山道や遊歩道を歩いて自然を巡る。
街中のおしゃれなショップや有名な老舗のお店で食べ歩きをする。
歴史ある寺院や神社、建築を回りながら御朱印を集める、など。
私たちが遠出や旅行、観光をする時には、さまざまな目的や目標があります。
どの目的でどういう目標があって外出や旅行をするとしても、「歩く」ことは絶対に欠かせない行動でしょう。
今回は、長時間歩くことに特化し、主な目的行動の意味から、それぞれに適した旅行靴・登山靴の特徴や機能、種類によるメリット・デメリットを紹介します。
また、さまざまな用途で使いやすいトレッキングシューズについて詳しく解説しますので、街歩きや山歩きのための靴を選ぶご参考になれば幸いです。
8月11日は山の日でもあり、この記事を読んでいただくことで、目的に応じた正しい旅行靴・登山靴を選ぶことができたら最後まで歩き疲れないですし、遠出や旅をより気持ちよく楽しめることでしょう。
\オシャレな人も愛用/
山歩きや街歩きに適した靴は?
山歩きや街歩きなど、さまざまな用途に応じて、旅行靴または登山靴を1足用意するなら、機能性の高いトレッキングシューズがおすすめです。
以前までのトレッキングシューズは、登山靴として扱われていましたが、疲れを軽減し、ケガなく安全に歩ける靴は、何も山だけで活躍するわけではありません。
近年では、登山だけではなくキャンプや釣りなどといったアウトドアブームが加わり、トレッキングシューズにもさまざまな工夫が取り入れられています。
アウトドアブランドやお馴染みのスポーツブランドから発売されているトレッキングシューズは、本格的な登山用のものだけでなく、観光地をめぐる街歩きや普段履きとして活用できるものまで多種多様です。
4つの歩く行動と専用靴の特徴
旅行靴・登山靴には、トレッキングシューズ以外にも種類があります。
例えば、旅行には普通のスニーカーに近いウォーキングシューズやハイキングシューズ、登山にはトレイルランニングシューズやアルパインシューズなどさまざまな種類があり、それぞれ用途に合ったものを選ぶことが重要です。
そこで、歩くことに特化して大きく分けられる「ウォーキング」「ハイキング」「トレッキング」「登山」という4つの行動について、それぞれの特徴や違いを、専用の靴とともに説明します。
ウォーキング
ウォーキングは、健康のために行うことが主な目的で、ゆっくりとリラックスしながらも適切な姿勢や速度で10分以上歩くなど、ある程度の目標を設定して歩くことです。
日常生活の歩きや散歩とは異なり、有酸素運動として脂肪をエネルギーとして燃焼しやすくしたり、生活習慣病の予防や改善に努めたりするなど、目的地や時間など目標を決めて習慣化することで体を健康にする効果があります。
ウォーキング専用のウォーキングシューズは、街中で特に舗装された道を歩くことを目的として設計されている靴です。
靴紐の横にファスナーがついているなど脱ぎ履きしやすい作りや、足の長さだけでなく足の幅にも合うような豊富なサイズ展開が特徴です。
ハイキング
ハイキングは、自然の風景や歴史的な景観など知らない土地を楽しむために、軽装で一定のコースや距離を歩くことをいいます。
小高い丘や山を越えたり、その麓を横切るといったコースもあり、歩きながら風景や自然を楽しんだり難所を避けたりする山歩きという意味ではトレッキングと似ている部分もあります。
しかし、歩くコースが山に限定されているわけではなく、整備された道を歩くことがほとんどのため、装備も比較的軽装であることが多いです。
ハイキング専用のハイキングシューズは、トレッキングシューズの分類に入っていることが多く、中でも比較的低い山や登山道が整備された山を登ることが主な目的です。
ソール(靴底)も柔らかい素材が多く、足首やくるぶしが見えるローカットが多いため、ウォーキングシューズの代わりとしても利用することができます。
トレッキング
トレッキングは、移動や旅行といった意味をもつ「Trek」が語源で、山登りのことを指します。
単純にいうと「山歩き」のことで、登頂を目指すことを目的とする「登山」に対し、トレッキングは特に山頂にはこだわらず山の中を歩くことが主な目的です。
ただし、行動の過程で山頂を通過することもあります。
山の中を散策して自然を楽しむことが中心なので、難所を登ることはほとんどないでしょう。
トレッキング専用のトレッキングシューズは、登山を目的とした設計がされていますが、目的によってさらに細かく分類されており、山歩きや街歩きに適したものもあります。
