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優雅に咲く藤の特徴や花言葉、関西と関東エリアで一度は行きたい観光スポット5選

2023年4月15日

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滝がゆっくり流れ落ちるように垂れ咲く藤の特徴、一度は行ってほしい関西・関東の観光スポット5選

滝がゆっくり流れ落ちるように垂れ咲く紫色の花、藤。

うねるようにねじれた太い蔓のたくましさと長く垂れた花房の優雅さには、和服姿の優しい女性をイメージする人も多いでしょう。

今回はゴールデンウィーク前後にしかほぼ見られる機会のない藤の観光スポットを、関西・関東エリアに絞って紹介します。

藤をあまり知らない人のためにも、生態や特徴などといった基本情報も解説しますのでご参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

颯彩(ふーあ)

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藤の生態・特徴

萬葉植物園の藤

藤(フジ)は、4月下旬から5月上旬にかけて長い穂のような花序を垂れ下げて咲くつる性の花木です。

観賞価値が高いため多くの園芸品種があり、現在では世界各地で植えられています。

つるは右巻き(S巻き)で、花をつける茎を総称する花序は枝の先端に出て下に垂れるように伸びて1メートルにもなり、多数の花をつけるのが特徴です。

本種は後述する牛島の藤で明治時代には約3メートルの花序をつけることがあり、そこから生まれた栽培品種のノダナガフジ(九尺藤)も条件により花序が2メートルに達するとされています。

藤は繁殖力が強く他の樹木に絡みながらつるを伸ばしていく様子から長寿や子孫繁栄に、また房状の花を稲穂に見立て豊作を願うなど縁起のよいものとされていました。

この真っすぐと上に伸びていく藤のつるや穂状の花房が、長寿・子孫繁栄・家運繁盛の象徴といわれているのです。

また香り高い藤の花は幸運を引き寄せるという言い伝えがあり、人に害をあたえるものや悪霊などを取り除く効果があると信じられています。

そして藤の花は古くから振り袖姿のあでやかな女性に例えられるように、優雅で柔らかい印象を与える花です。

そんな降り注ぐような美をもつ女性を象徴とし、花言葉は「歓迎」「恋に酔う」「優しさ」「決して離れない」と表されています。

次項からは、藤の観光スポットを紹介していきます。

春日大社 萬葉植物園(奈良)

関西方面の藤を見るなら奈良の春日大社内にある萬葉植物園

関西方面の藤を見るなら、奈良の春日大社内にある萬葉植物園でしょう。

園内は萬葉園・五穀の里・椿園・藤の園で構成され、中でも藤の園が見どころです。

藤の園では、早咲きから遅咲きまでの20品種・約200本もの藤が4月中旬から5月上旬にかけて順に開花し、目の高さで陽を浴びて咲き誇る立ち木造りと通常に見られる棚造りにて公開されています。

