておきたいものです。
また、簡易トイレ用や後始末に使う厚めのポリ袋も忘れないように常備しておきましょう。
ルームシューズ
ルームシューズは、釘やガラスの破片を踏んでもケガしない耐踏抜きインソールを内蔵しているタイプをハンズで購入しました。
左右兼用で脱ぎ履きしやすく、厚みのあるインソールで足底も安心です。
また避難所によってはスリッパなどが必要になる場合があるため、防災用の室内靴を用意しておくとよいでしょう。
その他・小物
他に、筆記用具やホイッスルなども常備しておきたいものです。
この記事では紹介しませんでしたが、上記以外にも季節や気候に応じた衣類や季節用品、装用品も用意しておいた方が安心です。
備えておくべき基本的な防災グッズについては、下記記事をご参考ください。
-
2度の地震体験から学んだ、防災グッズとして絶対に必要なものを要チェック
2024/8/21
簡易トイレにもなる椅子「PATATTO350+」
簡易トイレについては半年間も悩みましたが、筆者が収納スペースや機能性を考えて購入を決めた折り畳み椅子「PATATTO350+」について紹介します。
PATATTO350+(パタット350プラス)は開いて押すだけの折り畳み椅子で、ゴミ箱にも簡易トイレにもできるキャンプ向けのアイテムです。
普段使いもできる万能チェア
持ち運びや組み立てで大変なのが人数分の折り畳み椅子ですが、キャンプ向けに作られたPATATTO350+ならすぐに組み立てられて、設置も撤収もスマートに行えます。
日常でも使えるほどの安定感があり、シックな色合いとデザイン性がインテリアに馴染みやすく急な来客があってもチェアとして使えます。
二重構造と湾曲で快適な座り心地
PATATTO350+は、座面を二重構造にすることで座った時に沈み込むようなクッション性をもたせています。
また、湾曲した座面がお尻全体を包み込んでくれるため安定した座り心地です。
薄いのに耐荷重100kg
PATATTO350+は、車のトランクルームや防災ボックス横の隙間にスッと差し入れるだけで収納できるほどコンパクトです。
折り畳んだ時の厚みが薄いのに、耐荷重100kgと安定した強度があります。
座面を取り外して簡易トイレにも
PATATTO350+は座面を取り外した状態でも十分な強度があるため、非常時の簡易トイレとしても使うことができます。
非常用トイレ袋は付属していないため別途購入する必要がありますが、間口65cm以上のサイズがおすすめです。
豊富なサイズ展開
この記事で紹介しているPATATTO350+は、座面高が35センチの一番大きいタイプです。
他に座面高が15センチから25センチまでの5サイズを展開しており、子どもにも使えます。
基本仕様・スペック
商品名 | PATATTO350+(パタット350プラス) |
材質 | ポリプロピレン、スチール、銅、シリコンゴム |
組み立てサイズ | 48×33.5×41.7cm(座面高さ:35cm) |
折り畳みサイズ | 49.7×40×47cm |
重量 | 1.4kg |
耐荷重 | 100kg |
カラー | 全4色×白の配色 (オリーブ・テラコッタ・ネイビー・グレージュ) |
キャンプや災害時に備えあれば憂いなしで、防災セットと一緒においておくともしもの非常時にも安心です。
防災リュックについて
避難所など外へ持ち出す防災リュックは、理想的な容量や機能を見つけるのに半年は時間を要しました。
無印良品で販売されているリュックは日常用のタイプが多く、ハンズなどの小売店では旅行用のものが一般的です。
そこで防災専用のショップやアウトドアブランドに的を絞って探しました。
防災リュックについては、下記記事で紹介していますので併せてお読みください。
-
防災リュックの条件とは?コロンビアの大容量バックパックと他アイテムの特徴を比較
2024/8/19
防災グッズの参考まとめ
9月1日は、防災の日です。
地震大国ともいわれる日本では、いつ・どんな規模で強い地震や津波がやってくるか予知することができません。
他に豪雨による水害や台風被害なども多く、地震だけではありませんが、万が一の災害に備えて防災グッズや備蓄品を揃えておく必要があります。
年に1度あるいは半年に1度など見直しをする日を決めて、自宅にある防災グッズに不足分がないか有効期限が切れていないかなどを確認しましょう。
備えあれば憂いなし。
もしものことを想定してあらかじめ準備をしっかりとしていれば、何か起こったとしても心配することはないという意味です。
十分に準備をしていれば、いざという時におろおろと心配せずに平常心で臨むことができるでしょう。
また遠くに住む友人や知人がもし被災した時、自分にできることはないか考えることがあったら。
誕生日や記念日に贈り物をする時には相手への心配りを兼ねて、防災グッズのギフトボックスを送ることも検討してみてはいかがでしょうか。
以下の記事では、必要最低限備えておくべき防災グッズを紹介しています。
停電や断水が生じた場合を想定して解説していますので、併せてお読みください。
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2度の地震体験から学んだ、防災グッズとして絶対に必要なものを要チェック
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また、強い地震が起きた時、揺れが収まった時にやること・注意することについて下記記事で紹介していますので、ご参考になれば幸いです。
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地震が起きた時の行動リスト、すぐにやることやってはいけないこと・注意点は?
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