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ワセリンの種類や違いは?保湿だけではない、5つの意外な使い方と体験レビュー

2023年5月21日

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ワセリン

ここ近年で注目を集め、ドラッグストアの店先にも並ぶ「ワセリン」。

ワセリンは、赤ちゃんから大人、高齢の方まで幅広く使える保湿剤のひとつです。

そんなワセリンのことを、秋冬の乾燥する季節にしか使わないスキンケアアイテムだと思っている方は多いのではないでしょうか?

生活の中で身近にあるワセリンですが、どうやって使ったらいいのかよくわからないという疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

実は筆者も、ワセリンの存在は知っていたものの化粧品だけで十分だと思っていて、本来の使い方を知ったのはここ半年くらいです。

実際にワセリンを使ってみると、身体のいろいろな部分に使いやすく、乾燥に悩む方にもぜひ使って欲しいと思うようになりました。

ただ筆者は、乾燥を防ぐためのスキンケアとは別の使い方でもワセリンの良さに気づきました。

今回は、ワセリンの種類やそれぞれの違い、特徴、保湿だけではない効果について解説するとともに、筆者の行きついた意外な使い方なども紹介します。

ワセリンって何?
ワセリンにはどんな種類があり、どのような効果があるのか?
ワセリンは基本的にどういう使い方をするのか?
ワセリンには他にどんな役割があるのか?
おすすめのワセリンを知りたい

といったお考えの方も、ご参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

颯彩(ふーあ)

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ワセリンとは?

ワセリンとは、簡潔にいうと油性の保湿剤です。

油性といっても、ホホバオイルやアルガンオイル、ローズヒップオイルなど、さまざまなオイルがあります。

美容オイルがトレンドになってから多くのオイルが開発・注目されてきましたが、そんな中でワセリンの原料となっているのは「石油」です。

え、石油なの?

筆者はそれを知った時、驚きとともに疑問や不安が募りました。

新生児にも使えるワセリンとはいえ、生まれたばかりの赤ちゃんの薄い皮膚に石油を塗るのはどうなの?と思ったほどです。

しかし、よくよく調べていくとワセリンは、肌にとても優しいということがわかりました。

石油からしっかりと精製されているのでほぼ刺激がなく、赤ちゃんから大人まではもちろん、敏感肌の人でも使いやすいアイテムでした。

繰り返しになりますが、ワセリンは石油から精製された保湿剤のことです。

肌に薄い膜を作り、肌の水分が蒸発するのを防いでくれます。

石油が原料だと聞くと、肌に良くない印象を抱くかもしれませんが、天然成分である石油を高純度に精製することにより、肌に刺激の強い不純物はほとんど取り除かれているため、刺激が少なく赤ちゃんから大人まで使いやすいといわれています。

ワセリンの2大効果

そんな安全かつ安心な保湿剤とされるワセリンですが、肌には実際にどのような効果があるのでしょうか。

ワセリンには、大きく分けて2つの効果があります。

肌を刺激から守る

ワセリンは、皮膚を膜でコーティングして外部の刺激から肌を守ってくれます。

摩擦や花粉など、さまざまな刺激から肌を守ることができるのです。

水分の蒸発を防ぐ

肌の表面に薄い膜を作るワセリンは、内側の水分を保持する効果があります。

水分を蒸発させないことで、潤いが保たれるため乾燥から肌を守ることができます。

ワセリンの種類と違い

ワセリンと一口にいってもさまざまな製品があり、色やテクスチャーなどにも違いがあります。

ワセリンは、以下の4つに分類され、それぞれに特徴の違いがあります。

黄色ワセリン

黄色ワセリンは、石油から抽出したワセリンを精製したものです。

ワセリンの種類の中で一番純度が低く、不純物の含有量が多いため、医療機関ではほとんど使用されていません。

黄色っぽい色味をしているのが見た目の特徴で、ドラッグストアなど市販で手に入りやすく安価ですが、肌が敏感な方やアトピー性皮膚炎の方、赤ちゃんは刺激やかぶれを感じる場合があります。

特徴

薬局など市販で手に入りやすく安価
見た目は黄色味を帯びている
純度が低く人によっては刺激を感じることもある

商品例

ヴァセリン Vaseline(ユニリーバ・ジャパン)
黄色ワセリン(丸石製薬)