こだわりとされる立ち木造形式というのは一般的な棚造りではなく、藤棚のように見上げずに目線を同じ高さで花を観賞することができます。

花が外向きに咲くことで常に光を浴び美しく見え、まさに自然と一体化した風光優美な庭園になっています。

御本社の砂ずりの藤の見頃は、ゴールデンウィークです。

慶賀門を入ったところの棚造りの藤で5月初旬頃には花房が1メートル以上にも延び、砂にすれるということからこの呼び名がついています。

ノダフジ(野田藤)の変種で、摂関近衛家からの献木と伝えられています。

また春日権現験記にも書かれている古い藤であり、樹齢700年以上といわれています。

開花期間は気候により多少前後しますが、例年4月末頃から5月上旬頃までです。

早咲きの開花から遅咲きが咲き終わるまでが約2週間で、すべての藤が一斉に咲き揃うことはありません。

藤の園で見られる藤は山藤系・野田藤系・支那藤系に分かれ、早咲きには濃いピンク色の「昭和紅藤」や中国産の「麝香藤」など珍しい藤が多く咲きます。

半ば頃から長い房の藤はじめ、野田藤系の「八重黒龍藤」などが咲き始めます。

日本国内で藤の名所はたくさんありますが、春日大社にある萬葉植物園の200品種ある豊富な品種、森林の中を巡るような野生に近い藤の姿は見応え十分です。

春日大社 萬葉植物園の基本情報

萬葉植物園の藤は野生に近い状態で圧巻

萬葉植物園は、万葉集にゆかりの深い春日野の地に約300種もの萬葉植物を植え込む日本で最も古い植物園で1932年(昭和7年)に開園しました。

約3ヘクタール(9000坪)もの規模にまで拡張された園内は、萬葉園・五穀の里・椿園・藤の園で構成されています。

中でも春日大社の社紋・シンボルともなっている日本古来の花、藤を植栽する藤の園が有名です。

住所

奈良市春日野町160

交通アクセス

JR大和路線・近鉄奈良線「奈良」駅より徒歩35分
バス利用の場合は、JR大和路線「奈良」駅から奈良交通バス・春日大社本殿行(約15分)「春日大社本殿」下車すぐ、または奈良交通バス・市内循環外回り(約12分)「春日大社表参道」下車徒歩約10分

公式サイト

春日大社 萬葉植物園

平等院鳳凰堂(京都)

平等院鳳凰堂と藤

京都府宇治市にある藤原氏ゆかりの平等院鳳凰堂でも、見事な藤棚を見ることができます。

例年ゴールデンウィークが近づくと、観音堂の横に設けられた藤棚いっぱいに約1万本の藤が咲き誇ります。

紫の優雅な花房は長さが1メートル以上に及び、芳しい香りを漂わせる花越しには国宝の鳳凰堂が臨めます。

気候の影響を受けやすいため開花不良に終わる年もありますが、藤の花は上方から咲き始めていくため見頃は長くて2週間ほど楽しめます。

藤棚自体の敷地は大きいですが、鳳凰堂と藤を重ねて見られる部分はほんの一画のみで人気の撮影スポットとなっています。

藤棚の周囲にはツツジも咲き、初夏らしい彩りが見られます。

平等院鳳凰堂の基本情報

平等院鳳凰堂は、平安時代後期の1053年に当時の関白・藤原頼通によって建立された阿弥陀堂です。

池の中に浮かぶように建てられており、建物全体が極楽浄土をイメージとしています。

屋根の上に据えられている鳳凰像が建物の正面から見た時に翼を広げた鳥のように見えることから、江戸時代以降に鳳凰堂と呼ばれるようになりました。

鳳凰堂は国宝に指定されており、10円玉の裏面にも描かれていることで有名です。

住所

京都府宇治市宇治蓮華116

交通アクセス

京阪電車宇治線「京阪宇治」駅より徒歩15分
JR奈良線「宇治」駅より徒歩15分

公式サイト

平等院鳳凰堂

あしかがフラワーパーク(栃木)

あしかがフラワーパークは樹齢約160年の大藤が有名で栃木県天然記念物に指定

あしかがフラワーパークは、600畳敷きの藤棚をもつ樹齢約160年の大藤が有名で栃木県天然記念物に指定されています。

他にも80メートルに及ぶ白藤のトンネルや、鮮やかな黄色が美しいきばな藤のトンネルなど350本以上の藤が咲き誇ります。

また昼間だけでなく日本夜景遺産にも認定された夜のライトアップも幻想的で、ビジュアル空間の藤を楽しむならあしかがフラワーパークでしょう。

園内の藤は4月中旬から5月中旬の約1ヶ月間にわたって、うす紅・紫・白・黄色の花色順で観賞が楽しめます。

あしかがフラワーパークの基本情報

あしかがフラワーパークは、8つの花の季節をテーマに季節感あふれる庭園を作り込んだ花のテーマパークで足利三名所の1つです。

およそ10万平方メートルある広さの園内に、それぞれのテーマに合わせて数百種の花木が季節を彩ります。

住所

栃木県足利市迫間町607

交通アクセス

JR両毛線「あしかがフラワーパーク」駅より徒歩3分

公式サイト

あしかがフラワーパーク

亀戸天神社(東京)