最も一般的なのは、ミッドカットで足首が固定されるものが多く、日帰り登山や登山の初心者にも向いています。
残念ながら、ウォーキングシューズの代わりにはできません。
登山
登山は、一般的に山頂を目指すことが目的で、冬の雪山登山も含め危険が伴います。
アイゼンやハーネス、ピッケルなどといった専用の装備を使って山頂を目指すクライミングのみを指し、トレッキングとは明確に区別しています。
専用となる登山靴は、トレッキングシューズの分類にも入りますが、本格的な登山に履く場合はマウンテンブーツという名前の靴になります。
マウンテンブーツはソールも固く、アイゼンなど取り付けができるように設計されているのが大きな特徴です。
また、アルパインブーツとも呼ばれ、高所や厳冬期の登山を想定してソールも硬く作られているため、小さな足場に立ち込みやすく、岩場など不安定な足場でも安定感があります。
これらの靴は、登山専門店に置いてあることがほどんとのため、あまり目にすることもありません。
当然ですが、ウォーキングにもハイキングにも適していないため、本格的な登山をする方以外はまず手にすることはないでしょう。
歩く行動まとめ
4つの歩く行動と専用靴の特徴や違いをわかりやすく説明すると、
ゆっくりとリラックスした徒歩で移動するのが「ウォーキング」、
山に限定せず軽装で気軽な散策ができるのが「ハイキング」、
道具を使わずに難所のない山を登ったり歩いたりするのが「トレッキング」、
専門道具を利用した本格的な山登りが「登山」、
ということになります。
トレイルランニングについて
トレイルランニングという言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。
トレイルランニングとは、山の中で行うマラソンをイメージしてもらうと分かりやすいと思いますが、専用の靴はまた別にあります。
山を走りながら登ったり下ったりするため、ソールも比較的柔らかくて走りやすいようにローカットになっているのが特徴です。
ソールはグリップ力が強いものが採用されていることが主で、ウォーキングシューズの代わりとして履いている方も多いです。
それぞれの行動に適した靴の主な違い
それぞれの行動に適した靴の全体的な違いとしては、ソールの硬さ(靴底)と足首の固定です。
次は、ウォーキングシューズとトレッキングシューズ(ハイキングシューズ含む)で比較してみましょう。
ソールの硬さ
ウォーキングシューズに比べると、トレッキングシューズのソール(靴底)には硬い素材が使われています。
ソールが硬い靴を履くことで、あまり整備が行き届いていない道でも歩きやすく疲れにくくできています。
特に岩場や足場の悪い道を歩く時は、ソールの硬い靴の方が足裏が痛くないので歩きやすくなります。
ウォーキングシューズでも、ランニングなどのスポーツ向けのスニーカーなどに比べるとある程度硬い素材が使われていますが、トレッキングシューズと比べると柔らかく作られています。
それは、歩く際にソールが曲がることで平坦な道を歩きやすくするためです。
つまり、コンクリートや土の整備された街中には向いていることになります。
もし足場の悪い道でウォーキングシューズを履いた場合は、長時間歩くことには向いていてもソールが曲がりやすいと足裏に刺激が入り疲れが溜まる原因にもなります。
もし足場の悪い道でウォーキングシューズを履いた場合は、長時間歩くことには向いていても、ソールが曲がりやすいと足裏に刺激が入り疲れが溜まる原因にもなります。
足首の固定
ウォーキングシューズは、基本的に高さが足首より下にあるローカットのタイプが多いです。
ローカットにすることによって足首が自由に動くため、舗装された道や平坦な道で歩きやすい設計になっています。
トレッキングシューズにもローカットの靴がありますが、多くは登山靴と同じくミッドカットやハイカットが採用されていることが多いです。
ミッドカットはくるぶしを覆うほどの高さがあり、ハイカットは足首全体を覆う高さになり、いずれも足首を固定するために採用されています。
登山など不安定な足場で歩くことが多い時は、足首を固定する靴の方が安定し、歩く時の足が靴の中でズレるのを防ぎます。
また、捻挫などケガの予防にもつながります。
また、ウォーキングシューズのように玄関で脱いだり履いたりを繰り返すことも少ないため、ミッドカットやハイカットでもストレスになることがありません。
ここからは、幅広い目的で歩くために一番使いやすいトレッキングシューズを中心に解説していきます。
トレッキングシューズとは?