白色ワセリン

白色ワセリンは、黄色ワセリンを脱色・精製し純度を高めたものです。

黄色ワセリンより純度が高く、肌荒れの保護にも使いやすいことから、医薬品としても販売されていることがあり、医療機関でも使用されています。

皮膚の薄い赤ちゃんや敏感肌の方も使えるほど安全性が高いことが特徴で、たいていのドラッグストアには置いてあるので手に入りやすいことから、一番メジャーなワセリンといっていいでしょう。

特徴

最も手に入りやすく、メジャーなワセリン
赤ちゃんや敏感肌でも使いやすい純度
一部の商品が第3類医薬品として市販でも手に入りやすい

商品例

ベビーワセリン(健栄製薬)
メンタームワセリン(近江兄弟社)

プロペト

プロペトは、白色ワセリンを精製して、純度をさらに高めたワセリンです。

赤ちゃんから高齢の方まで皮膚の荒れや保護に効果的で、主に目の周りや唇など皮膚の薄い箇所やデリケートな部分にも安全に使うことができます。

基本的に医療機関で処方されることが多いですが、一部のドラッグストアでも医薬品として販売されていることがあります。

特徴

非常に純度が高く、刺激が少ない
医療機関でも処方されるほど安全
一部の薬局でも医薬品として販売されている

商品例

プロペト ピュアベール(第一三共ヘルスケア)

サンホワイト

サンホワイトは、先に挙げた白色ワセリンより最も純度が高く、刺激が少ないワセリンです。

高純度・高品質の白色100%ワセリンのため、アレルギーパッチテストの基剤に使われるほど低刺激で、乾燥肌や敏感肌の保護・保湿や赤ちゃんのスキンケアに使えます。

ドラッグストアなど市販で見かけることは滅多になく、医療機関で処方された場合は保険が適用されないため料金が割高です。

特徴

最も純度が高く、刺激がほとんどない
医療機関での処方が保険適用ではなく高価
ドラッグストアなど市販では滅多に見かけない

商品例

サンホワイトP-1(日興リカ)
サンホワイトシルキーY-1(日興リカ)

ワセリンの性能比較

4種類あるワセリンの中からどう選んだらいいのか、必須条件として欠かせない性能をランキング形式で比較してみましょう。

純度(高→低)

1・サンホワイト
2・プロペト
3・白色ワセリン
4・黄色ワセリン

純度は見た目でも判断できますが、精製度によって色が異なり一般的に純度の低いものは黄色味があり、純度が高くなるほど白色、半透明になります。

比較的精製度の高い「白色ワセリン」は医療機関でも扱われているほか、薬局やドラッグストアでも購入可能です。

白色ワセリンの中でも「プロペト」「サンホワイト」といった、より純度の高いワセリンは、不純物の含有率が低いため刺激が弱く、肌がデリケートな敏感肌の方や赤ちゃんにも使用できるとされています。

刺激性(高→低)

1・黄色ワセリン
2・白色ワセリン
3・プロペト
4・サンホワイト

ワセリンは基本的に、精製する段階で肌に刺激の強い不純物はほとんど取り除かれているため、赤ちゃんから肌に敏感な大人まで年齢を問わず安心して使えます。

刺激や痒みには相性も関係しますが、特に敏感肌ではなくても痒みが出ることがあります。

それは肌の水分蒸発を防ぐ一方で汗の蒸発も妨げる可能性があり、熱がこもると痒みが増してしまうことが原因ともされているため、それほど気にする必要はないでしょう。

また、塗りすぎによる原因も考えられるため、特に顔の場合は手足に比べて皮膚の血流がより良い状態なので、熱がこもったように赤く火照ったり痒みが増したりするなどの不快症状が出るかもしれません。

手に入りやすさ(高→低)

