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三箇の悪日とは?大禍日・狼籍日・滅門日の意味と吉凶、やってはいけないことや過ごし方

2024年9月7日

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三箇の悪日を構成する大禍日・狼籍日・滅門日それぞれの意味と縁起とは?やってよいこと・やってはいけないことも表付きで解説

大禍日・狼籍日・滅門日を総称する三箇の悪日。

三箇の悪日は、万事に用いてはならない日とされ、とくに仏事については大凶とされています。

三神(貧窮・飢渇・障碍)と三毒(貪欲・瞋恚・愚痴)を表し、 江戸時代に強く信じられていた暦注です。

今回は、暦注の中でも凶日の1つとされる三箇の悪日について解説します。

大禍日・狼籍日・滅門日それぞれの意味や縁起・吉凶・過ごし方も紹介しますので、物事を行う時の日取りでご参考になれば幸いです。

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三箇の悪日とは

三箇の悪日は万事に用いてはならない日で特に仏事は大凶

三箇の悪日(さんがのあくにち)は暦注の1つで、大禍日・狼藉日・滅門日の3つを総称した凶日です。

万事に用いるべからずという言葉がある通り万事に用いてはならない日とされ、とくに仏事と葬儀については大凶とされています。

三箇とは「貧窮・飢渇・障碍」の三神と「貪欲・愚痴・瞋恚(しんい=怒りや憎しみなどの感情)」の三毒を表し、万事に用いてはならないとされ、とくに仏法でこれを忌むとしています。

三箇の悪日は暦注下段と呼ばれる現在ではあまり見かけなくなった暦注の1つですが、江戸時代には強く信じられていました。

暦注は暦に記載される日時や方位などの吉凶・運勢などを表す注釈のことです。

暦注については、下記記事をご参考ください。

三箇の悪日の決め方

大禍日・狼藉日・滅門日はそれぞれ生まれ年の十二支によって異なる

三箇の悪日は、「悪日」とある通り凶日で、大禍日・狼藉日・滅門日の3つある凶日の総称です。

陰陽道と十干十二支にまつわる暦注で、大禍日・狼籍日・滅門日ともに生まれ年の十二支(干支)によって凶となる日も項目も異なります。

二十四節気の節切り(節月)が忌月となり、大禍日・狼籍日・滅門日それぞれに凶日となる月が割り当てられる仕組みです。

節切りは例えば1月なら立春から啓蟄の前日までというように、節気から次の節気の前日までの間を1ヶ月とする月の区切り方で節月ともいい、毎年日にちは変わります。

忌月というのは、忌日のある月、心身を忌み慎むべき月のことです。

次項からは、大禍日・狼籍日・滅門日それぞれの意味や縁起(吉凶)、凶日にあたる日を説明していきます。

大禍日

大禍日は大きな禍(災い)が起こる日で3つの中で大凶悪日

大禍日(たいかにち)はその名前通り、大きな禍(災い)が起こる日という意味で3つある中で最も凶とされる大凶悪日です。

大禍日の意味と縁起・吉凶

大禍日は、万事にわたって大きな禍(災い)があるとされる大凶日です。

この日に始めた新しいことは後に争いを招くとされているため、行事・イベントなどは避けたほうがよいとされています。

万事に大悪日とされ、とくに凶事となるのが旅行や船旅のほか家の修理や門戸を建てるといった建築、冠婚葬祭や法事などの仏事です。

また口舌(口論)や失言により人間関係での争いが生じやすいとされ、この日に他人を訪問すると口に災いが生じるともいわれています。

大禍日にあたる日

大禍日は陰陽道と関係しているとされ、生まれた年の十二支(干支)によって異なります。

正月の亥の日、二月の午の日、三月の丑の日など二十四節気の節切りと、生まれ年の十二支(干支)で配置されます。

ただし生まれ年の十二支に関係なく、特定の十二支の日が大禍日になるという説もあります。

例えば寅年生まれの人は、忌み月が1月で亥の日のみが大禍日になります。

また寅年生まれと関係なく、1月は亥の日・2月は午の日が大禍日になることがあるのです。

生まれ年忌み月大禍日
寅年生まれ1月亥の日
卯年生まれ2月午の日
辰年生まれ3月丑の日
巳年生まれ4月申の日
午年生まれ5月卯の日
未年生まれ6月戌の日
申年生まれ7月巳の日
酉年生まれ8月子の日
戌年生まれ9月未の日
亥年生まれ10月寅の日
子年生まれ11月酉の日
丑年生まれ12月辰の日

