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チョコレートによる健康効果とは?摂取することのメリットやデメリット・注意点

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チョコレートの摂取による健康や美容効果とは?栄養成分からわかるメリットやデメリット・注意点

子どもから大人まで幅広い世代で人気の菓子、チョコレート。

チョコレートは嗜好品としてだけではなく、近年では健康や美容にも効果が期待できると注目されています。

最近の研究結果によりチョコレートやココアに含まれるカカオポリフェノールが、活性酸素を抑える働きがあり生活習慣病に有効であるとの報告もありました。

今回はチョコレートの種類や特徴を交えながら、摂取することのメリット・効能、その効果を活かすチョコレートの選び方や食べ方を紹介します。

しかしチョコレートを食べることで逆効果となるデメリットもあり、摂取する上での注意点も解説します。

最後の方にはチョコレートを健康的に食べて楽しめる商品も紹介しますので、心身ともに健やかなおやつタイムを過ごすご参考になれば幸いです。

チョコレートの原料における分類

チョコレートには原材料やカカオ豆由来の成分量による違いがあり、ダーク・ミルク・ホワイトの3つに分類

チョコレートには原材料やカカオ豆由来の成分量による違いがあり、大きく3つに分類されます。

  • ダークチョコレート
  • ミルクチョコレート
  • ホワイトチョコレート

ダークチョコレート(ビターチョコレート)

ダークチョコレートは、数ある種類の中で最も苦味と渋みの強いチョコレートです。

シンプルな成分配合でカカオと砂糖のみで作られており、一般的にカカオ濃度が40%以上含むチョコレートのことを指します。

ビターチョコレートやブラックチョコレートも厳密な定義はないものの同じ種類で、乳製品(ミルク)を含まないカカオマスが40~60%のチョコレートのことをいいます。

他にダークチョコレートの分類として高カカオチョコレートと呼ばれる種類があり、詳しくは後述しますがカカオ濃度70%以上が目安です。

ミルクチョコレート

ミルクチョコレートは、原料に乳製品を使用した一般的なチョコレートです。

ただしチョコレート類の表示に関する規約があり、ミルクチョコレートの表記ができるのはカカオ分が21%以上・乳固形分が14%以上と定義されています。

ハイミルクチョコレートやスイートチョコレートという名称でも乳成分を含むチョコレートはミルクチョコレートと同じ分類です。

ホワイトチョコレート

ホワイトチョコレートは、他のチョコレートと異なり白色をしていることが特徴です。

ダークチョコレートやミルクチョコレートなどブラウン系のチョコレートにはカカオマスやココアパウダーの茶色が強く出ているのに対し、ホワイトチョコレートは乳白色のココアバターを主な原料として使用しています。

ココアバターもカカオ豆由来の成分であるため、ホワイトチョコレートもチョコレートの一種です。

高カカオチョコレートについて

ダークチョコレートには高カカオチョコレート、ハイカカオチョコレートというより健康志向の種類がある

チョコレート製品のパッケージに、70・86・99といった数字の表記を見たことのある方も多いでしょう。

これらは高カカオチョコレートと呼ばれるダークチョコレートの分類で、カカオ含有率が70%・86%・99%という意味です。

一般的なチョコレートは、カカオ含有率が30~50%程度で砂糖やミルクなどを配合することで甘さを調節しています。

それに対して高カカオチョコレートは、はっきりとした定義はないものの健康や美容への効果をより得られるようにカカオ豆の割合が70%以上とされることから、ハイカカオチョコレートとも呼ばれています。

チョコレートの種類別比較

ダーク・ミルク・ホワイトチョコレートの原材料と副材料の違いは、以下の通りです。

種類原材料副材料
ダークチョコレートカカオマス+ココアバター砂糖
ミルクチョコレートカカオマス+ココアバター砂糖+乳製品
ホワイトチョコレートココアバター砂糖+乳製品
※各種ともにレシチンや香料も含む