1・白色ワセリン
2・黄色ワセリン
3・プロペト
4・サンホワイト

一般的に薬局やドラッグストアで販売されているのは、不純物の少ない「白色ワセリン」です。

顔に使用する時は、黄色ワセリンよりも白色ワセリンを選びましょう。

また、赤ちゃんや敏感肌の人に使う時は、白色ワセリンの中でも医薬品と表記されている商品または精製度の高い商品を選ぶことをおすすめします。

白色ワセリンについて

上記で紹介した通り、刺激性や手に入りやすさなどから見て総合的におすすめできるのは白色ワセリンです。

これからスキンケアにワセリンを取り入れてみようかなとお考えの方は、まずは白色ワセリンから試してみることをおすすめします。

ただし、白色ワセリンといっても薬局などで手軽に購入できることから数多くの商品が発売されています。

同じ白色ワセリンでも使用感はさまざまで、融点、粘度、色調、臭いなどメーカーによっても塗り心地も異なり、中には医薬品として販売されている商品もあります。

それでも人によっては合わない場合もあるため、次は白色ワセリンの中でも純度の高いプロペトとサンホワイトについて紹介します。

プロペトとは

ワセリンといってもいくつか種類がありますが、皮膚科やクリニックなどの医療機関で処方が多いのは白色ワセリンとプロペトになります。

双方ともにそれほど違いはないですが、プロペトは白色ワセリンからさらに不純物を取り除いたもので、透明に近い白色で塗りやすいです。

不純物の中で特に過酸化物が、皮膚への刺激性があるため問題となることがあります。

粘膜への使用を考慮すると、プロペトは不純物などの刺激性要素をほとんど含有しないため、このような部位に使用する際はプロペトの方が適しているといえます。

ちなみに限定的ですが、医薬品として市販もされています。

サンホワイトについて

プロペトはかなり純度の高いワセリンのため、肌に合わない方はいないといっても過言ではありませんが、プロペトまでも合わない場合はどうしたらいいのでしょうか。

そこでおすすめなのが、サンホワイトです。

サンホワイトは、白色ワセリンをさらに精製した高純度・高品質の白色100%のワセリンで、プロペトよりも純度が高いとされています。

不純物の中で、特に過酸化物をほとんど除去し特別に精製したもので、抗酸化物のトコフェロールを配合しています。

ただし、ワセリンよりも精製コストがかかっているため、価格は普通の白色ワセリンの数倍程度となっています。

また、サンホワイトは医療機関で処方された場合に保険適用ではないため高価です。

各種ワセリンを使ってみた感想

ワセリンを黄色・白色・プロペトの種類別に使ってみた、筆者の感想です。

ヴァセリン オリジナル ピュアスキンジェリー(ユニリーバ・ジャパン)

ヴァセリン オリジナル ピュアスキンジェリー(黄色ワセリン)

ヴァセリンは、無香料・無着色・防腐剤無添加のワセリンで、ドラッグストアで見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。

アメリカからの輸入品で、色はやや黄みがかったクリーム色です。

日本では黄色ワセリンに分類されていますが、アメリカでは白色ワセリンとして販売されているそうです。

日本での基準が黄色ワセリンであることから、気になる方はミニサイズやお試しサイズなど小さなボトルから試してみることをおすすめします。

指で伸ばすとこっくりしているので、塗る時は手のひらでこねて温めてから肌に伸ばしていくと良いでしょう。

硬めのテクスチャーなので、部分使いが適しているかもしれません。

よく混同されやすい「ワセリン」と「ヴァセリン」ですが、ヴァセリン(Vaseline)はユニリーバ・ジャパンが販売するスキンケア商品名、いわゆる商品ブランド名のことです。
ワセリンが成分名なのに対して、ヴァセリンはブランド名です。
ヴァセリンは、用途や好みの使用感に合わせた多くの商品を展開しており、純度や無添加にこだわらず気軽にワセリンを使いたい方に適しています。

ベビーワセリン(健栄製薬)

ベビーワセリン(白色ワセリン)

ベビーワセリンは、ベビーと名がついている通り、赤ちゃんにも使える無香料・無着色・パラベンフリーのワセリンです。

白色ワセリンの分類ですが、酸を使わない精製方法で作られているため、白色ワセリンよりも不純物が少ないそうです。

伸びの良さが特徴で、指で触れると滑らかに伸びていく柔らかいテクスチャーなので、お風呂上がりの全身を素早く保湿できます。

もうひとつ良い点としては、容器がチューブ型であることです。

手で触れる部分が少ないので商品を清潔に保てることと、60gのミニサイズもあるので外出時も手軽に持ち歩きやすいでしょう。

ドラッグストアでは、赤ちゃん用品コーナーに置かれていることが多いです。

白色ワセリンソフト(健栄製薬)