亀戸天神社の藤は朱色の太鼓橋とスカイツリーと一緒に

東京都内で藤を見るなら、亀戸天神でしょう。

境内に植えられている約15棚100株以上の藤が咲き誇ります。

風に揺れる藤の花と朱色の太鼓橋はシンボル的な景色で、橋の傍から東京スカイツリーも見えます。

日没後はライトアップも行われ、かすかな波に揺れて池の水面に写る花房が醸し出す幽玄の世界も粋な光景として親しまれています。

亀戸天神社の基本情報

亀戸天神社は学問の神様・菅原道真公を祀る神社で東京一の藤の名所

亀戸天神社は、学問の神様として知られる菅原道真公を祀る神社(天満宮)で受験生に人気のパワースポットです。

1662年に道真公の末裔である菅原大鳥居信祐公が、地形をはじめ社殿や楼門、心字池、太鼓橋などを九州・福岡の太宰府天満宮の社にならって造営しました。

花の天神様と呼ばれるほど四季折々に梅や藤・菊が咲き誇り、歌川広重の浮世絵「名所江戸百景」にも描かれた東京一の藤の名所です。

住所

東京都江東区亀戸3-6-1

交通アクセス

総武線「亀戸」駅北口より徒歩15分
総武線・メトロ半蔵門線「錦糸町」駅北口より徒歩15分

公式サイト

亀戸天神社

牛島の藤(埼玉)

牛島の藤(藤花園)の藤

牛島の藤は、敷地内にある藤花園で咲く樹齢1200余年の藤棚が有名です。

花房の長さは最高で2メートルにもなり、面積が700平方メートルある藤棚が3ヶ所あります。

大小色違いの藤のほか500余年の老松も植えられており、池の周りにはアヤメやツツジが咲きます。

見頃は例年4月中旬から5月上旬で、藤の花が咲く時期のわずか3週間しか開園されないため公式サイトなどで事前に開花情報などを確認してください。

年々開花が早まっているようで筆者が直近で2回目に訪れたのは4月28日でしたが、すでに見頃を過ぎていました。

そのため色褪せた藤で見苦しいですが、付近には鮮やかな色をした大きなツツジやオダマキも咲いていました。

1回目に初めて訪れた時は美しい藤紫の妖艶な雰囲気が漂い、しばし見惚れていたほど圧巻だったため写真が見つかり次第更新します。

牛島の藤(藤花園)のツツジ

牛島の藤(藤花園)の基本情報

牛島の藤は、広さ2万平方メートルにおよぶ景色の美しい庭園で春には樹齢1200年以上ともいわれる藤の古木が公開されます。

藤の栽培品種であるノダナガフジの原木であり、その総状花序の長さから栽培品種として九尺藤とも呼ばれています。

樹齢1200年以上の藤は貴重なことから国の特別天然記念物に指定され、牛島の藤以外に京都府福知山市にある「才ノ神の藤」が有名です。

住所

埼玉県春日部市牛島786

交通アクセス

東武野田線「藤の牛島」駅より徒歩10分

公式サイト

牛島の藤(藤花園)

和服の女性が象徴、藤の観光スポットまとめ

あしかがフラワーパークの藤

たおやかに垂れる藤の花姿は、振袖姿のあでやかな女性を彷彿とさせます。

日本では古くから藤を女性に松を男性に例え、これらを近くに植える習慣があったそうです。

藤は他の樹木に絡みながらつるを伸ばしていき、房状の花を穂のように咲かせることから長寿や子孫繁栄、豊作など縁起のよい花とされています。

ゴールデンウィーク前後にしか見られないこの機会に、藤の降り注ぐような妖艶な美に酔いしれてみてはいかがでしょうか。

掲載画像について

筆者撮影、使用カメラはCannon EOS 5D MarkⅡ・OLYMPUS PENなど

以下の記事では、春に咲く花・植物を観光スポット付きで紹介しています。

主役というほどではないけれど、なぜか目を惹く珍しい花の生態や特徴も解説していますので併せてお読みください。

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