カカオマスやココアバターなどチョコレートの各材料については、下記記事をご参考ください。

チョコレートの成分特徴・効能

チョコレートにはカカオポリフェノールはじめ、良質なタンパク質、食物繊維などさまざまな栄養素を含む

チョコレートにはカカオポリフェノールはじめ、食物繊維や鉄分などさまざまな栄養素が含まれています。

これらの成分により肌トラブルや便秘の改善、貧血対策、高血圧・動脈硬化予防などさまざまな効果があります。

チョコレートの栄養成分表

ミルクチョコレート100gあたりの栄養成分は、以下の通りです。

  • エネルギー 550kcal
  • 水分 0.5g
  • たんぱく質 6.9g
  • 脂質 34.1g
  • 炭水化物 55.8g
  • 食塩相当量 0.2g
  • 飽和脂肪酸 19.88g
  • n-3系脂肪酸 0.09g
  • n-6系脂肪酸 0.99g
  • 糖質 51.9g
  • 食物繊維 3.9g
  • ビタミンA 66µg
  • ビタミンD 1µg
  • ビタミンE 0.7mg
  • ビタミンK 6µg
  • ビタミンB1 0.19mg
  • ビタミンB2 0.41mg
  • ナイアシン 1.2mg
  • ビタミンB6 0.11mg
  • ビタミンB12 データなし
  • 葉酸 18µg
  • パントテン酸 1.56mg
  • ビオチン 7.6µg
  • ビタミンC 0mg
  • ナトリウム 64mg
  • カリウム 440mg
  • カルシウム 240mg
  • マグネシウム 74mg
  • リン 240mg
  • 鉄 2.4mg
  • 亜鉛 1.6mg
  • 銅 0.55mg
  • マンガン 0.41mg
  • ヨウ素 19µg
  • セレン 6µg
  • クロム 24µg
  • モリブデン 11µg
  • 灰分 1.8g

主原料のカカオ豆に含まれる主な成分

主原料のカカオ豆に含まれる栄養成分に注目

上記で紹介した栄養成分表では細かいため、チョコレートの主原料であるカカオ豆に含まれる主な成分を挙げると以下の通りです。

  • カカオポリフェノール
  • カカオプロテイン(タンパク質)
  • テオブロミン
  • 食物繊維
  • 鉄分(ミネラル類)
  • 脂質
  • 糖質
  • アミノ酸
  • 炭水化物
  • ビタミン

この成分のうち最も注目すべきなのは、カカオポリフェノールです。

チョコレートは主原料であるカカオ豆を丸ごと使われているため、ポリフェノールが豊富に含まれています。

次項からはカカオポリフェノールをはじめ、注目すべき成分8つの特徴や効能を説明していきます。

カカオポリフェノール

ポリフェノールは、植物由来の渋みや苦みをもつ成分のことです。

ポリフェノールといえば赤ワインやリンゴなどが挙げられますが、チョコレートの原料であるカカオ豆にもカカオポリフェノールという成分が豊富に含まれています。

とくに高カカオチョコレートに含まれるカカオポリフェノールの量は、100gあたりで840mgと非常に含有量が高いです。

比較参考としてポリフェノールを多く含むといわれるリンゴは220mg、赤ワインは180mgのため、高カカオチョコレートに含まれるカカオポリフェノールが植物性食品の中で最も多く含まれていることがわかります。

種類ポリフェノール量
高カカオチョコレート840mg
リンゴ220mg
赤ワイン180mg
明治の板チョコレートはミルクとダークで含まれるカカオポリフェノール量に倍の差がある

ちなみに明治の定番である板チョコレート(1枚50g)に含まれるカカオ分は全体の35~40%で、ミルクチョコレートとダークチョコレートに分類されるブラックチョコレートに含まれるカカオポリフェノールの量は以下の通りです。

商品名(1枚50g)カカオポリフェノール量カカオ分
ミルクチョコレート343mg全体の35~40%
ブラックチョコレート639mg全体の35~40%
出典:明治チョコレートの商品パッケージ

こうして見ると赤ワインやリンゴなどに比べて、一般的なチョコレートの方がポリフェノールを効果的に摂れることがわかります。

カカオポリフェノール量は、カカオに含まれるポリフェノール類の総量です。

カカオ分とは、カカオマスやココアバター、ココアパウダーなどカカオ由来の原料を合算したものです。

なお、ホワイトチョコレートはココアバターを主原料にしているため、カカオ由来の成分を含んでいるもののカカオポリフェノールは含まれていません。

ココアバターについては、下記記事をご参考ください。

カカオプロテイン

カカオプロテインは、チョコレートに含まれる良質なタンパク質です。

難消化性という性質をもつことから、摂取した後は通常のタンパク質のように小腸で消化吸収されず大腸までそのまま届きます。

大腸に届いたカカオプロテインは、便のかさ増しをしてくれるため便通改善に効果があります。

プロテインという名称がつくことから筋肉の増強につながると思われがちですが、カカオプロテインの主な効能は整腸作用です。

残ったタンパク質は腸内細菌の餌となり、ビフィズス菌や乳酸菌と同じく腸内で善玉菌を増やしてくれるため腸の働きを整えてくれます。

テオブロミン

テオブロミンは興奮作用とともに覚醒効果やリラックス効果が期待できる

チョコレートに含まれるテオブロミンはカフェインに似た物質で、ミルクチョコレートは1gあたり1.0~2.0mg程度、ダークチョコレートは4.5~9.0mgと含有量は多いです。