白色ワセリンソフト(白色ワセリン)

白色ワセリンといってもいろいろな商品がある中で、第3類医薬品として販売されている白色ワセリンソフトも使ってみました。

写真は、マツキヨのオリジナルブランドとして販売されている同名商品ですが、製造会社は同じ健栄製薬です。

ソフトという商品名通り、柔らかなテクスチャーで伸びがいいですが、冷えた場所では硬い時があります。

第3類医薬品というだけあってしっかり保護してくれますが、ソフトというだけあって人によってはカバーしきれない面があるかもしれません。

白色ワセリンは他のタイプより商品がたくさんあり、同じ白色ワセリンでも使用感はさまざまですので、まずはミニサイズでパッチテストを行ってみてください。

後述しますが、この白色ワセリンソフトが第3類医薬品でも筆者には合わない使い方がありました。
製造会社を確認すると健栄製薬で、ヒルマイルドという乾燥肌治療薬も販売しているのですが、このクリームタイプは問題ないもののローションタイプは肌荒れして合わなかった経緯があります。
ローションの成分を確認すると、アルコールが含まれていました。
製造会社によって製法や材料はさまざまで、技法が同じだとすれば合わない化粧水やスキンケア品があった場合は、同じ製造会社の商品を避けることも判断材料になるかもしれません。

プロペト ピュアベール(第一三共ヘルスケア)

プロペト ピュアベール(白色ワセリン)

プロペト ピュアベールは、商品パッケージに書かれているキャッチコピー通り、ベタつきが少なく伸びが良いプロペトのワセリンです。

第3類医薬品というだけあって皮膚用薬としても使われており、手足のヒビや皮膚の荒れ、その他皮膚の保護にも適しています。

添加物を一切加えていなく、使いやすさというよりも品質にもこだわったワセリンなので、肌に余分な負担をかけない皮膚保護薬として敏感な肌にも使えます。

見た目としては白ですが、半透明で白く浮き出ることはありません。

筆者は、ある特殊な使い方で、白色ワセリンの中でもこのプロペトの効果に気づき、詳しくは後述します。

気のせいかもしれませんが、第一三共の商品は筆者に合うんですよね。
風邪薬でも塗り薬でも相性は良さそうで、今後も商品を選ぶ際の判断材料になるかもしれません。

ワセリンの基本的な使い方

ワセリンは、皮膚表面をコーティングすることで水分の蒸発を防ぐため、肌の保湿に役立ちます。

顔から身体まで全身に使える保湿剤ですが、基本的にはどのような使い方ができるのでしょうか。

顔のスキンケア

ワセリンは、顔の保湿剤としても使うことができるため、化粧水や乳液でお手入れした後でも乾燥が気になる部分に薄くワセリンを伸ばすことで潤いを閉じ込めます。

特に油分の多いTゾーンは、薄く塗るかあえて塗らないようにすると化粧崩れを防ぎやすくなります。

毛穴が気になる方は、ワセリンを使った毛穴パックとしても使えるそうで、綿棒やラップなどの身近なアイテムで毛穴の黒ずみを軽減することができます。

また、花粉症やインフル・コロナ対策として常用アイテムとなったマスクによる摩擦防止にもなります。

ほお骨や顎辺りなど、マスクの擦れが気になる部分に塗布することで摩擦を軽減できます。

唇のケア(リップケア)

