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年賀状や喪中はがきはいつまでに出す?起源や目的、書き方・送り方も解説

2023年10月11日

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年賀状

お世話になった方や遠方でなかなか会えない方に、新年の挨拶を送る年賀状。

近況を伝えるのにも使われる年賀状を毎年送っていても、年賀ハガキの送り方や書き方などの決まり事について、曖昧になってしまっている方も多いのではないでしょうか。

また、年賀状ができたルーツから、種類や選び方など意外と知られていないこともあるでしょう。

今回は、年賀状の由来はじめ、書き方や送り方、気をつけるべきポイントなどをわかりやすく解説します。

相手や自分が喪中である場合の扱い方も紹介していますので、ご参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

颯彩(ふーあ)

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年賀状とは?送る目的や意味

年賀状は、新年をお祝いする言葉を添えて送る挨拶状です。

お世話になった方や大切な方、親族への「年始回り」の代わりともいえます。

古くから遠方のために年賀の挨拶訪問ができない方や、年始の来客が多く訪問することを遠慮する方に、自分にも相手にも都合のよい挨拶の形として用いられてきました。

年賀という言葉には、新しい年を祝うという意味があり、一般的には1月1日の元日に届くように送るのがマナーとされています。

「謹賀新年」や「賀正」といった新年を祝う言葉の賀詞を添えて、旧年中にお世話になったことへの感謝を伝え、新しい年も変わらぬ親交をお願いする意味合いがあります。

ハンドメイド年賀状

現在でいう年賀状を送る主な目的や意味は、以下の通りです。

1年の感謝を伝える

友人や仕事関係の人などお世話になった方たちに、1年の感謝の気持ちを伝える手段として年賀状を出す方は多いでしょう。

受け取る側も自分への感謝の言葉が添えられていたら嬉しいでしょうし、口には出しにくい言葉も年賀状なら改まることなく伝えることができます。

普段会わない人とも連絡がとれる

身近な友人や日頃お世話になっている方はもちろん、遠方でご無沙汰にしている恩師や親戚、取引先など、間柄を問わず誰にでも送る機会ができるのが年賀状です。

もともとは、遠方で会えない方への新年の挨拶として用いられた年賀状ですが、年を重ねると近くに住んでいても会う機会が減ってくることもあるでしょう。

そんな時にも1年に1回のやりとりがあれば、会えなくても互いを思いやる、繋がっている感じがします。

近況報告で関係を深める

年賀状は、結婚や出産、就職、起業、引越しなどといった近況を合わせて知らせるのに、便利な挨拶状としても使いやすいでしょう。

友人だけでなく親族や恩師、仕事関係の人へ近況報告として年賀状という手段を使うことで、お互いの信頼関係を高めることに繋がります。

年賀状を送る習慣ができた由来

年賀状はいつ始まったのか、何がきっかけで現在の年賀状スタイルができたのか。

年賀状ができるまでの歴史を知っている方はあまりいないのではないでしょうか?

ここでは、現在の年賀状になるまでの経緯やルーツを説明します。

年賀状の始まり、起源

年賀状は平安時代までさかのぼり、当時の学者だった藤原明衡がまとめた手紙の文例集が始まりです。

この文例集「庭訓往来」の中に年始の挨拶があり、これが現存する日本最古の年賀状といわれています。

同時にこの頃から、お世話になった人や親族の家へ新年の挨拶をして回る「年始回り」という習慣も広まりました。

しかし、新年の挨拶に手紙を使用するのは一部の貴族だけで、直接会えないような遠方の方へ書状として送っていたそうです。

江戸時代に入ると付き合いが広くなったことにより、現在の郵便の先駆けとなる「飛脚」(手紙・金銭・小貨物を送り届ける職人)が充実し、庶民が手紙で挨拶を済ませることも増えていきました。

現在でも仕事の年始回りで「謹賀新年」など賀詞入りの名刺を使うことがあると思いますが、年始回りを簡略化したものが年賀状のルーツだといわれています。

年始回り、お年賀(イメージ)