つまりチョコレートに使われているカカオが多いほどテオブロミンの量も多くなり危険度も増します。

テオブロミンは脳や呼吸器、心臓、筋肉に対して興奮作用をもつことから、覚醒効果やリラックス効果が期待できるといわれており自律神経を整える働きもあります。

ただしテオブロミンはカフェインに近い覚醒作用があるため、妊娠中の人や不眠症の人は摂取量を控える必要があります。

食物繊維(リグニン)

チョコレートは糖質や脂質が多いイメージがありますが、食物繊維の一種であるリグニンが多く含まれています。

食物繊維はあまり消化されにくい成分ですが、腸のぜん動運動を活発にする効果があるため便通改善に役立ち腸内環境の改善に効果的です。

腸内環境が改善されると肌荒れなど皮膚のトラブルにおける改善にもつながりやすいため、チョコレートを摂取することで肌の健康にもよい効果をもたらします。

鉄分

チョコレートは鉄分も多く貧血予防にも

チョコレートには鉄・亜鉛・銅といったミネラル類が多く含まれており、中でも鉄を多く含んでいます。

鉄分は体内に流れる血液を作るのに必要な成分のため、とくに鉄分が不足しがちな女性にとっては適量を摂取することで貧血対策に効果的です。

鉄分を多く含む食品にはレバーをはじめ、赤身肉や赤身魚などの動物性食品が多いですが、毎日食べるのは難しいためチョコレートなら手軽に鉄分の補給ができます。

日頃からめまいや立ちくらみ、倦怠感といった症状に悩まされている人は、鉄分不足を疑ってチョコレートを毎日少しずつ摂ってみてください。

脂質

チョコレートに含まれる成分の大半は脂質と糖質です。

とくにダークチョコレート(ビターチョコレート)はミルクチョコレートよりも脂質の成分が多いため、効果的に脂質を取ることができます。

脂質は日々のエネルギーにもなり肌の水分保持にも効果があるといわれていますが、摂取しすぎると肥満や肌荒れにつながってしまうため必要が必要です。

糖質

チョコレートの糖質はエネルギーに変わり、脳の働きを活性化させてくれます。

しかし一般的なミルクチョコレートの糖質は100gあたり58~60gと高めで、食べる種類と量に気をつけないと体重増加を招きやすくなるため注意が必要です。

一方で高カカオチョコレートは比較的糖質が控えめで、血糖値の上昇を抑える効果があります。

とはいえ、おやつとして食べるのに推奨される糖質量は1日で10g程度ですので適量を心がけましょう。

アミノ酸

チョコレートには必須アミノ酸の1つ、トリプトファンが含まれています。

トリプトファンはセロトニンの原料となるため、チョコレートを食べることによってセロトニンを助け、ストレスの軽減や心の安定をもたらします。

ギャバ(GABA)という名称を聞いたことのある人もいるでしょう。

チョコレートの原料であるカカオにはγ-アミノ酪酸(通称:GABA)というアミノ酸の一種を含んでおり、脳がリラックスして不安やストレスを軽減する作用があることがわかっています。

チョコを食べることのメリット・効果

チョコレートは嗜好としてだけでなく健康や美容にもメリット・効果がある

近年では嗜好品としてだけでなく健康や美容にも効果が期待できることで注目を集めるチョコレートですが、チョコレートを摂取することで具体的にはどんなメリットがあるのでしょうか。

チョコレートには代表的なカカオポリフェノールをはじめ食物繊維や鉄分など健康によいとされる成分が豊富に含まれています。

これらの栄養成分により肌トラブルや老化防止、便秘改善、貧血予防などさまざまな効果が期待できるため、積極的に取り入れたい食品です。

ここでは、チョコレートを食べることで得られる効果・効能を紹介します。

  • 高血圧など生活習慣病の予防・改善
  • アレルギーの予防・軽減
  • 便通改善・整腸作用
  • ダイエット
  • 肌悩み改善・老化防止
  • 疲労回復・ストレス軽減
  • 貧血予防

高血圧など生活習慣病の予防・改善

チョコレートには高血圧や動脈硬化などといった生活習慣病にも有効

チョコレートに含まれるカカオポリフェノールは、体をサビさせない優れた抗酸化作用があるため、高血圧や動脈硬化などといった生活習慣病の予防に有効です。

カカオポリフェノールは小腸で吸収され、血管の内部に入って血管を広げる働きをするため、血圧の上昇を抑える効果が望めると考えられています。

もし血管の内部に炎症が生じている場合は血管が狭くなり赤血球が通り抜けにくくなっている状態のため、カカオポリフェノールの作用により炎症が軽減され血管が広くなる効果もあるようです。