狼籍日

狼籍日は乱暴狼藉という言葉がある通り何をするにも失敗に終わる凶日

狼籍日(ろうしゃくにち)は、「乱暴狼藉」という言葉がある通りあらゆる物事において凶であるという意味です。

狼籍日の意味と縁起・吉凶

狼籍日は、万事においてこの日に始めたことや行動を起こしたことは何をするにも失敗に終わる凶日です。

狼藉という言葉は中国の「滑稽列伝」に由来し、もとはオオカミが寝床にした草が乱れる様子から物事が散らかっている・乱れているという意味からきています。

つまり、狼藉日は物事が散らかり失敗につながりやすい日というわけです。

とくに法律・規則・道徳・倫理などに反した行動はすべて失敗するとされ、すべてにおいて慎みつつ規則や道徳に沿って過ごせば問題ありません。

ただし、仏事・葬式については大禍日と同じく凶です。

狼籍日にあたる日

狼藉日は生まれた年の十二支(干支)によって異なり、二十四節気の節切りと生まれ年の十二支で決まります。

ただし生まれ年の十二支に関係なく、特定の十二支の日が狼藉日になるという説もあります。

例えば寅年生まれの人は、忌み月が1月で子の日のみが狼藉日です。

また寅年生まれと関係なく、1月は子の日・2月は卯の日が狼藉日になるということもあります。

生まれ年忌み月狼藉日
寅年生まれ1月子の日
卯年生まれ2月卯の日
辰年生まれ3月午の日
巳年生まれ4月酉の日
午年生まれ5月子の日
未年生まれ6月卯の日
申年生まれ7月午の日
酉年生まれ8月酉の日
戌年生まれ9月子の日
亥年生まれ10月卯の日
子年生まれ11月午の日
丑年生まれ12月酉の日

滅門日

滅門日は一家・一門を滅ぼすという意味で、家門に関する不吉な物事が起こりやすい凶日

滅門日(めつもんにち)は、「滅門」の漢字が示す通り一家一門みな滅ぶという意味で家門に関する不吉な物事が起こりやすいです。

滅門日の意味と縁起・吉凶

滅門日に規則や道徳などに反した行動をとると、一家・一門を滅ぼすといわれているほど恐ろしい凶日です。

この日は慎みつつも法律や倫理・道徳に沿って過ごせば、何事も問題が起きない日ともいえます。

また家族や家庭に災難が起こりやすいともいえるため、入籍や結婚式、引越し、マイホームの購入などは控えたほうがよいです。

また他の凶日と同じく、葬儀などの仏事は凶となります。

滅門日にあたる日

滅門日は二十四節気の節切りと生まれ年の十二支で決まるため、生まれた年の干支によって異なります。

ただし生まれ年の十二支に関係なく、特定の十二支の日が滅門日になるという説もあります。

例えば寅年生まれの人は、忌み月が1月で巳の日のみが滅門日です。

また寅年生まれと関係なく、1月は巳の日・2月は子の日が滅門日になるということもあります。

生まれ年忌み月滅門日
寅年生まれ1月巳の日
卯年生まれ2月子の日
辰年生まれ3月未の日
巳年生まれ4月寅の日
午年生まれ5月酉の日
未年生まれ6月辰の日
申年生まれ7月亥の日
酉年生まれ8月午の日
戌年生まれ9月丑の日
亥年生まれ10月申の日
子年生まれ11月卯の日
丑年生まれ12月戌の日

三箇の悪日の過ごし方

三箇の悪日は万時において凶とされるため何をやってもうまくいかない可能性が高い

三箇の悪日は万事において凶とされている通り、大禍日・狼藉日・滅門日共通でやってよいことはありません。

逆にやってはいけないこと・避けたほうがよいことは、入籍や結婚式、引越し、旅行といった新しい門出・スタートに関連する行動です。

とくに仏事については、大禍日・狼藉日・滅門日ともに大凶とされています。

三箇の悪日凶の程度凶とされる行動
大禍日三箇の悪日の中で大凶日とくに新しい事柄
狼藉日万事において失敗する凶日とくに人生の門出
滅門日一家・一門を滅ぼす凶日とくに大きな行事や決断

