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海も望める鎌倉三大アジサイ寺とは?圧巻の紫陽花スポットで梅雨の沈む気分を吹き飛ばそう

2023年5月27日

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紫陽花(明月院ブルー)

ジメジメとした梅雨の時期、憂うつな気分に彩りを与えてくれる紫陽花(アジサイ)。
雨の日だからこその魅力を発揮するアジサイは、日本中で愛されています。

中でも特に、都内からも日帰りで訪れることができる鎌倉は、日本有数の紫陽花スポットとして人気があり、国内外から訪れる多くの観光客で賑わいます。

今回は、鎌倉にある数多くの紫陽花スポットの中から、特におすすめの場所を絞って紹介します。
「鎌倉三大アジサイ寺」とも呼ばれる明月院、成就院、長谷寺も取り上げていますのでご覧ください。

名月院(あじさい寺)

鎌倉の「あじさい寺」と呼ばれ、多くの人々に愛されている「明月院」。
アジサイの名所が数多くある鎌倉の中で、「鎌倉三大アジサイ寺」の1つとされているほど代表的な寺です。

名月院ブルー

明月院で見られるアジサイは、日本古来種の「ヒメアジサイ」でその数なんと約2500株あります。
他では見ることのない鮮やかで濃い青色に色づくことから、「明月院ブルー」という言葉も生まれるほど親しまれています。

境内の至るところで咲いている明月院の中で、撮影におすすめなポイントは山門下の参道沿いでしょう。
本堂に続く石段の両脇に美しい青色のヒメアジサイが咲いており、山下門に続く階段の下から見上げるように撮影すると、境内に導くかのように咲いているアジサイを収められます。

悟りの窓

そんな明月院のアジサイですが、中でも観光客から注目を集めているのは、本堂の「悟りの窓」です。
悟りの窓といえば、京都の「源光庵」が有名ですが、鎌倉の明月院でも見ることができます。

特徴はその形にこそありますが、円い形は禅の心と真理、そして宇宙までもを表しているとされています。
かなりの行列を覚悟しないといけませんが、その窓からは非公開の奥庭「後庭園」を望むことができ、季節によって色味が変化する景色は必見です。

後庭園は期間限定で公開している時期があります。
チャンスがあれば拝観料とは別料金で散策することも可能ですので、詳しくは公式サイトで確認してください。

月とうさぎ

質実剛健な他の禅寺とは一味も二味も異なる魅力がある名月院ですが、実際にうさぎが飼われているうさぎ小屋があります。
うさぎが月に住んでお餅をつくようになったという逸話が紹介されており、境内の至るところにうさぎの置物が点在していますので、ストーリーを想像してみるのも楽しいでしょう。
個人的には、うさぎとカメが並んで橋の向こうを眺めている姿に笑顔がこぼれたほどです。

明月院は、神奈川県鎌倉市山ノ内にある臨済宗建長寺派の寺院です。
平安時代後期に山内首藤経俊が建てた「明月庵」が始まりで、1160年(永暦元年)に平治の乱で戦死した父、山内首藤俊通を供養するために創建したとされています。

明月院(めいげついん)
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内189
交通アクセス:JR北鎌倉駅より徒歩10分
駐車場:なし
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名月院にきたら、北鎌倉駅の反対方向で徒歩圏にある建長寺や浄智寺によることもおすすめです。

建長寺

1253年に創建された「建長寺」は、鎌倉五山の第一位の歴史ある寺院です。
国宝の梵鐘、重要文化財の三門、仏殿、法堂が建ち並び、境内は国の史跡に指定されています。

建長寺では、広い境内のあちらこちらで趣のあるアジサイを楽しめます。
ヤマアジサイが少なく、逆にセイヨウアジサイに代表される「手毬型(テマリ)」のアジサイが多い印象で、鎌倉で有数のセイヨウアジサイの名所ともされているようです。