ワセリンは唇のケアにも有効

ワセリンは、皮膚が薄い唇にも使えるため、少量を指にとって薄くなじませることで、薬用リップの代わりにもなります。

また、リップグロスの代わりとして口紅の上に塗ることもできるため、自然なツヤが生まれて口紅が落ちにくくなります。

特に冬の乾燥や皮むけが気になる唇には、寝る前にワセリンを塗った後にラップで覆い、5分ほどリップパックをすると保湿効果が高まります。

近年では、唇専用のリップ型ワセリンも市販されているのでチェックしてみてください。

日焼け後の保湿ケア

日焼けした肌は、水分がどんどん蒸発し乾燥している状態です。

保湿が何よりも大切になってくるため、化粧水や乳液などで肌に水分を与えた後にワセリンで肌をバリアして潤いを逃さないようにしましょう。

お風呂上がりのボディケア

ワセリンは、身体にも使えるのでお風呂上がりに素早く全身に塗ることもできます。

ベタつきが気になる方は全身に塗らなくても、肘や膝、かかとなど乾燥やかさつきが気になる部分などに塗るのもいいでしょう。

冬など特に乾燥する時期には、チューブ型のワセリンをバッグに入れて、ハンドクリーム代わりにするのもおすすめです。

ワセリンでボディケアも

他にもあるワセリンの意外な使い方

基本的な使い方は知っているけれど、こんな使い方もあるという例を集めてみました。

ヘアケア

ワセリンはヘアケアにも使うことができ、髪の毛の保湿や保護にも効果が期待できます。

使い方としては、シャンプー後のタオルドライした髪全体に、少量のワセリンを軽くもみ込むようになじませてからドライヤーで乾かすと、熱風や摩擦によるダメージから髪を守ってくれます。

パサつきのある髪にも、毛先になじませればヘアオイルやワックスなどスタイリング剤の代わりとしても使えます。

また、冬の乾燥時期には静電気を抑えることもできます。

ただし、頭頂部や髪の毛全体につけすぎるとベタつき、ペタンコになるなど手触りもよくないですので気をつけてください。

練り香水

ワセリンを保存容器に移して、好みの香水やエッセンシャルオイルを数滴垂らして混ぜると、自分だけの練り香水を作ることができます。

心地よい香りに癒されながら保湿もできるので、手首や耳の後ろなどに少量をつけたり、香りのよいハンドクリームとして使ったりするのもいいでしょう。

花粉対策

花粉症に悩まされている時は、上記で紹介した練り香水を少量、鼻の入り口に塗る方法もあります。

ワセリンがマスクなどでは防ぎ切れなかった花粉をキャッチし、侵入を防いでくれるので、症状がひどい時は鼻の中に塗るのもよいでしょう。

なお、時間が経てば花粉や埃が付着しているため、帰宅した際は早めにティッシュで拭き取るか、洗顔で落としておくことをおすすめします。

スポーツ時の摩擦防止

ランニングなどジムや野外での運動時に、スポーツウェアが肌とこすれることがありませんか。

特に真新しいウェアは硬く、皮膚とこすれて痛くなるのを防ぐために、襟元や脇下、太ももの内側などにワセリンを薄く塗っておくと、摩擦から肌を守ってくれます。

また、足首や足指の間に塗っておくことで、靴下との擦れやマメができるのを防いでくれる効果もあります。

スポーツ以外でも、新調したスニーカーや革靴を履く時に、かかとや足の回りなどに塗っておくと靴擦れも起きにくいです。

皮膚の保護

ワセリンは前述の通り、皮膚の傷を防いだり保護したりする効果がありますが、傷を作りやすい高齢の方や子供向けだけではありません。

赤ちゃんのおむつによるお尻のかぶれを防いだり、カミソリで髭や産毛を剃る前の皮膚を保護したりするために使えます。

また、指輪が指に食い込んで抜けない時にも使えます。

皮膚の保護については他に、筆者が体験した使い方を次に紹介していますのでご参考ください。

筆者が体験したワセリンの使い方

筆者の使い方になりますが、美容院でカラーリングをしてもらう際に皮膚の保護クリームとしてワセリンを持参して使っています。

きっかけは、業務用のワセリン

美容院が常用する業務用の皮膚保護クリーム(ワセリン)が合わない方もいるようで、筆者も合いませんでした。

カラーリングをした翌日に真っ赤に荒れてしまい、完全に傷跡が消えるまでに数週間かかった経緯があります。

この業務用の保護クリームは「サボニーズスーパープロテクト」というフェイスライン・耳回り用保護クリームです。

担当美容師さんに成分を確認させてもらったところ、無香料・無着色・無防腐剤・アレルギーテスト済みのワセリンとあるものの、気になったのがベヘニルアルコールとミネラルオイルという成分でした。

実は筆者、オイルだけでなくアルコール成分が入っている化粧水なども合わないのです。

白色ワセリンを使ってみた

原因がおおよそ特定できたところで、その後いつも化粧品を購入する店員さんに相談したところ、白色ワセリンがいいとのアドバイスをいただきました。

白色ワセリンソフト(白色ワセリン)