現在の年賀状スタイルになるまで

年賀状を出すことが一般に広がったのは、1871年(明治4年)に開始された郵便制度がきっかけです。

1873年(明治6年)に郵便はがき、現在でいう官製はがきが登場し、1887年(明治20年)頃には年賀状を出すことが年始の恒例行事となります。

次第に、元日(1月1日)の消印を狙って年末に投函する人も増えたため、郵便局員たちが不眠不休で消印作業にあたるなど、郵便局の仕事量は普段の何十倍にも膨れ上がりました。

その対策として1899年(明治32年)には、現在と同じく年末のうちに年賀状を受け付けて、元日に配達する年賀郵便の特別取扱いが導入され、全国へ広がっていきました。

そして民間人のアイデアで、1949年(昭和24年)よりお年玉付年賀はがきがスタートしたわけです。

すっかり国民にとって年末行事になった年賀状は、1905年(明治38年)には約1億枚だったのが、2004年(平成16年)には約45億万枚まで増えたそうです。

年賀ハガキとペン

年賀状の種類、選び方

年賀状として使われる年賀ハガキには、郵便局発行のものや文具店などで販売している市販のものなど、種類はさまざまです。

郵便局の年賀ハガキ

郵便局が発行・販売する年賀ハガキには「普通紙」「インクジェット紙」「インクジェット写真用年賀はがき」「キャラクター年賀はがき」「寄付・広告付き年賀はがき」の5種類あり、それぞれに紙質や販売料金が異なります。

紙質だけでなく、切手部分や消印などのデザインがそれぞれ異なり、区別をしやすくなっています。

年賀ハガキと干支の置物、鏡餅

普通紙(通常の年賀はがき)

普通紙の年賀はがきは1枚63円で、自筆で文章を書いたり絵を描いたりする場合や、レーザープリンターで印刷する場合に適しています。

目の不自由な方が上下・表裏を区別できるよう、表面左下に半円のくぼみが入った「くぼみ入り」のはがきも同価格で販売されています。

インクジェット紙(通常の年賀はがき)

インクジェット紙の年賀はがきは、普通紙と同じ1枚63円です。

インクジェット方式のプリンターでの印刷に合うように、裏面(宛名を書かない面)のみに特殊なコートが施されています。

インクジェット写真用(通常の年賀はがき)

インクジェット写真用の年賀はがきは1枚73円で、デジカメやスマホで撮影した写真の印刷に適しています。

光沢感があり、インクジェットプリンターでの印刷時に写真を鮮やかに発色できるのが特徴です。

キャラクター年賀はがき

キャラクター年賀はがきは、宛名面のあらゆる箇所にディズニーキャラクターがデザインされた、インクジェット紙の年賀はがきです。

上記に紹介した、インクジェット紙の年賀はがきと同じ63円で選ぶことができます。

寄付・広告付き年賀はがき

寄付・広告付き年賀はがきは、全国版と地方版があり、裏面は各地域の風物などが描かれたデザインになっています。

1枚68円(63円+5円)で、寄付金の5円は法律で定められた10の分野の事業を行う団体に配分され、社会の発展や貢献につなげられています。

年賀はがきの種類が多いので、インクジェット紙の年賀はがきを買うつもりが普通紙のはがきを買ってしまった…など、間違えて購入してしまった場合は、手数料無料で他の年賀はがきと交換できます。

なお、当年発行で未使用の年賀はがきでなければ手数料無料で交換できません。

官製はがき(通常の郵便はがき)

年賀状は、上記に挙げた郵便局の年賀ハガキだけではなく、官製はがきでも問題なく配達されますが、お年玉付き年賀はがきではないので気をつけましょう。

お年玉付年賀はがきについては後述しますが、官製はがきには切手の代わりに「料額印面」が印刷されており、料金支払い済みの切手の役割をしていますので、切手は別途必要ありません。

また、通常の郵便はがきを年賀状として送る場合は、切手部分の下に必ず赤文字で「年賀」と記載する必要があります。

この文字を記載していないと普通郵便として扱われ、元旦よりも前に配送されてしまうため注意しましょう。

官製ハガキ(山百合)