他にもコレステロールの酸化を防ぎ血液をサラサラにするため、動脈硬化の予防も期待できます。

また脳卒中や心臓病のリスクを軽減するなど、さまざまな健康効果が期待されています。

アレルギーの予防・軽減

チョコレートに含まれるカカオポリフェノールの抗酸化作用で花粉症などのアレルギーの予防や緩和効果も

チョコレートに含まれるカカオポリフェノールの抗酸化作用により、花粉症などのアレルギー症状を緩和する効果が期待されています。

便通改善・整腸作用

チョコレートは食物繊維のリグニンとタンパク質のカカオプロテインにより便通改善・整腸作用もある

チョコレートの原料であるカカオには、不溶性食物繊維のリグニンと難消化性タンパク質のカカオプロテインが含まれています。

リグニンとカカオプロテインの2つは通常の食物繊維とタンパク質とは違い、消化されずに腸にたどり着く特徴があることから便秘を解消してくれます。

リグニンは腸内で水分を吸収し便を柔らかくして便量を増やし、腸にたまった不要な老廃物を体外へ排出する働きがあります。

また通常の食物繊維と同じように善玉菌を増やす作用もあるため、腸内環境を整えてくれます。

カカオプロテインは人間の消化酵素では分解しにくいタンパク質であり、摂取しても胃や小腸で消化吸収されずそのまま大腸に届き、腸内細菌のエサとなり善玉菌を増やすため腸内環境が改善されるのです。

つまり、リグニンとカカオプロテインという腸内環境改善に適した成分を2つも含んでいるチョコレートは腸活に向いていることになります。

ダイエット

チョコレートのカカオポリフェノールや食物繊維など作用・効果でダイエットにも適している

チョコレートに含まれるカカオは、脂肪の蓄積を抑制し血糖値上昇も抑えてくれる働きがあるためダイエットに適した食品です。

血行を促進する働きがあるため、むくみを防止してくれる効果が期待できます。

また前述の便秘改善に通じますが、食物繊維が豊富で消化吸収されずに大腸へ届くタンパク質の性質から便通を改善することで肥満防止に役立ちます。

肌トラブル改善・老化防止

チョコレートのカカオポリフェノールは、老化要因と名なる活性酸素の働きを抑えながら内外の老化や肌トラブルを防ぐ

体内へ吸い込んだ酸素のうち、一部は酸化して活性酸素に変化します。

この活性酸素は、肌荒れのほかシミ・シワ・たるみなどといった肌トラブルの原因になることがあります。

チョコレートに多く含まれるカカオポリフェノールは、活性酸素の働きを抑えながら内外の老化への進行を防ぐ抗酸化作用があるため、肌悩みを改善し皮膚の老化防止にも期待できます。

さらにカカオポリフェノールを多く含む食品を摂取することで、皮膚内の水分量の低下を防いだり紫外線による肌の炎症を抑えたりするという報告もあります。

疲労回復・ストレス軽減

カカオ豆に含まれるカカオポリフェノールやテオブロミンで交感神経と副交感神経のバランスを調整するセロトニンを増加させ自律神経を整える

チョコレートの代表的な栄養成分であるカカオポリフェノールは体内の酸化を抑える抗酸化作用をもつため、疲労回復につながり精神の安定やリラックスを促します。

またチョコレートのカカオに含まれるテオブロミンには、交感神経と副交感神経のバランスを調整するセロトニンを増加させ自律神経を整える作用があるため、1日の終わりのリラックスしたい時間に食べると心を落ち着かせてくれる効果があります

とくにGABA入りのチョコレートを食べることで、イライラしている時でもリラックス効果や疲労回復といった効果も得られるためおすすめです。

貧血予防

チョコレートに含まれる鉄などのミネラル類は貧血予防にも

貧血とは、鉄分不足などによって引き起こされる症状です。

全身の倦怠感、めまい、立ちくらみ、動悸や息切れ、頭痛、耳鳴り、集中力の低下といった症状が現れます。

チョコレートに含まれる鉄などのミネラルやビタミンEなどの成分は、貧血予防に効果があるとされているため、貧血予防にも期待ができます。

他にもあるチョコの健康サポート

チョコレートに含まれるカカオポリフェノールやフラボノイドには老化や酸化を防ぐ抗酸化作用があるため、脳の老化を遅らせる効果があると考えられています。

またチョコレートには気分を高揚させるセロトニンやエンドルフィンの分泌を促す働きもあり、適量のチョコレートを上手に取り入れることで認知機能の向上や心理的なストレス軽減が期待できるのです