大禍日にやってはいけないこと・過ごし方

大禍日は、三箇の悪日の中でもとくに縁起が悪いとされています。

新しく始めることは口論や争いが起こりやすく、入籍はじめ契約や引越しも避けたほうが無難です。

この日は新しい挑戦を控え静かに過ごすのが最適で、不吉なことやトラブルを避けるためにも慎重な行動が望ましいでしょう。

狼藉日にやってはいけないこと・過ごし方

狼藉日は、何をしても失敗しやすい凶日とされています。

そのため、この日にやってはいけないことは引越しやローン契約、買い物などです。

とくに結婚は人生の新たなスタートとして大きなイベントであり、結婚生活に影響を及ぼす可能性があります。

滅門日にやってはいけないこと・過ごし方

滅門日は、一家や一門に不幸をもたらす可能性があると考えられる凶日です。

住居など重要な契約やビジネスのほか、高価な買い物・ローンは控えたほうがいいとされています。

慎重に行動することが望ましいとされ、大きな決断や行動は避けたほうがよいです。

三箇の悪日の過ごし方まとめ

三箇の悪日は大禍日・狼藉日・滅門日共通で万時において凶とされる

とはいいながら大禍日・狼藉日・滅門日の3つある凶日に入籍や引越し、契約をするかどうかは個々の価値観や相互の都合・状況により異なります。

また大禍日・狼藉日・滅門日ともに生まれ年に関係する凶日は年間で2~3日間、生まれ年に関係のない凶日は年間で30日前後と少なめです。

暦注や吉凶を気にする人はもちろん、そうでない人もあなたにとって最善の選択をするためにこれらの情報は参考程度にしてください。

三箇の悪日の配当早見表

三箇の悪日は大禍日・狼藉日・滅門日それぞれ生まれ年の十二支によって決められる

三箇の悪日は凶日ですが、実は生まれ年の十二支によって決められています

生まれ年(干支)における忌み月と大禍日・狼藉日・滅門日にあたる日を表にまとめましたので参考にしてください。

生まれ年忌み月大禍日狼藉日滅門日
寅年生まれ1月亥の日子の日巳の日
卯年生まれ2月午の日卯の日子の日
辰年生まれ3月丑の日午の日未の日
巳年生まれ4月申の日酉の日寅の日
午年生まれ5月卯の日子の日酉の日
未年生まれ6月戌の日卯の日辰の日
申年生まれ7月巳の日午の日亥の日
酉年生まれ8月子の日酉の日午の日
戌年生まれ9月未の日子の日丑の日
亥年生まれ10月寅の日卯の日申の日
子年生まれ11月酉の日午の日卯の日
丑年生まれ12月辰の日酉の日戌の日

三箇の悪日は毎月この凶日が発生するのではなく、自分が生まれた干支に該当する凶日だけが対象になります。

例えば寅年生まれの人は1月が凶日の対象となり、加えて亥の日が大禍日、子の日が狼藉日、巳の日が滅門日という考え方です。

頻度でいうと、大禍日・狼藉日・滅門日ともに生まれ年に関係する忌み月(凶日)が年間で2~3日間生まれ年とは関係のない悪日が年間で30日前後が目安となります。

三箇の悪日まとめ

三箇の悪日はあくまで凶日にあたる1つ、自分の意思や判断に従って行動することが重要

凶日が一粒万倍日や天赦日などの吉日と重なった場合、どちらが優先されるかといえば暦注では基本的に悪いほうが優先されるといわれています。

昔に比べれば暦注下段を気にする人は減っており、現代では大安や仏滅、友引といった六曜のほうを基準にする人が多いです。

例えば友引に葬式を行うと常識がないという怒りの言葉が飛んでくるかもしれませんが、大禍日・狼籍日・滅門日にあたる日に葬式を挙げることに対して批判する人はいないでしょう。

吉凶を活用する時は、だいたいが自分のモチベーションを上げたりやる気をアップさせたりすることです。

三箇の悪日はあくまで暦注の中でも凶日にあたる1つと捉えて、縁起やゲン担ぎにこだわらなければ自分の意思や判断に従って行動することが重要だと考えますがいかがでしょうか。

以下の記事では、三箇の悪日とは逆で七箇の善日という7つの縁起のよい日で構成された吉日について解説しています。

7つの吉日それぞれの意味や過ごし方、今年の日をカレンダー式で記載していますので併せてお読みください。

また、同じ暦注の中で最も凶日とされる受死日について下記記事で紹介しています。

受死日はどんな日でやってはいけないことは何か、受死日に次ぐ凶日とされる十死日についても解説していますのでご参考ください。

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