まずは、薬局で購入した「MKM 白色ワセリンソフト」を持参して美容院の担当さんに使ってもらうようにお願いしました。

この白色ワセリンソフトは、マツキヨオリジナルブランド(MKM)として販売されている健栄製薬の商品です。

しかし、美容院の業務用皮膚保護クリームよりは症状が軽いものの、やはり赤く荒れてかさぶたができるほどになってしまいました。

これが、ワセリンを深く調べ、知るきっかけにもなったのです。

次はプロペトを使ってみた

いろいろ調べまくったところ、白色ワセリンの中でも純度の高いプロペトを知り、薬局で「プロペト ピュアベール」を購入し持参してお願いしました。

プロペト ピュアベール(白色ワセリン)

すると、カラーリングした直後には赤みが出たのみで、翌日以降は荒れることがまったくありませんでした。

つまり、同じワセリン製品でも純度や成分によっては効果が違うということになります。

ワセリンについて調べて体験してみた事実に衝撃を受けたことが、記事にした経緯ですが、カラーリングに使う際の皮膚保護クリーム代わりとして使うのは、筆者だけかもしれません。

でももし、美容院でのカラーリングや市販品のヘアカラーをする前に、必要な皮膚の保護クリームを塗った箇所が荒れるという方は、プロペトを使ってみることをおすすめします。

サンホワイトも使ってみた

皮膚の保護クリームとして、プロペトを使うことに定着した筆者ですが、その後、ワセリンの中でも純度の高い「サンホワイト」をオンラインショップで入手したため、試験的にヘアカラー前の保護として担当さんに使ってもらいました。

サンホワイト P-1(ワセリン)

感触としては、本当に塗ったのかと思うほどプロペトよりも粘着性を感じませんでした。

そして、ヘアカラーが終わった後は、プロペトと同じように赤みがあるだけで違和感もありません。

ところが翌日になると、少し痒みがあり、数日後にはかさぶたに近いほど荒れてしまいました。

痛みを伴う痒みは2週間ほど続き、事前に皮膚科で処方をしてもらったロコイドで処置して、その後は赤みを残したまま落ち着きました。

サンホワイトはプロペトよりも純度が高いのに、筆者がサンホワイトを使った結果としてはプロペトよりも荒れやすいということになります。

これにより、今後はプロペトを使ってもらうことにしました。

3種類のワセリンを使ってみて思うこと

上記の体験や試験検証により、ワセリンと人体・体質との相性には個人差があります。

一般的な白色ワセリンよりも純度の高いプロペトは安心であっても、プロペトをさらに精製したワセリン100%のサンホワイトでも荒れてしまうことはありえます。

保険適用ではないものの、医療機関でワセリンとして処方されることの多いサンホワイトが高価であるのにもかかわらずにです。

具体的な違いは、別記事で解説していますが、プロペトとサンホワイトは性質がまったく違うというのがポイントになります。

そのため、ワセリンを使う時には、まずは前腕や肘の裏側など皮膚の薄い箇所でテストしてみることをおすすめします。

ワセリンだけでスキンケアを完結することはできませんが、考えようによっては乾燥対策だけでなく、皮膚の保護にさまざまな使い方ができるはずです。

香水やスタイリング剤、保護クリームなどの代用にもできることを考えると、ワセリン1つあるだけでコストパフォーマンスも高く、ドラッグストアでも手に入れることができるので、常備しておくと便利だといえます。

ただし、ワセリンは角質層に浸透せず、皮膚の表面に留まるのが特徴ですので、スキンケアとしては皮膚から水分が出ていってしまうのを防ぐものとして使うことを頭に入れておきましょう。