セロトニンは抗うつ成分として気分を調整する働きがあり、不足すると気分が落ち込みやすくなります。

チョコレートに含まれる必須アミノ酸のトリプトファンは、セロトニンの原料となるためチョコレートを食べることでセロトニンが生成され、精神の安定につながります。

チョコを食べることのデメリット・注意点

美容にも効果があるチョコレートでも一歩間違えると逆効果になるデメリットや注意点も

さまさまな栄養素を含み健康にも美容にも効果があるチョコレートですが、一歩間違えると逆効果になるデメリットもあります。

ここでは、チョコレートを摂取するにあたって注意点を紹介します。

ポリフェノールの摂り過ぎに注意

チョコレートに含まれるポリフェノールには、活性酸素を取り除き動脈硬化や高血圧予防のほか老化防止にもつながる抗酸化作用があります。

近年ではがん予防やストレス緩和の効果も確認されていますが、ポリフェノールはいくらでも摂ってよいわけではありません。

1日の摂取目安量は一般的に1000mg~1500mg程度が推奨されています。

ポリフェノールには鉄分の吸収を妨げる作用があり、食べ過ぎると貧血を引き起こす可能性があります。

ポリフェノールはチョコレート以外にも赤ワインやコーヒー、緑茶といった飲料にも多く含まれているため過剰摂取には気をつけてください。

糖分や脂質の過剰摂取に注意

カカオポリフェノールや糖分・脂質の過剰摂取は貧血の悪化や肥満の要因に

チョコレートは、適度な摂取量であれば健康に有益であると考えられています。

太りにくい食べ物とはいえ、多くの菓子メーカーが提供販売しているチョコレート製品は糖分と脂質が多くカロリーも高いです。

いくらカカオの含有量が多い高カカオチョコレートがダイエットに向いているといっても、普通のチョコレートより脂質も多く含んでいます。

カカオの含有量が多いほど脂質も多い傾向にあるため、摂取カロリーも高くなりがちです。

チョコレートの食べ過ぎは当然肥満の原因になり、体重の増加や代謝を妨げる弊害を引き起こす可能性があり逆に不健康につながる恐れもあります。

体重増加だけでなく動脈硬化や糖尿病のリスクにもなります。

厚生労働省によると、間食による摂取カロリーは成人の場合で1日に200kcal以内が目安です。

太らないためには、この目安を超えるカロリー量を摂取することは控えてください。

妊娠中の人や不眠症の人

チョコレートに含まれるカフェインに似た物質テオブロミンは覚醒効果やリラックス効果がある一方、胎児の発育不良や興奮作用があるため妊婦や不眠症に注意

前述の通り、チョコレートにはテオブロミンというカフェインに似た物質を含んでおり、一般的なチョコレートより高カカオチョコレートのほうが含有量も多いです。

テオブロミンはカフェインに近い覚醒効果やリラックス効果が期待できるといわれており自律神経を整える働きもあります。

カフェインの摂り過ぎは、胎児の発育不良につながる可能性があるため妊娠中は摂取量に気をつけてください。

またコーヒーや緑茶にも含まれているカフェインには興奮作用もあるため、不眠症の人は1日の摂取量に注意が必要です。

カカオポリフェノール量と脂質を確認

前述の通り、チョコレートといっても種類によってカカオの含有率は異なります。

基本的にミルクチョコレート・ダークチョコレート(ビターチョコレート)・高カカオチョコレートの順でカカオの割合が多くなりますが、メーカーや商品シリーズによってカカオの割合はさまざまです。

前述でも紹介した通り、明治の板チョコレートに含まれるカカオポリフェノール量はミルクチョコレートが343mg、ブラックチョコレートが639mgとほぼ倍の差があります。

また写真は森永製菓のカレ・ド・ショコラですが、左のカカオ70%に含まれるカカオポリフェノール量106mg、右のカカオ88%は150mgです。

ただし、カカオポリフェノール量が多いほど脂質は大きくなります。

明治と森永製菓の同じシリーズ商品の栄養成分表を掲載しますので、糖質や食物繊維も含めて参考にしてください。

明治の板チョコレート栄養成分表

栄養成分(1枚50g)ミルクチョコレートブラックチョコレート
エネルギー283kcal288kcal
タンパク質3.8g3.3g
脂質18.4g19.7g
炭水化物26.7g26.1g
-糖質24.5g22.8g
-食物繊維2.2g3.3g
食塩相当量0.065g0.013g
カカオポリフェノール343mg639mg
出典:明治の板チョコレート商品パッケージ
明治のブラックチョコレートとミルクチョコレートに含まれるカカオポリフェノール量の差は倍にも

