知る 歳時記・暦

日本でのさまざまな月の名前、海外における満月の呼び名それぞれの意味・由来

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1日あるいは1ヶ月・1年・数年と、その都度姿や形を変える月。

月にはその時の環境やタイミングによって、それぞれに趣のある呼び名・名前がつけられています。

日本では三日月や満月など満ち欠けによる呼び名とは別に、朧月や薄月など季節や天候などによってつけられる名前があります。

また、世界共通でストロベリームーンやブルームーンなど由来や意味があって名づけられた満月の呼び名があり、あなたもご存知の名前があるでしょう。

今回は、日本における月の呼び名・名前とそれぞれの意味について解説します。

また海外でつけられた月の呼び名や由来も紹介しますので、夜空に浮かぶ月の姿形や変化を楽しむきっかけになれば幸いです。

月の種類

月には満ち欠けによって名づけられた名称だけではない

月には満ち欠けによって名称があるほか、季節や天候などによって名づけられた月の呼び名があります。

  • 月齢(月の満ち欠け)
  • 十五夜(月見)
  • 季節による月の呼び名
  • 天候による月の呼び名
  • 時間による月の呼び名
  • 見え方による月の呼び名
  • 和風月名

次項からは、月の呼び名を種類別に紹介していきます。

月齢(月の満ち欠け)

月齢は月の満ち欠けを知るための目安になる数字・図解

月齢(げつれい)は、月の満ち欠けを知るための目安になる数字です。

新月になった瞬間を0(ゼロ)として、翌日が1、翌々日が2と1日に1ずつ数値を増やし新月から何日経過したか月の状態を見る、いわば月の年齢です。

月齢の数値から、例えば月齢が7か8は上弦の月、15前後なら満月、22か23であれば下弦の月、30に近い数値なら次の新月が近いという状態を知ることができます。

月齢月の呼び名(読み)
月齢0新月(しんげつ)
月齢1二日月(ふつかづき)
月齢2三日月(みかづき)
月齢7~8上弦の月(じょうげんのつき)
月齢13十三夜月(じゅうさんやづき)
月齢14小望月(こもちづき)
月齢15満月(まんげつ)
月齢16十六夜月(いざよいづき)
月齢17立待月(たちまちづき)
月齢18居待月(いまちづき)
月齢19寝待月(ねまちづき)
月齢20更待月(ふけまちづき)
月齢22~23下弦の月(かげんのつき)
月齢26二十六夜月(いざよいづき)
月齢28~29三十日月(みそかづき)

月齢と月の満ち欠けにおける仕組みや見え方については、下記記事を併せてお読みください。

十五夜(月見)

十五夜は、1年のうちで最も美しいとされている中秋の名月を鑑賞する行事で月見団子などを供える

十五夜(じゅうごや)は、1年のうちで最も美しいとされている中秋の名月を鑑賞する行事です。

もともとは中国で行われていた月見の風習が、平安時代に日本へ伝わり秋の収穫物を供えて実りをお祝いする風習が広まりました。

また日本には、十五夜とは別に十三夜(じゅうさんや)という習わしがあり、十五夜から1ヶ月後にあたる旧暦の9月13日から14日の夜を指します。

十五夜や中秋の名月については、下記記事をご参考ください。

他にもある日本での月の呼び名

日本には、古くから季節や見え方などに応じて月を呼び分けてきました。

朧月といえば、歌などで聞き覚えがあるでしょう。

季節や天候、時間、見え方による日本での月での呼び名をいくつか紹介します。

季節による月の呼び名・名前

朧月はかすかに霞んだ月
呼び名(読み)意味・見え方
春月(しゅんげつ)春の月
夏月(かげつ)夏の月
秋月(しゅうげつ)秋の月
冬月(とうげつ)冬の月
朧月(おぼろづき)かすかに霞んだ月、春の季語として使われる
寒月(かんげつ)冷たく冴えて見える月、冬の季語として使われる

天候による月の呼び名・名前

薄月は薄い雲のかかった月
呼び名(読み)意味・見え方
雨月(うげつ)雨で月がはっきり見えないこと
無月(むげつ)空が曇って月が見えないこと
薄月(うすづき)薄い雲のかかった月