私製ハガキ

文具店や商業施設のコーナーに、裏面に文章と絵柄ができているプリント付きの年賀はがきが置いてあるのを見たことがある方もいるでしょう。

郵便局が発行する年賀ハガキとは別に、印刷会社が独自にデザインした年賀はがきで1パック5~10枚セットになって販売されています。

これらの市販されている絵はがきは「私製ハガキ」と呼ばれます。

印刷サービス専門店や写真店などの年賀印刷サービスで、用紙や絵柄などを選んでカスタム注文し作成されたものも私製はがきと呼びます。

ただし注意点があり、これらの私製はがきはあくまでハガキサイズにデザインされた印刷物のため、1枚63円の切手が別途必要です。

ハガキ料金と切手料金を考えると、郵便局が発行・販売している年賀ハガキや官製ハガキを購入した方が切手代込みでコストパフォーマンスが高いでしょう。

なお、一部のオンライン印刷サービスでは、郵便局のお年玉付年賀ハガキに印刷して販売されていることもありますので利用しやすいでしょう。

年賀状は、郵便局の年賀ハガキを用いて送ることが一般的ですが、近年ではインターネットの普及に伴い、オンラインによる印刷サービスを利用したり、画像にしてメール送信したり、LINEでスタンプなどを添えてメッセージを送ることも多くなりました。

基本的には新年の挨拶を送ることが大切なため、郵便局に出して送ることにこだわる必要はありません。

しかし、先輩や上司、恩師など目上の方へ送る時には、メールやLINEで簡易に済ませるのではなく、郵便配達する年賀状の方が丁寧かつ親切です。

お年玉付年賀はがきについて

郵便局発行の年賀はがきは、お世話になった方への新年の挨拶としてだけではなく、他にも楽しいイベントがあります。

それは「お年玉の抽選」で、お年玉付年賀はがき宛名面の右下にある6桁のくじ番号で行われます。

お年玉付年賀はがきは、1949年(昭和24年)より登場し、初回の特賞はなんとミシンだったそうです。

その後は、洗濯機や電子レンジ、ビデオレコーダーなどが賞品として用意され、最近では国内外の旅行や液晶テレビなども見かけました。

お年玉付年賀はがきの当選賞品

2014年(平成26年)から1等の賞品が現金になってきたのは、個人の好みが多様化している世相を反映しているといえそうです。

ちなみに、2023年(令和5年)の賞品は以下の通りでした。

1等:現金30万円または選べる電子マネーギフト「EJOICA(イージョイカ)セレクトギフト」31万円分または2022年発行特殊切手集&現金20万円

2等:ふるさと小包など

3等:お年玉切手シート(63円切手と84円切手のシール式切手シート)

お年玉付年賀はがきの当選発表

お年玉付き年賀はがきの当選番号は、毎年1月の第3日曜日の14時に発表されます。

お年玉付年賀はがきの賞品引き換え期間

賞品の引き換え期間はおおよそですが、当選発表の翌日から7月中旬までです。

賞品引き換えには、当選した年賀はがきのくじ番号を切り取らずに、郵便局の窓口で手続きをします。

その際に運転免許証や健康保険証など、本人確認ができる書類が必要となるため忘れずに持参しましょう。

ちなみに、余った年賀状や書き損じた年賀状でも、当選した場合には賞品と引き換えをすることは可能です。

お年玉付年賀はがきは、まさに年初めの運試しともいえますし、神社でのおみくじと合わせてお正月にふさわしいイベントですね。

お年玉年賀ハガキ

年賀状(裏面)の書き方

年賀状には、あらかじめ決まった書き方があります。

必ずしも従うべきとはいいませんが、目上の方やビジネス相手に送る際の基本的な形として覚えておくとよいでしょう。

賀詞

賀詞とは、年賀状の冒頭に書く「謹賀新年」「迎春」などといった新年を祝う語句です。

本文より大きめのサイズで書きますが、賀詞の種類によって意味が異なりますので、送る相手に失礼のないように賀詞それぞれの意味を確認しておきましょう。

目上の人向け

基本的に謹んだ気持ちやへりくだった意味の文字を含んだ、4文字の賀詞を使うと覚えておきましょう。

漢字4文字の賀詞を使う場合・・・謹賀新年、恭賀新年
文章の賀詞を使う場合・・・謹んで初春のお慶びを申し上げます

目下の人向け

一般的に1文字または2文字の賀詞を使いますが、友人や親戚向けにも同じ語句や文章にも使えます。

漢字1~2文字の賀詞を使う場合・・・寿、賀、迎春、賀正、頌春、初春
文章の賀詞を使う場合・・・新春のお慶びを申し上げます

友人や親しい人向け

基本的には先述した目下の人向けの賀詞や文章を使いますが、より親しみを込めて英文やカジュアルな表現の賀詞を使ってもいいでしょう。

文章の賀詞を使う場合・・・あけましておめでとう、HAPPY NEW YEAR!