森永製菓のカレ・ド・ショコラ栄養成分表

栄養成分(1枚4.8g)カカオ70%カカオ88%
エネルギー27kcal28kcal
タンパク質0.4g0.6g
脂質1.9g2.2g
炭水化物2.3g1.8g
-糖質1.8g1.0g
-食物繊維0.5g0.8g
食塩相当量0.0007g0.0007g
カカオポリフェノール106mg150mg
出典:森永製菓のカレ・ド・ショコラ商品パッケージ

明治のブラックチョコレートには森永製菓のカレ・ド・ショコラと同じく1枚約5gの大容量パックサイズがあるため、同じ容量のチョコレート1枚を比較したカカオポリフェノール量などは以下の通りです。

栄養成分(1枚約5g)明治のブラックチョコ森永製菓のカカオ70%
カカオポリフェノール59mg106mg
脂質1.83g1.9g
糖質2.12g1.8g
食物繊維0.30g0.5g
出典:各商品パッケージ

繰り返しになりますが、同じダークチョコレートの分類でもメーカーや商品、カカオの含有率によってカカオポリフェノール量は異なります。

カカオポリフェノール量が多いほど糖質は少なく食物繊維は多いですが、その分脂質が高くなります。

そのため健康を目的にチョコレートを食べる場合は、基本的にダークチョコレートの中でもカカオの割合が多いものを選びましょう。

同時に脂質量にも気をつけながら適量の摂取を心がけてください。

なお、ホワイトチョコレートにはカカオ成分が含まれていませんので注意してください。

チョコレートの効果的な食べ方

チョコレートを食べるタイミングや効果とは?

チョコレートは食事前に食べるといいといわれていますが、その理由をご存知でしょうか。

ここではチョコレートを摂取するタイミングや効果について解説します。

朝の目覚め時や朝食前に

朝、目覚めると同時に健康に気を遣う人ならコップ1杯分の水を飲む人も多いと思いますが、少量のチョコレートを食べることでカカオポリフェノールによる血行促進やテオブロミンによる覚醒作用ですっきり目覚めることができます。

とくにカカオ量の多い高カカオチョコレートには苦み成分のテオブロミンも多く含まれているため、朝食前のコーヒーとともにカフェインを摂取すると味覚の面でも目覚ましに最適です。