時間による月の呼び名・名前

黄昏月は黄昏どきに見える月
呼び名(読み)意味・見え方
夕月(ゆうづき)夕方、夕刻に見られる月
黄昏月(たそがれづき)黄昏どきに見える月
残月(ざんげつ)
有明の月
朝行く月
夜明けにまだ残っている月

見え方による月の呼び名・名前

青月は青白く輝く月
呼び名(読み)意味・見え方
孤月(こげつ)もの寂しげに見える月
淡月(たんげつ)光の淡い、薄く霞んだ月
青月(せいげつ)青白く輝く月
明月(めいげつ)
朗月(ろうげつ)
皓月(こうげつ)
素月(そげつ)
清く澄み渡る月

和風月名

和風月名1月から12月までの12ヶ月に割り当てられた名前

夜空に浮かぶ月とは関係ありませんが、1月を睦月(むつき)、2月を如月(きさらぎ)というように旧暦の時に使われていた月ごとの名前があります。

この12ヶ月ある月の名前を、和風月名と呼びます。

1月から12月までの12ヶ月に割り当てられた和風月名は、以下の通りです。

旧暦の月和風月名
1月睦月(むつき)
2月如月(きさらぎ)
3月弥生(やよい)
4月卯月(うづき)
5月皐月(さつき)
6月水無月(みなづき)
7月文月(ふみづき)
8月葉月(はづき)
9月長月(ながつき)
10月神無月(かんなづき
11月霜月(しもつき)
12月師走(しわす)

和風月名については、下記記事で解説していますのでご参考ください。

海外における月の呼び名

海外で特に英語圏でもさまざまな月の呼び名があり、聞いたことのある名前があるかもしれません。

各月ごとに異なる呼び名は、アメリカの先住民族が古くから季節ごとにつけていたことに由来しています。

他にも希少な月の名前もあり、その例をいくつか紹介します。

ピンクムーン(Pink Moon)

ピンクムーンはアメリカ先住民による4月の満月を指す

ピンクムーンは、4月の満月を指す名前です。

シバザクラ(芝桜)のような鮮やかなピンク色の花が咲く頃を意味し、月の色合いを指す名前ではありませんので注意しましょう。

ストロベリームーン(Strawberry Moon)

ストロベリームーンは、6月の満月を指します。

この時期がイチゴの収穫時期にあたり、豊富に実ることから由来しています。

ハーベストムーン(Harvest Moon)

ハーベストムーンは、9月の満月として知られています。

収穫の季節が始まる時期と重なることに由来し、夜空で非常に明るく見えます。

ハンターズムーン(Hunter's Moon)

ハンターズムーンは、10月の満月を指します。

狩猟のシーズンがピークに達することから名づけられ、狩猟に適した明るい月明かりを提供するそうです。

アメリカ先住民による満月の名前早見表

アメリカ先住民によってつけられた各月の満月を表す呼び名・名前を、1つの例として表にしましたので参考にしてください。

満月
の月
アメリカ先住民
による名称
由来・意味
1月
ウルフムーン
(Wolf Moon)
真冬に飢えたオオカミの遠吠えが聞こえる時期
2月
スノームーン
(Snow Moon)
最も激しい雪が降る時期
3月
ワームムーン
(Worm Moon)
凍った地表も溶け始めミミズなどの虫が這う時期
4月
ピンクムーン
(Pink Moon)
シバザクラが野原一面に桃色の絨毯を広げる時期
5月
フラワームーン
(Flower Moon)
ほとんどの地域であらゆる花々が咲き誇る時期
6月
ストロベリームーン
(Strawberry Moon)
イチゴの収穫が行われる時期
7月
バックムーン
(Buck Moon)
雄シカの角が生え替わる時期
8月
スタージョンムーン
(Sturgeon Moon)
チョウザメ漁が行われ豊漁になる時期
9月
ハーベストムーン
(Harvest Moon)
収穫の季節が始まる時期
10月
ハンターズムーン
(Hunter's Moon)
冬に向けて狩猟が始まる時期
11月
ビーバームーン
(Beaver Moon)
ビーバーを捕らえる罠を仕掛ける時期
12月
コールドムーン
(Cold Moon)
寒さは厳しくなり夜は最も長く暗くなる時期