誰にでも送れる万人向け

しかし、目上の方や親しい人など、送る相手によって賀詞を使い分けるのはたいへんですよね。

ソフトやアプリを使って自作し、まとめプリントする時は一括印刷したいと思うはずです。

そんな時は、相手を選ばず使える文章の賀詞を使用するとよいです。

あけましておめでとうございます
謹んで新春のお慶びを申し上げます

それから、賀詞が重複していないかも注意しましょう。

市販や印刷サービスで見る年賀状のデザインには、あらかじめ「迎春」や「賀正」などの漢字2文字の賀詞が入っていることがほとんどですが、これらの賀詞に続けて「あけましておめでとうございます」の文章を追加しがちな方も多いです。

文章の賀詞として使われる「あけましておめでとう」は、年の初めに神様が家にやってくるのはめでたいことだという意味でそのような言葉になったといわれています。

もし、漢字2文字や4文字の賀詞をつける場合は、年始の挨拶として同じ意味が含まれており、「あけましておめでとう」という文章の賀詞も加えると重複することになってしまいますので気をつけてください。

他の例として、「新年明けましておめでとう」も「新年」と「明けまして」で重複していますので、「明けましておめでとうございます」とします。

また、「A Happy New Year」も実は間違いですので、「Happy New Year」と書きます。

「Happy Birthday」「Happy Halloween」でも、冒頭に「A」を使わないことと同じだと覚えておきましょう。

Happy New Yearのカードがついたギフト

謝辞

賀詞を書いた後は本文になりますが、書き出しは無事に年越しできる喜びの言葉や、日頃のお付き合いへの感謝の言葉などを簡潔に書きます。

主な例文:
昨年中は大変お世話になりました
旧年中は一方ならぬご厚誼をいただき誠にありがとうございました

願う言葉

次は、相手に対して今後も変わらぬ親交や指導をお願いする言葉を書きます。

主な例文:
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます
本年もご指導・ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます

祈る言葉

本文の最後は、相手の健康や幸福を祈る言葉、繁栄や活躍を願う言葉を書きます。

主な例文:
本年も皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
貴社ますますのご発展と社員皆様のご活躍を祈念いたします

結びに使う日付

年賀状の結びとしてよく使われる「令和○年元旦」「令和○年元日」ですが、どのように使い分けたらいいのか迷う方も多いのではないでしょうか。

一般的には、元旦と元日のどちらも、1月1日に届くように投函した年賀状に用いることができます。

また、1月1日に配達される年賀状は、基本的に午前中に届けられるため「元旦」という言葉を使うことが多いです。

年賀状は決められた投函時期に出せば、基本的に1月1日の午前中には相手の自宅に届けられるようになっています。

そのため、1月1日に届くように投函した場合は「元旦」でも「元日」でもどちらでも使えます。

ただし、和暦を用いる場合は「令和○年元旦」と元旦で記すのが一般的で、西暦で表記する場合は「202○年元旦」「202○年元日」のどちらも使えます。

元旦や元日については、下記記事で詳しく解説していますのでご参考ください。

ひと言添え書き

日付の左(または下)に空きスペースができると思いますが、送る相手に合わせて心のこもった一言を添えると、丁寧さや親しみが伝わります。

特に、自作したり印刷サービスを利用したりして年賀状をまとめ印刷した場合にはひと言を添えたいものです。

筆者もハンドメイドで年賀状を制作する時に、ひと言を添え書きできるスペースを空けて印刷しています。

ハンドメイド年賀状

添えるひと言の内容として、具体的な用件などは書かず、短くまとめます。

主な例文:
今度帰省した時にはまた会いましょう
機会があればまた食事にいきましょう
お身体を大切にくれぐれもご自愛ください

特に注意すべきなのは、引っ越しなどで住所が変わった場合です。

毎年、決まった相手と年賀状のやりとりをしていると、宛名面の住所はあまり気にしません。

旧住所で送られてきてもしばらくは新住所に転送することがあるため、翌年に宛名不明で戻されてしまうことがないように「住所が変わりました」「引っ越ししました」といったひと言を添えておきましょう。

