私たちが日常で飲むことも多い日本茶の製法の発祥地、京都・宇治。
宇治エリアの中でも150年以上にわたって、お茶の文化・伝統を守り続けている中村藤吉をご存知でしょうか。
茶葉の販売だけでなくデザートも手がけており、抹茶を使ったスイーツは何も和菓子だけではありません。
中村藤吉では、お茶を身近に感じてもらおうと洋菓子も販売提供しています。
今回はそんな中村藤吉の歴史に触れながら、お茶を使ったスイーツやギフトセットを紹介します。
お世話になった人への贈り物やちょっとした手土産、ふるさと納税の寄付先に迷っている人のご参考になれば幸いです。
中村藤吉について
中村藤吉は、1854年(安政元年)創業で日本を代表するお茶どころである京都・宇治に本店を構える茶商です。
茶がある文化の根底にある味わい、所作、気品などが成す精神や体験を、時代に合った形へと融合させ、豊かな時間の提供に努めています。
中村藤吉の歴史・年表
中村藤吉が一般に知られるようになったのは、2001年(平成13年)に甘味などが味わえるカフェをオープンしたことです。
明治・大正時代の製茶工場を建物の構造には手を加えず、柱や梁もそのまま残して現代風に改修した各種銘茶・甘味などが味わえるオープンテラスを設けた喫茶室で、地元民や観光客に好評を得ています。
1928年(昭和3年)
昭和天皇の即位に際し、御濃茶「千代昔」を献上する
1994年(平成6年)
平安建都1200年を記念し、当家秘伝の合組(ブレンド)茶の「中村茶」の販売を始める
1998年(平成10年)
ワッフルコーンに抹茶ソフトクリームを入れ、小豆と白玉をトッピングして食べる「うじきんソフト」と、抹茶の生チョコレート「ちゃこれーと」を販売開始
2001年(平成13年)
甘味などが味わえるオープンテラスを設けた喫茶室をオープン
2003年(平成16年)
現在好評中の「生茶ゼリイ・抹茶」を全国発送開始
2006年(平成18年)
世界遺産の平等院近くにある多くの文人や政財界の人たちに愛された旅館「菊屋萬碧楼」を改修、初代内閣総理大臣伊藤博文が命名した「迎鶴楼」の外観はそのままに内装のみをモダンに改装した、平等院店をオープン
2008年(平成20年)
スバコ・ジェイアール京都伊勢丹(3階)に、京都駅店をオープン
2009年(平成21年)
宇治の重要文化的景観に、中村藤吉本店・中村藤吉 平等院店(旧菊屋萬碧楼)が、明治期の茶商屋敷の代表的な建物群として選定される
2017年(平成29年)
東京・銀座にあるGINZA SIX(4階)に、銀座店オープン
本店敷地内にある大正時代の庭園が、京都府指定等文化財に指定される
※出典:中村藤吉公式サイト
文化的景観とは
文化的景観は、人々の生活や生業または自然風土の中で長年かけてかたち作られてきた風景を指し、すでにユネスコの世界遺産条約に導入されている世界的な価値基準です。
日本においても2004年の文化財保護法の改正に伴い、新たな文化財の種類に位置づけられ特に重要な景観地を「重要文化的景観」として文部科学大臣が選定する制度が整えられた、いわば風土の重要文化財です。
文化財や文化的景観については、下記記事もご参考ください。
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文化財の定義や種類は?国宝・重要文化財や史跡名勝天然記念物などの意味
2023/9/17
中村藤吉ロゴの意味
中村藤吉の店頭に掲げられているのれんや商品パッケージで用いられる円に十の「まると」マークは、創業当時「丸屋藤吉」の屋号を名乗っていた名残りです。
中村藤吉 公式サイト
中村藤吉の店舗展開
中村藤吉の店舗は、京都を中心に大阪駅や東京・銀座でも、カフェや物販を展開しています。
飲食スペース
飲食スペースのある店舗では、上品で繊細な香味をもつ日本茶とその魅力を余すところなく活かした上質なスイーツや食事がいただけます。
生茶ゼリイをはじめとする抹茶を使ったお菓子やお茶を取り入れたメニューを味わえるなど、現代の生活に寄り添ったお茶の楽しみ方を提案しています。
中でも一番人気のメニューは、「まるとパフェ」です。
詳しくは後述しますが、筆者もカフェを利用したことが何度かあり毎回「生茶ゼリイ」を注文します。
物販スペース
物販スペースでは、さまざまな日本茶をはじめ生茶ゼリイ・生ちゃこれーと・フィナンシェなど、抹茶やほうじ茶を使ったスイーツも揃えています。
詳しくは後述しますが、贈り物として購入することも可能です。
本店では体験メニューも
京都・宇治にある中村藤吉本店は、明治期の茶商の姿を色濃く残す建物で宇治市の重要文化的景観に選定されています。