世界共通で呼ばれる満月の名前

世界共通で呼ばれている満月にも呼び名があり、スーパームーンなど聞いたことのある方も多いでしょう。

数年に1度しか見られない希少な月で、その満月の名前とそれぞれの意味を一部紹介します。

ブルームーン(Blue Moon)

ブルームーンは同じ月に満月が2回きた時に2回目に見られる満月

ブルームーンは、一般的な月の呼び名ではなく特別な状況を指す言葉です。

かといって青い色の月を想像しそうですが青に見えるわけでもなく、ピンクムーンのように特定の月で満月になる名前でもありません。

満月は通常でいうと1ヶ月に1度とされていますが、稀に同じ月に満月が2回くることがあります。

この2回目に見られる満月をブルームーンと呼び、希少で特別な出来事とされています。

月は平均で約29.5日のサイクルで満ち欠けを繰り返すため、平均しても30.4日ある1ヶ月の中で満月を2回も見られるのは珍しい現象なのです。

ブルームーンは約2年半に1度の割合で目にすることができ、直近では2024年8月20日でした。

スーパームーン(Super Moon)

スーパームーンは地球の周りを公転する月が地球に最も接近した状態の満月

スーパームーンは地球から見た時に一番大きい満月とされますが、一般的には楕円軌道を描きながら地球の周りを公転する月が地球に最も接近した状態の満月として知られています。

ただこの呼び名はアメリカの占星術家が提唱したもので、はっきりとした定義はないそうです。

スーパームーンはおよそ1年に1回のペースで地球に最接近し、次に観測できるのは2024年10月17日といわれています。

マイクロムーン(Micro Moon)

マイクロムーンは、巨大な満月が浮かぶスーパームーンに対して一番小さな満月を指します。

1年の中で月と地球の距離が最も遠く離れた満月で、直近では2024年2月24日に観測されました。

ブラッドムーン(Blood Moon)

ブラッドムーンは黒が入り混じったような赤っぽい色に見える満月

ブラッドムーンは皆既月食の時に発生する現象で、赤銅色と呼ばれる黒が入り混じったような赤っぽい色に見える満月のことを指します。

皆既月食は太陽・地球・月の順番で一直線になって並び、月に届くはずの太陽の光が地球によって遮られてしまうことで起こります。

この時に地球を包む大気がレンズの働きをし、屈折した太陽光がわずかに本影へと入り込むため月は真っ暗にならないのです。

数年に1度しか見られないため、天体の神秘を感じられる貴重な瞬間でしょう。

ブラッドムーンは皆既月食の時に発生する現象

月につけられた名前まとめ

月は見え方の違いだけでなくその時の環境やタイミングによって見られる貴重な瞬間

いつが満月でどういう時が朧月なのか、月の満ち欠けだけでなく季節や天候などによってつけられた月の呼び名もあります。

それは見え方の違いだけでなく、その時々の環境やタイミングによって見られる貴重な瞬間です。

他に海外で用いられる満月の名前もあり、古くからその時期の行事や出来事によって月の動きや見え方を把握していたことがいえます。

最初に生まれた太陰暦は、月の満ち欠けに基づいて定められていた暦法です。

カレンダーや時計がなかった時代は、月の動きや満ち欠けによって季節や時刻などを把握していました。

現在では地域や文化によってさまざまな呼び方がありますが、月は人間の生活とは切り離せないツールの1つだったことを思うと、1日1日あるいは年に数回でも月を見て楽しむのもいいですね。

以下の記事では、月の動きに基づいていた太陰暦と月と太陽の動きを兼ねた太陰太陽暦(旧暦)、太陽の動きを基にした太陽暦(新暦)については下記記事で紹介しています。

旧暦と新暦の違いを知っておくと、7月の七夕や8月のお盆などが一部の地域では1ヶ月のずれがある理由がわかりますのでご参考ください。

また1日1日で姿を変える月の満ち欠けを数値化した月齢について、下記記事で紹介しています。

月の満ち欠けによって一部に呼び名があり、月齢とともに解説していますので併せてお読みください。

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