朝・昼・夕の食事前に

チョコレートは基本的に食事前に食べるのがいいといわれていますが、その理由はチョコレートに含まれる有効成分が糖質の吸収を緩やかにする効果があるためです。

チョコレートに含まれるカカオは、脂肪の蓄積を抑制し血糖値上昇も抑えてくれる働きがあり、血糖値が急に上がらず脂肪の蓄積も抑えてくれます。

カカオ濃度が高いチョコレートは食物繊維が豊富なため、消化吸収されずに大腸へ届くタンパク質の性質から便通を改善する役割もあります。

間食・おやつに

間食・おやつには、少量でも満腹感のあるチョコレートがおすすめです。

とくに高カカオチョコレートはミルクチョコレートやホワイトチョコレートよりも糖分も低めのため、糖質を控えたい場合のおやつとしても適しています。

また15時前後は、体脂肪が最も燃焼されやすい時間帯です。

脂肪を溜め込む働きのあるタンパク質の一種が1日の中で最も少なくなる、つまり食べた物が最も脂肪になりにくい時間帯です。

昼食から夕食までどのくらい時間が空くかによりますが、食事間隔が8時間以上空く場合は食後3~4時間で間食を取り入れるか否かでその後の身体への影響が変わります。

例えば食事と食事の時間が空きすぎてしまうと、次の食事でドカ食いや早食いをしやすくなる一因になるわけです。

そのため、間食をとらない人でも太りにくい時間帯とされる14時~16時の間にチョコレートを少量食べることをおすすめします。

なお、逆に夜の22時を過ぎると脂肪を溜め込む働きのあるタンパク質の一種が1日の中で最も増加します。

仕事や勉学など作業の合間に

チョコレートにはカカオポリフェノールにより脳の働きを活性化させる効果が期待できるため、作業の合間に食べるのにも向いています。

またチョコレートに含まれるテオブロミンには覚醒効果があるため、仕事や勉学でとくに細かい作業・処理など集中したい時には効果的です。

1日の終わりに

仕事や勉学など1日の終わりに食べるチョコレートは、テオブロミンによるストレスの緩和やリラックス効果が期待できます。

またチョコレートに含まれる必須アミノ酸のトリプトファンは、セロトニンを生成してくれるため、自律神経を整える効果や精神の安定に繋がります。

夕食後から就寝前に

夕食後から就寝するまでの間にチョコレートを摂取すると、テオブロミンやカカオポリフェノールなどによるリラックス効果が期待できます。

ただし就寝時間が近い場合は、カフェインに似たテオブロミンの興奮作用によってかえって眠りにくくなってしまう可能性があるため注意が必要です。

間食・おやつでも説明しましたが、夜の22時を過ぎると1日の中で最も脂肪を溜め込みやすくなるため気をつけてください。

チョコレートは1日3~5枚が目安

チョコレートはひと口サイズで1日3~5枚が適正な目安

厚生労働省の「食事バランスガイド」では、間食に食べる菓子・嗜好飲料は成人の場合で1日に200kcal程度が目安としています。

カカオにはもともと脂肪分が含まれているほか、カカオの苦味を抑える成分として使われるミルクや砂糖には脂肪分と糖分が含まれています。

一般的なチョコレートに比べて高カカオチョコレートは糖質が少なく血糖は上がりにくいとされていますが、その分脂質が多いため高カロリーです。

血糖が上がりにくいからといって食べ過ぎると、過剰摂取で肥満につながりやすくなります。

チョコレートを食べる時は、1日3~5枚(15~25g)程度を目安にしましょう。

3枚で約15gとした場合にカロリーは93kcal、糖質は1.8gが基準です。

ちなみに森永製菓やゴディバのカレという薄いスクエア型のプレーンヨーグルトは1枚で約5gですので参考にしてください。

何にしても一長一短があり、適度に食べることが大切ということになりますね。

身体に嬉しいチョコで健やかなひとときを

健康や美容に嬉しいチョコレート3選

日常の中で食べるチョコレートの菓子は、スーパーやコンビニなどのお手軽なチョコ菓子を食べる人が多いでしょう。

ここではカカオ濃度が高めで身体に優しい健康志向のチョコレートを紹介しますので、コーヒーなどと一緒に贅沢なリラックスタイムにいかがでしょうか。

また友人やお世話になった人へのちょっとしたギフトにもおすすめです。

カレ アソートメント(ゴディバ)

カレ アソートメントは、ベルギー王室御用達の高級ブランドであるゴディバ(GODIVA)が販売する薄いスクエアタイプのチョコレートです。

カカオを存分に堪能できるミルク、カカオ50%ダーク、カカオ72%ダークの3種類のカレを詰め合わせています。

ちょっとした自分へのご褒美にカカオ濃度の違う上品なチョコレートを楽しむほか、個包装になっているため職場やサークルなどで気軽に配れる差し入れとしても最適です。

商品名:カレ アソートメント(9枚入)/1,620円(税込)

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ななつのしあわせミックスナッツとろけるカカオ仕立て

ななつのしあわせミックスナッツとろけるカカオ仕立ては、ピーカンナッツ・アーモンド・クルミ・カシューナッツ・マカデミアナッツ・ヘーゼルナッツ・ピスタチオの7種類あるナッツとカカオ生まれの低糖仕立てで身体にも嬉しいチョコレートです。

ナッツ類の歯ごたえや苦み・渋みにカカオのほんのりした甘さを包んだチョコレートは、香ばしさとコクともに調和のとれた味わいを楽しめます。

30gで糖質が10g以下の低糖と食物繊維・オリゴ糖を含んだ健康効果から、累計販売数が30万袋を突破しています。

チョコレートのフレーバーは、カカオ仕立て・宇治抹茶カカオ仕立て・ベリベリベリーショコラの3種類です。

商品名:ななつのしあわせミックスナッツとろけるカカオ仕立て/1,490円(税込)

カカオ80%クーベルチュールチョコレート

チョコ屋が販売するカカオ80%のハイカカオチョコレートは、ココアバター以外の代用脂を使っていない国際基準のクーベルチュールとして販売されています。

カカオ豆のパンチの効いた苦さがあるものの、ガーナ産のカカオ豆を使用することで酸味を抑えているのが特徴です。

チョコレート業公正取引協議会が定めるピュアチョコレートで、低糖質のため糖質制限にも向いています。

1枚10gの個別包装でカカオポリフェノールが200mgを配合しており、職場や催事イベントでの配布にも便利です。

商品名:カカオ80%クーベルチュールチョコレート/3,872円(税込)

チョコレートに関するよくある質問

チョコレートに関する質問をQ&A形式で

チョコレートに関する疑問やよくある質問をQ&A形式にまとめました。

カカオ70%と85%の違いは?