また敷地内には瑞松庵(ずいしょうあん)と呼ばれる茶室があり、挽き茶体験ができます。
実際に石臼を使って茶葉を挽き、それらを集めて抹茶をたてるという完全予約制の体験メニュー(所要時間約90分・有料)で特に海外からの観光客に人気です。
挽き茶体験の後は草履に履き替え、風情ある茶室へと向かう一連の流れは、日本ならではの体験として、また自分でたてた濃茶を飲むという貴重な機会です。
ただし新型コロナウィルス感染症の影響で開催を中止していた期間もあるため、開催状況や日程は公式サイトで確認してください。
筆者は京都観光の最後に中村藤吉のカフェ店舗を利用したことが何度かありますが、本店は店の前まで行列が続くほど混雑で人気のため、機会があればゆっくりと訪れてみたいものです。
中村藤吉本店へのアクセス
住所 | 〒611-0021 京都府宇治市宇治壱番十番地 |
交通アクセス | ・JR宇治駅より徒歩約1分 ・京阪宇治駅より徒歩約10分 |
中村藤吉で味わうお茶・スイーツ
京都のお茶専門店は数えきれないほど多く、辻利や都路里などお茶を使ったスイーツを食べ歩きましたが、最終的に抹茶のスイーツを手軽に堪能するなら中村藤吉です。
筆者の個人的な体験・感想になりますが、中村藤吉での食事やギフトでのレビューを紹介します。
日本茶に対する概念が変わる
お茶そのものを好まない筆者ですが、中村藤吉のカフェで最初に出される中村茶をひと口ふくんでみたあの時の衝撃は忘れられません。
渋みがまったくなくほんのりとした甘みで、最後の一滴まで飲み干せるほど飲みやすい味でした。
時にほうじ茶が出てきたこともあるため、時期や店舗によって出される日本茶は変わります。
日本茶にはこだわらない、自ら進んでお茶を飲まないような人は、一度中村茶を飲んでみるとこれまでの概念を覆すかもしれません。
またお世話になった年配の人に中村茶のティーバッグを含めたギフトを贈ると、必ずお茶がとても美味しかったという言葉をいただきます。
飲食でいただく生茶ゼリイは格別
筆者はカフェを利用する時に毎回決まって、生茶ゼリイのセットを注文します。
器にたっぷり盛った人気スイーツの生茶ゼリイに、甘さ控えめの小倉餡とモチッとした白玉、抹茶アイスや甘栗までトッピングが一緒についてくるため、さまざまな食感を味わえます。
そして冷たいスイーツを食べ終えた後に、温かい中村茶をいただくホッとした空間がなんともいえません。
写真ではクッキーですが、一緒に添えられるお菓子はチョコレートの時もあります。
店舗によってメニュー名や内容が少し異なりますが、飲食にきたらぜひ食べてほしい1品で、物販スペースには小倉餡と白玉が一緒に入ったカップ型の生茶ゼリイも販売されています。
抹茶とのセットもおすすめ
飲食では生茶ゼリイのセットが定番かつ人気ですが、あまりいく機会がない中村藤吉へせっかくきたなら抹茶も味わえるセットメニューもおすすめです。
当然割高になりますが、甘くて冷たい生茶ゼリイとトッピングで身体が冷えた後にいただく抹茶の苦みがホッとさせてくれます。
また、脇にちょこんと添えられたお茶菓子の羊羹がまた調和よくミックスしていて格別に美味しいです。
手土産には抹茶の洋菓子
中村藤吉ではバウムクーヘンやフィナンシェのほか、サンドクッキー、カステラなど洋菓子商品も取り揃えています。
同僚への手土産や友人へのギフトには、抹茶やほうじ茶を用いた洋菓子の詰め合わせがおすすめです。
1つずつ個包装になっており賞味期限も比較的長いため、休日や夜などのおやつにも食べやすいサイズになっています。
自宅以外でもお茶が飲めるティーバッグの詰め合わせもありますのでチェックしてみてください。
お茶を用いた和洋折衷のギフト
中村藤吉の物販スペースでは、贈り物としてラッピングの対応もしています。
人気なのは生茶ゼリイ
ぷるんとした食感の生茶ゼリイは、まるでお茶そのものを食べているかのような美味しさで断トツの人気です。
写真は飲食で出される生茶ゼリイですが、プラスチック製のカップに生茶ゼリイがたっぷり、その片隅に甘さ控えめの小倉餡とモチッとした白玉が一緒にのっています。
筆者がカフェでの会計後に物販スペースを見ていると、たいていの人が生茶ゼリイを購入していきます。
若い世代には洋菓子
抹茶スイーツというと、お饅頭や最中、羊羹のイメージがありますが、中村藤吉では生茶ゼリイ以外にバウムクーヘンやフィナンシェ、サンドクッキーなど洋菓子商品も取り入れています。
これが若者世代に好評で、飲食スペースで順番待ちをしているほとんどが若い人たちなのもうなずけます。