年賀状を送る時期やタイミング

年賀状には、決まった投函時期があります。

郵便局(日本郵便)では、1月1日に年賀状を全国に届けるために年賀特別取り扱い期間を設けています。

例年12月15日から12月25日までにポスト投函された年賀状は、離島などを除き元旦に配達されます。

つまり、クリスマスである12月25日以降にポスト投函した年賀状は、1月1日に届かないことになります。

クリスマスや年末・お正月の準備に何かと慌ただしいですが、クリスマス前にある程度の目処が立つように用意しておきたいですね。

年賀状のポスト投函

年賀状が1月1日に間に合わない場合

1月1日以降に届く場合は元旦も元日もそぐわない言葉ですので、12月25日以降に投函する予定で年賀状を作る場合は「令和○年迎春」「令和○年初春」といった表現を使った方がいいでしょう。

しかし、プリントサービスなどに依頼して作った印刷済みの年賀状には、「元旦」「元日」といった言葉が用いられていることが多いです。

年賀状は、相手からきたけれど自分からは出していなかったという場合の返信に使うことが当然ありえるため、それほど厳密にマナー違反は問われません。

印刷された年賀状を返信用に保管してある場合は、「元旦」「元日」が入った状態でそのまま使っても問題ありませんので、できれば松の内の1月7日までに届くようにしましょう。

ただし、松の内を過ぎて年賀状の返信を出す場合は、年賀状ではなく「寒中見舞い」としして送った方がいいです。

松の内は、関東圏で1月7日(大正月)、関西圏では1月15日(小正月)までです。

寒中見舞いについては、下記記事で詳しく解説していますのでご参考ください。

1月2日は年賀状配達取り止め?

筆者は、12月29日以降に年賀状を郵便局の窓口に出向いて局員に手渡しをしたことが何度かあります。

1日に1~3回しか郵便物の収集にこない街中のポストよりも、郵便局窓口で局員に渡した方が少しでも集配の短縮になると踏んでいたためです。

12月25日以降にポスト投函した場合は、1月1日以降に順次の配達扱いになるようですが、集配のタイミングがよかったのか、友人によると元旦には無事届いていました。

なお、郵便局では1月2日の年賀状配達を取り止めると、2017年秋に発表しています。

近年の配達数実績より、1月2日に配達した年賀状は、正月三が日の配達数の7.5%にとどまっているとの経緯からです。

そのため、1月1日に届けられなかった年賀状の配達は、1月3日以降となりますので注意してください。

喪中の場合の扱い方

自分や相手が喪中の場合は、お祝いの挨拶状である年賀状を欠礼することになります。

もし、自分が喪中であれば年賀状の取り扱い期間が始まる前に、喪中ハガキを送る必要があります。

また、相手が喪中となっていれば年賀状を送るわけにはいきませんので、念のため確認しましょう。

喪中ハガキ

喪中ハガキを相手に送る場合

あなたが喪中である場合には、年賀状を欠礼することを相手に伝える必要があります。

喪中となる範囲は、一般的に父母、配偶者(夫・妻)、子ども、祖父母、兄弟姉妹までですが、同居しているかどうかで変わってきますので確認しましょう。

喪中ハガキは、正式には「年賀欠礼状」といい、身内が亡くなった年に「服喪中であるため、年始の挨拶を控える」ことを知らせる書状です。

喪中ハガキの選び方

郵便局では、「喪中はがき」という名目のハガキはありません。

郵便局で聞いたところ、切手が胡蝶蘭の絵柄になっている「官製はがき」が、弔事用のハガキとしてよく使われているとのことです。

胡蝶蘭の官製ハガキは、通常のハガキと同じように宛名面も裏面も無地で、インクジェット対応のはがきもあるため、自宅にインクジェットプリンタをもっている場合は自作して表裏ともに印刷できます。