ワセリンの成分比較、高品質なプロペト・サンホワイトの違いについて、下記記事で解説していますのでご参考ください。

ワセリンを使う時の注意点

ここまでは、ワセリンの基本的な使い方や他にもある便利な使い方を紹介しましたが、逆にデメリットや注意点はないのでしょうか。

そこで、ワセリンを使う際に注意すべき点も確認しておきましょう。

適度な使用量

ワセリンは、基本的に少量で薄く伸ばして使うことが理想です。

ワセリンの使用量が多すぎると、肌や髪などがベタついて空気中のホコリを吸着してしまうことがあるため、適量を薄く伸ばして使いましょう。

かぶれや発疹などの副作用

前述の通り、黄色ワセリンは純度の低いワクチンであるため、特に敏感肌の方やアトピー肌の方が使用すると肌荒れを起こす場合があります。

できれば、白色ワセリンの中でも医薬品として販売されているものを使うことをおすすめします。

副作用が心配な方は、使用前に腕の内側など顔以外で皮膚が薄くて目立たない箇所に少量を塗って試してください。

もし、赤みが出たりかぶれたりした場合は、使用を避けてください。

雑菌の混入や品質劣化

どの化粧品やスキンケア商品にもいえることですが、ワセリンを塗布する前には手を洗うなど清潔にしておきましょう。

ワセリンは精製して不純物を取り除く加工がされたもので、無添加で防腐剤が入っていない商品もあります。

特にボトル型、ジャー容器のワセリンを不衛生な手で使うと、ボトルの中に雑菌が入り込んでしまうため、スパチュラを使うことをおすすめします。

チューブ型のワセリンを選ぶのも1つの手段ですが、しっかり清潔な手の状態で使い、開封後はできるだけ早く使い切るようにしてください。

ボトル型、ジャー容器のワセリン

保水力や美容成分はない

ワセリンは保湿剤の1つですが、油分でできており、水分を与える働きはありません。

肌に膜を作り蓋となり、水分の蒸発を防ぐことはできますが、ワセリンそのものに保水力はありません。

特に顔のお手入れには、化粧水や乳液などの基本スキンケアを行った上で、最後に薄くワセリンを塗るようにしてください。

また、ワセリンには美白やエイジングなどに効果のある美容成分が入っているわけではありません。

商品によっては、保湿などプラスアルファで美容成分が入っているものもありますが、基本的にワセリンそのものはあくまで油分を補うものです。

それ以上の効果を求める場合には、美容液など他のアイテムを取り入れるようにしましょう。

日焼け止め効果はない

ワセリンは、身体への摩擦や花粉などの刺激から肌を守る効果はありますが、紫外線をカットする効果はありません。

朝のお手入れやアウトドアには、必ず日焼け止めを塗るようにしましょう。

火気に注意

前述の通り、ワセリンの原料は石油です。

つまり、燃えやすいという性質があるといえますので、ワセリンの近くで火を使ったり、喫煙したりすることは避けましょう。

皮膚に異常が現れたら

ワセリンは年齢を問わず肌に優しい製品ですが、薬効成分もなければ抗炎症作用もないため、皮膚炎がある場合は注意が必要です。

例えば、アクネ菌が毛穴の内部で増殖して症状が進行した赤ニキビの場合は、ワセリンの膜で毛穴をふさぐことで、かえって症状を悪化させてしまう恐れがあります。

ニキビが気になる時は、原因や状態によっては逆効果になるので安易な使用は控えた方がよさそうです。

その他

市販のベビーワセリンなど、白色ワセリンの多くは添加物が入っていませんが、添加物が多少入っているものもあります。

赤ちゃんや敏感肌に使用する場合は、添加物が含まれていない無香料・無着色などといった白色ワセリンがおすすめです。

合成香料や合成着色料、パラベンなどの防腐剤はデリケートな肌に刺激を与える可能性があるため、肌の弱い赤ちゃんには注意して使用しましょう。

添加物が多少入っているワセリンには注意

終わりに

肌への刺激や副作用の心配が少ない特徴から、さまざまな用途に使えるワセリン。

ワセリンは、肌に保護膜を作ることで乾燥や刺激から守ってくれ、赤ちゃんから大人まで年代を問わず安心して使うことができます。

ワセリンには分類によって特徴や違いがあるため、選び方に気をつける必要がありますが、さまざまな使い方を知ると特定の商品をそれぞれ使うよりもコストパフォーマンスが高いアイテムともいえます。

保湿剤とはいえ、水分を補う作用がない、UV効果がないなど、先に紹介した注意点を踏まえて、ドラッグストアなど市販でも手軽に購入できるワセリンを、毎日のスキンケアや皮膚の保護に取り入れてみてはいかがでしょうか。

ハンドケア

以下の記事では、ワセリンの成分から高品質なプロペト・サンホワイトの最適な選び方を解説しています。

ワセリンと他の保湿剤との保湿作用による違いも紹介していますので、併せてお読みください。

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