カカオ70%のチョコレートは程よい苦味と甘さのバランスがあり、初めて高カカオチョコレートを試す人には比較的食べやすいです。

一方、カカオ85%のチョコレートはポリフェノールを多く含み、抗酸化作用も強いため健康志向の強い人には最適です。

ただし抹茶とも違う苦みや渋みが強いため、始めはミルクチョコレートと一緒に味わうとよいかもしれません。

筆者もカカオ85%のチョコレートを初めて食べた時はあまりにも苦くて飲み込めなかったため、カカオ70%のチョコレートと一緒に摂取していました。

チョコレートはいつ食べるといい?

チョコレートは食事前に食べるといいとされています。

理由はチョコレートに含まれる有効成分が、糖質の吸収を緩やかにする効果があるためです。

血糖値が急に上がらず脂肪の蓄積を抑えることから、チョコレートは1日を通して食前に少しずつ摂取するのがおすすめです。

板チョコレート1枚は食べ過ぎ?

厚生労働省が推奨している間食の目安は、成人の場合で1日に200kcal程度です。

一般的に販売されているお札とほぼ同じサイズの板チョコレートは1枚で50g、摂取カロリーが250~300kcal程度となっています。

つまり板チョコレート1枚を食べると、1日の目安量を超えて食べ過ぎです。

板チョコレート1枚はカロリーオーバーのため控えよう

一番太るチョコレートの種類は?

チョコレートには、製造加工によってさまざまな種類があります。

ミルクやダーク(ビター)、抹茶、アーモンド、ホワイトの中で最も太りやすいのは、ホワイトチョコレートです。

5種類とも食物繊維が豊富なカカオ豆から抽出したカカオマスが原料でカロリーはほぼ同じですが、厳密な違いがあります。

ブラウン系のチョコレートはカカオマスをペースト状にして作られますが、ホワイトチョコレートはカカオマスを圧縮して出す液体「ココアバター」が主原料です。

このココアバターには実は、食物繊維をほとんど取り除いてしまう特徴があります。

食物繊維が取り除かれてしまうと糖質の吸収が抑えられなくなるため、他のブラウン系チョコレートよりも太りやすくなるわけです。

補足になりますが、抹茶チョコレートもホワイトチョコレートに抹茶パウダーを混ぜて作られる手法のため、ココアバターが主原料となります。

抹茶パウダーに食物繊維は含まれるものの、ホワイトチョコレートに次いで太りやすくなるため注意が必要です。

ホワイトチョコレートはカカオポリフェノールや食物繊維を含まないため要注意

チョコレートが身体に与える効果は?

チョコレートに多く含まれるカカオポリフェノールは、老化を防ぐ抗酸化作用をもつため高血圧や動脈硬化などの生活習慣病の予防に有効です。

ポリフェノールの効果により肌トラブルや便通を改善するほか、脳卒中や心臓病のリスクを軽減したり花粉症などのアレルギー症状を緩和したりするなどさまざまな健康効果が期待されています。

チョコは脳疲労やうつに効く?

チョコレートのカカオには、交感神経と副交感神経のバランスを調整するセロトニンを増加させるテオブロミンという成分が含まれています。

テオブロミンには覚醒効果やリラックス効果のほか自律神経を整える働きもあります。

またセロトニンの原料がチョコレートに含まれる必須アミノ酸のトリプトファンにあるため、チョコレートを食べることでセロトニンが生成され精神の安定につながります。

健康効果も期待できるチョコレートまとめ

健康・美容効果も期待できるチョコレートを選んで健やかに過ごそう

以前まではタバコなどと同じく嗜好品として知られていたチョコレートですが、近年ではチョコレートやココアに含まれるカカオポリフェノールによる健康効果も注目されています。

カカオポリフェノールは、老化の原因となる活性酸素の働きを抑える働きがあり生活習慣病に有効であるとの報告もなされています。

他にも血圧低下および血管内皮機能の改善、コレステロール値の改善、心疾患リスクの低減などといった多岐にわたる臨床試験結果が得られているそうです。

さまざまなメリットがあるチョコレートですが、摂り過ぎは肥満の原因です。

健康や美容を維持するためにも適量を心がけながら、高カカオチョコレートの味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。

以下の記事では、チョコレートができるまでの材料と工程、主原料であるカカオ豆からさまざまな種類や特徴を解説しています。

人気の高級チョコレートも紹介していますので、自分へのご褒美として心身ともにゆったりした優雅なひとときを過ごすほか、大切な人や友人に贈るチョコレートギフトとしてもご参考になれば幸いです。

またバレンタインデーのちょうど1ヶ月後にやってくるホワイトデーについて下記記事で紹介しています。

ホワイトデーでは、女性からチョコレートをもらった男性の多くがお返しするイベントですが、なぜこのような習慣が始まったのでしょうか。

ホワイトデーの起源はじめ、マシュマロを贈る理由やマシュマロ以外のお菓子に込められた意味がわかりますのでご参考ください。

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