トレッキングシューズは、登山やハイキング、キャンプなどでの使用を目的とした靴のことです。
雨水で濡れた登山道などでも滑りにくいようグリップ性を高めたものや、雨の侵入を防止する防水性の高いものを多くラインナップしています。
そのほかに、足場の悪い場所でも安定して歩けるように剛性を高めたものなど、種類はさまざまです。
メーカーや商品カテゴリによっては、タウンユースでの使用を視野に入れたものも展開しています。
トレッキングシューズの特徴や機能
トレッキングシューズは、基本的に軽登山向けのアイテムです。
土や木が中心となる山道、そして水平方向に長く歩くようなシーンを得意とする登山になります。
靴底のグリップ力
一般的なスニーカーと違い、トレッキングシューズの裏側が凹凸の多い形となっていることで強いグリップ力が働く特徴があり、足場が不安定な山道でも滑らずにしっかり歩くことができます。
土や泥がついたままになると、岩場などで滑り転倒してしまう恐れがあるため、登山道では靴底のグリップ力が重要です。
靴底の硬さ
トレッキングシューズのソール(靴底)は、ウォーキングシューズやハイキングシューズに比べるとかなり硬めに作られているため、登山の初心者にもおすすめです。
つま先が反り上がる形になっているため、ソールが柔らかいスニーカーなどに比べて長い時間歩いても疲れにくいことも特徴の1つです。
山によっては登山道が整備されているため、比較的登りやすい山が多いでしょう。
しかし、ほとんどの登山道はデコボコとした岩場や足場の不安定な場所を歩いたり、小さな場所に足をかけたりするなど、街中の行動と異なることはいうまでもありません。
そんな山道を、スニーカーのような靴底(ソール)の柔らかい靴や足を支えにくい靴で長時間歩くと疲れやすくなるため、ソールの硬さや丈夫さも重要となります。
防水性能
トレッキングシューズは天候の変化に対応できる防水性能が備わっているため、突然の雨に遭遇したり山道がぬかるんだりしても足をしっかり保護してくれます。
街の中であれば足元が濡れても行動できなくはありませんが、山の中では足元が濡れた状態のまま行動するのはリスクを伴います。
このように安全かつ快適に山道を歩くためには、最低限求められる特徴や性能があり、トレッキングシューズにはその機能が備わっています。
トレッキングシューズの種類と選び方
トレッキングシューズは、足首周りの高さによって大きく3つの種類に分かれています。
それぞれ特徴や使い方が異なるので、トレッキングやトレイルする道や山に合わせて選んでください。
ローカット
ローカットタイプのトレッキングシューズは、くるぶしが出るくらいの高さです。
足首の可動域が広く歩きやすいのが特徴で、市街地への外出時にも使えるタウンユースを視野に入れたモデルも豊富に揃っています。
スニーカーのような感覚で歩けるため、山道の中でも整備された場所や軽登山におすすめです。
その一方、足首が固定されないため、岩の多い道や足場の不安定な道では捻挫などのケガをしやすくなります。
また、靴の内部に石などの異物が入り込みやすい点もデメリットです。
コロンビアのセイバー5ミッド・ローカットタイプは、軽量で歩きやすく、山やハイキングから街中で散策まで対応するハイキングシューズです。
ミッドカット(ミドルカット)
ミッドカットタイプのトレッキングシューズは、くるぶしが少し隠れるくらいの高さがあります。
足首を適度に固定してくれるため、後に説明するハイカットタイプと比べて可動域が広く歩きやすいのが特徴です。
主に低山から中級登山、日帰り登山などに向いており、岩の多い道や足場の悪い道などケガのリスクを軽減できます。
幅広いシーンに対応できるため登山初心者にも向いており、商品選びに迷ったらミッドカットタイプのモデルを選ぶのもよいでしょう。
また、ミッドカットタイプの中でもハイキング向けに作られたトレッキングシューズもあります。
いわゆるタウンユースにも対応して展開されているメーカーや専門店もありますので、1回数泊の旅行で山歩きでも街歩きでも兼用できるトレッキングシューズを選ぶのもおすすめです。
コロンビアのセイバー5ミッド・ミッドカットタイプは、山歩きから普段使いもできるトレッキングシューズで、アウトドライという水の侵入を防ぎ、ドライな内部環境を維持する防水透湿機能がポイントです。
KEEN定番のピレニーズは、クラシカルなヨーロピアンデザインのハイキングシューズで、万人受けするフィット感と快適な履き心地を実現しています。
\オシャレな人も愛用/
ハイカット
ハイカットタイプのトレッキングシューズは、くるぶし全体が隠れるほどの高さがあります。
足首をしっかりと固定してくれるため、足のぐらつきを抑えることができるのが特徴です。
靴の内部に異物が侵入するのを防げる点もメリットですが、足首の可動域が狭く重量が比較的重いデメリットがあります。