幅広い世代に、抹茶を身近に感じてほしい中村藤吉の工夫でしょう。
カフェでパフェやゼリーを食べたら、違うスイーツをお土産に買いたいという購買行動の心理がよくわかります。
中年・高齢世代には日本茶
中年・高齢世代には中村茶をはじめとする日本茶の詰め合わせや、和洋菓子をセットにしたギフトがおすすめです。
筆者も定年退職を迎えた上司や仕事などでお世話になった年配の人には、日本茶のティーバッグと洋菓子を一緒に詰め合わせたギフトを選んでいます。
看板商品である中村茶はじめ、玉露や煎茶、グリーンティーの組み合わせもでき、お茶と一緒に味わえるため毎回贈るたびにおいしかったと感想をいただきます。
オンラインでは商品一覧の通りですが、店舗ではこれをデフォルトとして別商品に変えたり商品数を増やしたりしてカスタマイズが可能です。
写真の商品は店頭に陳列されていた見本品ですが、洋菓子を3点から5点に増やすなど夫婦で召し上がっていただけるようにしました。
好みの種類や数もカスタマイズ可能
中村藤吉では、茶葉をはじめティーバッグや複数の洋菓子を詰め合わせたギフトセットが販売されています。
シンプルでおしゃれなギフト用のケースも大小2サイズあり、好みの洋菓子を組み合わせてカスタマイズもできるので店員さんに相談してみてください。
筆者も手土産にフィナンシェのマルトベイクが5種類だったため、もう1つのスペースにサンドクッキーを添えました。
中村藤吉でふるさと納税も展開
中村藤吉では、京都府宇治市のふるさと納税における返礼品も用意しています。
人気の中村茶ティーバッグをはじめ、マルトベイクというフィナンシェや茶Colateのサンドクッキーなど幅広い返礼品を展開していますので、詳しくは公式サイトを確認してください。
中村藤吉の返礼品は、楽天市場の楽天ふるさと納税のほかふるさとチョイスやふるなびでも寄付できます。
今年もふるさと納税を検討している人は、1つの選択肢として中村藤吉を検討してはいかがでしょうか。
ふるさと納税で寄付することで返ってくる返礼品が、中村藤吉の抹茶スイーツとはお得感たっぷりです。
\抹茶やほうじ茶スイーツを返礼品に/
ふるさと納税とは
ふるさと納税は、全国各地の応援したい地域や自治体に寄付ができる仕組みです。
その地域に貢献することで、寄付の返礼品として地域の特産物などがもらえて、税の控除が受けられる制度です。
中村藤吉の店舗
中村藤吉の店舗は、京都を中心に9店舗を構えています。
近くに店舗がない場合は、オンラインストアもありますのでチェックしてみてください。
直営店舗
店舗名 | 住所 |
---|---|
本店 | 京都府宇治市宇治壱番十番地 |
平等院店 | 京都府宇治市宇治蓮華5-1 |
京都駅店 | 京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 JR京都伊勢丹レストラン街 |
JR京都伊勢丹店 | 京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 JR京都伊勢丹 B1F |
大丸京都店 | 京都市下京区四条通高倉西入立売西町79番地 大丸京都店 B1F |
四条店 | 京都府京都市下京区四条通寺町東入二丁目御旅町35 京都髙島屋S.C. 3F |
大阪店 | 大阪府大阪市北区角田町8-7 阪急うめだ本店B1F |
銀座店 | 東京都中央区銀座6丁目10-1 GINZASIX 4F |
麻布台店 | 東京都港区虎ノ門5丁目 麻布台ヒルズガーデンプラザB B1F |
公式オンラインストア
https://tokichi.jp/collections
日本茶のギフトなら中村藤吉まとめ
抹茶やほうじ茶を使った専門店によるスイーツやカフェは、数えきれないほど全国的に広がりを見せています。
そんな中でも中村藤吉にしか見られないことは何かというと、商品数の多さでしょう。
他の抹茶スイーツのカフェも利用したことのある筆者ですが、ほとんどの抹茶専門店では茶葉をはじめ饅頭や羊羹などといった和菓子が多い印象です。
パフェといった洋のスイーツもあれば、あんみつや本格抹茶といった和のスイーツも堪能できます。
近くに店舗がない場合はオンラインストアやふるさと納税で洋菓子を取り寄せることも可能ですので、自分へのご褒美に一度試食してみてはいかがでしょうか。
以下の記事では、日本茶の1つである紅茶専門店のマリアージュフレールについて紹介しています。
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2024/11/29