総門から徒歩15分ほど先にある半僧坊がおすすめで、さらに上ると展望台からの眺望も素晴らしいので、体力に自信のある人はいってみると良いでしょう。

建長寺
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内8
交通アクセス:JR北鎌倉駅より徒歩15分
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浄智寺

1281年ごろに創建された「浄智寺」は、ご本尊が木像三世仏坐像で県指定の重要文化財です。
阿弥陀・釈迦・弥勒の各如来は、それぞれ過去・現世・未来の三世に渡って人々の願いを聞き入れてくれる仏様といわれています。

石段、唐様の鐘楼門、茅葺の書院など自然と寂静に溶け込む禅寺で、境内は深い木々に囲まれており、風情ある石造りの階段などアジサイの花が彩りを添える季節は、一層美しく感じられます。

浄智寺に向かってくると、石橋とその奥に見える総門と呼ばれる門が見えてきて、その左側にガクアジサイが咲いています。
ガクアジサイと石橋の組み合わせが古都・鎌倉らしい景色に見えます。
総門をくぐり参道を進んだ先にある石段を上ると受付があり有料拝観エリアに入りますが、鐘楼門までは横から無料で見ることができます。
鐘楼門の手前にアジサイが少し咲いており、最初の石橋やお寺の建築物とアジサイの組み合わせが古都・鎌倉らしい景色に見えます。

浄智寺
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内1402
交通アクセス:JR北鎌倉駅より徒歩8分
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極楽寺

1259年に建立された真言律宗の「極楽寺」。
全盛期には金堂、講堂、十三重塔などの伽藍のほかに49の塔頭を備えた大寺院だったが、戦や火災、地震などにより今では山門と本堂を残すのみとなっています。

アジサイの数は多くありませんが、開創した僧行基が「極楽へゆく人の乗る紫の雲の色なるアジサイの花」と詠んだことにちなんでいるのか、ピンク寄りの紫が多い印象があります。
趣のある茅葺き屋根の渋い門構えとアジサイの組み合わせが和の風情があり、門前を走る江ノ電とアジサイの組み合わせも素敵です。

極楽寺(ごくらくじ)
住所:鎌倉市極楽寺3-6-7
交通アクセス:江ノ島電鉄「極楽寺」駅より徒歩2分
鎌倉観光公式ガイドで詳しく見る

成就院

鎌倉の長谷エリアであじさい寺といえば「成就院」も有名で、「鎌倉三大アジサイ寺」の1つともされています。
極楽寺に向かう山の上に位置するため、由比ヶ浜を背景にアジサイをたのしめる絶景スポットとして、6月には大勢の観光客でにぎわいます。

しかし、2015年以降は参道工事のため、以前のようなアジサイの絶景は見られなくなっています。
2017年時点で改修工事は完了しましたが、残念ながら2019年に創建800年を迎えたのを機に多くのアジサイが震災被害地の宮城県南三陸町に移植されました。
成就院参道には宮城県の花である萩が植えられ、以前の様な一面アジサイの絶景風景は見られませんが、アジサイは100株ほど残されているそうで見頃になると、由比ヶ浜を背景に美しい姿を確認することができます。

成就院の本尊は「縁結び不動明王」で恋愛成就の寺ともいわれるほど有名ですが、男女の縁のみならず仕事の縁や人間関係の縁にもご利益があるそうです。
煩悩の数と同じ108の階段を上った山頂からは由比ヶ浜が一望できます。
鎌倉で人気のパワースポットになっていますので、アジサイではなく縁結びを祈願するのに寄ってみるのもいいでしょう。

過去の記録になりますが、当時賑わっていたあじさいロードの写真を掲載します。
アジサイ越しに由比ヶ浜の雑踏が嘘のように静かに見える絶景スポットです。
参道の両側を埋め尽くす紫陽花は262株で、般若心経の文字と同じ数とされています。
かつての参道の景色が頭にあるとちょっと寂しいですが、東日本大震災の記憶を消さないための計らいですので、しっかり心に受け止めたいと思います。