荷物が多くなる縦走登山に履くのが基本ですが、標高が高く傾斜が急な道や足場の悪い道でも捻挫などのケガをするリスクを抑えてくれます。
ハイキングシューズとの違い
登山をメインにしたトレッキングシューズとは別に、先に少し説明したハイキングシューズと呼ばれる靴があります。
ハイキングシューズとは、トレッキングシューズ(登山靴)とスニーカーの中間くらいの性能を持った靴です。
そこでトレッキングシューズとの違いが気になるところですが、残念なことに明確な違いはありません。
強いていえば、国内でハイキングシューズと呼ばれる靴は、標高差が少ない短距離のコースを想定しているモデルが多いようです。
半日程度のコースで野山を歩く程度や整備された遊歩道なら、ハイキングシューズを検討してもいいでしょう。
繰り返しになりますが、一般的にトレッキングは景色を楽しみながら行う簡単な山歩きで、ハイキングは山に限定されない気軽な散策を指すことが多いです。
ハイキングシューズを選ぶ基準
ハイキングは難所や不整地に挑むことが少ないため、ハイキングシューズは長時間山道を歩くことを想定したトレッキングシューズよりも、ソール(靴底)が柔らかく重量も軽めに作られています。
足場が悪い岩場などを歩く本格的な登山には向きませんが、簡単なハイキングやタウンユースには最適です。
また、短時間でのハイキングには普段履いているようなスニーカーや運動靴を使っている方も多いかもしれません。
スニーカーは市街地のように整備された平坦な道を歩く目的のシューズのため、クッション性は劣ります。
ルート次第では問題なく使えるものの、場合によっては捻挫などのケガにつながることもあります。
日帰りで低山に登ったりハイキングコースを歩いたりする際は専用のハイキングシューズを用意しておくのがいいですが、個人的にはハイキングとしても幅広く活用できるトレッキングシューズがおすすめです。
トレッキングシューズに必要な登山用ソックス
トレッキングシューズを選ぶ時に、忘れてはいけないのが登山用ソックスです。
登山用のソックスは、長さや厚みがあり伸縮性が硬いことが主な特徴で、足首の固定や足裏の保護など意外と便利な機能があります。
単に丈が長い厚手のソックスであれば、何でもよいというわけではありません。
ソックスにもトレッキングやハイキングのために求められる機能があり、より快適な山歩きを行うためにもトレッキングシューズと合わせて一緒に選ぶのがおすすめです。
登山用ソックスの機能・メリット
擦れ防止
適度な厚みで足首周辺の擦れを防止する
クッション性
厚さによりクッション性が得られ、疲労軽減につながる
吸汗・速乾
汗による湿気がたまりにくいため、足裏がふやけにくくマメができにくい
抗菌防臭
メリノウールには天然の防臭効果があり、臭いが気になりにくい
保温性
適度な保温性で汗をかき過ぎず、汗冷え防止につながる
登山用ソックスのデメリット
登山用ソックスのデメリットはほとんどありませんが、強いていうなら脱ぎ履きしづらいことでしょうか。
トレッキングシューズと足の間をしっかり保護するため、厚みがあり足への密着度が高いです。
そのため、履きづらいことがありますが、足首を固定し靴との隙間をなくすことでケガの防止につながりますので覚えておきましょう。
また、トレッキングを終えた後は足がむくんでおり、ソックスには汗や湿気を吸い取ってくれる機能があるため、脱ぐのがたいへんなことがあります。
終わりに
山歩きや街歩きなど、さまざまな用途に適しているトレッキングシューズ。
歩くための専用靴は、目的によって適したものがあり、それぞれにバリエーションも豊富にあります。
かといって、ウォーキングシューズとハイキングシューズの両方が必要というわけではありません。
ハイキングシューズがあれば、ウォーキングにも使えます。
また、ハイキングシューズとトレッキングシューズも似ている部分が多いため、両方あればいいものでもなく、この場合はトレッキングシューズを選べばいいのです。
歩くといっても山だけでなく渓谷や渓流もあり、滝もあります。
同じ山歩きでも、岩が多いのか木の根が段になって続いているのか、整備されている遊歩道なのかなど、どういった特徴の山道なのかは直接見ないと想定できないことも多いです。
また、時には山を下りて、街中を散策することもあるでしょう。
そのため、山歩きでも街歩きでも対応できるトレッキングシューズを1足用意しておくことがおすすめです。
登山にも適した丈夫な材質のトレッキングシューズは、あらゆる場面で長く利用できるので、自分の足に合うお気に入りの1足を見つけてみてください。
以下の記事では、山の日ができた由来や、国民の祝日となった経緯などを紹介しています。
海の日と同様に、山の日にも山の恵みに感謝し、改めて自然の尊さを思い出させてくれる機会をつくって大切にしていきたいものです。
-
山の日ができた由来や日付の意味とは?日本三名山などを知って山歩きを楽しもう
2024/7/24