なお、官製ハガキにはヤマユリや山桜の絵柄もあり、喪中には胡蝶蘭の官製ハガキが適していますので覚えておきましょう。

郵便局の窓口で、喪中ハガキに使えるハガキがほしいといえば、切手が胡蝶蘭の絵柄になっている官製ハガキを出してくれます。

官製ハガキ(胡蝶蘭)

郵便局以外では、市販でも裏面がすでに文章もデザインも印刷されている喪中ハガキを売っていますが、ハガキ料金とは別に切手料金も必要になります。

ちなみに郵便局には「弔事用63円普通切手・花文様」と呼ばれる弔辞用の切手があり、紫色をベースにした菊の絵柄になります。

喪中ハガキの送り方

喪中ハガキは、相手が年賀状を書き始める前に届くように用意するのがマナーです。

年賀状は、11月初旬から郵便局やコンビニなどで販売されるようになり、12月下旬までには大半の人が年賀状を投函します。

つまり、12月下旬に喪中ハガキを送っていては、入れ違いになる可能性が大きく間に合いません。

そのため、喪中ハガキを出す時期としては10月下旬から、遅くても12月初旬までに出すようにしましょう。

もし、12月に不幸があって喪中はがきの準備が間に合わない場合は、1月7日の松の内が明けてから年賀状をいただいた方に「寒中見舞い」として事情説明を添えて出します。

寒中見舞いについては、下記記事で詳しく解説していますのでご参考ください。

喪中ハガキの文例

喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます
父 ○○が○月○日に○歳にて永眠いたしました
生前に賜りましたご厚情に心から御礼申し上げます
寒さ厳しき折からくれぐれも御自愛のほどお祈り申し上げます
令和○年○月

ハンドメイド喪中ハガキ

喪中ハガキを送れなかった場合

時間がなくて喪中ハガキを出せなかったり、12月に不幸があって喪中ハガキの準備が間に合わないこともあるでしょう。

その場合は、1月7日の松の内が明けてから「寒中見舞い」として、喪中である旨を報告します。

寒中見舞い

喪中に年賀状が届いた場合

喪中ハガキを出しても、入れ違いで相手が早めに送ってしまったり、相手が喪中であることを忘れて送ってしまったりして、年賀状が届くこともあります。

その場合は、松の内が明けてから年賀状をいただいた方に「寒中見舞い」を出し、いただいた年賀状のお礼とともに喪中である旨を報告します。

寒中見舞いについては、下記記事で詳しく解説していますのでご参考ください。

喪中の相手へ送りたい場合

相手から喪中ハガキが届いた場合は、年賀状を控えるのが通例ですが、何も出さないのも気が引けるという人もいるのではないでしょうか。

その場合は、松の内が明けてから寒中見舞いを送ることができますが、年が明けてすぐに挨拶をしたい場合は、「年始状」という選択肢もあります。

年始状は、年賀状のように元日から松の内(1月7日)までに送るものですが、「おめでとう」などの言葉は使いません。

喪中ハガキが届いた人への返礼はもちろん、喪中の時に届いた年賀状への返礼、また災害などでお祝いのトーンを控えたい時にも使えます。

主な例文:
新年のご挨拶を申し上げます
穏やかな深淵が訪れますよう心よりお祈り申し上げます
本年もどうぞよろしくお願いします

ただ個人的には、正月や年始と切り離して松の内が明けて「寒中見舞い」として送った方が、落ち着いた時期に受け取って読めるのでおすすめです。

寒中見舞いについては、下記記事で詳しく解説していますのでご参考ください。

終わりに

年賀状は、遅くても松の内である1月7日までに届けばよい、とされています。

それでもやはり、せっかくであれば元日に届いた方が嬉しいですよね。

郵便局の年賀状受付期間は12月15日から12月25日までとなっており、期間内に投函することができれば元日の午前に届きます。

そのため、早めに準備して、できるだけ元日に届くように出すのがいいでしょう。

1年の始まりをお祝いする挨拶でもある年賀状だからこそ、意味の違いに気をつけて丁寧に書きたいものですね。

以下の記事では、年賀状と同じく年末のご挨拶にギフトを贈るお歳暮についてまとめています。

お歳暮は、今年1年間お世話になった人に感謝の気持ちを込めて贈り物をする習わしで、時期や贈り方も解説していますので併せてお読みください。

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