成就院(じょうじゅいん)
住所:鎌倉市極楽寺1-1-5
交通アクセス:江ノ島電鉄「極楽寺」駅より徒歩3分
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極楽寺、成就院にいったら極楽寺駅に戻らず、長谷寺まで足を延ばすことをおすすめします。
極楽寺駅から長谷寺のある長谷駅までは、混雑する電車に乗らなくても徒歩で行ける距離で所要時間は約20分ほどです。

長谷寺(長谷観音)

数ある鎌倉の寺院の中でもアジサイで有名な「長谷寺」。
「鎌倉三大アジサイ寺」の1つともされ、明月院と肩を並べるほどの人気があります。
別名「花の御寺(みてら)」とも呼ばれており、一年を通じて美しい花々が絶えず咲き誇ります。

境内にある「あじさい路」(観音山あじさい路)はアジサイを見る順路が整っており、眺望散策路を上がっていくと色とりどりのアジサイとともに相模湾を一望できます。
相模湾の眺望と共に梅雨に映える40種類2500株を超えるアジサイが織り成すその風情は、鎌倉でも有数の景勝地といわれています。

眺望散策路の上段から真下を見下ろすと、敬蔵(輪蔵)を囲むように咲き誇るアジサイも見ごたえがあります。
また、あじさい路を下り、出口となる敬蔵からも見上げると観音山の裾野から広がる竹林とともに一面のアジサイも圧巻で、360度に広がる絶景は一番の撮影スポットともいえるでしょう。

鎌倉の海や街並みが望める見晴台の近くにはお食事処「海光庵」がありますので、ランチの時間に合わせて訪れるのもおすすめです。

今年、2023年はアジサイ路の密を回避するため、拝観券とは別に「あじさい入場券」(500円)が必要になります。
これはあじさい路が混雑しそうな場合に入園制限を設け、あじさい入場券にある番号順で案内される仕組みです。
また、事前のWEB販売も行われる予定で、日時指定の「長谷寺拝観・あじさい鑑賞セット券」を購入した方は、当日優先的にアジサイを鑑賞できます。

詳しくは、公式サイトを確認してください。
長谷寺のあじさい鑑賞について

筆者が訪れた時にもあじさい入場券があり無料だったのですが、当時から長谷寺のアジサイがいかに人気かわかりますね。
待ち時間がある場合に一度外へ出ることは可能です。
ただし17時前までに戻る必要があり、その時にあじさい入場券の番号が過ぎていればすぐにあじさい路へ入れます。

境内には長谷寺で命名されたアジサイ「かまくら」「長谷の潮騒」も咲いており、3ヶ所に良縁地蔵が置かれているのでぜひ一緒に探してみてください。
いかにも話しかけてくるような優しい微笑みには癒されます。

長谷寺
住所:神奈川県鎌倉市長谷3-11-2
アクセス:江ノ島電鉄長谷駅から徒歩約5分
駐車場:あり
公式サイトを見る
混雑状況もチェックできます

終わりに

鎌倉のアジサイが綺麗に開花する見頃時期は、例年6月上旬から7月上旬ごろです。
ただ気候や環境によって前後することもあるので、各スポットの公式サイトやSNSでチェックしておくと良いです。

鎌倉を巡るだけでも1日では回れないほど、名所がたくさんあります。

日帰りでも十分楽しめますが、筆者は2日間に分けていってきても足りないほどです。
紫陽花スポットに限らず、鎌倉の有名どころをとにかく堪能したい方は、近くでホテル・宿をとることをおすすめします。

鎌倉駅周辺の街並みや足を延ばせば江の島が望める由比ヶ浜、あの人気漫画「スラムダンク」にも登場する鎌倉高校前駅なども近くにありますので、計画的に梅雨の旅を楽しんでください。

雨が降る日にこそ映えるアジサイは、梅雨に沈みがちな気分を爽やかにしてくれます。

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